Woodcuttersー 伐採 ー
フェスティバル/トーキョー実行委員会
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2016/10/21 (金) ~ 2016/10/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
芸術家にとっての「桜の園」はもうない
それは伐採されゆく運命にある。
上演時間260分!
休憩20分込みだが、実際には270分を超えたと思う。
いわゆる「お通夜の席」での出来事。
まあ、日本でも映画や演劇でよくあるやつだ。
ネタバレBOX
主人公が体験した一夜を軸に「芸術家」と呼ばれる人々の触れてほしくないのに触れなくてはならない「場所」が、痛みを伴いながら語られる。その「痛み」を感じる人が「芸術家」なのかもしれない。
ガラス張りの大きな箱が舞台中央にあり、それが回転することで場面展開をしていく。
あたかも彼ら「芸術家」たちが、ショーケースに入れられて衆人環視されていることを表しているようだ。自己顕示欲と相反する状況。
その中で彼らは「芸術家」でなくてはならない。「芸術家」とは何者なのか。「芸術家」として存在するには。
知人の死を悼む、いわば「お通夜」の席で痛々しく剥がし、剥がれてされていく。
日本の映画や小説、舞台にもよくある手法である。亡くなった人について語るうちに、感傷的になりさらにアルコールの酩酊と疲労によって、言わなくていいこと、本音が飛び出してくるアノ瞬間である。
芸術を志し死んだ者についての「幸不幸」は、「芸術」と切り離して語ることはできない。したがって、つい芸術家である自分たちの姿と重なるのではないだろうか。
特に自分たちの不幸と。
だからより感傷的になりやすく、亡くなった彼女をよく知っている者にとっては気分を害する内容となり、さらにその話が自分に及ぶことになってくる他の芸術家にとっては、自己を守るためにさらなる言葉を尽くすことになる。
主人公は常に芸術家たちの話から離れ、観察をしているように描かれているが、実際は、彼も彼らと似たようなことを話していたに違いない。
小説にするにあたって、自分だけ「安全圏」に置いたように見えてしまう。
そして、自らを語らせるのだが、それは自分のことではなく「芸術家たち」のことであり、少し卑怯だなと思ってしまう。
後半は互いに自分の傷を見せ合い、そして相手の傷をえぐっていた彼らにとって恰好の標的がやってきた。
「国立劇場」という大きな後ろ盾を持った役者に、「私」である作者は(この小説の中で)どうでもいい自慢話をさせ、俗物として描く。
彼は集中砲火を浴びることになるが、それはまた不安定な地位と収入の自分たちの「妬み」であって、それが自分たちに降りかかってくることになるのだ。
自傷し傷つけ合う芸術家たちには出口はなく、自らの「芸術」で落とし前をつけようとするわけではない。
それは「年齢」が関係するのではないか。
主人公があとで若い2人の作家を褒めるのはそういうことではないか、とも(2人の作家は、ジェイムズとジョイスだったような気がするが聞き間違い?)。
途中に回想として差し挟まる映像シーンがとてもいい。映画のようだ。このまま映像でずっと観ていたいと思ったほど(笑)。
台詞は、特に後半は「話し言葉」というよりは「書き言葉」の印象が強く、やはり小説で読めば面白いのではないか、と思ったが、小説で読むのもキツそうなので、このまま黙って椅子に260分座っていたほうが正解かもとも思った。
主要登場人物のほぼ全員が(女主人を除く)、必ず激し、激しい口調で台詞を言うというのは、平板になりがちな作品の構成を考えてのものなのか、あまりにも順番で各1回ぐらいあるのには、残念感があった。
まあ、それがないとこの上演時間だと厳しかったかもしれなのだが。
気がつけば前半の休憩になり、後半も実際の時間よりは体感時間ははるかに短く終了した。
どうやらこの時間を集中して観ていて、面白かったということなのだろう。
全体を見終わった後も、思った以上に疲労感はなく、徒労感はまったくなかった。
正直に言えば「面白かった」ということになる。
字幕上演の常なのだが、字幕と役者のリンクが悪い個所がかなりあった。
特に劇場のことについて国立劇場の役者とやり合うシーンは、まったく字幕なしで進んでしまった。
しかし、何をやり合っているのかは、会話のきっかけでなくとなくわかっていたのだ、「まあいいか」と思った。それよりも彼らの演技の凄さを感じることができだのだ。
字幕を追うことで、ストーリーのことばかりに気を取られていて肝心の役者をきちんと見ていなかったようだ。
