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x2+(y-3√x2)2=1~アイノホウテイシキ~

x2+(y-3√x2)2=1~アイノホウテイシキ~

空想実現集団TOY'sBOX

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2017/03/16 (木) ~ 2017/03/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

笑って泣ける舞台。本当素敵でした!
音響も素敵だし、照明も素敵。
今度反対バージョンも観に行くのですごい楽しみ

少年少女

少年少女

HIGHcolors

小劇場B1(東京都)

2017/03/15 (水) ~ 2017/03/20 (月)公演終了

満足度★★★★

初めてのハイカラーズさん。7回戦という事と、絵理子さんが出ているということで観に行った。 重いとは聞いていたが、うんずしっと来た。 でも救いがない訳ではないので良かった(前日観た芝居はもっと重たかったので、、、)。 時事ネタも多く色々と考えさせられたことも多かった。 重たい芝居だけど終演時の拍手は文句なしに大きかったと思う。 やっぱり皆んな同じ気持ちなんだな、と思い家路についた。

鬼姫

鬼姫

劇団シアタースカイ

上野ストアハウス(東京都)

2017/03/17 (金) ~ 2017/03/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

立ち回りのシーンがたくさん、動きの多いカッコいい舞台でした。
狭いステージいっぱいの動きは迫力がありましたし、そこで中心に動いていてのが鬼姫…女性だったのが、また新鮮でした。

ネタバレBOX

生まれながらにして「殺人鬼の娘」として、常に殺される恐怖の中で育った鬼姫。父親以外に愛情をかけてくれる人なんていなかったであろう鬼姫が、飛龍丸に愛情を持ち、最期に自分の命をなげうって飛龍丸をかばった…。最後まで報われない命なのか、というのとそれでも愛した人の命をかばうのか…と思うと涙が抑えられませんでした。

パンフレットに記載のあらすじ通りのお話で、内容にはしっかりついていけました。その上で、そのあらすじから想像していた以上の悲しみが、観ていてぐっと感じさせるものでした。
うつろな重力

うつろな重力

シアターノーチラス

RAFT(東京都)

2017/03/15 (水) ~ 2017/03/19 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2014/01/18 (土) 14:00

普通のおうちみたいな場所での公演 役者さんとも至近距離で 一体感がありました。
皆さんの劇団は3度目の鑑賞でしたが、毎回、余韻を残して、考えさせられる部分がありますよね
今回も、不幸って 実は思い込みなのかな?とかちょっと思いました。 次回も期待しております。

その錆びた冷たい鉄

その錆びた冷たい鉄

ぱすてるからっと

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2017/03/17 (金) ~ 2017/03/20 (月)公演終了

鑑賞日2017/03/17 (金) 19:00

座席1階

魅せる役者さん、
これからが期待できる役者さんがいる。
その一方、セリフをかんだり、発音のおかしな役者さんも。
ストーリーは面白いが、検事と弁護士の区別がつかない内容もあり。

「谷のかげ」「満月」

「谷のかげ」「満月」

劇団俳小

d-倉庫(東京都)

2017/03/15 (水) ~ 2017/03/19 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/03/18 (土) 14:00

演技力に疑問。あるいは演出力?
そもそもどうしてこの戯曲を選んだんですか?
戯曲を理解していないのか、理解はしてても表現できないのか。まったく読んだことのないわたくしがいうのもアレですが。
演じてる人たちは、とりあえず台詞があるからしゃべりました、ト書きがあるから、とりあえずそんなふうに動いてみました、みたいな感じで。
舞台や衣装はちゃんとしてるのに、肝心の役者の中身は空っぽ。
この人たちは何について議論してるんだろう。ぽかんとしながら眺めておりました。
辛口になってしまってごめんなさい。

ネタバレBOX

ファンタジーでもなく、リアル路線でもなく、コメディでもなく。全部がちぐはぐで中途半端。
ぼくとしては、軽いコメディって感じでやってほしかったかも。
その先にあるモノ

その先にあるモノ

デッドストックユニオン

ウッディシアター中目黒(東京都)

