最新の観てきた!クチコミ一覧

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アイドルスター☆トール!

アイドルスター☆トール!

関村と浅野

スタジオ空洞(東京都)

2016/07/01 (金) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

満足度★★★★

りんご220個
面白い。50分。

ネタバレBOX

35歳でアイドルスターになったトール(佐藤達)。ライブをやってもファン一人という体たらくで、マネージャーの関村(関村俊介)もあんまヤル気なく、ついに卒業となる。唯一と言っていいファンの渡辺(渡辺裕也)は、妻がいながらトールの旅に着いていこうと思い立つが…。

ゆるくて愉快な芝居。1800円、50分にマッチした気軽さが魅力。しじみ関係の仕事をしてて友達いない(けど奥さんはいる)渡辺さんが、いちいちかわいい。素朴な喜怒哀楽なとことか。
傍目にはキモい、中年男子の演劇だけど、いい雰囲気が作られてて満足した。
五右衛門

五右衛門

劇団そとばこまち

近鉄アート館(大阪府)

2016/07/01 (金) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

石川五右衛門からのぶなが
タイムリーなタイトル、五右衛門は我が子を両腕に掲げて釜茹でにされた。史実はわかりませんがそれから太閤秀吉は嫌いになりました。五右衛門に盗んで欲しかった、盗まれようが盗まれまいがこれから悲惨な目に合う。
最初から最後まで素晴らしいの一言に尽きます。
殺陣の速さ、役者さんは傷だらけでは、本気の刀さばきを見た気がします、「当たれば痛いだろうなあ」 すみません。
歴史あり、ストーリーあり、笑いあり、スピードあり、最初から最後まで素晴らしい。タイムマシンあり、驚きのあまり歴女を忘れるところでした。
ダンスには自身の心臓パンクしそうでした、何でもあんなに早く動けるのだろう。追加公演で私に時間を下さり有難う御座います。のぶなが楽しみです。

神軍ラッパは響かない

神軍ラッパは響かない

獏天

Geki地下Liberty(東京都)

2016/06/29 (水) ~ 2016/07/06 (水)公演終了

満足度★★★

戦中編
日本兵と日系米兵の二人芝居。

山下さんは出ずっぱりで極限状態を表現されてました。

梓巫女C子の無謀な賭け

梓巫女C子の無謀な賭け

アカルスタジオ

アカルスタジオ(大阪府)

2016/07/01 (金) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

無謀な賭け
少しだけ存じよりの方が出演されていますので観劇しました。満席状態とのこと、キャンセル待ちでギリギリ滑り込めました。
演者も観客も汗だく、外は夏日カンカン照りで仕方がないでしょうが。
舞台の大鏡ビックリしました。鏡が移動するたびに奥行きが広がり見慣れた自身も映し出され、少し恥ずかしかった。
ここに書かれた説明文に夏の暑さも吹っ飛んでいましたが、演者さんの汗が目に入り鏡の動きと共に役者さんの演技に釘付けにされました。
壁に貼られたコメント、納得できるものもあり感心しました。
ちえみさん、やんちょさん、しゃくたさんいい男楽しみです。

第16回公演『大人』

第16回公演『大人』

劇団天然ポリエステル

中野スタジオあくとれ(東京都)

2016/06/30 (木) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

満足度★★★★

パワフル!
劇団の内情を暴露する内輪話...のような気もするが、この芝居の魅力は圧倒的なパワーで観(魅)せること。劇団「寂し部」、小さな売れない貧乏小劇団であり、そこに巣食う個性豊かな人々...。舞台中央には、長テーブルと椅子3脚。そこに「書かざる者、飲むべからず!」という張り紙が...。もちろん劇中シーンを意識していることは明白である。
(上演時間1時間40分)

ネタバレBOX

舞台セットは、どう表現するか困るような散らかり方。この劇団「寂し部」の事務所であろうことは容易に想像できるが、先に記したテーブル以外に主だった道具は、上手にソファー、下手に冷蔵庫や障子衝立がある。それ以外が小物、過去公演ポスターなどが乱雑に配置されているようだが...。実は劇中でさらにメチャクチャにするが、その意味では計算した配置であろう。

