最新の観てきた!クチコミ一覧

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ひとくず/大阪公演

ひとくず/大阪公演

映像劇団テンアンツ

ABCホール (大阪府)

2025/10/31 (金) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

何も言う事は有りません
最高です

スヴァルトフィヨルドの幽霊事件

スヴァルトフィヨルドの幽霊事件

劇団ショウダウン

難波サザンシアター(大阪府)

2025/11/01 (土) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

久しぶりのショウダウンに来て良かった。
現代を軸にした物語も理解しやすく、前作ともガッツリ繋がって!
こういうミステリーホラーのナツメ作品は一級品です。
役者では竹内敦子さんの美少女と魔女のギャップが同一人物とは思えない凄さ!

『ペリクリーズ』

『ペリクリーズ』

メグロコミュニティシアター

ウッディシアター中目黒(東京都)

2025/11/01 (土) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

シェイクスピアの未見の作品。説明によれば彼の最初のロマンス劇とある。
物語は、荒唐無稽で現実離れしているが、素朴で味わい深さもあって楽しめる。戯曲通りなのか判然としないが、詩人・語り手(説明役)であるガワーが幕間に現れて、場転換を告げる。そして場面と場面を繋ぐ経過や状況を簡潔に説明するため、物語の内容は分かり易い。何となく勧善懲悪のよう、そう思わせるのは ガワーが冒頭「良きもの、古きこそ良き」といった旨の口上があるため。

壮大なスケールと長い時間軸の物語だが、端的に言えば主人公 ペリクリーズの愛と波乱万丈の旅、そして家族の話。誤解、勘違いや早合点が招いた過酷な運命、それが いつの間にか荒唐無稽でご都合主義によって奇跡へ転じる。多くの人物が登場するが、役者によっては 1人が複数役を演じる。その演技力に差があり、特に台詞回しが ぎこちない。シェイクスピア戯曲の台詞(原文/古典の翻訳)通りに演じているのだろうが、役者が それを十分取り込めていないため、台詞を読んでいるといった印象だ。逆に現代語訳のような自然な台詞回しのほうが聞きやすく 親しみが持てると思うが。
(上演時間2時間20分 途中休憩10分 計2時間30分) 

ネタバレBOX

舞台美術は、ほぼ素舞台で 中央奥にベンチが1つ。上演前は上手に黒布で蔽われたモノがあるだけ。その黒布は早々に取り除かれ、そこには斬首した多くの首が山積みになっている。ペリクリーズはアンタイオカス王の娘に求婚しようとしたが、王と娘は近親相姦を繰り返している事実を知る。王は、それでも娘を望むなら或る謎解きをしろと迫る。今まで何人もの求婚者が謎解きに挑んだが…その結果斬首され門の上に晒し首となっている。

ペリクリーズは王家の秘密を知ってしまい、命を狙われることになる。已む無く部下 ヘリケーナスに所領ツロの統治を委任し旅立つ。そこから波乱万丈の旅が始まる。幕間は暗転/明転ではなくガワーが説明するが、シエークスピアの時代は照明での場転換がなかったこと、同じ空間で 時間の経過だけを表すための演出であろうか。

サイト(CoRich舞台芸術)の説明に あらすじが記されており、その結末も「家族全員の奇跡的な再会によって物語は幕を閉じます」とあり、ハッピーエンドであることが分っている。未見の作品だけに、そこは もう少し配慮(工夫)した説明にしてほしかった。

照明や音響/音楽といった舞台技術は、印象に残るほどではなく、衣裳は当時を表そうと それなり。その中で 女郎屋のおかみ 岸本聖美さんのアニマルプリントの衣装は強烈。登場した瞬間に笑い、そのヒール役とのギャップに可笑しみが…。
次回公演も楽しみにしております。
人のいぬ山

人のいぬ山

発条ロールシアター

中野スタジオあくとれ(東京都)

2025/10/31 (金) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 華4つ☆
 分かったようで分からぬタイトルだが、

