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第17回公演 『モラルハザード』 第18回公演 『Ctrl+z ダイアリー』

第17回公演 『モラルハザード』 第18回公演 『Ctrl+z ダイアリー』

劇団天然ポリエステル

キーノートシアター(東京都)

2016/11/24 (木) ~ 2016/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★

モラルハザード
わりと笑いをまじえた展開になっていましたが、考えさせられる内容もあり、もうひとつの作品も観ると見えてくるものがあったりするのですかね!?

出張診療所

出張診療所

劇団芝居屋

ザ・ポケット(東京都)

2016/11/30 (水) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★

自問自答!
主人公の女医柴田光江は大学病院勤務時は総合内科に属していたが、どちらかというと明らかな病人を”機械的にいかに直すか”という意識であった。病気の父の代わりに出張医療で月日を重ねていくうちに”本当の治療は患者の話に聞くというところから始まる血の通ったところにある”ということを再認識する。
主人公の”なぜ医者になったのか”その答えを出していく心の変化を日記のようにレコーダーに録音しつつ時系列で描いていく演出は解りやすく印象度が強くなる。
芝居屋の役者たちの演技はいつも自然で”肌で感じる”ものがある。
柴田光江役の増田恵美の細かくキレにある演技、永井利枝の味わい深い演技は唸らせる。個人的には役場の職員の田中宏明演じる横川靖のキャラが観ててとても心地が良い。

片葉の芦

片葉の芦

あっちぇる

赤坂RED/THEATER(東京都)

2016/11/30 (水) ~ 2016/11/30 (水)公演終了

満足度★★★★★

来年は区切りの10周年だそうです
選択したストーリーも朗読も
合わせたキーボードの生演奏に
抑えた照明や背景等
なかなかに雰囲気出てて聞き入った95分

割と高齢の女性層が多いかなぁと思えた客層でしたわね

声色が上手で
これまた聞き入りましたと付記♪

オフェリアと影の一座

オフェリアと影の一座

りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2016/11/30 (水) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

白石加代子ワールド
白石加代子ワールド全開。
演出がキレイ過ぎて、むしろ退屈でした。

ジャパコン

ジャパコン

劇団チャリT企画

座・高円寺1(東京都)

2016/11/30 (水) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★

じゃぱこん
親子の壮絶バトルを通して、多くのことを考えさせられました。

ネタバレBOX

登場人物が多くにぎやかで、舞台セットが細かいところまでしっかりと作られており、観やすかった印象です。改憲をめぐって繰り広げられる親子の壮絶バトルは観応えがありました。震災、東京オリンピック、改憲の投票、と扱う題材が実に興味深いです。登場人物が、それぞれのテーマに関わりを持ち、それぞれのメッセージを放つことにより、それを感じながら、多くのことを考えさせられました。最後の結末は、傘が壊れたのはなぜか、理解が追い付かなかったです。もう少し、続きを観たいと思いました。
ラクリーメ・ロッセの読書会(6日昼追加公演)

ラクリーメ・ロッセの読書会(6日昼追加公演)

もじゃもじゃ頭とへらへら眼鏡

ラゾーナ川崎プラザソルなど(神奈川県)

2016/11/25 (金) ~ 2016/12/06 (火)公演終了

満足度★★★★★

ラクリーメ・ロッセ 最高
マジで最高でした!皆さんチョーおもろかった(⌒▽⌒)
子供ですが内容はなんとな〜く…わかったかな笑
ツバがめっちゃとんでて女の人が嫌がってるのに爆笑してしまいました‼︎笑
終わったらつば星人のマグネットももらえたし、
近藤さんのチェキも買いました!o(^▽^)o
…あと最後に…一番前はくりょくがあって良かったですけど
足と尻が痛かったです笑
楽しかったでーす♪(v^_^)v

元天才子役【いよいよ千秋楽!当日あります!】

元天才子役【いよいよ千秋楽!当日あります!】

元東京バンビ

スタジオ空洞(東京都)

