
骨の見晴
劇団 背傳館
荻窪小劇場(東京都)
2016/10/28 (金) ~ 2016/10/31 (月)公演終了
満足度★★★
後から来る感覚
いうほど不気味でなく、いうほどグロくなく、いうほど不快でなく、いうほど難解でなく、でも解るかといわれたら解らない不思議な世界。
なのにもう一度観たくなるのは何故だろうか。
抽象的に舞台から投げられるパーツを、一つ一つ組み立てる作業が不思議と苦にならない、そんな独特なテンポが心地良かった。
広義でもう一度観たくなる作品。

スナフキンの手紙
劇団まっコイ
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2016/10/09 (日) ~ 2016/10/10 (月)公演終了
満足度★★★★
今回はコメディチックのサイコSF、楽しかった♪
前回拝見した「雨と夢のあとに」は号泣、号泣、号泣、号泣でしたが…。
今回は全くテイストが違うコメディチックのサイコSFに仕上がってました。
長官、部下1号、自殺コンサルタント等々、愉快な役者さん達ばかり!
愉しく大笑いさせて頂きました!
そして、なかなか考えさせられる内容で、楽しかったです。

ゴドーを待ちながら
Kawai Project
こまばアゴラ劇場(東京都)
2016/10/19 (水) ~ 2016/10/30 (日)公演終了
満足度★★★★
こまばへやってきたゴドー
原田大二郎のウラジーミル(ディディ)、高田春夫のエストラゴン(ゴーゴ)が自由に動けるスタンスで時折前方を眺める、即ち観客を睥睨する。時には極接近して目を合わせたり若干声をかけたりする。この距離、狭さ、こまばくんだりまで興業にやってきた感覚?
特に原田氏の、身体の角度、表情、意図的な演技は、演劇における「見せ物」として成立、心情が(作られた)キャラクターと一体となってどんどん入って来る。
あまりに有名なこの作品を何度も観た気がしていたが、実際は十数年前世田谷パブリックで柄本明、石橋蓮司、片桐はいり、松村克巳のを観てその後戯曲を読んだのみ。その舞台も当時は第一線俳優の舞台など興味なく友人に誘われて付いて行き、大半眠ってしまった観劇だった。二人のキャラはこんなに違っていたとは・・・同じような境遇の男が二人、とぼけた会話を延々とやっていると思っていた。
・・その舞台は最初二人が「いかにも」な、つまり「お芝居ですよ」と判る結界のごとき枠の中に入って、「さあ、どう出る」と挑むように見合って始まった印象がある。素を出して笑わせる瞬間はいかにも「知ってる」間柄の空気、どうも好きに慣れず、しかも本編の芝居とは繋がらない。必死に台詞を出して、名高い二人の俳優の「競演」を、汗を流すスポーツのようにやってどうする。台詞を必死に出し合い、とちった回数の少なさを競う競技のレベルに下げた、と感じた瞬間があったように思え、その印象は「そぐわないもの」として素人ながらに記憶に刻まれて、今思い出している(記憶の書き換えなるものがあるいうから要注意ではあるが・・)
ポッツォとラッキーのくだりは戯曲の謎を深める要素で、今回も興味深かった。桟敷童子の稲葉能敬のラッキー。桟敷童子の役者の客演舞台を最近複数目にしたが、「桟敷童子らしさ」は演技の土台になっていて、ある種の信頼感がもてる。ポッツォ(中山一朗)は戯曲から湧くイメージにピッタリの造形で、台詞も秀逸で作者の才能が迸る部分である。自らのアクションが相手(主役二人)に及ぼす影響を鋭く察知し、ないしは彼流の理解の仕方で理解して先回りした心遣いを彼流の仕方で行なう台詞を迅速に置いて行く。それらの言葉全て己の優位を確信するために吐かれていると見えて、実はナイーブな実態が、後半の展開と合わせて見えて来る。
この、「どうでもいい」人達の顛末が、「変化」を強烈に奇天烈に暗示しながら、主役二人にも訪れる「時間」の存在を思い出させる(普段は全く忘れているかのようだ)。
何につけ悩んでしまうゴーゴを気遣うディディ、二人の会話が「そろそろ帰ろう」という展開になると必ずディディが「ゴドーはどうする」と思い出したように言い、この時ばかりは相手を難じる事なくゴーゴは、「そうだ・・」と言う。
「ゴドー」はゴーゴにとっても否定し得ない、というか肯定的な何か、と想像する事くらいしかできないが、二人の間だけで出来上がった代物でない事が、子どもの登場で知らされる。「ゴドーさんは今日は来られなくなった、明日は必ず来る」と伝言を授かったと子どもは告げる。第三者も知っている存在、それがゴドー。
一幕ののんびりとした時間に比べ、二幕はよりゆっくりと時間が流れ、薄暗く重くもの悲しい。相変わらず会話を交わし続ける二人だが、そこで語られている事は何なのか、何を証そうとする行為なのか。
恒久の時間の中に、今二人が確かに存在し、出会っており、時間は未来に向かっていること。それ以上の事実は何もない・・。存在する事の実態を言い表わすとすればそんな程度でしかない、それを悲しいと感じるなら悲しいし、それでも未来に希望を見出すというならそれもいい。・・様々な思いが心の奥底に潜んでいるようにも想像される二人の姿が、モノトーンの照明の中で静かに浮かび上がっていた。終幕。