ネタバレBOX

如何にも、一見脳天気な作品を装うこの劇団らしいタイトルでもあるから、今迄この劇団を観てきた観客には、時代の激変とそれに巻き込まれて右往左往している多くの人々にもこうして自分達の特性を今回の公演でも守っているこの劇団の健全性に心打たれるかもしれない。その一例がのっけから、まあ何故このタイトルなのか? に現れていよう。だが解は観てのお愉しみの1つだ。
 今作を笑って観ることが出来るか否かが、観る者の健全性のバロメータになりそうな作品でもある。
 観終わった瞬間は、ほにゃら! という感覚だが、妙に引っ掛かる。そこからメタ思考が始まり、様々なシーンを思い起こしてはその意味する処を詰めてゆく。そんな観劇体験を愉しめる作品だ。
『眼球綺譚/再生』

『眼球綺譚/再生』

idenshi195

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2025/10/29 (水) ~ 2025/11/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 華4つ☆

ネタバレBOX

 「再生」を拝見、朗読形式なので美術は至ってシンプル。絵空箱の入り口に対しLの字を反時計回りに90度回転させた形で客席を設け対面の壁と客席に囲まれた空間が役者陣の陣地である。L字長辺の下手に箱馬型の照明器具が2つ役者を斜めから照らすように置かれ、丸椅子に座った役者を挟んで上手に骰子型の照明器具が1つ置かれている。演出家が、演者の発語していない時空をも表現の一部と見做して演出しているので、中々張り詰めた空気の中で、演者達の朗読が為され効果的だ。
 物語は怪奇幻想譚といった雰囲気のゴシックロマン風の作品。登場人物は、大学教授兼作家の壮年男性と彼の大学に通う女子大生(22歳)との恋愛譚の形式を採る。2人のなり染めは精神科の待合室。教授はアル中の治療の為、彼女はクロイツフェルト・ヤコブ病治療の為来院していたが、受付で教授の名が呼ばれたのを機に彼女が彼に話し掛けたことがきっかけであった。2人は歳の差にも拘らず愛し合い結婚するに至ったが、彼女の病は間もなく彼女の身体を酷く蝕んでゆく。大学への就職が内定していたにも関わらず、教授は彼女を休ませる為、別荘に2人っ切りで引き籠り治療の為に止めていたアルコールに再び依存、遂には彼女の特性である再生能力に賭ける決断をし実行した。果たしてその結末は? 
 朗読乍ら、その悍ましさと悲惨にゾッとするシーンもあり中々良い出来である。尺は約90分。
レ-ガデラ

レ-ガデラ

來來尸來

FRAME in VOX(京都府)

2025/11/01 (土) ~ 2025/11/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

日曜日拝見です。近未来の世界での出来事。生活様式が代わりでも。最後は人はあって話すことが必要。そんなメッセージだったように感じました。昨今のオンライン会議とかどうもしっくり来ない私としては、勝手に共感しつつ、やっぱり人は、人間同士はそうあってほしいなと思った、そんな時間でした。

樫の木坂四姉妹【大阪公演】

樫の木坂四姉妹【大阪公演】

夏の川企画

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2025/10/31 (金) ~ 2025/11/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

感想遅くなりました。とても良くできた作品だったと思います。原爆のお話は広島が多いように思いますが、長崎であることも私には新鮮でした。姉妹それぞれの思いや葛藤をとてもよく、深く表現されており、今だからこそ特に見るべき作品な気がしました。とても素晴らしかったです。ありがとうございました。

ひとくず/大阪公演

ひとくず/大阪公演

映像劇団テンアンツ

ABCホール (大阪府)

2025/10/31 (金) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

日曜日夜拝見しました。満席の観客の中映画とはまたひと味違った感動でした。とても面白かったです。構成も照明と音楽で過去と現在見事に表していて素晴らしかったです。上西さんをはじめとするお芝居も最高でした。クスッとした笑いのセンスも完璧です。とても優しくいい時間を過ごしました。ありがとうございました。

かもめ

かもめ

OuBaiTo-Ri

目黒CLEOスタジオ(東京都)

2025/10/24 (金) ~ 2025/10/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/10/24 (金) 14:00

オクムラ宅(2011年:ゆうど)、アロッタファジャイナ(2014年:ギャラリーLE DECO) に次いで3度目。古参劇団がお堅く上演するイメージの作品だが、σ(^-^) が観た3団体はいずれも工夫を凝らしていて小劇場の意気を見せつける、的な?
今回は登場人物のややこしい関係性を解りやすくすべく相関図を当日パンフレットに載せ冒頭で改めて説明することに加えて序盤での会話で(その場にいない)登場人物について話す時に演技エリアを囲む椅子に待機している出演者に目をむける演出により「それって誰?」になるリスクを減らすという。こういう観客寄りの心遣いがありがたい。
そんなこんなを経て迎えた最終場、アロッタファジャイナ版で気付いた「ある解釈(ネタバレBOXへ)」の証明を試みたがやはり無理があった。いやまぁ、そういう見方もできないことはないのだけれど(笑)。