映像のシーンは映画のパターンなので、そういうことはないのだが、字幕は出る位置との関係もあり、なかなか不自由なものなのだ。
改めて役者の演技を見ると凄いのだ。
全身でなり切っていて全身から感情と台詞が出ている。
主人公の演技も素晴らしいものであった。
ひょっとしたらきっかけの台詞のある部分だけを抜き出して字幕にして、あるいは国立能楽堂の字幕のようにその場面のあらすじだけを字幕にして、あとは舞台の上に集中させほうがいいのかもしれない。そうでなければ、イヤホンガイドによる吹き替えとかのほうがいいと思う。たぶん台詞の1つひとつがわからなくても(文字数の制限などもあるから、字幕にしたところですべてを訳しているわけではないだろう)、演劇に関しては楽しめるのではないか、とも思った。
舞台の上で、ふいにする人の変な声(最初は前のほうの観客が発しているのかと思っていたが)、口からつい洩れてしまう吐息のようだったりため息のようだったり、鼻歌のようなものだったりする「声」が、とても気持ち悪く、不安と不快を表現していた。特に主人公が発していたようだ。
ときどき点灯する客電も、舞台の上の彼らの姿と観客の姿を、強制的に重ね合わせるようであり、それは左右前の観客がなんとなく見えているように、暗闇に隠れ守られていたはずの自分も見られている感覚が強く働き、身じろぎもできないような不快で不安なものであった。
こういうシカケが上手い演出なのだと思った。
セットは、先に書いた中央の箱と、その背景にある町並みがある。これが単なる書き割りではなさそうで、この出来の良さにも驚いた。
「伐採」は「伐採の音」という字幕も出ていたが、彼らの背景はその町並みからいつの間にか煙る森の中にあり、これが伐採されるのだということを暗示させられる。
伐採されるのが、「桜の園」の「桜」であれば、彼らにとっての伐採される運命の「桜の園」は「芸術」であり、その安住の地はなくなっていくものであることと、「カネ」に変わっていくものということ暗示していたのではないか。
それが主人公にとってのジレンマであり、芸術家を常に悩ませる命題でもあろう。
彼ら老芸術家にとっての芸術は、ノスタルジーの中に花咲いていた栄華であったということだ。
若い芸術家や、彼らの芸術家たちのパーティの場から怒りとともに去った者にこそ、新しい芸術が生まれるのではないかということも示唆していたように思えた。
ラストの「これを書かないで」と女主人が主人公に言った台詞には笑ったが、老芸術家である主人公が生き延びる方法として、悩んでいた彼が結局「この状況が面白い」と気づき、それを小説として書くことになったというとは、とても興味深い。とてもしたたかであるのだが、頭でっかちに「芸術とは?」「芸術とは!」と悩んだり口角泡を飛ばすのではなく、「書きたい」という「初期衝動」に駆られて芸術は生まれるものである、という結論にも見えた。
そして、彼らに小説で与えた「痛み」が、彼らの「芸術」の根幹にあり、その「痛み」をきちんと感じることのできる人が「芸術家」なのかもしれないということなのだろう。
そして、私にとっての「桜の園」は何なのだろう? ということにも考えが及びそうだ。
Attack On Dance
冨士山アネット
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2016/10/20 (木) ~ 2016/10/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
言葉で説明するダンスの世界
ダンサーの自己紹介あり、統計調査あり、意識調査あり、日本ダンス史あり、ダンス比較文化あり、舞踏哲学あり…、言葉を多用しながらダンスの世界を鳥瞰する面白ステージ。勉強になりました。
フェス
ゆうめい
スタジオ空洞(東京都)
2016/10/19 (水) ~ 2016/10/23 (日)公演終了
満足度★★★★
思いのほか色モノではなく
面白かった。色モノかと思いきや、真っ当な芝居で、意外であった。
演技が自然で、かなり奇妙な人物設定に説得力を与えていた。
空間を上手に利用していたり、話の展開が無理無かったりと、演出のセンスが良かった。役者も魅力的。
夢と希望の先
月刊「根本宗子」
本多劇場(東京都)
2016/09/28 (水) ~ 2016/10/02 (日)公演終了
まさかの展開
名作「夢も希望もなく」とタイトルは似ていますし、
設定も展開も似ておりますが、最終的には別作品でした。
さまかの「シベ少」展開でしたが、
初本多で、思い切り馬鹿馬鹿しく好きな役者さんと出来た
記念碑的作品って事ですね!
