最新の観てきた!クチコミ一覧

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泪橋ディンドンバンド

泪橋ディンドンバンド

ルビーパレード

博品館劇場(東京都)

2016/08/10 (水) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

ださカッコイイ
下町の義理人情にあふれたださカッコよくて楽しいステージでした。ストーリー的にはエピソードがもう1つあると満腹になったんだけどな。ちょっと短い分は楽しいアフタートークでカバー。

グッズ売り場の熱気が凄いこと!

かぜのゆくえ

かぜのゆくえ

ナイスコンプレックス

ザ・ポケット(東京都)

2016/08/10 (水) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

心温まる舞台でしたよ。。
数十年後の東日本大震災の被災者と○○な青年とが織りなすこころ温まる舞台で、気持ち良く観れた。
人々を哀しく描く訳ではなく、心の奥にある○○を解きほどいていく物語であり、人の心に焦点を当てた独創的な舞台であった。
そして、演じる役者陣の立ち振る舞いが素晴らしく、まだ舞台2日目(2回目)にも関わらず、完成度の高さには驚いた!
また次回も観に行こうと思った劇団さんでした。
個人的には8ヶ月ぶりの舞台となる池田恵子さんを観るための観劇であったが、やはり彼女の舞台でのポテンシャルの高さに満足した。
とにかく、観に行って良かったと思わせる舞台ですよ^o^

ブラック祭2016

ブラック祭2016

メガバックスコレクション

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2016/08/11 (木) ~ 2016/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★

全員邪鬼
作品冒頭に緊張感が感じられず、あれ?と思ったが
その後の“人間の本性”が露呈していく様はさすが。
パターンといい、キャラの設定といい、そのバリエーションの豊かさが
面白かった。
終盤BGMに台詞がかき消されて肝心なところが聞こえなかったのが残念。

ネタバレBOX

舞台上手に簡素なベッド、下手にソファとテーブル、椅子が2~3脚。
正面には重厚な扉。

明転するとすでに4人がそこにいる。
何者かに拉致されて来た日本人4人、誰もその理由を知らず敵の正体も不明。
上から目線の嫌味なビジネスマン藤崎(井上正樹)、
藤崎に嫌悪感むき出しで突っかかっていく坂本(福永樹)、
状況を把握しようと情報収集に懸命な研修医松田(さかもとあかね)、
皆の間に入って必死に穏やかに収めようとする荒井(石澤友規)、
そしてもう1人、全てを知り尽くしているかのように落ち着き払った女
まりか(青地萌)が入ってくる。

「みんなでここを出よう」と呼びかけるのもつかの間
ドアの隙間から落とされる手紙に翻弄され
彼らは生き延びるために、誰かを殺さなければならなくなる…。

パニック物のキモは「極限における人間の本性」だ。
その本性が露呈していくプロセスをさらに面白くするのがキャラの設定だが、
ひねくれ者が意外に純情だったり、正義派がもろくも崩れたりと
そのあたりの変化を劇的に見せるのは相変わらず巧い。

残念だったのは終盤肝心なところで台詞が聞き取れなかったこと。
初日のせいか、若干台詞を噛んでいたこと。
父親の手紙が読まれるところが解りにくかったこと…これは私だけかな?
傷口を縫合するシーンのリアルな感じはさすがメガバと思った。
アリスインデッドリースクール・パラドックス

アリスインデッドリースクール・パラドックス

アリスインプロジェクト

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2016/08/11 (木) ~ 2016/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かったが…
芝居ぜんたいは、面白かった。
しかしながら、お笑いライブを観に行ったわけではないので、漫才部分をとやかく言う必要はないのだが、前作の栞菜、船岡コンビが出来過ぎなくらい素晴らしかったので、とうしても比べてしまい霞んでみえるのは致し方ない。

15 Minutes Made Volume14

15 Minutes Made Volume14

Mrs.fictions

インディペンデントシアターOji(東京都)

2016/08/10 (水) ~ 2016/08/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

それぞれ
面白かったです。

ネタバレBOX

キ上の空論 『日々が黒くなるその前に…って』  およそ10年振りに地元に帰ってきて幼馴染に会った話かなと思ったら、妹から恋愛感情を抱かれ自分もその気になるのを恐れて逃げ出した男が婚約者とともに明日の結婚式のため実家に帰ってきたというもの。