最後に世代限定ネタを。
「かもめ」と言えばテレシコワ。
「ニーナ」と言えば沢田研二。

ネタバレBOX

最終場で登場する「モスクワ帰りのニーナ」は「実体がないナニカ(=亡霊もしくはコースチャの夢/幻影)」でありコースチャを「アチラへ連れ去るために」訪れたという「誤った解釈」もアリ?(笑)
かえる

かえる

近藤芳正

THEATRE E9 KYOTO(京都府)

2025/11/01 (土) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/11/01 (土) 18:00

とても良かった。

京都で観るというのが、また良かった。

近藤氏は京都E9で上演するのが初めてだという。

でも、そんなことは感じられなかった。開演時間は京阪の遅延で5分遅れた。自分が移動する時も、そういえば東海道線が遅延していたかもしれない。三連休というのに関西は遅延ラッシュだった。自分は奈良から正倉院をみたあとで外国人だらけの奈良線に揺られてきたから京阪の遅れに気付かなかったが…。奈良線は、まほろばの郷から富士山を見るために、奈良から京都で、新幹線に乗る外国人、特に欧米人で溢れかえっていた。自分の家の周りも、欧米の雑誌でしばらく前に、世界でおしゃれな世界の町50に選出されて外国人だらけだったから、他人事ではない…。普通のどこにでもある町なのに…。渋谷から近い下町というだけで。…そんなことはさておき、舞台だ。

でも、この舞台、京都で見れて良かった。とても親近感がある。まるでコロナ前のアバンギルドで見るみたいな舞台が、生まれ育ったわけでもないがどこか懐かしい京都の街角の劇場で上演されたのだから。それも近藤氏の人生とも積み重なっているようだが、そのことはネタバレにもなりそうなので書かない。

京都は誰にとっても懐かしいかもしれないが、風化していない。これは実は驚異的なことなのだ。

…それにしてもこの舞台、なんで三連休の京都で上演されたのだろう?劇場で上演する舞台には不幸なことだが、この三連休の上演期間中は晴天に恵まれているのだ。ただ、それが京都の異邦人の僕にとっては良かった。

鴨川は不思議な川だ。E9の少し上流にアバンギルドがある。その上流には、一乗寺や植物園など。はなれてはいるが、川の水で繋がっている。

東京のどの川とも違うと思う。多摩川とも荒川とも神田川とも目黒川とも。いつか大阪まで旅してみたいと思いつつ、まだ果たせていない。

『眼球綺譚/再生』

『眼球綺譚/再生』

idenshi195

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2025/10/29 (水) ~ 2025/11/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

『眼球綺譚』望を観劇。ストーリー的にグロ要素ありですが、すっと入ってくる聞きやすい朗読なので怖いというより続きを聞きたいとなりました。余計なBGM等が無い真の朗読でしたが、凄く良かったです。

Once

Once

東宝

博多座(福岡県)

2025/10/20 (月) ~ 2025/10/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度

価格15,500円

観終わった後、思わず金返せと呟いた。好みに合わないのは仕方ないけど、何よりも嫌だったのは演出家の自意識が鼻につくこと。敢えて観客の視点をブレるようにしたり、芝居のリズムや呼吸をぶった切ったり。もう少し小さいハコでの上演ならそれでも良いかもしれないけど、博多座レベルの劇場で15000円以上のチケット代を取ってあの作品では、観客に対して不誠実だと思う。あれを斬新な演出だと捉える人もいるけど(それ自体は否定しないけど)、少なくとも観客への配慮が全く足りてない。地方の劇場なんて、京本ファンと意識高い系だけが観に来るわけでも無いのだから、もっと商業演劇としてのあり方を考えて欲しい。私の中では、今年30本以上観た中で一番の駄作。主役の人気のおかげで興行的には成功したけど、作品的には失敗してる。今後よほどのことが無い限り、この演出家の作品にお金を払うことはしないと心に誓う。
キャストはイマイチな人も好演してた人もいたけど、そもそも演出がアレなので、基本的にキャストの責任では無いと感じた。京本大我君の歌はいつも少しズレていて、それが魅力に感じる人もいるとは思うけど、私には全く刺さらなかった。斉藤由貴さんと鶴見辰吾さんの存在としての安定感が、この作品の唯一の良心だと思った。