梗概、劇団「寂し部」と劇団「ピリオド」の時代を超え、次元も異なるヒューマンドラマか。
伝説の劇団「ピリオド」の未完の台本と、それを大事に持っている同劇団の看板女優・明里(碧さやかサン)が、劇団「寂し部」へ迷い込む。「ピリオド」では、七夕を題材にロマンチックな芝居を上演する予定であった。しかし思うように筆が進まない。そのうち劇団内での恋愛話が拗れて...。そして迷い込んだ女優・明里の正体とは...。

典型的なドタバタコメディであるが、そこは緻密かつパワーで物語を大いに盛り上げ、自称ガラクタ集団という「寂し部」がいつの間にか「癒し部」になったようでホッコリする。書けない理屈派の「ピリオド」脚本家・雲居秋人(萬谷法英サン)と、書きたくない無頼(天才)肌の「寂し部」脚本家・柳映見(やんえみ サン)の競作場面が面白い。制作の苦労が滲み出ているが、そのマイナー思考とも思える場面を簡単に乗り越え、観ている人に元気を与える。その観(魅)せる工夫が、事務所内(パソコンの投棄、水噴射など)をメチャクチャにすることで、劇中シーンと観客の鬱憤を晴らすような...そんなシンクロを感じる。

演劇ってなんだ、という崇高なテーマが根底にあるようだが...。
いずれにしても役者の演技?力は観応えがあった。

次回公演も楽しみにしております。
CALL AT の見える桟橋

CALL AT の見える桟橋

メガバックスコレクション

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2016/07/01 (金) ~ 2016/07/09 (土)公演終了

満足度★★★★

CALL ATの見える桟橋
劇場に入った瞬間「え?ここはどこ?」前回と同じ会場なのに全く違う作りになっていました!そこで開演前から蠢く怪しいモンスター(?)たち。凝ったメイクでもはや誰なのか分かりません。当日チラシをよく読むとモンスターたちのサービスが分かりますよ!「HOTEL CALL AT」を観たことの無い私でも十分楽しめました。
劇場の運営、管理がどうなっているのか分かりませんが、トイレの洗面台はきれいにした方が良いと思います。

ネタバレBOX

確か年代が1890年と言うことになっていましたが、歴史に(も)疎い私はこの時代にトラックって走っていたんだっけ?人口呼吸器なんてあったんだっけ?なんて考えてしまいました。「HOTEL CALL AT」ができる前の話と言うことでしたが、桟橋から「HOTEL CALL AT」になった理由は「HOTEL CALL AT」の中で語られているのでしょうか?
五右衛門

五右衛門

劇団そとばこまち

近鉄アート館(大阪府)

2016/07/01 (金) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

約30人の華やかな競演!キメポーズかカッコいい!
劇団そとばこまちのエンターテイメント時代劇シリーズは初観劇♪

竹村晋太郎さん(壱劇屋)五右衛門!
熱い演技、アッパレ!
ダンサーを交えた約30人のキャストの華やかなオープニング!
キメのポーズがカッコ良かった!
舞台狭しと縦横無尽に駆け抜ける役者陣、ベテランから若手までのパワフルな演技!
近鉄アート館での最前線は熱量が強すぎる…(^^;;

全体的にダンス、殺陣などを盛り込み笑いあり、涙ありのお芝居で楽しませてくれました^_^
納得のダブルコール!

PS:主役なのにカーテンコールでは客演なので控えめな竹村さんは渋すぎる

金曜はダメよ♥

金曜はダメよ♥

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2016/06/29 (水) ~ 2016/07/04 (月)公演終了

満足度

がっかり
やたらに話をつめこみすぎて、劇団のオナニーを見せられた気分。
久々に「金返せ」って思ったレベルの舞台。
特に的矢役の「私ってうまいでしょ」的な演技が鼻についた。

リピートはありえない駄作。

金曜はダメよ♥

金曜はダメよ♥

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2016/06/29 (水) ~ 2016/07/04 (月)公演終了