パール食堂のマリア
青☆組
吉祥寺シアター(東京都)
2016/11/01 (火) ~ 2016/11/07 (月)公演終了
満足度★★★★★
欠けたトコある人々の群像劇・・・・かな
なかなかな琴線わしづかみな115分の作品でした
ケチをつけるとするならば
後列の客がズーっとカサコソ耳障りで喧しい音を発していたことぐらいかな・・
綺麗なセットにて
空間と間と静寂が紡ぎだす粛々とした舞台でした
(その分 雑音はムカついた!)

『ロデオ★座★ヘヴン』
ロデオ★座★ヘヴン
スタジオ空洞(東京都)
2016/10/25 (火) ~ 2016/10/30 (日)公演終了
満足度★★★★
異なる作家の3短編上演
ロデオの二俳優を中心に、三作品それぞれ異なる作・演出とキャスティングで磨きをかけてのご機嫌窺い。三作いずれも風味が異なり、文学の薫り高き「私家版・罪と罰」(柳井祥緒作演出)を挟んで、オープニング「four face eight」(ひがしじゅんじ)はヒューマン・コメディ、トリを飾る「キミがお金を食べるなら」(成島秀和)はファンタジック・ラヴ・ストーリー。
軽快さとスピード感、美しき心を旨とする両者に対し、「罪と罰」は人間探究の姿勢ゆえ「醜き心」をあぶり出す。断然後者が好みである。
「four」は、後に登場する「兄」をカッコに括り、それ以外の者がドタバタを演じる。10年以上会っていない兄に自分の変貌ぶりを見せたくない、という弟の主観が周囲の人間(たまたま出会ったその場所でバイトをしていた三人)を振り回すが、最後の兄とのやり取りでは二人がそこで会う事になった本当の理由も判明する。
ただ私としては、そこで感動が作られるのは兄が多くを語らず、また去って行く兄を弟は追わず、「次はない」という事になっている(=「別離」に等しい)からである。兄の事情、兄の生の現場に、弟は踏み込まないと決めた。二人の間に出来てしまった絶対的な距離が、そこで問題にされているなら、それなりの深み、感動というものがあったろうが、兄は去り、弟の杞憂が判ってホッとした(それとて重要な事だが、弟のちっぽけな主観以上の問題が兄に降りかかっているのにそこには干渉しない)、という展開はちょっとすっきりしない。(注文を付けすぎかもしれないが)
「お金を食べる」も大きな声でスピード感と動きのあるタイプの芝居だったが、それなりにしっとりと「感動」を残したのは女優の佇まいが、同じものを指す言葉でも「欲求」「わがまま」といったネガティヴな概念を、「純粋な願い」「夢」「切望」といった「良い感じの概念」に置き換えさせる容姿を備えているから、である。女がその男に惹かれた理由、・・女自身の生きた背景がそこに影を落としているはずだが、そこは見えない。解釈の幅は広く、観客に委ねている格好だ。私は、つい悪い方、卑小な方に見てしまう。
劇団の形態がユニークで、確か今回3度目の観劇。成り立ちを今回ようやく理解した所。作・演出・キャスティングに磨きをかけた次回作に期待。

パール食堂のマリア
青☆組
吉祥寺シアター(東京都)
2016/11/01 (火) ~ 2016/11/07 (月)公演終了
満足度★★★★★
孤独だがひとりぽっちではない
会場に足を踏み入れた途端目に入る美しい町。
階段による高さと奥行きのおかげで、群像劇に相応しいスペースが
いくつも用意されている。
皆死んだ者たちを想いながら生きている。
その苦悩と切なさが、他者への優しさにつながっていく。
緊張感と癒しの相乗作用で、どうしようもなく涙があふれた。