フェス
ゆうめい
スタジオ空洞(東京都)
2016/10/19 (水) ~ 2016/10/23 (日)公演終了
満足度★★★
もう一捻り
なくなった両親の身体を肥料にした土で形成した粘土を使い人体塑像を創るヌード教室の3兄弟、って設定は抜群に面白そうなのに、拍子抜けするくらい盛り上がりに欠けるお話。フェスの秘密もタイトルにするほどのエピソードかな?
刺毛-シモウ-
はぶ談戯
テアトルBONBON(東京都)
2016/10/19 (水) ~ 2016/10/24 (月)公演終了
満足度★★★
刺毛だらけなのが…
人間の持つ狂気や嗜好を凝縮したような物語で感覚的に苦手な作品でした。
ネタバレBOX
後半、コテージの客が次々と刺毛によって傷つくように破壊の方向に向かっていく展開にはどうにもついていけなかった。管理人夫婦の陽気さや何回かあった歌唱シーンは劇中どんな意味があったのだろうか、疑問が残る。
選抜新人舞踊公演
(社)現代舞踊協会
渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)
2016/10/20 (木) ~ 2016/10/21 (金)公演終了
満足度★★★★★
無題1951(16-241)1952(16-242)
両日とも19:00の回(曇)。
18:00過ぎ、2列で整列。18:30開場。
去年も観ているので2年目になります。
両日とも17演目(15人のソロ、2人、4人)、途中に15分休憩あり。
20日 19:05~19:53、20:10~20:50
21日 19:01~19:43、20:00~20:45
観たことがあるのは、藤井友美さん、鷹栖歩莉さん、寺崎ゆいこさん(&大西彩瑛さん、土屋葵さん、宮本悠加さん)、他にも何人かいらっしゃいました。
1演目、3分~4分くらいでしょうか。大きな空間にひとり。衣装と少しの照明、音楽。それ以外は自身の肉体と振付が作品を創りあげています。創意工夫。みなさん、それぞれはっとするシーンがありました。
それでもおどって
プロジェクト大山
シアタートラム(東京都)
2016/10/21 (金) ~ 2016/10/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1950(16-240)
17:00の回(曇)。
16:40会場着(全席指定)。
当パンに3年ぶりの「トラム」「新作」とあります。
2013「ファンタジー」からということになりますが、「オオヤマニック(2014/3)」「TRIPLE BILL 『P小山』(2016/2)」@セッションハウス、「をどるばか(2015/12」@BankART、「はてしない物語(2016/4)」@六行会、「DANCE×Scrum!!!(2016/3)」@あうるすぽっと。と観てきたのであまり間が空いたようには感じないのですが、大音量(座席がビビる)できたので感激。
17:05開演~18:38終演、トーク18:44~19:10(石渕聡さん)
客入れ、童謡(唱歌)は誰に向けてなのだろう。水の中から生まれたダンサーはいつにもまして動く。わざと水たまりで跳ねさせるような歩き、ぴくぴくした振り、のけぞり気味の姿勢に、竹とんぼなみの高速回転。
汽車がちょこまかと床を駆ける。言うことをきかない汽車は青いスーツの巨人が奈落へ突き落す。
3ステしかないのでリピートできず。
輪廻転生∞楽園ダイバー
映像・舞台企画集団ハルベリー
ワーサルシアター(東京都)
2016/10/19 (水) ~ 2016/10/23 (日)公演終了
満足度★★★★
楽園だいばー
河野の兄弟の熱演ぶりには圧倒されました。
十二支の海獣の中から鬼を探すのだが。うまくだまされました。
天干地と現世の振り返りを行き来する演出はよく考えられていますね。演技するのは大変でしょうね。
大変面白かったです。
遠い国から来た、良き日