その後、原作である映画を配信で観た。舞台とは似て非なる作品の素晴らしさに衝撃を受けた。映画は荒削りで完成度は低いけど、確かに心に響く音楽と生の呼吸がある。作品のテーマとも言うべきFalling Slowlyは舞台版と同じ曲とは思えないくらい違っていて、映画の中でキラキラ輝いていた曲が、舞台では単調で退屈なものに成り下がっていた。それに映画のキャストに較べたら、舞台版のキャストは何だか妙な息苦しさを感じた。演出家の自意識とそれが目指す形式美の制約の中で、役者は自由な呼吸を止められ、音楽は魂を失ってしまったのでは?京本君もギターの弾き語りを頑張っていたけど、技術的にいっぱいっぱいで歌に魂を込められなかったように思う。モーツァルト!の時は歌は拙かったけど魂はあった。でも今回は仏作って魂入れず状態。これはもはや、原作映画への冒涜では?この素晴らしい原作映画を、あの息苦しい舞台作品に改悪してしまった演出家の罪は、決して軽く無いと感じる。
較べるのは酷だけど、その数日後に観たKERA作演出の「最後のドン・キホーテ」は、音楽劇的な作りは同じなのに、観客への訴求力が雲泥の差だった。KERA自身は、「歪なものを歪なまま提出することが許されるのは、演劇にしかできないとことだとは思っている(最後のドン・キホーテのパンフレットより)」と言っているけど、歪でナンセンスで意味が分からない部分があっても、きちんと観客に届くように設計されている。そして当たり前だけど、俳優の自由な呼吸が妨げられることは決して無い。ふたりの演出家には才能やキャリアの違いが大いにあるとしても、やはりいかに観客に届けようとしているかの違いが如実に現れていると強く思った。
さらに言うなら娘が小さかった頃、市民センターのイベントで高校生がする子供向けに童話の劇を観たことがあった。衣装もセットも(雑な)手作り感満載で、お世辞にも芝居が上手いとは言えず荒削りではあったけど、彼らの伝えようとする心意気だけは嫌というほど感じた。その熱に巻き込まれて私も娘も何だか良く分からないけど楽しかったと思えた。これはまさにOnceで感じたのと真逆の体験だったと思う。彼らは荒削りでもきちんと観客に向き合っていて、そこに魂があったから。それを味わう幸せな瞬間を求めて私は劇場に通うのだと思う。でもその願いは今回、果たされなかった。形式としては美しいが魂の無い芝居を観せられても、ただ虚しさが募るだけ。

『眼球綺譚/再生』

『眼球綺譚/再生』

idenshi195

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2025/10/29 (水) ~ 2025/11/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、『眼球綺譚』望 観劇。
小説家 綾辻行人の名前は知っていたが、その作品は読んだことがなかった。本作で綾辻ワールドを高橋郁子さんの脚色・演出で一気読みするような感覚。これを<朗読キネマ>というのであろうか。事前(フライヤー)にトリガーアラートの案内があり、さらに前説で 一般的な留意事項以外に「気分が悪くなった方は椅子の前に蹲ってもらえれば、メディカルスタッフが対応する」とあり、一気に緊張感が走る。たしかにホラー・グロテスク・性的な描写があり、そのジャンルの名手である綾辻世界の雰囲気を十分に漂わせていた。この朗読劇を機に、小説(原作)を読んでみようかと思っている。

朗読劇のため ほぼ素舞台。中央に丸椅子が等間隔に4つと譜面台が1つ、後ろの壁に珠簾屏風のようなもの。その微かに揺れるところへの淡い照明が幻想的であり神秘的で妖しい。演者は女優4人、デザインは違うが黒衣裳で統一。会場内は薄暗く、その雰囲気と相まって 咳(しわぶき)一つなく緊張感に包まれる。役者は 始めから全員登場しているわけではなく、物語の進行に合わせて順次現れる。この公演では音響/音楽効果はなく、オノパトペもない。そこにも物語の世界観を大切にする拘りがある。
(上演時間1時間35分 休憩なし)