狼少年ニ星屑ヲ 終演しました!沢山のご来場ありがとうございます!
おぼんろ
ワーサルシアター(東京都)
2016/10/25 (火) ~ 2016/10/30 (日)公演終了

パール食堂のマリア
青☆組
吉祥寺シアター(東京都)
2016/11/01 (火) ~ 2016/11/07 (月)公演終了
満足度★★★★★
気持ちメロウに感じたかな
さすがのOn7(オンナナ)のお二人:渋谷はるか(文学座)さん、吉田久美(演劇集団円)さんの存在感は勿論のこと、中林舞さん、渡邊りょう(悪い芝居)さんといった客演陣皆光ってました。
殊に渋谷はるかさんのパートが兎に角泣ける。

根本宗子 特別企画「実演劇販売」
渋谷ヒカリエ
渋谷ヒカリエShinQs B1-5F(東京都)
2016/10/27 (木) ~ 2016/11/02 (水)公演終了
「ムートンブーツ」観劇
母親に自分の欲しい靴を直接ねだらず、間接的にどうこうしようという話。
劇場の中でやる演劇と違い、オープンな場所、公衆の面前という形で上演されるので、ブラックな表現は出来なかったと思いますが、娘役・長井短さんの存在で何か裏があるなと思わせたのは良かったです。

根本宗子 特別企画「実演劇販売」
渋谷ヒカリエ
渋谷ヒカリエShinQs B1-5F(東京都)
2016/10/27 (木) ~ 2016/11/02 (水)公演終了
「ストール」観劇
大胆な柄のストールを買うかどうか迷う主婦に、モデル風の女が絡まれるという話。軽い感じのお芝居で、TVショッピングのようなぎゅうぎゅう詰め感はありませんでした。商品の魅力をもっと前面に押し出したほうが”実演販売”っぽくなったのかなとは思いました。
とはいえ、実店舗の中でいきなり始まるお芝居は人の目を引きますので、演劇の裾野を拡げるという意味では良い企画かと思います。

独鬼 〜hitorioni〜<緊急追加公演決定!>
壱劇屋
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2016/10/28 (金) ~ 2016/10/31 (月)公演終了
満足度★★★★★
忘れられない舞台になりました
竹村さんの番外公演を見たのは映像を含めても初めてでした。
前作の口コミからも、観たら感動するんだろうなーなんて思ってましたが、想像を遥かに超えていました。
舞台を見て肩を震わせるくらい涙したのは初めてです。
ノンバーバルだからこそ音楽の影響力というものもすごくて、今でも頭から離れません。
最高です。独鬼に出会えてよかった。

骨の見晴
劇団 背傳館
荻窪小劇場(東京都)
2016/10/28 (金) ~ 2016/10/31 (月)公演終了
満足度★★★
“一種独特”
“劇団 背傳館”は、前作「家族計略」に続き、本作「骨の見晴」と二作品を観させていただきましたが、「家族計略」は作者によると解りやすい作品とのこと。
さて、本作ですが、前作に比べると確かに解りにくさはあるものの、独特の空気感・台詞回しに妙に惹きつけられる舞台でした。
“佐藤すみ花”さんのちょっと気味の悪く何ともいえないキャラ作りがイイ。
3月に王子小劇場での公演が決定しているようで、独特の空気感・台詞回しに磨きをかけて頑張ってほしいですね。。。

愛の技巧、または彷徨するヒト胎盤性ラクトーゲンのみる夢
劇団肋骨蜜柑同好会
シアター風姿花伝(東京都)
2016/10/26 (水) ~ 2016/11/01 (火)公演終了
満足度★★
タイトルだけが最悪
千秋楽終わったから書くが、
熱気もあってクスグリもあって不条理が独りよがりになってなくて話も役者もいいんだけど、奇をてらい過ぎのタイトルがダメ
小劇場は何でアングラが高尚だと思うんだろう
例えばこの話、知り合いの役者が出てない一般的な芝居好きに「只のチケットあげるよ3枚のうちから1枚選びな」と言って
1、餌取家のお葬式
2、沼田ホテルの不条理な殺人
3、愛の技巧、または彷徨するヒト胎盤性ラクトーゲンのみる夢
どれを選ぶと思う?
作演出がマスターベーションしてんじゃねえよ
満足度4、タイトルでマイナス2