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2016/10/14 (金) ~ 2016/10/23 (日)公演終了
満足度★★★★
良くできている
新聞での批評などで評判が良いので観に行ったが、予想を超えて面白い作品だった。広島の中学校にイラク人の少年が転校してくることで起こる、ざわめきや軋轢、そして、広島だけで行なわれている「平和学習」の意味等が、説教くさくなく展開される面白く、良くできている舞台だった。若いといっても20代の役者陣が中学生に見えるというのも巧みだし、タイトルも予想通りだったが、2時間を楽しめた。
Shoe Cage
電動夏子安置システム
OFF OFFシアター(東京都)
2016/10/20 (木) ~ 2016/10/24 (月)公演終了
満足度★★★★
女優陣全開
ロジカル・コメディを得意とする同劇団だが、今回は「擦れ違い」系とでも分類できるタイプだろうか。一定の設定の下で、苦心して会話する、という10~20分程度の物語8編のオムニバス短編集。とは言え、設定は細かく絡み合い、最後は収束していくのだが、前作に続いて久々に登場に渡辺美弥子、前作は休んだなしお成の2人の爆発力は強烈で、新野・武川・犬井の各女優も切れ味を見せて、男優陣を圧倒する勢いを感じた。他の劇団では見られないような芝居である。
永遠の一秒
インヘリット東京
川崎市産業振興会館(神奈川県)
2016/10/20 (木) ~ 2016/10/22 (土)公演終了
満足度★★★★
命の繋がり
本公演は、第27回(2015年)池袋演劇祭優秀賞受賞作品で昨年観たかったが、都合が合わず観ていなかった。今年も東京公演はスケジュールが合わず諦めかけていたが、神奈川の千穐楽・最終公演回を観ることが出来た。
この公演、カーテンコールで脚本・演出の畠山貴憲氏から「命の繋がり」がテーマである旨、挨拶があった。当日パンフにも「永遠の一秒」は特攻隊をモチーフに、命の繋がりを描いていると。
とても面白く感動していたが、終盤近くにその余韻を損なうような演出があり、少し勿体なく残念でもあった。
(上演時間1時間45分)
ネタバレBOX
舞台セットは、紗幕・縦長の木枠が3つ。まるで棺桶のような感じでもあるが、そこを爆撃機「銀河」の操縦席に見立てたり、1945年と2016年を繋ぐ橋のようなイメージにも受け取れる。
梗概...1945年-海軍宮崎赤江基地
特攻隊員である3人の若者が、怪我を負い出撃できなくなった仲間の原口に遺言を託し、爆撃機「銀河」に乗り込み、敵艦へ特攻した。そして21年という短い生涯を終えた…はずであったが。
目覚めた彼らがいた場所は、戦後70有余年を過ぎた現代の日本。状況を理解できず、現代を「死後の世界」(六道の一つ)と思い込む。そのうち就職・家探しを通じていつの間にか、原口の残した子や孫を通じて本人(原口)の元へと導かれていく...。
一度出撃すれば、二度と生きて戻れない、まさしく人間爆弾である。爆撃機「銀河」に見立てた箱、その狭い空間の中で悔しい自分の死を嘆くこともできない。本公演では、その極限状態を描き、単に表層の平和のみを主張した作品とは違う。特攻兵を現代へ呼び戻し、戦時と現代を対比させながら、観客一人ひとりに考えさせる。ヒロイズムや救いのなさ、生き残る者の感傷もないような...。原口は出撃できず生き残ってしまった、この老人の死んでいた戦友の亡霊とともにのみ生き延びてきた。その最期を看取るかのように現れた3人との魂の共鳴が感動的である。
現代の平和...そこには戦時を生き残り、命を繋いだ人々の苦しみ痛みの上にある、ということを忘れてはならない。この忘れてはならない記憶、それを直接知る世代が少なくなっている。体験を次世代に伝えるのが戦争体験者の責任だ、といわれる。それでは戦争を知らない者はどうすべきか。