2017/03/14 (火) ~ 2017/03/20 (月)公演終了

満足度★★★★

歌舞伎町の探偵事務所を軸にわけありな人々のそれぞれの想いが丁寧に描かれていました。
それぞれのやりきれない思いの「その先にあるモノ」深く考えさせられます。
ですが笑いあり、涙ありの素敵な作品でした。

x2+(y-3√x2)2=1~アイノホウテイシキ~

x2+(y-3√x2)2=1~アイノホウテイシキ~

空想実現集団TOY'sBOX

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2017/03/16 (木) ~ 2017/03/20 (月)公演終了

満足度★★★★

面白かったです!
ドラマティックな展開に笑いも織り込まれて、
こーゆう表現をすると怒られるかもですが、
いい意味でフジテレビのドラマを見ているような
空気感が好きでした(^^)
個人的には編集長がスケートの鈴木明子にしか見えなくて、
ツボでした(笑)
2バージョンのキャスティングがあるので、
もう一つのバージョンも観たかったです!

「谷のかげ」「満月」

「谷のかげ」「満月」

劇団俳小

d-倉庫(東京都)

2017/03/15 (水) ~ 2017/03/19 (日)公演終了

満足度★★★★

アイルランドと日本との文化、文学の違い、とても新鮮に感じで観させいただきました。
セリフがとても聴きとれやすかったです。
短編にもかかわらずあれだけのセットには驚かされました。セットの転換もてきぱきされていてすごいなあと感じました。
お芝居の関係者が沢山観に来られていたのには訳があるのでしょうね。

結露

結露

the pillow talk

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2017/03/18 (土) ~ 2017/03/19 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/03/18 (土) 19:00

価格1,000円

「キミら、コドモかっっ!!!」な言動だったり、喫茶店や電車内で聞こえてきたらつい耳をそばだててしまい、その結果吹き出さないよう苦心するような会話たっぷりだったりの「当世(劇中設定時期は10年くらい前だがσ(^-^) からすれば十分当世)若者気質」な70分に大いに笑ったりドキドキハラハラしたりして堪能。

ネタバレBOX

男2人(演者ではなく劇中人物の方)は、車寅次郎のDNAが少し入っていなかったか?とも思う。喧嘩っ早い、口が悪い、難しいことはワカらない、気持ちがすぐ顔に出る、(惚れっぽい?)など近いのではないかと。
終盤の叩く、蹴る、取っ組み合うの喧嘩シーンは段取りなしのぶっつけとのことで、そりゃあ2ステージしか演らないワケだ。ってか怪我しないでよね。
余計者

余計者

teamキーチェーン

d-倉庫(東京都)

2016/05/18 (水) ~ 2016/05/23 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2016/05/21 (土)

昨夜(21日)、足を運んだ舞台の受付で、作品に関わるスタッフの方々(受付のデスクに並べられた、ちっちゃなぬいぐるみ3体)とお会いしました。演出・演出助手・制作のお三方だそうです(笑)
こういうウイットに富んだイタズラ?大好きなんです♪
でぇ、作品わぁ…なんですが、こんな愛くるしいぬいぐるみの皆さんが作ったとは、とても思えないシリアスドラマ!

ネタバレBOX

2年前の4月、池袋で初めて拝見して以来、teamキーチェーンさんの舞台、本公演も番外公演も、ほぼ欠かさず拝見しています。
脚本・演出のAzukiさん、面と向かうと思わず照れてしまうほどの美人さんですが、そのテーマは一貫して、親子や兄弟姉妹の情愛。「家族」というものに、かなり思いを寄せてらっしゃる方のようです。
ただ、思いが強過ぎるのか、伏線が未回収だったり、「このヒト、必要?」って登場人物が見受けられたり…といった細かなアラ、贔屓目に見てもスルーできないぐらい、感じられたのも事実です。
とはいえ…とはいえなんですけど、(あくまでも私見ですが)スマートで緻密な構成を好む傾向にある関東のヘビーな観客層と違い、東京キー局でなく、在阪各局の人情ドラマに接する機会の多かった、西日本出身のオイラ、どうやらAzukiさんと同じ文化圏に属しているヒトのようです。
細かな文脈的瑕疵や伏線未回収などは今後の課題として、パッションを感じさせる芝居、これからも期待しております。
水面に浮く花