ネタバレBOX

朗読劇として表現するには多重構成で複雑な物語.。そして冒頭からして不気味「読んでください。夜中に、一人で」という言葉。それが朗読中 何回も出てくる。

物語は、出版社に勤め出した20代前半(大学を卒業し半年)の女性 手塚由伊 宅に送られてきた郵便物。便箋に書かれた文は先の文章と宛先、差出人だけ。そして同封されていた小説らしきもの。その内容が 自分の出生の秘密のように思え戦慄を覚える。小説という虚構の中に自分がいる。忘れてしまっていた幼い時の微かな記憶がよみがえる。

小説の題字は「眼球綺譚」…その構成が、現在と過去を行き来し 幻想、快楽そして猟奇的。小説の語り手である私は「倉橋茂(大学助教授 35歳 男)」、彼が高校生の時の幻想的な追体験をするような物語。そこで 奇妙な女性からの手ほどきで性交を重ねる場面がある。女優だけの朗読劇で、半ば犯されるような情景に違和感をおぼえる。いや情景が立ち上がらないのが惜しい。

小説の中で 狂った女が産んだ子の名が「由伊」、自分の名が記されている。珍しい名前だから偶然を装えない。忘れていた自分の過去が掘り起こされるような不気味さ。知りたくもない忌まわしい過去があるような。特に狂女 のぐち和美さんの か細く弱々しい囁きが怖くも可愛らしい。由伊が小説を読むという劇中劇、その内容が現在と過去を往還するという多重構成を、朗読劇で鮮明にするのは なかなか難しいようだ。
次回公演も楽しみにしております。
光るまで

光るまで

ほろびて/horobite

浅草九劇(東京都)

2025/10/30 (木) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

ほろびての新作公演。会場は浅草の九劇。コンパクトにまとめられたシンプルな舞台セットで上演する、夫、妻、義理の母、義理の兄、の4人芝居(モノローグは夫目線で語られる)。妻曰く「母と兄の様子が、私の知っている昔の様子と全く異なる」とのこと。久々に同じ食卓を囲み、ゆっくりとコミュニケーションを重ねる家族たち。しばらくすると、妻は実家での暮らしに順応し始めるのだが……。

ネタバレBOX

細川さんらしい「見立ての演劇」は健在で、小道具や台詞、繰り返されるモチーフなど、各所に見立てが感じられる。それもあり「この要素はどこに繋がっているのだろう?」というパズルのような見方もできるし、観客それぞれが独自の解釈を持つことができる。実際、自分なりの解釈が見つかった時は、物語にブーストがかかったような快感が。終盤に大きなどんでん返しがあり、そのまま終演を迎える展開にも驚いた。

ほろびての作品を何作か観ていて感じるのは、細川さんの一貫性。作品ごとのテイストは異なるものの、創作としての一貫性を感じることができます。それは「横から見ていたものを下から見てみる」のような、物事の見つめ方、視座のようなもので、なるべく多方向から見たい、その上で見えたものを列挙したい、という感性・欲求ではないか…と考えています。
地球クライシスSOS

地球クライシスSOS

劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)

サンシャイン劇場(東京都)

2025/10/23 (木) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/11/01 (土) 17:00

座席1階

スーパーエキセントリックシアターの本公演だが、今回は劇団員だけで恒例のゲスト出演はなし。もうすぐ結成50年とのことで、劇団員若手作家が三宅裕司や小倉久寛ら「高齢者」団員をリスペクトして書いた本という。
三宅と小倉が元気な限りは続くSETだとは思うが、この劇団もこの2人がいなくなった後の将来を考える時期にきている。SETのテイストをうまく受け継いでいけるかがカギで、今回はその試金石と言えるのかもしれない。

物語は、中山間地の過疎の農村の住民たちを、宇宙人との交渉役に選んだという筋立て。三宅は宇宙人対策というとんでもない事態に右往左往する政府の官房長官役。小倉は、生き物と対話できるという特技を持って無農薬野菜を作る農家のおじさん役だ。今回も時の政府(高市政権)や政治家たちを茶化す場面があるなど、時事問題に即したお笑いがあってよかった。ギャグの切れ味が今一つだと感じていたら、「爆笑を取るな」という謎の指示があったとか。本当だろうか、思い切り笑わせてくれたらよかったのに。
タイトルに「ロウジンジャーズ」とあるのは、現代日本の世代間対立を皮肉っているようであり、劇団内のヒエラルヒーが笑いのネタになったのかも。SETのような激しい歌アリ踊りアリの舞台は、高齢者にはきついと思うが俳優には定年はない。殺陣のシーンなどは思わず応援してしまう。