ぬいぐるみハンター 『みゆき』  みゆきの怒涛の半生記。

日本のラジオ 『ハーバート』  死んだ妻を生き返らせたオカルト系研究者の話。

かわいいコンビニ店員飯田さん 『虹はどしゃぶりの雨で咲く』  浮気の言い訳をする男、実は子供を作るのが目的のゲイカップルの話。

キュイ 『前世でも来世でも君は僕のことが嫌』  公園でホームレスを痛めつけたりする、言ってみればポケモンGOが配信される前の公演の様子でしょうか。

Mrs.fictions 『上手も下手もないけれど』  ひょんなことから楽屋が一緒になった男優と女優の何十年にも亘る愛情を描いた話。

ほっこり度一番で、素敵な『楽屋』でした。
ブラック祭2016

ブラック祭2016

メガバックスコレクション

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2016/08/11 (木) ~ 2016/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★

内側の怖さ
【五邪鬼編】を観劇。前回見た人の感想がかなり怖かったとあったので、覚悟して見たのだが、思ったほど怖くなくきちんと見れて良かった。残酷シーンを観客側に見せないように配慮した為か。初回だからなのか音楽が大きすぎて台詞が聞こえない、役者さん同士の台詞がかぶるなど少し聞き取りずらい点もあったが、 【七鬼神編】 、 【RS】も見たいなぁと思い公式HPを見てみると・・・・
【RS】パターンありすぎ!どれにしようか迷ってしまうではないですか。
なんとも観客泣かせな(嬉し泣き)メガバです。

麦とクシャミ

麦とクシャミ

ホエイ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/08/06 (土) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

ユニークな仕掛けもあった、115分
郵便局員同士の会話から始まり、やがて、ゆれる表現とか、溶岩をモチーフ(?)としたものが投げたり、ふわふわな火山をモチーフとした小道具が登場したりして、今までなかった、山田百次さんの脚本とアイデアの進化が見えて、最後にはサイダーを飲む姿は、いまいち、でも、ユニークな仕掛けもあった、115分でした。

庚申待の夜に

庚申待の夜に

風雷紡

小劇場 楽園(東京都)

2016/08/10 (水) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★

重い話だ!
庚申待の夜、あまりにも厳しい。鉱毒被害と強制破壊ですでに廃村に等しい谷中村。何か、原発の福島の悲惨さとつながる。演劇の1つの表現形態。まだ初心者の私には、重すぎる話であった。

彼は波の音がする 彼女は雨の音がする

彼は波の音がする 彼女は雨の音がする

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2016/07/30 (土) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★

2作品観る
この頃のキャラメルボックスは少しレベルが落ちた。特に役者ではなく脚本にである。無伴奏ソナタの感動はどこに行ったのか?
しかも今回は2作品観る価値はない。1作品で十分。しかも高い。
後、公演終了後がダラダラしすぎ。

ブラック祭2016

ブラック祭2016

メガバックスコレクション

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2016/08/11 (木) ~ 2016/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

五邪鬼編
2度目なので、余裕で見れると思ったが、やはり引き込まれ、展開にドキドキでした。後半、物語が変わった?と思ったら、、、勘違い?
役者さんが変わると、かなり印象も違い、初観劇のように、楽しめた。
2度目の方も、堪能できますね。
RS編にも、期待です。

ネタバレBOX

天井から、まさか、落ちてくるとは!!!!!
あー、ビックリ!!!した。

15 Minutes Made Volume14

15 Minutes Made Volume14

Mrs.fictions

インディペンデントシアターOji(東京都)

2016/08/10 (水) ~ 2016/08/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

15分の演劇。15分って想像していたよりも表現できる
15分の演劇。15分って想像していたよりも表現できるのですね。驚きました。初日ということで、みんなでこの公演の誕生日をお祝いする会が芝居の後に開催されたんですが、そこで、岡野康弘さんが「15分の芝居の稽古は実は60分のお芝居と同じくらい時間かかってしまうんですよ。15分のお芝居の時は、通し稽古を何度もできちゃうので力は行ってしまいます」というお話をしてくださいました。とにかく6つの団体が力を入れて準備した「自分たちの名刺代わりとなるような作品」をぶつけていました。

http://kojisato515.hatenablog.com/entry/2016/08/11/141708

ネタバレBOX

参加団体詳細と観劇の感想

キ上の空論

2013年12月旗揚げ。リジッター企画の中島庸介がひとりで勝手にやってる別ユニット。リジッター企画では『なさそうでありそうな非日常』を描くのに対し、キ上の空論では、言葉遊びや韻踏み、擬音の羅列や呼吸の強弱など、会話から不意に生まれる特有のリズム〈音楽的言語〉を手法に『ありそうでなさそうな日常』を綴る。

