
月は今日も僕を見ている
劇団十夢
キーノートシアター(東京都)
2025/10/26 (日) ~ 2025/10/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/10/26 (日) 17:00
価格2,000円
10月26日〈日〉17時鑑賞
心温まる、すばらしい劇でした。
登場人物はサラリーマンの桂太とその妻優香、そして霊媒師の麗樹。
優香は1週間ほど前に、交通事故で死去。
桂太は心の整理がつかなくて、霊媒師に頼る。
霊媒師は最初、多額の金品を要求するが、
しだいに桂太と優香に心打たれ、2人の関係を取り持つように…。
桂太は亡くなった妻に再会するため、一生懸命努力します。
麗樹も霊媒師として精一杯協力します。
そして、最後に……。
最後のシーンは本当に感動しました。
桂太と優香の、お互いを想う気持ちがひとつになりましたね。
ワンピースに着替えた優香は本当に素敵でした。
そんな優香を見つめる桂太も輝いて見えました。
周囲の観客も皆、涙ぐんでいました。
脚本も役者さんもすばらしい。
劇団十夢さんが作られたこの作品。
今後、他の劇団も、この脚本を踏襲して
演じていくようになると思います。
すばらしい劇でした。
ありがとうございました。

蛍の光、窓のイージス
劇団文化座
あうるすぽっと(東京都)
2025/10/17 (金) ~ 2025/10/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/10/23 (木) 14:00
価格4,500円
10月23日〈木〉14時鑑賞。
卒業式での生徒の答辞。
その中に、政府に対して批判的な内容が…。
修正を迫る教員とそれを拒む生徒。
劇を観るまでは、生徒の側を応援する気持ちでいっぱいでした。
でも最後は穏便な形で解決してよかったです。
学校の職員室が舞台です。
舞台装置がリアルで立派でした。
おおまかな話の流れは以上のような形ですが、それ以外にも、
学校特有のさまざまな物語(テーマ)がちりばめられていました。
管理職と一般教員という、教員内部の確執。
理事に媚びる教員と、そうでない教員。
部活動での教員の役割。
ブラックな教員の労働環境。
脚本もしっかりしていて、飽きさせない内容。
役者さんもお上手で、文句なしの120分でした。
すばらしかったです。

かもめ
劇団 新人会
上野ストアハウス(東京都)
2025/10/29 (水) ~ 2025/11/03 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い、お薦め。
何度か観たことがある戯曲だが、とても分かり易い舞台として楽しめる。作中の人物像がしっかり立ち上がり、日常生活における会話や人間模様の織りなす関係が だんだんと盛り上がっていく。戯曲の持つ 力 もあろうが、四幕を実に巧みな手法で紡いでいく。戯曲の力、演出の技、演技の思いが調和した好公演。
(上演時間2時間10分 休憩なし)

デンジャラス・ドア
劇団アンパサンド
ザ・スズナリ(東京都)
2025/10/23 (木) ~ 2025/10/29 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
一見、よくありそうな職場の光景。何もできなくてすみませんと謝ってばかりの新人、私がやるからと言ってほかの社員を早く帰そうとする社員、帰るはずが外に出て皆のお菓子を買ってくる社員……。その過剰な繰り返しに、観ていて「早く帰れよ」とイライラしつつ笑ってしまう。次第に不穏な空気が漂って臨界点を超えると、目が点になるようなデンジャラスな安藤奎さん世界がさく裂。怖いが笑える。笑ってしまうが怖い。本当に面白い。