満足度★★★★

コンペ勝てたかな
とても面白かったです。
途中、あまりに理不尽で、いらっとしましたけど、
桜井さんの一言ですかっとしました。
脚本コンペ、勝てるといいですな。

おしむらくは落ちが…
柔らかくて優しくてよいのですが、
ふわっとしすぎてしまって、いつ拍手してよいやら考えてしまいました。

ネタバレBOX

脚本の中の人々と、現実世界の人々
っていう設定、流行ってるのかな?
私もつい先日、そういう舞台に立ってました(;^_^A

それはさておき。

必死に自分たちの存在を守ろうとするキャラクターたち。
自分が生んだキャラクターを活かしたい脚本家たち。
そして、自らの思惑を前に出せないプロデューサーと、理不尽な注文をつける『先方』と呼ばれる出資者。

要望に向き合う前にできないって言うな!とか、
映画はあんた一人のものじゃない、観客のものだ!とか、
うろ覚えですみません。
桜井さんのフレーズが、いちいち刺さりました。
かっこよかったです!
五右衛門

五右衛門

劇団そとばこまち

近鉄アート館(大阪府)

2016/07/01 (金) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

衣装、殺陣、ダンス、どれも最高。
5度目の夏祭り、楽しめました。
11月にある『のぶなが』も、必ず観に行きたい。

CALL AT の見える桟橋

CALL AT の見える桟橋

メガバックスコレクション

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2016/07/01 (金) ~ 2016/07/09 (土)公演終了

満足度★★★★

もう一度観たい
ストーリーの展開も役者さんの演技力も素晴らしくいい2時間を過ごさせてもらいました。メガバックスのお芝居はなにか不思議な世界に連れ込まれて行きます。もう一度観たいお芝居です。

デフォルトいまって危機的状況じゃね?

デフォルトいまって危機的状況じゃね?

G-フォレスタ

神戸アートビレッジセンター(兵庫県)

2016/06/24 (金) ~ 2016/06/26 (日)公演終了

満足度★★★★

「デフォルトいまって危機的状況じゃね?」どこにでも居る家族が戦争と向き合うマルチエンディング!
「デフォルトいまって危機的状況じゃね?」を観てきた!
どこにでも居る家族が戦争と向き合うマルチエンディング!
昨年は震災を扱った物語でしたが、今回は最近流行りの?マルチエンディングで、忍び寄る戦争の恐怖にノーと言える意思と、選択できる自由についてのお話!
中途半端な人間だけど、どこか抜けてる家族だけれど、どこか別の国のお話だけど、戦争に向かおうとする世界とどう向き合うのか…?

選択次第でバッドエンディングも…。
私たちはラッキー、ハッピーエンディング。
そして初回特典、もう一つのエンディングも拝見する事が出来ました♪
面白かったー!

CALL AT の見える桟橋

CALL AT の見える桟橋

メガバックスコレクション

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2016/07/01 (金) ~ 2016/07/09 (土)公演終了

満足度★★★★★

観てきました
前回のaquaがよかったのですが、やはり舞台美術が素敵

キリマンジャロ伊藤さんがかっこいい

座席がゆったりしていて嬉しい

熱い舞台ですが、涼しく観られますよ

CRANK UP

CRANK UP

PLAN N

シアター風姿花伝(東京都)

