
insider
風琴工房
Half Moon Hall(東京都)
2016/07/21 (木) ~ 2016/07/31 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/07/29 (金)
シャープな、ときに笑いを含んだテンポの良い会話で、前半はバイアウト・ファンドなどの用語や意味と、登場人物の人となりを観客に伝えていく。中盤から後半にかけては、調べる側と調べられる側の緊迫したやり取りで、出来事の背景や重さを感じさせる。
証券取引等監視委員会の特別調査の目的は、インサイダー取引の犯人探しだが、マチュリティの中の誰がそれをやったのか……という謎解きは、実はさほど難しくない。
それよりも、なぜ彼がそれをやったのか、というところに焦点がある。いや、なぜ、というより、どんなふうにそこへ追い詰められていったのか、という方がいいだろうか。動機めいたものは、実はさほど詳しくは語られない。少なくとも自分はそういう印象を受けた。しかしその一方で、この物語そのものが、彼がそれをしてしまうことになった理由を語っているのだとも思えた。
ストーリーが進む中で、前作の場面が何度もインサートされる。予想以上に続編であることを意識した造りだった、と感じられた。
喰うか喰われるか、という印象もある金融の世界で、ある種の理想のもとに会社を立ち上げていった前作の高揚と、いつの間にか歯車が狂ってしまった今作の中の彼ら、いや彼と。
いったいなぜ……。観客席にいてさえ、何度も何度もその問いに立ち戻る、そういう物語だったのかもしれない。

たたかうおとな
演劇企画アクタージュ
荻窪小劇場(東京都)
2017/01/06 (金) ~ 2017/01/09 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/01/08 (日)
ひと言"素晴らしかった!"ですね。
リアリティーな演出に感動しました⤴
もちろん、役者さん達のやりとりにいつの間にか引き込まれてあっという間に時間過ぎ終演。
ホント、いいもの観せて頂きました(^-^)

かやくごはんと煮っころがし2016
しゅうくりー夢
テアトルBONBON(東京都)
2016/07/21 (木) ~ 2016/07/25 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/07/23 (土)
突然の事故で死んでしまった青年と、彼を巡る人々。それぞれの関係がいつのまにかつながりあい、過去と今が結び合って、そうして、ある魂が安らかにこの世を去ることができるまでを描く物語。何度観ても泣いてしまうけれど、この劇団らしく、人が人を想う気持ちを描いて温かい。
暁の妻 凛を演じた劇団員の宮田さんの哀しみに耐えようとする笑顔や泣き笑いの表情がせつなくて、それでも彼女が笑えるようになるラストシーンに、暁と同様ホッした気持ちになった。
舞台上の一人ひとりが、確実にそれぞれの過去や未来を背負って生きている、そういう作品だったように思えた。

名なしの侍 (28日より大阪公演開幕!直前予約受付中!)
劇団鹿殺し
サンシャイン劇場(東京都)
2016/07/16 (土) ~ 2016/07/24 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/07/17 (日)
会場を揺らす生演奏とたっぷりの殺陣で始まった物語は、音楽と笑いを散りばめた、劇団☆新感線風の時代劇……と最初のうちは思った。
しかし観ているうちに、自分の居場所や夢を追う若者の姿にウエイトが移っていく。夢を抱いて故郷を離れる数人の若者たち。戦争孤児や捨て子、肩を寄せ合うように過ごしてきたはずなのに。それぞれの運命が彼らの立場を玩ぶように動かしていく。
愛しい、大切な仲間たち。彼らが本当に求めていたものは、サムライの身分や地位ではなく、誰かにそばにいてもらうことだったのではないか。
足軽のブラス隊が奏でる旋律が、胸にしみる。
生きてくってことは、なんて寂しくてせつないことなんだろう……。そんな感傷に浸りつつ劇場を後にした。

勧進帳
木ノ下歌舞伎
まつもと市民芸術館 小ホール(長野県)
2016/07/14 (木) ~ 2016/07/16 (土)公演終了
満足度★★★★★
細長いステージは、ポスターの写真同様、道を表しているのだろう。関を守る側、越えようとする側。それぞれの思惑を追いつつ、物語は進む。ラップなども使ったスピーディな展開に、すり足のような和物の所作が混じる独特の雰囲気。
弁慶と富樫の命を賭けたやり取りの緊張感と疾走感、そして、越えられぬ境界を見据える哀切さをスタイリッシュに描いていた。
そこで見せるいくつかの関係が興味深い。弁慶と富樫の丁々発止のやり取り。主を守るために主を叱咤する弁慶の胸のうち。直接には目線を合わせることもない義経と富樫のある種の共感。
義経を演じた高山市のえみさんの、静かな覚悟を感じさせる凜とした美しさと、冨樫役の坂口涼太郎さんの胸のうちをうかがわせる微かな笑みが、それぞれ切なく印象に残った。