デンジャラス・ドア
劇団アンパサンド
ザ・スズナリ(東京都)
2025/10/23 (木) ~ 2025/10/29 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
前のアンパサンド公演の受付に置いてあった未見の戯曲「デンジャラス・ドア」は読みかけて中途で終っていた。「ドアが勝手に閉まる」のに気づいた新人社員の女性主人公と先輩女子社員のその先の顛末を、劇場で見る事となった。
アトリエヘリコプターで観た第二作「サイは投げられた」、「地上の骨」、最近の「歩かなくても棒に当たる」と続くスプラッターな阿鼻叫喚系で、「地上の骨」までは普通舞台では見せない(見せられない)設定を手作り感満載のギミックで強引に見せてしまうのだが、他ユニット、爍焯とに書き下ろした本作(「地上の骨」の前)も、この時期らしく工作物が大活躍する絶叫舞台。(ちなみに爍綽とによる初演は浅草九劇で。主宰佐久間氏の役を今回安藤奎が演じ、他は同じ配役であった。なお爍綽と版の演出も安藤氏。)
西出結が前作に続いて出演。先般の東京にこにこちゃんにも同じく主役で。故・鎌田氏のナカゴー/ほりぶんの後継を競う(とは小生の勝手な見立て)両ユニットは「笑い」が要だけに役者を選ぶようである。別役実の世界の具現は「難しい」と以前しきりに書いていたが、要は「役者を選ぶ」という事なのかな。「笑い」系であるので。
劇の感想が全くであった。また後日。

How to Make a Love Song
Onpuma
SOOO dramatic!(東京都)
2025/10/28 (火) ~ 2025/10/30 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とても居心地の良い、素敵な公演でした。
60分だけど、きちんと右往左往とドタバタコメディして、最後は綺麗に客席まで巻き込んで歌にまとまる。
手話も含む色んな言語での伝え合いは、齟齬も起こすけど。
それでも伝えようすること、わかろうとすること、なんだか感動的でした。
色々と飛び交うので、わからない部分も結構あったりなんだけど。
そこがストレスにはならなかったな。わからないってことも肯定的に感じられた。
これ、書いてる時点で、明日の10:00回のみってちょっとハードル高いけど、良い公演でおすすめです。

我ら宇宙の塵
EPOCH MAN〈エポックマン〉
新宿シアタートップス(東京都)
2025/10/19 (日) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

デンジャラス・ドア
劇団アンパサンド
ザ・スズナリ(東京都)
2025/10/23 (木) ~ 2025/10/29 (水)公演終了

デンジャラス・ドア
劇団アンパサンド
ザ・スズナリ(東京都)
2025/10/23 (木) ~ 2025/10/29 (水)公演終了

デンジャラス・ドア
劇団アンパサンド
ザ・スズナリ(東京都)
2025/10/23 (木) ~ 2025/10/29 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
2023年4月に「爍綽(しゃくしゃく)と」(=女優・佐久間麻由さんの企画ソロユニット)の第一回公演として脚本・演出したものをセルフカバー。TOKYO MXにて全3話のドラマとしても放送されている。安藤奎さんが初監督。
永遠の主人公・西出結さんは過酷な職場の新入社員。仕事もまだ覚えられず戦力にはなっていない。常に運が悪く日常の細々な事でもタイミングが合わない。悪い星の下に生まれてきた。
優しい先輩の永井若葉さんは沢山話し掛けてくれるのだが結構面倒臭い。ロッカーにお菓子を大量所持している。社会人の娘と暮らしている。
安藤奎さんも優しい。図書館で本を借りている。
安藤輪子(わこ)さんは「資本主義」に対して思うところがある。カレーはある店でしか食べられないがそこが閉店してしまった。
西田麻耶さんは部長のビリヤードのような指図に苛ついている。間接的に人を使わず直接本人に言えよ。
藤谷理子さんはスピリチュアルか宗教にハマっていて「人生は魂を磨く修行の場だ」と念じながら苦行のように働いている。ミスが多い。
リーダー格だった「ミツザキさん」が辞めてから職場の苛酷さが増した。皆満足に食事休憩も取れず長引く残業で帰れない。
西出結さんはオフィスの片開きのスライド式ドアが開けると間を置いて勝手に閉まる事が気になってしょうがない。そもそもそういう設計のものではない。一体どういう仕組なのか?
とにかく会話が面白い。細かいワードのセンスが冴えている。各々のキャラがかなり細かく設定されており、それが観客に丁寧に共有されていく。その為、会話の流れが脱線する様も観客の予測通りで皆ニヤニヤしながら眺めることとなる。ああこの人、絶対話の流れを堰き止めるよなあ、とか。この人、やたらと面倒臭い拘りがあるよなあ、とか。逆に全く予想もつかない方角に会話がすっ飛んでいく痛快さも。