水面に浮く花

teamキーチェーン

劇場HOPE(東京都)

2015/12/18 (金) ~ 2015/12/22 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2015/12/19 (土)

優しい夫、素直に育った二男一女に恵まれた母親をヒロインに、彼女が、そして子供たちが、二つの「困難」から大切な家族を・家庭を守ろうとする様を描いた2時間弱。

ネタバレBOX

まだお若いのに気の毒だなあ(笑)とも思えるのが、母親役の秋山ひらめさん。
よく通るクリアで快活な…でも、しっとりとした声質は、家族への愛情のみを武器に「困難」に立ち向かう母親役にピッタリ! まさにハマり役だと思います。
長男役・岡田奏さん、次男役・マナベペンギンさん共々、前回公演と同じ布陣で臨まれたのも、むべなるかな…舞台を観終えての率直な感想です。
ただ、それ故に、なんですけど、前作『傘と花火』からの既視感が大変強烈で、途中までは、いささか斜に構えた視線を舞台に注いでいたことも、正直、白状しましょう。
でも、そんなオッサンの意地悪な心を溶かしたのが、末娘役、夫役のお二方。
末娘役の田中友梨奈さん。以前に拝見したときと比べて、随分と重い役柄にも関わらず、丁寧に演じられていました。ド素人が言うセリフじゃありませんが、格段の進歩だと思います。
夫役の高橋良吉さん。役柄にとどまらず、板の上に姿を現しただけで、観客の心を安堵させる存在感。キツい内容の作品にもかかわらず、一種の「救い」として機能していたように見受けられました。
大人が書いた台本はいらない

大人が書いた台本はいらない

teamキーチェーン

東中野バニラスタジオ(東京都)

2015/08/07 (金) ~ 2015/08/10 (月)公演終了

満足度★★★

各人、何らかの理由で目指し帽を被っている男女が共同生活を送っている、新築のアパート。ある日、自己紹介し合ったうえで、互いの目指し帽を交換し、それぞれの生活を経験してみたものの…

登場人物が全員、たぶん98年優勝時の横浜ベイスターズの野手の名前だったり、目指し帽の額のゼッケンで、どの役者さんが演じているのか丸わかりだったり(☜観る側には、大変、便利♪)ドタバタコメディとはいえ、1時間ほどの上演時間だったんで個々のネタとか人物描写(8人もいます!)が駆け足だったりして、実験作かなあ?という感覚で拝見してましたが、終わってみると、実にスンナリと愉しめる作品でした。予定外の観劇で、こんな才気あふるる芝居、観ることができて感謝!でしたとさ♪

登場人物の人数とか上演時間、決められた上での競作・第二弾だったそうですが、出来得ればプロットはそのままで、90分の作品として再演して欲しいなぁ。

傘と花火

傘と花火

teamキーチェーン

d-倉庫(東京都)

2015/05/21 (木) ~ 2015/05/25 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2015/05/22 (金)

日暮里で、自分にとっては2公演目となる、teamキーチェーンさんの『傘と花火』観て来ました。

ネタバレBOX

夏希さんは、二度の離婚を経ながらも二人の男の子を無事に育て上げ、年子?の長男は大学生、次男は就職して会社員。
夏希さんは、次男の収入が家計に入っても水商売の仕事を続けています。そして稼ぎの一部を、子供達もその存在だけは薄々承知している「優しげな男性」に定期的に手渡していたのです。
母の日の晩、兄弟はそれぞれに思いのこもったプレゼントを携えて帰宅します。
あれ? 母さんは留守? でも靴は置いてあるし…
台所に入った長男、あとに続いた次男、二人は首をくくった母の躯(むくろ)を目にします。
なんで・なんで母さん! 母親の残した手紙で長男は事情を知ります。
実は、長男には先天的な疾患があり、このままでは20代のうちに命を失うことに…助かるには臓器移植しかないのだが、体質的に適合したドナーが手術のタイミングで見つかることは極めてまれ。さらに、手術の費用は高額。「優しげな男性」…長男が生まれた頃からの担当医に、夏希さんは毎月少しづつ、お金を預けていたのです。
そして、手術代を全て渡し終えたとき、体質的に最適なドナーとして、我が身を捧げたのでした。