2016/11/25 (金) ~ 2016/12/05 (月)公演終了

満足度★★★★★

反則的に面白い
いい、すっごく良い。正面から馬鹿丸出しで挑むドタバタコメディ。
初めて見たけどハチャメチャな面白さ
クソ次郎&ぶうたろうの劇団員以外のメンバーの濃さが、
半端なくズルイ程に面白い。もちろんお二人も素晴らしかったけど。
シンプルなセットながら効果的に展開する細かい計算が憎らしいほどに素敵。
大胆な窓の使い方も衝撃的。
考えて練られた笑いに、役者それぞれのアドリブ的パワーが相乗して、
押し寄せてくる面白さに思いっきり笑えた。

ネタバレBOX

最初まじにオジサンだと思っていた、
天才子役の加藤美佐江さんがホントに天才的(スミマセン)。
事務所の社長も、主婦の浅野さんも幅お広い魅力いっぱいで素敵。
ちょっと残念だっのは、お身内系の方が多かったのか、台詞や演技でなく、
ただ登場しただけで笑いが起こり、
ただ単にで落ち的な笑いに歪さを感じて気持ち悪かった。
終演後もお身内客のお見送り対応に忙しく、
一般客は置いてけぼり感があったのはいただけなかった。
でも、舞台の内容は素晴らしい!
タイミングがあえば、リピートしたいところです。

15 Minutes Made Volume15

15 Minutes Made Volume15

Mrs.fictions

インディペンデントシアターOji(東京都)

2016/11/26 (土) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★

15分でも各劇団の個性発揮
6つの団体の作品を15分ずつ楽しむことが出来る対バンライブのような面白いスタイル。15分ずつでも各劇団のカラーを感じることが出来て見応えがありました。6つのうち4つは初見の劇団さんでしたので、程良く新規発掘が楽しめたのも良かったです。どの団体も個性がありましたので甲乙は付け難いですが、一番気に入ったのは劇団競泳水着さんかな。feblaboさんも得意の?学園ネタでなかなかユニークな作品を演じられていました。若干物足りなさを感じた団体もありましたが、概ね満足です。

第17回公演 『モラルハザード』 第18回公演 『Ctrl+z ダイアリー』

第17回公演 『モラルハザード』 第18回公演 『Ctrl+z ダイアリー』

劇団天然ポリエステル

キーノートシアター(東京都)

2016/11/24 (木) ~ 2016/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★

モラルハザード…。
物語自体、プロットも台詞も面白いし、
ワクワクする展開なのに引き込まれない。
幕開けに現れる男でも女でもない不思議な猫の言葉で、
一気に高揚し物語の展開に期待するも…何故だろう。
役者陣のキャラもたつし演技も素晴らしいのに…
のれないステージだったのが少々残念。
しかしシーンごとに楽しく面白い展開もあり楽しめた。



ネタバレBOX

やんえみさんと杉本さん猫同士の会話や、凸凹コンビ的な婦警さんの2人、
ウザいくらに存在感あふれるマネージャーなどなど、
メインの精子ハンター以外にも強烈な個性が舞台を席巻。
それぞれのシーンは非常に面白かったが、全体のまとまり感が希薄なのか、
まとまりがなく物語が流れているだになってしまった。
主人公でもあるかたずけられない女めぐむを取り巻く、
彼氏ときお、同僚のあずさ、同級生のかなこのサイドストーリーが、
めぐむのキャラ付け以上でも以下でもなく中途半端に邪魔をする。
やんえみさん、杉本さん、おかざきさんの出番が
もっと濃いと良かったかもしれい。
どこの舞台でも女優さんを担ぎあげてる杉本さんの、
力技をみられなかったのも残念。
僕たちは他人の祈りについてどれだけ誠実でいられるか(仮)

僕たちは他人の祈りについてどれだけ誠実でいられるか(仮)

Ammo

Space早稲田(東京都)