作品名:日々が黒くなるその前に…って
作・演出:中島庸介
出演:竹川絵美夏、富田喜助(第27班)、池田萌子

10年ぶりに突然帰ってきた兄と妹が話をしている。兄は明日結婚する。兄と妹の関係がいろいろと明らかになって行くのだけど、ジワジワと面白い感じになっていく。まさにありえそうでなさそうな日常でした。富田喜助さんの存在感が何とも言えなくいい。



ぬいぐるみハンター
池亀三太主宰の劇団。オリジナルティ溢れる独自の世界観の中で、確かにそこで生活する人々の切実な生き様を笑いと哀愁を交えて爽快に、ときに間抜けに描く。欠陥だらけの個性的な登場人物が織りなすポップな人間賛歌を追求中。佐藤佐吉賞2015において最優秀作品賞はじめ7部門受賞。

作品名:みゆき
作・演出:池亀三太
出演:松本みゆき、生駒元輝、榎本純、北尾誠(MICOSHI COMPLEX)、葛生大雅、杉浦雄介、新沼たかゆき(ザレ×ゴト)、林弦太、松本亮吾、モラル(犬と串)、今村圭佑(Mrs.fictions)

三太さんの織りなす世界いいなあ。好きです。しかしまあ、15分によくもこれだけの人数の役者を織りなしてくるなあというところに感動。モラルさんがモラルさんを演じて登場してツボなセリフを沢山で沢山笑いました。いろんな人間がいるよなあ。それが良いんだよなあ。みんなで一生懸命舞台を創るというさまを観て『僕たちはなんとなく幸せになるんだ』の映像がフラッシュバックしてきました。三太さん凄いです。


日本のラジオ

屋代秀樹という偏屈な男が1人で運営している、演劇を上演する任意団体です。古典や実際の猟奇事件を下敷きにした会話劇をよくやっています。愛と暴力に関心がありますが殺陣とかはやりません。「さわやかな惨劇」がキャッチコピーです。

作品名:『ハーバート』
作・演出:屋代秀樹
出演:加藤なぎさ、深井敬哲(日本演劇連盟)、村山新

大学教授が研究室にいて、訪ねてきた編集者と話をしている。そこへ妻がやってきてお茶を飲んで御菓子を食べる。ただそれだけなんだけど、何かありそうで、何か起きそうで怖い。確かに「さわやかな惨劇」でした。



かわいいコンビニ店員飯田さん
主宰は池内 風。ひとの感情が臨界点をこえる瞬間を愛ある視点で描き、日常の中にむき出しの人間を表出させる作風が特長。汗、涙、唾を出し惜しまない会話劇は決してハッピーエンドばかりではないが観るものに不思議なカタルシスを残す。作品名に間違えられがちな団体名は、実在する某コンビニ店員飯田さんに由来。本人の許可は得ていない。

作品名:虹はどしゃぶりの雨で咲く
作・演出:池内風
出演:辻響平、池内風(以上、かわいいコンビニ店員飯田さん)、百花亜希(DULL-COLORED POP) ※昼公演のみ出演、中林舞 ※夜公演のみ出演

自宅で彼女と彼氏と友達の会話。複雑な関係の3人。確かに「当たり前」とか「常識」とか「ルール」って何だろうなって思った。優馬という男が必死に繰り出す屁理屈を聞いていて、何となく、確かにそうだよなあと思えてきたけど、マナミの常識的な考えに、まあ確かにそうだよなあという感じになる。細かいところが、面白かった。



キュイ

2011年、綾門優季を主宰として旗揚げ。専属の俳優を持たない、プロデュース・ユニットとして活動を開始。現代日本には珍しいほど仰々しい文語的セリフまわし、過剰なまでに長くややこしいモノローグ等が作品の特徴。『止まらない子供たちが轢かれてゆく』『不眠普及』でせんだい短編戯曲賞大賞を受賞。