オペラ『おぐりとてるて─説経節「小栗判官照手姫」より─
みどりアートパーク
横浜市緑区民文化センター みどりアートパーク(神奈川県)
2016/07/09 (土) ~ 2016/07/09 (土)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/07/09 (土)
権力とも富とも無縁の弱い者たちが、それでもより弱い者に手を差し伸べる。打算ではない。哀れみや気まぐれと呼ぶには真摯過ぎる。その「えいさらえい」という呼び声が、いつまでも胸に残った。
ラストは人々の歌声で終わる。その中で、神の申し子として生まれ最後には神として祀られた小栗を「偉大な俗物」と呼ぶ。これは英雄譚ではなく、ありふれた暮らしを生きる人々の中の尊い何かを描いた物語なのかもしれない。

peeeeep〜踊る小説2〜
CHAiroiPLIN
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2017/01/07 (土) ~ 2017/01/08 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/01/08 (日)
本質的にはダンスカンパニーなので一寸構えてしまっていたが意外にも楽しめた。俳優とダンサーでいうとダンサー寄りの演者さんが多く、動きのキレが尋常ではない。舞台芸術の奥深さに触れた気がする。中でも田中美甫が息を呑むほど妖艶で吃驚。4ステージしかないのが勿体無い。

ラストダンス
国分寺大人倶楽部
シアター711(東京都)
2016/07/06 (水) ~ 2016/07/12 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/07/08 (金)
ちょっとダメな大人たちの、それでも精一杯だったかもしれない日々のひとつの終わり。
自分にも身に覚えのありそうな会話や展開、どこかで見たようなある種の典型みたいな登場人物たちが、妙に愛しくなる、そんなささやかな物語だった。

恐怖時代
花組芝居
ザ・スズナリ(東京都)
2016/07/06 (水) ~ 2016/07/11 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2016/07/08 (金)
凄惨な悲劇を、様式美と遊び心で夏の夜にふさわしい美しい舞台に仕立てた。
浴衣姿でメイクもなし、舞台も蚊帳をひとつ吊っただけのほぼ素舞台。そういうシンプルな道具立だからこそ、キャスト陣が観せる大人の余裕と艶やかさが際立ったのだろう。

荒川、神キラーチューン
ロ字ック
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2016/06/29 (水) ~ 2016/07/03 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/07/03 (日)
ヒリヒリするような記憶とそれにフタをするように生きている今。
小野寺ずるさんに感情移入し過ぎて、マイクを持って歌う彼女の夢を見そうな気がする。
何が人を救うのか。
明解な答えは出ていないけれど、抱え続けた想いも、すでに私の一部なのかもしれない。

郵便屋さんちょっと2016
劇団扉座
座・高円寺1(東京都)
2016/06/23 (木) ~ 2016/07/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
つかこうへい氏の複数の初期戯曲をもとに、横内謙介氏が脚本を書き、劇団員の個性を生かして演出した熱い舞台。
つか作品らしい理不尽さや強引さや屈折、あるいはえげつなささえもがっつりと見せながら、主人公のセンジロウはどこまでも明るくポジティブである。
つか芝居のレトリックと同時に、そのポジティブさが物語を牽引する。
なるほど、これはつかこうへい氏へのリスペクトであり、そして同時に劇団としての扉座らしさを詰め込んだ作品なのだと思った。

げんない
わらび座
東京国際フォーラム ホールC(東京都)
2016/06/23 (木) ~ 2016/06/24 (金)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2016/06/24 (金)
江戸中期の見世物小屋を舞台に、平賀源内という天才と彼を取り巻く人々が、封建時代の日本で「自由」を求める姿を描くミュージカル。
キャッチーなメロディ、ユニークなダンス、アクロバット、浄瑠璃や殺陣、さまざまな工夫と見どころを盛り込んだ贅沢な舞台。
中でも主人公の源内が語る言葉が、時代を見通し、未来を夢見、進もうとする意志を伝えて、この舞台を希望の物語として観る者に印象付けた。