2016/11/23 (水) ~ 2016/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★

挑戦・試みに拍手
まず、当日パンフの脚本・演出の南慎介 氏の挨拶文...「イスラームの演劇を創ろうと決めたとき、誰もが『やめたほうがいい』と言いました(中略)あまりにも僕たちの文化は違い過ぎており、彼らの大事にしているものを傷つけてしまう可能性があるから、と」...その逡巡する気持は解るような気がする。

【女たちの祈り】編(上演順)
「六月の長い夜」「私の兄はイスラム原理主義者になった」とも日本以外の国の出来事。日本における”宗教観”を見据えつつ、それでも解りやすい様に「個人」と「宗教/世界観」の仲立ちをするのが家庭であり家族という普遍的な視座を意識している。この2作品の間に直接的な繋がりはないが、テーマはもちろん宗教ということ。一概に宗教といっても、その違いが紛争の火種になるほど重要なものである。
(上演時間1時間30分)

ネタバレBOX

「六月の長い夜」
舞台セットは、中央にテーブルと椅子、リビングルームといった感じである。奥には映写幕が張られている。テーブルの上にはコーランが...。
梗概...場所・時はエジプト・カイロ、夫婦だけの濃密な会話劇。1967年6月から始まった第三次中東戦争(アラブ側では6月戦争)の某夜。物語は夫婦の離婚話、そこには第三者である長老の承諾が必要らしい。その長老が現れるまでの数時間、夫婦という男・女における信仰における本質(相違)を巡る議論が興味深い。同じ宗教であっても、男と女という性別によって異なる、そこには宗教をも超える生(性)が見える。

「私の兄はイスラム原理主義者になった」
舞台セットは、基本的に先の物語と同じ。ただし、テーブルは上手側奥へ移動し、下手側には新たにテーブル・椅子が置かれる。この二つのテーブル(位置関係)が宗教の違いを表している。こちらはドキュメンタリー風に観せるため、カメラワークが入っている。
梗概...場所・時はイングランド・ポーツマス、ほぼ現在における実話。引きこもりだった兄がロンドンに出掛けるようになった。そしていつの間にかイスラム原理主義者になっており、家族は彼をキリスト教に戻そうと話し合いをする。その教義の話し合いの過程で宗教を中心に色々な問題が浮き彫りになってくる。

舞台セットは、基本的に変わらないが、その薄暗い中のランプの灯りは神秘的な雰囲気を醸し出す。その暈けた感覚が(個人的には)宗教という概観を暗示していると思う。この感覚は宗教への信心の度合いによって異なるだろう。それを一定の距離感を保ち客観的に観(魅)せることで押し付けではなく観客へ問いかけるような...。その意味で懐が広く深い感じのする公演であった。
なお、「私の兄はイスラム原理主義者になった」は心象形成というよりは、映像で視覚的に観せる、ドキュメンタリーというインタビューという介在という直観・客観的という異なる手法を用いているのも巧い。

役者の演技力は緊密であり、距離感・臨場感の体現も見事であった。そのバランスも良く物語に引き込まれた。特にエマ役(前園あかりサン)のインタビュアーとしての冷静さ、家族の一員(長女)としての苛立ち、その熱演は観応えがあった。

次回公演を楽しみにしております。

ラクリーメ・ロッセの読書会(6日昼追加公演)

ラクリーメ・ロッセの読書会(6日昼追加公演)

もじゃもじゃ頭とへらへら眼鏡

ラゾーナ川崎プラザソルなど(神奈川県)

2016/11/25 (金) ~ 2016/12/06 (火)公演終了

満足度★★★★

ラクリーメ・ロッセの読書会を見て
会話劇と言う物を見たのは片手で余る程しかないのですが、その中でも可成り面白いと思える作品でした。
見せ場も個性も感情も笑いも山盛りで物凄い応酬でしたが、それが苦じゃない、寧ろ心地良さすら感じました。
人間の醜くも美しい性と生き様が確かに其処にある舞台だと思います。
回数を重ねる毎に面白さがどんどん増す作品だと思います!