作品名:前世でも来世でも君は僕のことが嫌
作:綾門優季 演出:得地弘基(お布団/東京デスロック)
出演:岩井由紀子、得地弘基(お布団/東京デスロック)、中島風人(PAPALUWA)、新田佑梨(ホロロッカ)、むらさきしゅう、渡邉時生(屋根裏ハイツ)

なぜか分からないけど、ホームレスが暴力を振るわれます。警官が出てきて、助けるのかと思ったら、もっと酷い暴力を振るいます。そうすることによって、暴力はいけないということを伝えようとしているのかとも思ったけど、そういうことでもないようです。いろいろな人が出てきて、暴力を振るいます。暴力はダメですね。



Mrs.fictions

2007年3月、舞台芸術の創造と発展を目的に活動を開始。舞台芸術を『関係性の芸術』と 捉えた作品を製作している他、観客と集団、集団と集団の繋がりを重要視し、それらの『関係』を より密なものとする為の創造を行っている舞台製作者集団。 『人と人は出会わなくてはならない』という理念の下、『15 Minutes Made』を主催する。

作品名: 上手 かみて も 下手 しもて もないけれど
作・演出:中嶋康太 原案:岡野康弘
出演:岡野康弘、豊田可奈子

二人の役者が楽屋で出会って、芝居を続けて行き、年輪を重ねて行く。たった、15分の時間の中なのに、どんどん歳を重ねて行く。15分という時間の中で、ここまで時間経過を感じさせることができる演出と役者の演技力が凄いですね。楽屋で繰り広げられるお芝居繋がりでINDEPENDENT:3rdSeasonSelectionの「楽屋から」を思い出しました。この「15 Minutes Made Volume14」の楽屋にも沢山の物語があるんでしょうね。
イヌの日

イヌの日

ゴーチ・ブラザーズ

ザ・スズナリ(東京都)

2016/08/10 (水) ~ 2016/08/21 (日)公演終了

満足度★★★

懐かしさ
長塚圭史作、松居大悟演出『イヌの日』。約1時間50分。最初からザ・長塚節。懐かしさが勝ってシアタートップスにいるような錯覚…。今はもうないあの時期が蘇り純粋に観られなかったと思う。年取った…。私が今までに観た松居さんのお芝居の中で一番演劇的。客席に張り出す釣り物含め美術が良かった。

15 Minutes Made Volume14

15 Minutes Made Volume14

Mrs.fictions

インディペンデントシアターOji(東京都)

2016/08/10 (水) ~ 2016/08/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

もっと観たい!
15分間にギュッと凝縮されたストーリーは、いずれも甲乙付け難い面白さ。「もっと観たい」……そう思わせる作品ばかりでした。
こういう公演は初めてですが、次回は大勢で行って、終演後に「どの劇団が好みだった?」などと盛り上がりたいものです。

艶情☆夏の夜の夢

艶情☆夏の夜の夢

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2016/08/04 (木) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★

夏祭り
面白い。90分+AT。

ネタバレBOX

真夏の夜の夢を浴衣姿(一人は夏フェス)の女優8人が、江戸弁だか関西弁だかで彩る、夏祭り調な作品。作品としての喜劇っぽさは薄く、幻想的な色合いの濃い舞台。

ところどころのユーモアはいい感じだけど、全体通しての楽しさがもっと感じられると良かったかな。値段もそこそこだし。
オーベロンの七味とか妙なかわいさがあったし、クインスの七味の声の調子は地味に異世界を感じられた。岡田の一人コントは単純に笑えて舞台に興味を惹きつける役割を果たしてたし、葉丸のブスキャラは一人悲喜劇してて好き(一人でやってるわけでないけど)。ATでも触れてた、祭の後の寂しさは、ラスト舞台に残ったパック(千葉雅子)の、客席に目をやるでもなく静かにハケる様で、しっかり表現されてて流石だなと感じた。
かぜのゆくえ

かぜのゆくえ

ナイスコンプレックス

ザ・ポケット(東京都)