今回、逆の切れがいつもより鈍いと書いたが、お約束のカーテンコールでのトークも千秋楽近しでは少しネタ切れ? 満点ではないけれど、十分に楽しめた。

人のいぬ山

人のいぬ山

発条ロールシアター

中野スタジオあくとれ(東京都)

2025/10/31 (金) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

明るい印象はありつつ、独特の不思議な空間でした。
ストーリー展開と役者さん達の熱演に、どんどん惹き込まれました。
怖いシーンというか、違う意味での怖さを感じ、良く出来た脚本でした。
面白かったです!

かもめ

かもめ

劇団 新人会

上野ストアハウス(東京都)

2025/10/29 (水) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

実力ある俳優陣の優秀でオーソドックスな演技で安心して鑑賞できる。衣装はいささか違和感があるが、細かいところは気にしないほうがいいのだろう。生演奏が良い具合に視聴空間を埋める。本作品のクライマックス、ニーナがトレープレフに再会するシーンは、ふたりの内面を照らし出すかのような蝋燭ランプの明かりが効果的で印象に残る。

ハンテン!

ハンテン!

カンムリプロデュース

イズモギャラリー(東京都)

2025/11/01 (土) ~ 2025/11/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/11/01 (土) 18:00

開演前からの雰囲気が良く、世界観に没頭しました。
時代を感じる芝居だった。

地味な労働者三部作

地味な労働者三部作

Ahwooo

新宿眼科画廊(東京都)

2025/10/31 (金) ~ 2025/11/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

Ahwooo              「すぐやるか すぐにやるなよ かんがえろ(上の句)」
わたしとともに現前×mooncuproof  「キャッチャー・イン・ザ・フトン」
排気口              「海につながる湯船のほうへ」

約30分の短編 3本立て。

ネタバレBOX


Ahwooo  「すぐやるか すぐにやるなよ かんがえろ(上の句)」

(笑えた度)2.06(今感)5.15(完成度)4.12(平均)4

関西の芝居は見慣れていないので新鮮です。
神戸のクラス感を感じました。
コーチ、エルメス、シャネル、ヌテラ、神戸屋、テスラ、などなど。
淡路は外縁なのね。
忙しい会社社長なのにiPhone通知のサウンドオンなのは、少し違和感。
他がリアルなだけに。


わたしとともに現前×mooncuproof  「キャッチャー・イン・ザ・フトン」

(笑えた度)1.03(今感)3.09(完成度)5.15(平均)3

一人語り。お話は刺さらなかったけど、語りの方法論や技術はさすが。
あの、照明に限界のある会場でも小さなディスコライトを用いて空間を押し広げる。
キラキラした瞳も印象的でした。

排気口 「海につながる湯船のほうへ」

(笑えた度)5.15(今感)3.09(完成度)5.15(平均)4

今回はお話がエンタメに寄っていたので、素直に楽しめました。売れる線を狙って来ましたね。
だれ一人笑っていないところで、声出してしまった、、、
親子で苗字が一致するとか、そんなことはどうでもいい、といった爽やかなヌケ感が圧倒的に好みです。
ほんの少しのラブコメ要素がまた、いいですね。
ボケも綺麗に決まるし、大久保さんの存在感!

スヴァルトフィヨルドの幽霊事件

スヴァルトフィヨルドの幽霊事件

劇団ショウダウン

難波サザンシアター(大阪府)

2025/11/01 (土) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

傑作でした✴️洋物ミステリー、サスペンス好きは絶対ハマる‼️ナツメ作品はハリウッドが映画化してもおかしくない魅力と世界観があり今回も正にそれ👍真相を知るまで二転三転するんで観客はずっと釘付けになりながら展開を追うのに必死‼️でもそれが心地良いんです☆役者さんがみんな二役以上演じるんやけど素晴らしいパフォーマンスで観る者を魅了してくれました🎵ありがとー\(^o^)/

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