Waltz for Daddy
幻灯劇場
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2025/10/23 (木) ~ 2025/10/26 (日)公演終了

プンティラ旦那と下男のマッティ
MODE
座・高円寺1(東京都)
2025/10/17 (金) ~ 2025/10/26 (日)公演終了

恋愛漫画~鳳凰篇~
ライオン・パーマ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2025/10/22 (水) ~ 2025/10/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
楽日拝見版。パソコントラブルで文章を入力することができず丸2日以上ロスしてしまった。劇団にお詫び申し上げる。(追記後送)極めてバランスの良い、傑作。華5つ☆

白貝
やみ・あがりシアター
浅草九劇(東京都)
2025/10/08 (水) ~ 2025/10/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/10/16 (木) 14:00
登山中に行方不明になった会社社長。彼女と一緒にいたのを目撃された人物から関係者たちは何とか当時の状況を聞き出そうとするが……なサスペンス(?)。
聞き出すためのあの手この手で笑わせつつ、終盤で明らかになる真相が鮮やかなだけでなく最終場での「もはやスリラー」なもう一つの真相は筆舌に尽くし難い。
また「墓場まで持って行くべき秘密」という本編のテーマに因んで作品と観客との関係においても「言ったり書いたりしてはならない事」を共有するのがまた巧み。
なお、冒頭でかたく口止めされる「あの言葉」を終演後にweb検索するのも一興(オススメ)。
【オマケ】
「白貝」とかけて、北島康介と解く。
その心は……(皆さんお察しの通り)「なんも言えねー」。

D.S.T.P (Don`t stop the play) 〜芝居を止めないで〜
A.R.P
小劇場B1(東京都)
2025/10/01 (水) ~ 2025/10/08 (水)公演終了

贅沢ゼロ
人間嫌い
Paperback Studio(東京都)
2025/10/24 (金) ~ 2025/10/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白かったです。
頭の中の相関図が完成しないまま終わってしまいました。
八幡山ワーサルシアターや笹塚ファクトリーがなくなって、明大前で乗り換えることはほとんどなくなっていました。八幡山から千歳烏山あたりは思い入れがあるので、

また本日も休診~山医者のうた~
明治座
明治座(東京都)
2025/10/23 (木) ~ 2025/11/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
最近は小劇場でばかりお芝居を観ていたせいで、明治座の豪勢な舞台セット、有名俳優のオンパレードは、初めて東京タワーを見た気持ち。山の中のお医者さんを中心として日々起こるはなしがいくつか展開される。共同所有の山を売るかどうか、その山で炭を作っている民代と東京から青年のとても恋愛まで至らない淡い物語、妻もいるチャラ男が改心するまでのはなしなど。
山では人間だけでなく、虫も鳥たちも生きるために強く逞しい、という言葉が心に残りました。逆説的に言えば、今の世の中は生きること自体には一定のセーフティネットがあるゆえ、強くとか逞しく生きる必要はないのかなとも感じます。
コミカルなお芝居に出演することの多い役者さんのかなり突っ込んだアドリブと思しきセリフがとても心地よく、観客席との一体感を作っていた気がします~

恋愛漫画~鳳凰篇~
ライオン・パーマ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2025/10/22 (水) ~ 2025/10/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
お見事!これだけエピソードが盛沢山なのに、ちゃんと回収してますね。休憩なし2時間30分近くの上演時間でしたが、最後まで楽しめました。

人間になりたがったミミズと、
劇団うぬぼれ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2025/10/24 (金) ~ 2025/10/26 (日)公演終了