2016/08/10 (水) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

人は生まれてすぐ泣くが、最期は笑う...感動作!
劇中劇として語られる悲しくも心温まる話...擬人化された黒電話がもたらす思い遣りと行動が奇跡を起こす。人は現在だけで生きているわけではない。過去があって現在があるという時のつながり、それを繋ぐのが電話という、SFファンタジー...。
第7回せんがわ劇場演劇コンクールに参加した「かぜがふいた」(オーディエンス賞受賞)の本編にあたる本公演...とても観応えがあった。
この劇団の特長である、舞台技術(音響・照明)、その延長ともいえる工夫がファンタジー要素を増すという巧みさ。
(上演時間2時間)

ネタバレBOX

舞台セットは、変形(傾斜)した木枠のようなものが二重に建ててある。その二重の木枠も同形ではない。舞台中央奥に段差が設けられている。

この物語は2041年冬、2011年3月11日東日本大震災から30年後の近未来の話。前説を兼ねて、作・演出:キムラ真 氏が背景を説明する。色を失った灰色の街...上演前には波の音、鳥の鳴き声という静寂さを漂わせる。
梗概、海が一望できるクジラ山、大事な人を失った男が黒電話が入った電話ボックスを置いた。そして災害が起きたような悪夢....ある日、その男に若者が近づいてくる。その塊は、形を人に変え、ゆっくりと目を開く。 若者は電話ボックスに寄り添い腰を下ろした。 風が吹いた。 「ジリリン。ジリリン。」それは鳴る。吸い込まれる様に受話器を取ると...。

本公演、もちろん東日本大震災を意識していることは一目瞭然である。そして受けたであろう人々の心の傷を登場人物に背負わせる。その投影した姿に対して解決や調和するような導き(観せ)方はしない。あくまで寄り添うというもの。
敢えて悪役を登場させることによって善人ばかりではない現実も突き付ける。人の心にある善悪、光と影のような二面性を描くことで、より人の心の深み、悲しみを印象付ける。しかし、この悪意(毒)が随所に吐き散らされ、物語全体が冗長になった感もある。人の内面であればいくつかのエピソードでもよかったと思う。
この公演の前段「かぜがふいた」は先に記したせんがわ劇場演劇コンクール参加作品のため、上演時間40分という規定があったが、逆にそれが濃密な内容になっており凝縮されていた。

それでも、本公演の作・演出が素晴らしいといえる。隣席の女性は中盤以降すすり泣いており、また場内のいたるところでも同じ。
さて、描く内容は重たいものであるが、その演出にマンガのような影絵を用いることによって観せ方を緩衝させる。現実の厳しさ、人の優しさを、演劇という文化の中に溶け込まし訴え、観せるあたりは巧み。
この芝居を立体的にしているのは、もちろんキャスト陣。受けたであろう心の傷、その典型(類型)的な人物像を作り、感情移入させる演技は見事である。そして演技のバランスも良い。脚本・演出そして演技に加え、舞台技術(音響・照明)も効果的で、公演全体の印象付に資していた。

次回公演も楽しみにしております。
無教訓意味なし演劇vol.4「濡れコンクリート培養センター」

無教訓意味なし演劇vol.4「濡れコンクリート培養センター」

劇団「地蔵中毒」

プロト・シアター(東京都)

2016/07/30 (土) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★

確かに、教訓も何もなかった。
開場が10分遅れます、とホワイトボードに、1時間10分後の時刻とともに
書いてあった。
観劇後、シアターを出るとびっくりするくらい見事な天気雨。

ネタバレBOX

数分単位でいくつかの場面が切り替わる感じ。
ベースは下ネタ、不条理。
1000円でじゃがいも(小さい芋)つき。
そしてたっぷり120分。

面白いと思ったのは、「へいらっしゃい!」のSE1つで、
家系ラーメンの新規開店を表現するところかな。

近くにゲラの人がいて、いち早く大声で笑うので、
ノリ切れませんでした。

KKのHが2回かかって延々と階段の上り下りを表現する
部分があるんですけど、それで断続的に笑いが起こるのが
理解できませんでした。

まぁでも、みんな楽しそうにやってるから、良かったです。
グッドバイ ―或いは「夏と石炭」―

グッドバイ ―或いは「夏と石炭」―

演劇研究会はちの巣座

シアターD300(神戸大学国際文化学部大講義室)(兵庫県)

2016/08/10 (水) ~ 2016/08/12 (金)公演終了

満足度★★★

これからの演技が愉しみ!
新人公演なのに北村想さんの難しい作品を選びましたね(^^;;
初舞台なので仕方ないかもしれないけれど
演技が全体的に少し固かったかなぁと感じました
折角の面白いやりとりや言葉もあったけど
早口な台詞は聞き取りにくいところもあり生かせてなかったかなぁ…
でも最後まで楽しませて貰いました^_^
これからどんどん経験を積んだ演技でのお芝居が愉しみです!

