
改訂の巻「秘密の花園」
劇団唐組
駿府城公園 富士見広場(静岡県)
2016/06/18 (土) ~ 2016/06/19 (日)公演終了
満足度★★★★
昭和の匂い、徳川の公園で
唐組の名作「秘密の花園」は、静岡ならではの雰囲気で行われた。徳川家の駿府城という土地の空気、昭和の匂いが濃厚な舞台、平成生まれと思われる若い多くのお客様。42年ぶりという静岡公演は、時空を超えたかのような雰囲気の中、盛大な拍手が鳴りやまなかった。
高校の夏服を着た女の子たちからは、物語が分かんないけど、という笑いも出ていたが、そんなことは関係なさそうだ。昭和のギャグ、音楽、男と女の微妙なトーク。これらを水を浴びるように味わいながら、テントの中は世代を超えた熱量が盛り上がり、一人一人が舞台に向き合うという演劇の原点が鮮明になっていく。
唐組の舞台、次はいつ見られるのか。拍手の大きさには、そんな思いも込められている。

アベベのベ 2016
劇団チャリT企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2016/06/08 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了
満足度★★★★
勉強になった
改憲についてのお話かと思いきや、
それだけではなく、
コンビニの裏事情をたくさん知りました。
たいへんなんですね。
でも、笑っちゃいました。
そして、勉強にも、なりました。
なかなか興味深かったです。

『あの娘のランジェリー』
エマニュエル
Ito・M・Studio(東京都)
2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/06/18 (土)
30度を超える夏日の中、急な坂道を上り、Ito・M・Studioに到着。開場を待つ列は4~5名でしたが、最終的にはギッシリ満席で10分程度遅れて開演。高校バスケ部の遠征合宿の夜、先生、コーチ5名と女子生徒2名が繰り広げる展開は笑いを挟みながらテンポよく進んで行き、観ていて心地がいい。題名にもある「ランジェリー」をめぐる展開は後半。万引き・援助交際・格差社会という現代社会の闇の部分が重くなり過ぎず、上手く展開されていた気がします。個人的には唐突な終わり方だった気もしましたが、その後の展開は客それぞれ違った受け取り方をしながら帰途につけたと思うので、それはそれでよかったと思いました。

ギンノキヲク2
演劇制作体V-NET
TACCS1179(東京都)
2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
やっぱり好きです
Aキャス、Bキャス両方観劇しました!
ラビット番長公演で観てきた「ギンノキヲク」シリーズ。
「2」はDVDでしか観ていなく、母体であるV-NETでの公演という事で楽しみにしてました。
いつもの登場人物をダブルキャスト、クロスキャストで見せてくれて、とても新鮮で、両チーム観られて本当に良かったです!
敬遠しがちなテーマに思えるかも知れないけど、そこは観る人を選ばず楽しませてくれる井保さんの作・演出。そこかしこに笑いが散りばめられているし、心に響く台詞や前向きに生きることの大切さに、終演後は心が温かくなります。
やっぱり「ギンノキヲク」大好きです!!
素敵な時間をありがとうございました!(*^^*)

蛇骸王 -Susanoh No Orochi-
骸骨ストリッパー
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2016/06/18 (土) ~ 2016/06/21 (火)公演終了

平和な時代に生まれて-終わりなき道の標たち-
九十九ジャンクション
小劇場 楽園(東京都)
2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
期待どおりでした
過去2回も見せていただいておりますが、今回も大変まとまったいいお話でした。 脚本も変わりどうかなと思いましたが、テンポよく時間があっという間に過ぎました
今までと違い、途中ナレーション的な場面展開がありましたが、そこはそことしてすんなり溶け込んでいたと思います
次回作も楽しみにしています

ココロコロガシ(26日完売!)
カプセル兵団
ワーサルシアター(東京都)
2016/06/16 (木) ~ 2016/06/26 (日)公演終了
まさか!
と思う程の近さ。首を横に大きく動かさなきゃ全体が見れないから大変。でも、この近さでしかわからないことだってある訳です。
結構いろんなジャンルからネタを引っ張っているので、二次元愛している人には特にオススメ!あのネタこのネタそんなネタ。
必ず声に出して笑います!キャストが近くてドキドキします!武器が怖くてヒュっとします!
とても素敵なので、もう1度観たいです。