たたかうおとな
演劇企画アクタージュ
荻窪小劇場(東京都)
2017/01/06 (金) ~ 2017/01/09 (月)公演終了
満足度★★★★
「子供の喧嘩」よりも始末が悪い「大人の喧嘩」…【Bチーム】
子供の喧嘩によって話し合うことになった夫婦2組の壮絶な会話劇。当初は大人らしく穏やかな話し合いが続くと思われたが、大人と言えど人間である。その性格が段々と露わになり、自分自身のこと、夫婦間のこと、さらには男女という性差による感情など、錯綜し漂流するような会話が面白く描かれる。
前説であった上演時間を越えて約1時間30分。

ケムリ少年、挿し絵の怪人【全公演終了いたしました!誠にありがとうございました!】
くちびるの会
吉祥寺シアター(東京都)
2016/06/03 (金) ~ 2016/06/07 (火)公演終了
満足度★★★★
オトナの子ども心をくすぐりつつ進む冒険譚。
時代に取り残されたような町で起こる奇妙な事件に、虚構と現実が交叉する。
あばくことで失われるもの。それでもあばき続けなくてはならない存在。身を隠しつつ町に潜んでいた探偵と、彼に対する怪人の想い。
なるほど!な配役と、懐かしくも怪しい商店街のセットが、物語の魅力をいっそう引き立てていた。

残花―1945 さくら隊 園井恵子―
特定非営利活動法人 いわてアートサポートセンター
座・高円寺1(東京都)
2016/06/01 (水) ~ 2016/06/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2016/06/03 (金)
重い題材を、丁重かつ誠実に物語へと落とし込む姿に胸を打たれた。
観終わって、長い息を吐く。深呼吸というより、まるでずっと息を止めていたかのような心持だった。そういうある種の緊張感を背負いながら観る舞台だったように思う。

東京の王様 横浜市開港記念会館公演
THE REDFACE
横浜市開港記念会館(神奈川県)
2017/01/04 (水) ~ 2017/01/04 (水)公演終了
満足度★★
面白い箱、出来る役者、これは!と思っていたのだが、かなり拍子抜けしてしまった。肝心の芝居以前に、スタッフの行動が嫌でも目に付く。大声で身内を案内したり、1ベル後にいきなり客席を動き回ったり、後方席でこれまた大声の私語。観客が静かだった為に、必要以上のその行動が目に付く。また上演中後方扉が何度か開いた。その度に客席中央近くまで光が入る。入り口に暗幕を張るとか、衝立を置くとかいう発想はなかったのだろうか?そして舞台のほうだか、メイン二人のイメージからはかなり違うキャラで(これはあきらかに私の思い込みが強いせいではあるが)、持ち味が出ていないというか、なんとももったいない気がした。ストーリーもなんというか、主人公が小さくまとまってしまう終わり方には拍子抜けした。時間経過も何年後と言う言葉がいきなり出てくる感じで、芝居自体でそれを上手く流しているように思えず。期待が大きかった分だけ、当て外れになってしまったようだ。

幸福のとき
立花座
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2017/01/06 (金) ~ 2017/01/09 (月)公演終了
満足度★★★★
始まってすぐのドタバタした感じが好きになれず、私好みではないかなと思いましたが、だんだんとくる笑い、涙、とても好きになりました。
子供の役者さん達は、「子供」と付けるには失礼かなと思うくらい、大人と同格の役者さんでした。

THE GAME OF POLYAMORY LIFE
趣向
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2016/01/21 (木) ~ 2016/01/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
客席がステージ(スタジオ)の真ん中にあり
2組のカップル(?)の日常を覗いているような気持ちになった。
ともすれば、中に入って仲裁とかをしたくなるような感じ。
愛にはいろいろな形があり、それを許容することもまた未来へ繋がる。そんなことを感じました。

虚仮威
柿喰う客
本多劇場(東京都)
2016/12/28 (水) ~ 2017/01/09 (月)公演終了

翼とクチバシもください
クロムモリブデン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2016/05/11 (水) ~ 2016/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/05/14 (土)
フィリップ・K・ディックの小説やスチームパンクのような、ある種のSFめいた非現実感、あるいは現実が虚構に浸食される感じや人でない者の意識を具象化する印象がジンワリとまといつくような不思議な舞台。
観終わってまたすぐに観たくなって、ファンの方々がこの劇団を称する「観るドラッグ」という形容詞に納得した。