夏に死す

夏に死す

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2016/08/02 (火) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

忘れえぬ夏
老い、痴呆症、介護と重くなりがちなテーマを題材にした作品だが、それ以上に、人の温もり、優しさ、愛おしく感じる、素敵な作品でした。

ネタバレBOX

登場人物全員と言っていいほど 、訳ありの人生 。
それもまた 生きる 意味であることを、感じた。

痴呆症 の父 の親族等と 、自然農園『Bee』の人々の対比が、鮮やかすぎるきらいがあるが 、それも立場の違いと納得した 。

単純なハッピーエンドではないが 、未来には、 希望が あると信じられる素敵な 作品 でした。
麦とクシャミ

麦とクシャミ

ホエイ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/08/06 (土) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★

サイダー
面白い。115分。

ネタバレBOX

原田(中村真生)…手紙の検閲に反抗するなど実直な奥さん。火山の影響で農業できなくなり、郵便局で働き始める。
不動寺(宮部純子)…住職の奥さん。元花魁。終戦後、国債が無価値になり、財産の1/4を没収され、キレる。
鳥谷(緑川史絵)…太めな奥さん。お国のため精神をのたまいつつ、食欲に従順。
岩村(朝比奈竜生)…山菜取りにせいを出す男だが、周囲からは、人のナワバリに手を出しているとニラまれている。
小松(山田百次)…郵便局局長。火山や地震などを調べるのが趣味。
柏(伊藤毅)…郵便局員。朝鮮人ともつながりのある、出自不明な男。小松に拾ってもらった。戦後、行方をくらます。
山本(河村竜也)…内地に戻された陸軍人。右耳が難聴。

日本が戦争で消耗する中、北海道のある地区では地震(や鳴動)が頻発し、生活への影響が出ていたが、陸軍はそれを機密事項とした。それでも、人びとはいき続け、終戦を迎える…。
昭和新山のことはあんまり知らなかったというのもあり、結構スゴイことが終戦間際で起きていたんだなと。タフな登場人物を通して、力強さは感じられた。終盤で、軍人の存在をおぼろげにしたとこも良かった。柏の出自のように、現代ほどしっかりしたステータスがない時代という、混沌さみたいな空気も出てたし。
中村の方言がとりわけ上手い。なんか一生懸命なおばちゃんな感じも良い。山本の過去回想での火山灰だか火山弾だかの演出も○。暗転後も続くセリフに、怒りがこもってた。

ただ、ちょっと長いかなと。
ティル・ナ・ノーグ〜太陽の系譜〜

ティル・ナ・ノーグ〜太陽の系譜〜

劇団ZTON

ABCホール (大阪府)

2016/07/22 (金) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

父から娘へ、母から息子へ、
故郷を失った民フォモールが島国に辿り着くが…、文字のない世界を良い事に、教会が神を祭り上げ、他の宗教・民族を排除する事に…。
言葉が通じないフォモールとダナーンだが、友好的に生きようとする部族の葛藤と友愛のお話!
何時もながら素晴らしい殺陣!

父から娘へ、母から息子へ、受け継がれる想い。
信仰への絶対服従を由とする事で複雑に絡み合う人間模様…。
二転三転ハラハラドキドキ、とっても楽しいエンタメでした♪

ツボにはまった人は大泣きしてました!

ネタバレBOX

ダナーン語がしっかりと意味を持った言葉になっていると伺い、翻訳版を観られなかった事が非常に残念!

物語は、ピンチに次ぐピンチの連続で、起承転結どころか、起承転転転転転転転転………結!と、二転三転ハラハラドキドキ、ツボにはまれば大泣きするような、爆発力のあるエンタメでした。

その結末は、死んだ筈の叔父が、行方不明の養父が…、そして共通の文字を作る事で、嘘で塗り固めた教会の悪行が暴かれ、争い会う民族の理解が進む、的なラスト。
文字の効果はジワジワ来るけど、そんなに爆発力無いよ!と突っ込みたくなりましたが、本当に良くできたZTONさんの代表作になり得る公演でした♪

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