呪術音楽劇『犬神』
演劇実験室◎万有引力
座・高円寺1(東京都)
2016/06/10 (金) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

ミュージカル「A Midsummer Night’s Dream」
ミュージカルカンパニー イッツフォーリーズ
あうるすぽっと(東京都)
2016/06/10 (金) ~ 2016/06/14 (火)公演終了
満足度★★★★
妖精たちが…
仕草や話し方やわちゃわちゃ感がめちゃくちゃ可愛すぎ!!
皆さん、歌も芝居も安心して観てられて本当にステキで楽しい時間でした。

蛇骸王 -Susanoh No Orochi-
骸骨ストリッパー
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2016/06/18 (土) ~ 2016/06/21 (火)公演終了
満足度★★★★★
どっかーん!
演技!歌!ダンス!殺陣!アクション!最初から最後まで全力疾走!ってかんじで、終始楽しませていただきました!!
どのキャラクターも個性がいきてて、最高にかわいい!かっこいい!
目も耳も心も満足!ごちうさまでした!!

あゆみ
ペネロペ
アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)
2016/06/17 (金) ~ 2016/06/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1851(16-141)
19:00の回(晴)
18:30受付、開場。
円形の舞台、その周囲に客席(パイプ椅子)、入り口側とその対面にベンチがあり、ランドセル、セーター、ノート、文庫等。天井から色とりどりの細い紙片が垂れ、星形のものが瞬くように揺れている。目を床に向ければ円形の舞台は大きな月にみえる。
18:55前説(60分)..ちょっとカミカミ(・Θ・;)、がんぱろう。19:01開演~20:02終演。
役者さん4人!(女性3+男性1)。4月に観た@学習院大では11人(90分弱)。
4人が演じ分けあうのでベンチ側で待機したり、衣装を変えたり、小道具を手にしたり。そのタイミングさえ心地よく、役者さんたちフレッシュで、観ていて爽やか、気持ちがよく伝わってきました。
薄い紫と緑の衣裳は紫陽花、照明の加減で床が月に見えたり、紙片と星形が宇宙のように・七夕のように感じられたり、シーンの回想やぐるっと駆け回る場面では「時間」「想い出」が動き、湧き上がってくるなど繊細な美術と照明。この世代だからできるんだろうなと思いました。

ギンノキヲク2
演劇制作体V-NET
TACCS1179(東京都)
2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了
満足度★★★★
介護される側する側
ヘルパーのリアルなところがたくさん見えました。実際にあんなに楽しく仕事が出来る施設があるのかなぁ?なんて、思いましたが、ほろりと涙するシーンの後には、必ず笑いがくる。涙だけでは終わらないので、観劇後にはオモタイ気持ちにはなりませんでした。

The Fiend with Twenty Faces 幻燈の獏
ACRAFT
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2016/06/08 (水) ~ 2016/06/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
知識の下準備
満映、李香蘭、甘粕正彦、関東軍、江戸川乱歩、怪人二十面相・・・作品の中の時代背景やモチーフを少しは知っていないと難解になってしまいそうだな、と思った。
個人的にはもともと全て大好物だったし、それなりに知ってて観てたから、とにかく面白くて面白くて、先の展開が早く観たい!でも終わって欲しくない!ずっと観ていたい!!と何度思ったことか。
どの役も物語には必要不可欠で、それぞれの役者さんの技量も素晴らしかった。中でも、八ツ目役の津和野諒さんの怪演ぶりは強烈な印象を残した。ほぼ同じ場面で登場するハナ役の山本光さんも、少女特有の少し芝居がかった言い回しや美しい言葉遣いがよい対比となって、この作品のもう一つの主軸となっていたように思う。
どのキャラクターもとても魅力的だったので、いつか全員スピンオフ、または続編で再会出来ることを期待したい。(勿論再演でも大歓迎です)