出張診療所

出張診療所

劇団芝居屋

ザ・ポケット(東京都)

2016/11/30 (水) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★

「僻地医療」
今回で4作目の観劇になる“劇団芝居屋”ですが、
毎回感じるのは、観ていて“気になってしまう”ところがなく、
物語に集中できるのがこの劇団の特徴であり魅力であると思っています。

本作は、これまで拝見させていただいた作品と比べると“笑い”を抑えた感のある舞台ですが、その分役者さん達の芝居をじっくりと拝見でき、いつもとは違う楽しみ方をできた作品でした。

元天才子役【いよいよ千秋楽!当日あります!】

元天才子役【いよいよ千秋楽!当日あります!】

元東京バンビ

スタジオ空洞(東京都)

2016/11/25 (金) ~ 2016/12/05 (月)公演終了

満足度★★★★★

気持ちいいくだらなさ
100分。いい年した人たちが一生懸命にやっていることが、実にくだらない。だからこそ気持ちよくて元気になる。

This is a pen の絶望 ~ミニミニ王国を封鎖せよ  ~RE;2016

This is a pen の絶望 ~ミニミニ王国を封鎖せよ ~RE;2016

勝手にユニット BOYCOTT

元・立誠小学校(京都府)

2016/11/26 (土) ~ 2016/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★

想像力
久しぶりに観劇しました 演劇の良さは演じている人の息づかいが聞こえてリアルを感じられることと、見ている自分が想像力を使って空間に何かを見出して楽しめるところにあると思っていて。。。
この演劇でもちゃんと無駄に多くを説明せずに見ている人に伝えることを、うまくやっていたと思います。
隅から隅まで、空間を使って、色々な展開があって、最後まで飽きずに楽しめました。

ネタバレBOX

縄跳びでも空を飛んで見えたもの(^^)
元天才子役【いよいよ千秋楽!当日あります!】

元天才子役【いよいよ千秋楽!当日あります!】

元東京バンビ

スタジオ空洞(東京都)

2016/11/25 (金) ~ 2016/12/05 (月)公演終了

満足度★★★★

そう、私は
そう、私は下ネタにうるさい女。
男が女に下ネタを言う場合、ほとんどの確率で 楽しくない気持ちにさせる、と思ってる人間で。
それくらい 下ネタというものは センスと難易度と言い 高いもの。
それは 劇で笑いを取ることも似ていて とても難しいものと思っています。

そんな私なのに なんと楽しめました(^^)

↑ああ、下に書いてる方と 似た内容になっちゃってますね。。

ネタバレBOX

出だしの 天才子役ミノル(加藤美佐江)とメイクさん(青木璃絵)のやり取り 
ミノルの演技が 存在感と破壊力 すごいです!
メイクの子も 脇役から最後はアイドルにまで 1人4役も効果的でした☆

女性役者陣は 美人で色っぽいのに 体を張ってる その役者魂と。
男性役者陣も層が厚く 皆個性が よく発揮されていました。

ロックマン(はやしぶうたろう)の登場のくだり 
ほかの劇団だと ああいう展開は引くことがほとんどだけど 面白かったです(笑)
うざいのに 不思議と愛着がわいてしまう・・・
はやしさんの演技だから あの味が出るのではないかと思うのです。

ミノルの娘と会う(番組のやらせ) 
ロックマンの心の声を 体で表すあのシーン あそこも私のお気に入り☆

まあ 中には下品と思うとこも少しはあったけど。
下ネタ苦手な私でも大丈夫なのは 女性に対する尊重の気もちが どこかに感じられるからだと思います。

これだけ好き勝手やって この路線って ほとんど失敗しそうなものを
そこを不愉快にさせないところが アダチさんのスゴイところだと思います☆

そうそう ほかの方も書かれてるように 「空洞」という場所も すごく合っていますね♪


 
 