リーディングセッション『蠅取り紙ー山田家の5人兄妹』
OVER40S
ザムザ阿佐谷(東京都)
2025/10/18 (土) ~ 2025/10/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/10/18 (土) 18:00
「お母さん、ハワイから日帰りですか?」
ハワイにいるはずの母が、朝起きたら家にいた。
脛に傷持つ、いいトシした、山田家の5人兄妹が、三途の川を
渡りかけている母を、必死で引き止めようとするという普通に考えたら、かなり心理的に怖い怪談とも言えるあらすじだった。
しかし、朗読劇の上演を前から、劇場やスタッフの絶妙にアットホームで、どことなく懐かしい感じがしている上、朗読劇が始まると、生演奏や照明の当て方、登場人物たち同士の会話からどことなく不穏さや不気味さ、差し迫った危機意識が感じられず、段々本音がぶつかり合う人間味溢れる展開になっていく感じが大いに笑える場面も多くて、面白かった。
5人兄妹全員、フリーターで劇団していたり、30代で教員という安定した職業に就いているものの独身だったり、編集の仕事しながら、彼氏と同棲していたり、相手に奥さんいるのに不倫して、奪って略奪婚していたりと、個性豊かで癖強過ぎる現実ではなかなかない深夜ドラマを絵に描いたような5人兄妹のエピソードが印象的過ぎて、脳裏に焼き付いた。
しかし、そんな兄妹を持ったお母さんだし、若くはない良い大人が実家ぐらしだったりする兄妹もいて、ハワイに行って、病気になって、麻酔で眠る中、生きたまま、魂だけ幽体離脱して日本にいる兄妹たちの元に戻って来る程、子どもたちの将来を心配する気持ち、分からなくはないと感じた。
しかし、幽体離脱して魂だけ戻ってきたのには、もっと違う兄妹たちに伝えておかなければいけないことがあったと言うような展開に、後半戦で一気になって、それも幽体離脱して魂だけになっているお母さんから、「お父さんにこのハワイに移住するぞって言われた時には、正直、あたしは困惑したわ。また、お父さんに振り回されるのかと思うと、この先までも自分の人生なのに、自由に出来ないのか、お父さんの為にまた我慢しないといけないのかと思うと嫌にもなったわ。でもね、お父さん、会社を定年迎えて退職した後、これまで仕事一筋の人だったから、定年退職後何をしたら良いのか分からなくなって、もぬけの殻のようになっていた時期があったでしょ。だから、あたしは、お父さんがハワイで一緒に暮らそう。おまえにはまた迷惑かけるかもしれん。すまん、でも付き合ってくれないか。あたしは、久しぶりにいつものお父さんらしい、新たな希望を見出して、キラキラと輝いて夢を語るお父さんを見たわ。その時、この人に一生付いていこうと思ったわ。あたしはこのハワイの土地が気に入ったから、でもお前たちの顔も時々は見たいから、東京にマンションを買って、時々日本に来つつ、ハワイにお父さんと移住することに決めたから。だからお前たちは、これからはあたしに頼らないでね。自分のことは自分でしなさいよ」と言うような言葉を言い残して、お母さんの幽体離脱した魂は消えていくというようなあり方に、観ている私たち観客も色々と考えさせられてしまった。
幽体離脱したお母さんの魂だけ日本の5人兄妹たちがいる実家に戻ってくるというような、普通に考えたら結構怖い怪談要素の強めな話な筈なのに、どこか一昔前のブラウン管のTVから流れる家族ドラマを見ているような、何とも言えない懐かしさと泥臭さ、人間臭さ、綺麗事では済まないけれども、駄目駄目だけれども何処か憎めない感じの5人兄妹、何とも言えない人情味が流れていて、そういった5人兄妹と幽体離脱した魂だけのお母さんとの何とも噛み合わず、時に馬鹿馬鹿しくさえあるそういった家族の少し不気味で不思議さもある家族の話を暖かく描いていて、大いに笑えながらも、気付くと少しじんわりとする劇だった。
役者も、立ったり、座ったり、出たり入ったりと本当に自由で、台本も途中で落としてしまって、その後拾うも、台本を見ずに台詞を喋っていたりと、従来の朗読劇のイメージと言うか、根本概念を壊していて、良い意味で新鮮だった。