2016/06/29 (水) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

満足度

酷い
見ていて恥ずかしくなってしまった。高校生に毛が生えた程度のクオリティ。
実際に学生の発表会であれば微笑ましく見れたかもしれないが3500円となると…。

ネタバレBOX

脚本には矛盾が多く、演出も一貫性がなく雑。
例えば新崎の撮影シーン。新崎が大袈裟な演技をするところが面白味であり話の中心だが、何故かこのシーンのみ谷本が棒読みの演技を始める。
また日向の演技も非常に拙く(これは役者の力量の問題だろうが)、新崎だけが責められていることに違和感が残る。
ドラマを作りたいのであればコメディ部分も筋を通さなければいけない。思い付きでつけられたかのような浮いた場面が散見される。
役者の演技も「面白げ」に喋ろうとわざとらしい抑揚をつけ内容が一切伝わらず、感情的になるシーンも「良い台詞風」に喋ろうとしているためリアリティのかけらもない。感情的になっている自分によっているかのようだ。
BGMも統一感がなく、転換が雑。またここまで暗転の多い舞台は久々に見たがこれは演出家の能力の問題ではないだろうか。
終盤の繰り返しのシーンも冗長。百瀬が死んだところで盛り上げるつもりが、「もうわかったから」という心の中の突っ込みで冷えていく。
百瀬、起きないでくれと半ば祈るような気持ちで見ていたがやはり奇跡の復活。
「大事なのは次のカット」と言っていた彼らの決意は何処に行くのだろうか。

細かいことは気にせず雰囲気を楽しんでくれ、という作品か?
メッセージ性も非常に表面的な台詞通りのものしかない。また話はそれるがキャバクラで働き生活費を稼ぐ女優を頭ごなしに否定するシーンは理解に苦しむ。短い時間で高額の時給を稼げる仕事を選び、女優業により多くの時間を割く判断は一つの考えとして真っ向から否定出来る物ではない。そしてそこで仲違いしたかのように見えた二人は特に解決することなくラストを迎える。

好みではないという以前に真面目に本気で取り組んだ結果出来上がったものと思えず厳しい言葉が続いてしまった。
そして突っ込み所の多い作品の方がある種記憶に残るのだなと気づく。

終演後、ほとんどの観客が役者との面会のため劇場に残っていた。
関係者へ向けた発表会か。
このような厳しい目の届かない閉鎖的な環境でクオリティをあげていくのはかなり難しいだろうが、やるのであれば一般の観客に届くよう頑張ってほしい。
金曜はダメよ♥

金曜はダメよ♥

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2016/06/29 (水) ~ 2016/07/04 (月)公演終了

満足度★★★★★

無題1864(16-154)
19:30の回(曇)

18:30受付(整理券あり)、19:00開場。

19:25前説(不気味なアナウンス)、19:30開演~21:10終演。

舞台中央に大きなテーブル、周りに椅子、それだけ。

「説明」にある[おかしくて怖くない]に偽りナシ。

前作もそうでしたが、意表を突いたシチュエーション(!!)と常に前向きなお話。

登場人物15名が並ぶフィナーレは見ごたえあり。

これからゆっくりと「トツゲキ日和」を読んでゆこう。

CALL AT の見える桟橋

CALL AT の見える桟橋

メガバックスコレクション

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2016/07/01 (金) ~ 2016/07/09 (土)公演終了

満足度★★★★★

贅沢な2時間
会場内に入ったら、そこは不気味な地下牢…かと思ったら、物語が始まったら、別のものであることが判明。随所に笑いを取りながら、人情味のある話が展開。ホテルCALL ATも、もう1度見たくなった。

逆光、影見えず

逆光、影見えず

MCR

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2016/06/24 (金) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

満足度★★★★

オサム
主宰で作・演出の櫻井智也さんは20代の頃太宰作品にのめり込んだという。
その正面切って向き合う姿勢が存分に台詞に表れている。
もうすぐ死ぬからって、美しい過去ばかり出て来るわけじゃない、
っていうところがいい。
櫻井さん演じる医師のいい加減さが最高!

ネタバレBOX

ひとりの男が余命宣告されて、否応なしに自分の人生を振り返る。
時代を逆行して過去の出来事が再現されるのだが、
高校時代の彼が鼻持ちならないナルシストだったり、
友人の妻と付き合っていたことがあったりと、
ヤな奴の延長線上に現在があることが分かる。

死を前にした人間に対する周囲の戸惑いと、
「だけど生きてるうちにこれだけは言っておきたい」的な完結願望で
妻も友人たちも彼を囲んでぐるぐる周る。

妥協しないで正面から向き合うと、他者との会話はこうなっていくのだと見せてくれる。
私たちが日ごろ、人間関係の亀裂を怖れて回避していることをずんずんやらかしてくれる。
理屈を手放すことなく、幾重にも重ねてめんどくさい会話になっていくところが面白い。
これこそが“櫻井コミュニケーション”だと思う。

過去のオサムを演じた小野ゆたかさんの振り切れた芝居が面白かった。
堀靖明さんの眉根を寄せた顔と繰り出す台詞が好き。
櫻井智也さんは、お堅い職業ほどその人の本音をえぐり出すので、医師は最高!