メリーさんのクリスマス

メリーさんのクリスマス

劇団SHOW&GO FESTIVAL

下北沢 劇・小劇場(東京都)

2016/11/29 (火) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

満足度★★★

情けない・・・
みんな貧しい恋愛というか、手近で、まるでコンビニのような感覚で彼氏だ彼女を捕まえ、追っかけている。そりゃ近場が悪いとは言い切れないが“絶対にこの人が好き”という感覚ではなさそうだ。とても情けなくなってしまう。なんとなく“つきあおう”と言われて付き合って、恋愛ごっこして、そんなに気持ちもないから別れても、そんなに傷つかない(当人は傷ついていると思っているのだろうが)。自分の息子もそんな中に居るのかと思うと、もっと情けなさが増してくる。・・・そんな風に感じたお話。残念ながらコメディという割りには客席からの笑いは少なかったようだ。私もあまり笑えなかった。ラブコメ的な甘酸っぱさもまったくなかったしねぇ。クリスマスって打算の時期なのかなぁ・・・。

独鬼 〜hitorioni〜<緊急追加公演決定!>

独鬼 〜hitorioni〜<緊急追加公演決定!>

壱劇屋

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2016/10/28 (金) ~ 2016/10/31 (月)公演終了

満足度★★★★★

今更ですが|д゚)))
観ました!
昨年『猩獣』を1回しか見れなくて後悔したので今回は最初から複数回として!
『猩獣』はHEPで一面舞台だったので、幕の後ろでの動き見たいなぁ!と思っていたので、今回は二面!楽しみで、殺陣・アクションも期待値大でした!
が、それよりも何よりも今回の『独鬼』は本当に美しい物語でした!
美しいが正しい表現なのかは分かりませんが、ドロドロしたものを抱えている人物もいるのに、人間が儚くて、脆くて、美しく、小憎らしい生き物だと感じられました。それは死ねない鬼の見た観念か。
作り手の真摯な思いとともに、ノンバーバルでセリフが無いことにより、
自分の持つ知識や観念も反映することによって、より多くの人の心を揺り動かすものになっているのかも。

来年の5か月連続も今から楽しみです☆

This is Mine,not Yours.

This is Mine,not Yours.

劇団ORIGINAL COLOR

新宿眼科画廊(東京都)

2016/11/26 (土) ~ 2016/11/29 (火)公演終了

満足度★★★

時間の所有は分かるが流通とは?
29日午後、新宿眼科画廊スペースOで上演された劇団ORIGINAL COLOR『This is Mine,not Yours』を観てきた。これは、今年知った気になる役者・嶋谷佳恵が出演していた関係からである。嶋谷はこの劇団メンバーであり、看板女優であり、制作も担当している。ホームグラウンドの劇団公演で、どのような演技を見せてくれるのか気倒して出かけた。

会場の新宿眼科画廊スペースOは画廊の一回にあるスタジオ。地下にあるもう一つのスタジオよりも小さい。東京浅草に世界一小さい劇場というふれ込みの浅草リトルシアターというのがあるが、新宿眼科画廊スペースOは椅子席15、座布団席4の全19席という観客席の狭さ。おのずの舞台の狭さも分かっていただけるであろう。結果として、動きの多い芝居と言うより会話劇的な芝居に向いている場所であり、今回の公演もどちらかというと張り詰めた会話が中心となっている芝居であった。

劇のおおよその内容は次のようなもの。
小形鏡子(千草)は会社の後輩・皆口多恵(森川未来)が死んだ事がきっかけで、後輩の人生の転機に関わった人物3人、すなわち会社員・前島英治(嶋田貴心)、ショップ店員・山本早希(田中希布)、占い師・伊東成美(嶋谷佳恵)を拉致した。小形は拉致した3人を脱出不可能な民家の地下に住まわせるが、テーマに沿って一人づづ話をさせ、内容によって点数やボーナス点を与えて拉致から解放するチャンスを与える。彼女は、3人の口から皆口への懺悔の言葉の発せられるのを待っていたのだ。結果として、拉致された3人は精神的に追い込まれながらも前島が皆口への懺悔の言葉を発する状況となり、拉致から解放される。