『あの娘のランジェリー』
エマニュエル
Ito・M・Studio(東京都)
2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1850(16-140)
18:00の回(晴)
17:31受付、開場。
広間(下手:畳、上手:板の間)、テーブル、座布団、椅子。満席(ちょっと窮屈)。
18:08前説(100分)、懐かしいVan McCoy「The Hustle」~18:14開演~19:54終演。
「作戦会議」は「夏の砂の上(2014/9)」「はじめて憲法を考えるときのように(2014/10)」、3作目。「エマニュエル」は「1995年のサマー・アンセム(2013/5@711)」を観ていました。
説明にあるように「高校バスケ部の遠征合宿」三日目の夜に起こった異変のお話。
妙に軽いのにキャラクターの輪郭が鋭利で、互いのなかなかかみ合わない議論がじわじわと隠れていたものを焙り出すという構成が巧い。
「こらこらっ!! なぜそっちに行く?」という意表を突いた展開がとんでもなく可笑しいけど、起こっていることは深刻。
先生たちのよって立つところの根拠がいかにも先生らしい(体面、自己保身、無難に...)。
100分間、みなさん活きのいい(本気モード全開)演技。

ギンノキヲク2
演劇制作体V-NET
TACCS1179(東京都)
2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了
満足度★★★★
Bチーム観劇
さすがはラビット番長の代表作、安定した出来の良い作品で、最初から最後まで隙もなく楽しんで観劇できました。ただ、個人的にはAチームにしておけば良かったかなぁとの思いも。やっぱ、池田は井保さんで見慣れているからなぁ。でも、楽円の井保さんも見事でした。他のキャストも安心できる良い演技です。やはり、このシリーズは名作で、おススメです。

燃ゆる暗闇にて
文学座
文学座新モリヤビル(東京都)
2016/06/16 (木) ~ 2016/06/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
いつも新しい、いつも刺激的、を体現。
価値観の逆転というか、
善悪の反転というか、
革命の伝染というか、とにもかくにも面白い。
タブーを打ち壊す、というか、ガラスの動物園を破壊しまくるような感覚。
黒い衣裳に身を固めたイグナシオはさながらハムレット。
周りが狂っているのか、自分が狂っているのか?
おもろい。
一般的な幸せ、というものが、何かに目を瞑って、
何かを見ないようにして、何かの真実に触れないようにして維持している物だとしたら、
そこに真実を持ち込むのは善か悪か。
そういう点ではイプセン的でもあるなぁ、と思いました。
平和な日常の中に侵入してくる破壊者。
作中イグナシオも「戦争を起こしにきた」と言ってますが、
その行動は善とも悪とも言い難い、
「見る」という事への欲望と探求心。
「見る」という事がタブー視されている盲学校を舞台に、
登場人物の8割が盲目という中、
語られるのは物理的な見える見えないではなく、
真実を見通す力、のように思われました。
その力を持つイグナシオが、人に与える影響。
それは危険な扇動者か、それとも革命の英雄か。
一度真実へと向かい始めた火は、決して鎮火する事はないのでしょう。
盲学校を舞台にして、
「目を開け、真実は何だ、しっかり見ろ」
そう我々に問いかけるようなお芝居でありました。
すごい戯曲。
俳優陣も、安心の文学座クオリティ。
革命者イグナシオ(越塚学)に、もう少し、身にまとう孤独感、みたいな物が、
また、カルロス(神野崇)に、もう少し脆さ、みたいな物があったら、もっともっと何かが際立ったかしら。
劇中のあのびっくりタイムは、戯曲の指示かしら…
演出だとしたら、少し、演出家の「やってやろう魂」が強く出すぎてたような印象が無いでもない。
面白かったし、好きですけど、
「ならいっそ初めから数分この状態だったら超面白い」
とか思ったりしました。
もっさん、好き勝手言ってごめんなさい。
とても刺激的で面白い舞台でした。こういうのもっと観たいです。
もっと増えてほしい。
あー、こんなヒリヒリした芝居したいなー。

雨夜の月に 石に花咲く
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
元気やエールをもらえるお芝居
SPIRAL MOONさんは銀幕心中に続き,2度目の観劇です。東京から2時間かかるまだどこかに残っていそうな昭和ののどかさと,現代の慌ただしさがちょうど良く組み合わさっていて,魅力的な空間でした。仕事などで壁に当たっている人にはぜひ見てもらいたい,元気やエールをもらえる作品でした。

楽屋 流れ去るものはやがてなつかしき
新宿サニーサイドシアター
こった創作空間(東京都)
2016/06/15 (水) ~ 2016/06/20 (月)公演終了
満足度★★★★
無題1849(16-139)
20:00の回(雨)。
19:45(開演15分前)受付、開場。
当パンを桟敷童子の外山さん(!)から頂き、入って左に客席、「楽屋」と向き合う位置、ペンチシート。
この作品、先月GWにも梅ヶ丘BOXでフェスティバル公演がありひとつ観てきました。
Dチームを観ました。このチームに出ている豊田梓さん、3月にG.com「肉弾@雑遊」の少年役が印象的でした。終演後、お話していると、その前の「穴の中 或は、■の中」では前説をしていたということで、私、声かけていましたヾ(・・;)。