独鬼 〜hitorioni〜<緊急追加公演決定!>
壱劇屋
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2016/10/28 (金) ~ 2016/10/31 (月)公演終了
満足度★★★★★
何度観ても飽きない
初回は息をするのを忘れるほどのシーンもあり、終演後には息切れしてました。
何回も観たけれど全て泣きました。観る場所、角度によって色々感じ方も変わり発見もありました。殺陣もだいたい次の手がわかるくらいになっているのに、客席まで来てしまうんじゃないかとビクッとなるほどの迫力でした。
劇団員、ゲストさん、オーディションメンバー、皆さんそれぞれが自分の役割を果たしてほかの人にバトンを渡している。このメンバーだからこそ作り上げられた物語だなぁ、と。1人でも違ってたら全然違うものになったのではないかな、と感じています。
河原さんと丸山さんの新たな一面が観られて新鮮でした。
すでにロスになっています。まだまだ観たかった。

独鬼 〜hitorioni〜<緊急追加公演決定!>
壱劇屋
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2016/10/28 (金) ~ 2016/10/31 (月)公演終了
満足度★★★★★
何度でも見ていたかったです
昨年の「猩獣」以上に、客席と舞台の距離が近く、手を伸ばせば本当に舞台に届いてしまうくらいの距離で迫力のある殺陣やアクションを拝見できました。セリフがなくても、悲しさ、寂しさ、愛おしさ等の感情が伝わってきて気づけば、自然と涙がこぼれていました。時間さえあれば、何度でも見たい舞台だと思いました。平日の早い時間なのに、満員の客席だったのも、納得です。観に行けて本当に良かったです

ゴドーを待ちながら
Kawai Project
こまばアゴラ劇場(東京都)
2016/10/19 (水) ~ 2016/10/30 (日)公演終了
満足度★★★
開いている
原田大二郎さんのお客に対する気持ちの開き具合が凄かった。
客全てを自分の見方にしている感じがした。存在で見せてしまうのはこういう事なのかと思った。
明るく容器なウラジミールに、あまり考えない弱気なエストラゴンが印象的。
ポッツォーはハチャメチャ感が良かった。

治天ノ君【次回公演は来年5月!】
劇団チョコレートケーキ
シアタートラム(東京都)
2016/10/27 (木) ~ 2016/11/06 (日)公演終了
満足度★★★
期待してたのと違った。
脚本、演出、役者の動きや舞台美術まで、徹底してそぎ落とした作品に圧倒されましたが、それほど面白いかと言われたらそうでもありませんでした。
みなさんの評価があまりに圧倒的に高いためにこの意見を言うのに勇気がいるけど、一つの見解ですのでコメントさせていただきました。

治天ノ君【次回公演は来年5月!】
劇団チョコレートケーキ
シアタートラム(東京都)
2016/10/27 (木) ~ 2016/11/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
孤独な職業
2013年の初演で衝撃を受けたあの作品にまた会えることが嬉しい。
明治・大正・昭和の“時代を丸ごと担う天皇という職業”の過酷さと孤独が
厳選された台詞と、側近たちの的確なキャラ造形によって浮き彫りになる。
お辞儀の雄弁さをこれほど感じさせる作品を私はほかに知らない。
原敬、四竈、有栖川宮のお辞儀には深い慟哭があり、どうしても涙が止まらない。

お誂え四十七士
空間製作社
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2016/10/27 (木) ~ 2016/10/31 (月)公演終了

遠野物語・奇ッ怪 其ノ参
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2016/10/31 (月) ~ 2016/11/20 (日)公演終了
満足度★★★★
プレビュー日観劇
奇ッ怪 其ノ参、という事で、其ノ壱が小泉八雲の怪談を基にし、其ノ弐は能と狂言を取り入れ話を考えていたそうだが、震災を経て、非日常が日常になった世界を描いていたと記憶している。
今回の其ノ参にあたる主軸は柳田文学の遠野物語、そこから派生した田舎の信仰心や事柄を作家が語り部的に話すが、話していく内に語り部にあたる人物もその都度変わっていく。
言い伝え=伝承の複雑さに、一度見ただけではすぐに理解は出来なかったけど、この世界観は嫌いではない。
プレビュー初日の観劇だったが、今後も舞台は更に変化し、伝承していくのでしょう。
約2時間。