プログラムに、今回の舞台のテーマが「時間の所有と流通」であり、「ここで消費していただく時間の対価として、少しでも見合った作品となっていれば幸いです」という劇団主宰者で作・演出を兼ねた小林裕大の言葉がなければ、さてこの劇で何を言いたかったのだろうと少々悩んでしまうような舞台であった。拉致された3人の生きる時間は個々のものだが、実は拉致という行為でその時間を支配しているのは拉致した小形の支配下。その支配された時間の中で、人はどう考え行動するのか。小林の言う所有は分かりやすいのだが、この劇から時間の流通という面を読み出すことはかなり難しい。拉致した小形の支配する時間と3人が与えられた話をする時間の交錯を流通とみれば良いのだろう。
ただ、拉致という行為が今回のテーマを観客に伝えるに当たり適切な設定だったかには疑問が残る。
とはいえ、拉致された3人の緊迫した感情表現はよく演じられていた。3人に対する小形の態度、これは生前の皆口に対する態度とも共通しているが、やや投げやりでいらだちを内に秘めた感情の生まれる原因は何だったのだろう。

役者達は、個性的な役柄をよく演じていた。数多い種類の笑いをこなせる嶋谷が、今回はほぼ無表情・冷静な占い師を演じていたのが予想外。なるほど、こうした役もこなすのか。
前島役の嶋田と山本役の田中の恐怖心の表現方法がやや類型的だったのが惜しい。
皆口役の森川の声色の使い分けは、モノクロ的な芝居に色をつけてくれて良かった。
小形役の千草。なかなかの芸達者とみた。
この劇団の本領は、まだ数回みてみないと分からないというのが正直なところ。次回公演も観てみたい。

DEFILED

DEFILED

劇団CRACKPOT

ART THEATER かもめ座(東京都)

2016/11/23 (水) ~ 2016/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

言葉の奔流
舞台装置も良いし、照明も演技の邪魔をしない、最低限。
音楽も最初と最後しかかからない、純粋な演技のやりとりが見られた。
あれだけの台詞をすらすらと喋るのは圧巻だった。
特に、本の題名を並べ立てるところはすごい。
海外の台本らしい台詞まわしだが、違和感がなく
パフォーマンスも自然に感じられ、演技力の高さがうかがえた。
内容的には少し古さも感じられたが、今でもまだ通用する内容。
二時間弱、まったく退屈しなかった。

トルツメの蜃気楼

トルツメの蜃気楼

<火遊び>

GALLERY LIPP(東京都)

2016/11/03 (木) ~ 2016/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題1974(16-264)
19:30の回。

19:00受付、開場。

ここは2回目(2015/8)。

入って左と奥にL字の客席、道路側に舞台、もうひとつLの角も舞台になってデスクが置かれている。役者さんはすでに座っている。
編集プロダクションで行われている「校閲」のお話し。
※文書や原稿などの誤りや不備な点を調べ、検討し、訂正したり校正したりすること(wiki)。

「Fire pRay ―秋津悠理のためのリサイタル―(2013/6@悠玄)」以来の2作目。

今駒ちひろさん(本年3作目)が出ているので観に来ました。
黒沢佳奈さん「サイキックバレンタイン(2011/2@ミラクル)」。
佑木つぐみさん「伯爵のおるすばん(2013/10@サンモール)」。
金子優子さん「タケルのミコト(2015/2@BOX)」他。

印刷(文字)物に囲まれたオフィス、登場人物に共通点はなさそうだし、仲がよいのでもない。事業のこと、夢のこと、過去のことなどが浮かんでは沈んでいるよう。

椅子を引きずる音が繰り返される。

嬉しいことはひつともなさそうな世界、それが蜃気楼なのだろうか。

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