欠陥人間に寄せる愛情と悲哀がないまぜになっているところ、
太宰とMCRの相性の良さを発見して嬉しくなった。


CALL AT の見える桟橋

CALL AT の見える桟橋

メガバックスコレクション

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2016/07/01 (金) ~ 2016/07/09 (土)公演終了

満足度★★★★★

Bチーム
チケットもらって、振り返れば、もう、物語の世界が広がっている。
開演前から、ステージに佇む登場人物(?)が、ミステリアスな世界に、
誘っていた。メガバ風味が効いた、ハートフル作品。切なくも、勇気がもらえる、とても、とても、素敵な物語でした。
あ~!もう!メガバの作品って、クセになるなぁ~。もう一回、見よ~う!っと。

ネタバレBOX

この世とあの世の狭間、次第に明かされる謎と嘘の真意に、心に迫る温かさを味わわせてもらいました。

ラスク(滝さん)、ライア(小早川千恵子さん)の距離感の縮む感が、絶妙で秀逸。
ライアが、とても魅惑的。ちょっと、意地張る感や、女らしさも絶妙で、ラスク(滝さん)との掛け合いも最高でした。

童話作家を夢見る、スキーニ(久下綾香さん)の、純真さと不思議ちゃん感も、良かった。

ビスケ(鈴木ゆんさん)、クッキー(奈良勇治さん)、この世の物ではない感が、凄く効いていた。なんだか怖そうで、でもなんだか可愛いような不思議さと、不気味さ(もちろん、誉め言葉です)で、狭間の世界観を色濃くしていて、とても良かったです。
ルドベルの両翼

ルドベルの両翼

おぼんろ

BASEMENT MONSTAR王子(東京都)

2016/06/28 (火) ~ 2016/07/06 (水)公演終了

満足度★★★★★

美しく、幸せな時間の流れる舞台
 ほの暗い階段を下りきって、目の前に広がるのは、洞窟の胎内に抱かれたような、「サーカステントの夜」という言葉が、ふと頭を掠めるような空間。「ああ、おぼんろの空間だな」と思える世界。

 「想像して下さい」
 末原拓馬さんのこの言葉から、おぼんろの物語りはいつも紡がれ始める。

 目を閉じて、拓馬さんの声に導かれるがままに瞼の裏に広がったのは、夜露に濡れてひんやりと湿った草が足の裏を擽り、仄かに金色を帯びた蒼白い月の光が天空から、まっすぐに私に伸びる夏の夜の森。

 温かな月の光に包まれながら、目の前に、透明な銀色に菫の紫と夜の蒼を垂らして、マーブル模様にしたような美しい物語葉がゆらゆらと揺れ、梔子(くちなし)の甘い香りが微かに燻る(くゆる)風が頬を、髪を撫でて吹き過ぎる静かな夜の森に、1人佇む私の姿が浮かび上がる。

 パチンとシャボン玉が弾けるようなクラップの音にそっと目を開けると、其処は<br>おぼんろの語り部たちが紡ぐ『ルドベルの両翼』の世界だった。

 人と恋をし、神様の怒りに触れたルドベルは、両の翼をもがれ、痛みにのたうち回るその目の前で、恋人を八つ裂きにされ、重い世界を背負わされ後悔と永久に続く苦しみをも背負わされ続ける。

 呪われた地ルドベルに生まれた民は貧しく、翼のない者が住み、地上は荒れ果て住むことが出来ず、無限に入り組む地下洞に住み、神に愛されたビルゴンドの地に住む翼を持った民は豊かに暮らし、ルドベルとビルゴンドの狭間の地は、様々な存在が生きたり、死んだりしている。