義経千本桜—渡海屋・大物浦—
木ノ下歌舞伎
ハートフルホール(文化会館)(愛知県)
2016/06/18 (土) ~ 2016/06/18 (土)公演終了
満足度★★★★
ぶっ飛んだ内容
「現代風にアレンジした歌舞伎」という事前情報があったので覚悟はしていましたが、予想より遥かにぶっ飛んでました。
幕開けのBGMは千本桜(ボカロ)アレンジ、台詞は「ツイッター」などの現代語がポンポン飛び出し、普通の歌舞伎のイメージで来場したであろうお年寄りは面喰っただろうなと思います。
自分は全く歌舞伎に詳しくないので、これくらい崩したノリのほうが理解しやすかったです。
終盤は動作の一つ一つに時間をかけ過ぎで少々飽きがきましたが、概ね楽しめました。

コペンハーゲン
シス・カンパニー
シアタートラム(東京都)
2016/06/04 (土) ~ 2016/07/03 (日)公演終了
満足度★★★★
終わってみたら小川絵梨子
実在した物理学者、原子力の研究開発に貢献した事で名の知られるハイゼンベルクと、ボーアという両学者の、コペンハーゲンでの会話を劇にしている。物理学の専門用語も若干出てくるが難しいのはその哲学的で隠喩的な言葉遣いのほうだ。ボーアの妻もこの会話や、二人の関係そのものに懐疑的に絡む。
場面はほぼ三つの相、一つはテキストの書かれている時代(現代)に作者を代弁して語っている風に見える相と、戦前のコペンハーゲンでの(「決別」に至る)やり取り、そして戦後その日を回想し対話する、これもコペンハーゲンのボーア宅の場面だ。
1945年原子力爆弾使用までの、それぞれの立場での研究(二人だけではない)のプロセスがある。戦前の場面は、それ以前の師弟・同僚関係から戦争の影もあって一定の離別の期間を挟んで、久々の対面がなされたコペンハーゲンでの場面だが、ある短い言葉のやり取りから「決別」を帰結する。その背後に何があったのか・・これがやがて謎解かれる問いの一つでもある。
この答えを観客が知りたいか知りたくないか・・はとりあえずどうでも良い。思わせぶりで難解な会話、訪問を受ける側のボーアがユダヤ人(つまり亡命している)である事から、やり取りも複雑になる。その探りあいの様を、妻が作家よろしく描写して観客に聞かせ、観客が立ち入る領域は人物の心理に及ぶことにもなる。交わされるやり取りの意味や行方を凝視して追尾する時間は、悪くはない。戯曲が観客の関心を途絶えさせぬよう、しかし簡単に捕まらぬよう、うまく書かれているのだろう。
問題は最後だ。結語は抽象的で、この芝居が描いた二人の対面の「事実」に対する、作者の「解釈」のようなものが語られて終わる。これは無いんじゃないかと思ったりする。
二人の会話じたいが遠まわしで抽象的であるなら、その謎解きの回答は何らかの「行為」でなければならんのではないか、と素朴に思う。比喩的・抽象的・思わせぶりな言葉(行為)は、より直接的・具体的・感情に基づく行為を相対させることで謎解かれ、両方(抽象と具体)を順繰りに行き来する流れで芝居を観ていたら、最後に抽象が来て、それに対する具体性の提示を省略して幕を閉じた、という感じ。異化効果などという大仰な感じでもない。
小川絵梨子演出はそれほど観てはいないが、余韻を引きそうなラストを「断つ」という印象が何となくあり、今回も意図して淡白にしたのかも知れない。小編をうまく処理した、という感じだ。感動させるつもりはない、一定時間、注目させられれば良い、という。 ・・別に恨みは無いが、「クリプトグラム」「OPUS作品」への好評価が、その後私の観た三作で遠のいた感を言葉にすればそんな感じである。
ロングランの序盤、芝居はまだ硬いように見受け、こなれてくれば台詞も身体化し、私の不満も解消されて行くかも知れない・・・とは思った。(二度は観れないが・・)