戦争・戦後の混乱の記憶も今は風化しつつ、年表の記載に閉じ込められそうである。様々な思い出を抱えた世代は、どう対応するのだろうか。語るべきか、それとも心中に黙するのか。戦争(後)を知らない世代は、その未体験をどう受け取り、次世代へ語り繋ぐか、それが問題だ。
さて、気になるところ...終盤に紗幕に記録映像(実写)を映写していたが、あまりに直裁的であり、芝居らしい余韻が興醒めしてしまう。
物語は、原口の死期が近くなり、3人が迎えに来た。または原口の走馬灯のような回顧録であったかもしれない。どちらにしても夢か現か幻か...、映像よりは役者の息遣いに、今を生きていると感じていたかった。
そして音楽...クラシック、宗教音楽、軍歌などが挿入されているが、場当たり的な印象を受けたのが残念。
次回公演を楽しみにしております。
四則演算
sugarless
ART THEATER かもめ座(東京都)
2016/10/20 (木) ~ 2016/10/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
心をえぐられる
土曜日の夜の回を観てきました。前半はインプロを含め笑わされたものの、後半は一転して重くつらい気持ちに。ストーリーはもちろん、中山さんをはじめキャストの方たちの熱演に圧倒されます。大里さんと中山さんのあるシーンでは涙が止まりませんでした(T_T)
ゴドーを待ちながら
Kawai Project
こまばアゴラ劇場(東京都)
2016/10/19 (水) ~ 2016/10/30 (日)公演終了
満足度★★★
ネタばれ
ネタばれ
ネタバレBOX
サミュエル・ベケットの【ゴドーを待ちながら】を観劇。
永遠の不条理演劇と言われ続けているようだが、内容をカットせずに150分版を観ていると、全くそんな戯曲ではなく、哲学的に受け取れる作品になっている。
ディディとゴゥゴは職も住む場所もなく、毎日の食事にありつけるかどうか不安である。そんな彼らはゴドーを待っているのだが、ゴドーの代わりに来るのは彼らを征服しようとする輩だ。
第二次世界大戦中に敵国に占領された人々の飢えや苦しみの中、彼らがゴドーを待つ事が希望なのか絶望か?
そんな葛藤をしながら、来るはずのないゴドーを待つ事によって、何かを掴み取ろうとして、今日一日を生き延びようとして行くのである。
時代背景は明確に描かれてはいないが、明らかに戦時中に苦しんでいた欧州の市井の話である。
未だにこの戯曲が世界の至る所で呼吸をしているのは、やはり世の中は全く変わっていないという現れであろう。
非常に観る価値の作品である。
しろいあさに心臓をちぎって
Pityman
インディペンデントシアターOji(東京都)
2016/10/19 (水) ~ 2016/10/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
真剣で壮大
不思議な世界に出掛けることができました。
ネタバレBOX
人間が不妊になっていずれ滅亡するかと思われた頃、オーストラリアのエアーズロック近くに大きな穴が開き、そこに死体を入れると若返って蘇るという事態が発生。そのような中、蘇生組織に関わることになった絵描きの男を中心とした壮大な創作話。
真剣な演技による壮大な作り話は大好きです。素晴らしかったです。
村上春樹作品は、昨年舞台で『海辺のカフカ』を観たぐらいで、小説もほとんど読んだことはありませんが、主人公が死を感じさせる異質な世界へ出掛けたり、新興宗教的な組織が出てきたりするのが村上作品の特徴だとすると、本作品を観ているうちに村上作品を観ているような感覚に陥りました。
絵描きの妻の風貌、しゃべり方が鈴木杏ちゃんに似ていたこともそんな気にさせた一因かもしれません。
咲けぬ椿は落ちずに腐る
牡丹茶房
ザムザ阿佐谷(東京都)