 『ルドベルの両翼』は、ルドベルとビルゴンド、狭間の世界の物語。

 「いつもとはひと味違うおぼんろの舞台」と末原拓馬さんが言っていた通り、おぼんろの色彩(いろ)でありながらも、いつもとは違う物語が紡がれていた。

 おぼんろの、末原拓馬さんの描く物語りは、いつも切なく、胸に染み通る美しさと仄かな温かさを秘め、一見悲しく見える結末も、よくよく思い返せばある種のハッピーエンドと言えるものではないかという物語の結末なのだが、『ルドベルの両翼』は、清々しいまでに、ハッピーエンドなのが、いつものおぼんろとひと味違うところ。

 高橋倫平さんのリンリが、純粋でお人好しで、かわいい。昨年の胸を引き裂くような孤独と悲しみを背負ったゴベリンドンとは180度違う印象で、いつもなら、拓馬さんが演じるタイプの役なのだが、そこもいつものおぼんろと違うところ。

 ひたすらにタクムを信じ、ジュンジュを信じ、タクムを助けようとするリンリの純粋でまっすぐな人の好さが健気で、ほうっと温かく胸を打った。

 さひがし ジュンペイさんのジュンジュも、『ゴベリンドン』のザビーとは、これまた180度違う、途中、ちょっとだけタクムを利用しようとする所もあるのだが、結局は、タクムを守ろうとし、いつもリンリを守ろうとする温かさがある。

 わかばやし めぐみさんの水の民は、口ではきつく、厳しい事を言いつつも、何処かで、純粋でまっすぐで、嫌と言えないリンリを歯痒く思いながらも気にかけている、心のなかに優しさの欠片をちゃんと持っている。

 藤井としもりさんのトシモルは、タクムの下僕と言いつつも、何処か兄のように、自分の身を犠牲にし、双子の兄の身代わりになってでも、兄を守ろうとするタクムを誰よりも思い守ろうとする姿に胸が熱くなる。

 末原拓馬さんのタクムは、純粋でまっすぐなのは、リンリンと似ているのだけが、『ゴベリンドン』の切ないくらい天真爛漫なタクマと比べると、毅然とした大人っぽさのある無垢さを感じた。

 人を愛したが故に、神の怒りを買い、両翼をもがれたルドベル、大切な兄を守ろうと自らの両翼を切り取ったタクムこそが、もしかしたら互いの半身だったのではないだろうかと思った。それは、鏡に映したもう1人の自分なのではなかったろうか。

 なぜ、人を愛したことが神の怒りを買ったのだろうか?

 カトリックの幼稚園に通っていた私は、神は愛を説いた人、愛を説き、奇跡を起こしたが故に、それを良しとしない者に迫害され、磔刑に処せられたというイメージがある。

 ルドベルの両翼をもぎ取った神は、かつてイエスを磔にした神という名を騙った迫害者だったのではとすら思ってしまう。

 人が人を愛することは尊い。

 けれど、この頃思うのは、愛する者のために、自らの命を差し出し、自らの命を犠牲にするのが愛ではなくて、愛とは、愛するとは、何があっても、どんな状況であっても、心から愛する、心から大切に思う者と共に生きること、命尽きるその日まで、共に生き抜くことが、愛なのだと。

 『ルドベルの両翼』を観ながら、いろんな思いが全身を駆け巡り、胸に去来し、思考と感情が凄い勢いで回転し、押し寄せて、泣いたり、笑ったり。

 ぽろぽろと涙が溢れる場面はあるのだけれど、物語の結末がとても幸せで、「ああ、良かった~!」そう思えて、観終わった後に、温かな優しさと幸せな気持ちが胸に留まる、 美しく、幸せな物語が紡がれた舞台だった。

                       文:麻美 雪

梓巫女C子の無謀な賭け

梓巫女C子の無謀な賭け

アカルスタジオ

アカルスタジオ(大阪府)

2016/07/01 (金) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

満足度★★★

題名は秀逸だと思います
興味をそそられる題名は秀逸だと思います。鏡を使ったパフォーマンスも新鮮でした。役者さんたちはとっても頑張っていました。ただ、内容は正直言って面白くなかったです。「観てきた!」コメントの少なさが、この印象を裏付けているのでは?

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