2016/10/19 (水) ~ 2016/10/23 (日)公演終了
満足度★★★★
秘密基地
人を助ける、助けられる、すがる、すがられる、コンプレックスを持つもの同士の人間関係をうまく表現されていて、とても良かったです。
ホマレさんの顔のあざ、黒くするだけでは、もっとグロテスクなものすべきです。終演が21時30分はつらいです、
四則演算
sugarless
ART THEATER かもめ座(東京都)
2016/10/20 (木) ~ 2016/10/23 (日)公演終了
四則演算
観たら確実に心を揺さぶられます。
どうにかしてあげたいと言う気持ちが沸き上がり前のめりになるががどうすることもできない。
とても刺激になりました。
今日千秋楽。観てない方は是非。
刺毛-シモウ-
はぶ談戯
テアトルBONBON(東京都)
2016/10/19 (水) ~ 2016/10/24 (月)公演終了
満足度★★★★★
好みは分かれると思うけど、心に残る作品
知っている役者さんが客演するということで、
初めてうかがいました。
指定席で、上演時間は休憩なし2時間。
劇団先行で予約しまして、
劇場に行ってみたら
該当するイスがないという事態に直面しましたが、
スタッフさんが丁寧に迅速に対応してくださって
気持ち良く観劇できました。
予約の際のメール対応も優しくて良かったです。
本編は、好き嫌いはあるかもしれないけど、
見ないふりしてる醜い部分をえぐるようなシーンもあり、
でも、それでも寄り添っていないと生きていけない
人間の不完全さ&切なさを感じる話で、
私は好みでした。
ネタバレBOX
山奥のコテージに訪れた人々が、
少しずつ心と人生が壊されていく…
というような話で、
性的な方面の話題も出てきましたが、
「いろんな愛の形があるんだなぁ」
という感じで、
エロいなとは思いましたが
(基本的に直接的にはキス止まりだった)
いかがわしいとか汚らわしいとか思いませんでした。
と、いうか、
他人のこんな部分を見ちゃイケナイかなと思いながら見ているのが
背徳的で楽しい…あっ、でも楽しんじゃいけないのかしら? って感じで、
ゾクゾクしました。
歌謡ショー的な部分は、
スタスタやって来てさりげなくマイクを渡していったり回収したりする管理人夫婦含めて面白かったです。
歌謡ショー的演出は特に「突然!」って感じでもなかったので、
違和感なく見れました。
オープニングは耳が慣れる前に始まって、耳と目が忙しかったのですが、
ソロ曲の歌詞は、
歌詞カード(販売パンフレットに記載)見なくても聞き取れました。
人妻の曲が、
歌い出す前のエピソードを絡めた
それっぽい曲調で面白かったです(笑)
時々あった、2、3組の場面のセリフが入れ子になっている(?)演出は
情報整理で頭使うのにちょっと苦労したけど、面白いなぁと思いました。
俺は、君のためにこそ死ににいく
劇団夜想会
俳優座劇場(東京都)
2015/04/07 (火) ~ 2015/04/12 (日)公演終了
俺は、君のためにこそ死ににいく
戦争の特攻隊をテーマにしたこの舞台。
世界観が素晴らしかった!
兵隊役の動きとか、話し方とか間近で見れてすごく勉強になりました。
ソウサイノチチル
office HOMME / team Genius bibi
笹塚ファクトリー(東京都)
2015/03/11 (水) ~ 2015/03/15 (日)公演終了
ソウサイノチチル
いやぁ良かった。凄かった。
笑えて泣ける舞台ってまさにこのことなんだろーなー。
葬式っていう設定がもう面白い。
シリアスとコメディが両立できる。
しかも、役者さんたちが
コメディの空気感、シリアスな空気感を瞬時に作り上げるから、いつの間にか引き込まれる。
ほんとにいい舞台だった。
死ぬとは?生きるとは?
3月11日に観る意味のあった舞台でした。
ソウサイノチチル。
笑えて泣ける美しいお話。
観て良かった( ^ω^ )