ストーリーは、この後も続くんですが、今回、この夏希さんの行動に、劇をご覧になられた方からは少なからず異論が出されたようです。
いわく、長男に重い十字架を背負わせるようなもの! 身内の死を前提にした臓器移植は倫理的にもあり得ない!…私もそう感じました。
あと、劇中、担当医が自宅にやって来て、(死亡)4時間以内に手術しないと、お母さんの意思が無駄になる!と長男を説得する場面があるのですが、いわゆる不審死の場合、死体検案書の作成、及び、24時間以内の所轄警察署への届け出義務が医師に課せられていますので、現実的にそれは不可能と思われます。

とはいうものの、そんなこんなも承知の上で、作者はホンを書かれたんだと思います。描きたいこと、伝えたいメッセージがあったからこそ、この芝居が世に送り出されたんだと思います。リアルとものがたりの境界線…なかなかに線引きは難しいものです。ですが、演者・セット・照明・音楽…私は舞台を通して伝わって来た熱気に胸打たれました。
x2+(y-3√x2)2=1~アイノホウテイシキ~

x2+(y-3√x2)2=1~アイノホウテイシキ~

空想実現集団TOY'sBOX

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2017/03/16 (木) ~ 2017/03/20 (月)公演終了

満足度★★★★

文句なしに楽しめる作品でした。特にストライキの場面は場内バカ受けで私も普段になく声をだして大笑いしました。私は初めての劇団でしたので知らなかったのですが今回はお見送りの代わりにハイライトシーンの写真撮影会がありまして余韻を楽しめました。キャストの皆さん、声が素敵でした。

SPIRAL Cage

SPIRAL Cage

teamキーチェーン

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/09/18 (木) ~ 2014/09/21 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2014/09/19 (金)

19日の晩、とんでもない芝居、観せてもらいました。

ネタバレBOX

池袋の、とあるホテルの5階に、ネットで噂の不可思議な部屋がある…テレビ番組の企画に行き詰まった製作会社のスタッフ達は、フリーの女性ライター、そして、たまたま同じフロアに居合わせた女性編集者と合流して、問題の5階の一室で、ひと晩、過ごすことに…。
その日は何事も起こらなかったものの、ホテルの従業員達の様子が、どこかおかしい。ホテルの周辺を探ってみると、経営する建設会社から政治家に、多額の政治資金が流れていたという噂が!
ホテルが建つ前、その敷地から大量の「何かの」骨が見つかったらしい!
実はこのホテル、政府の委託を受けた建設会社が、クローン人間の社会適合を図るために運営している極秘施設。そして、ホテルの従業員はことごとく、訓練中のクローンだったのだ。
秘密を探ろうと、再びホテルに潜入した製作会社のメンバーからの連絡が途絶えた!
残された面々は、ドス黒い影に怯えつつも、意を決してホテルへと向かうのだったが…

おはなしの中では、上記の人々の他にもクローン人間の生態を研究する科学者のチームが出て来るんですが、クローンを管理する側なのに、実はクローンの「人間」がいたり、さらには、謎を暴(あば)く主人公達の中にまで…。
登場人物の誰が人間で・誰がクローンなのか、最後まで判らない!
ひと時も目を離せない話の展開です。これだけでも払った木戸銭の元は取れました。

それから、舞台美術。芝居の冒頭、舞台上に、ねじった綱のようにも見える白い柱状のものが数本。タイトルの『SPIRAL Cage』とは、らせんの檻(おり)…ああ、これって、登場人物達を囲う檻の「鉄格子」なんだなぁと連想が働きました。ですが、ストーリーがクローン人間の存在に及ぶにつれて、これって、ヒトの遺伝子を司るDNAの「double helix structure(二重らせん構造)」をもイメージしてるんじゃないの?と思えてきました。
他にも、振付とか・劇伴とか・照明とか、喋りたいこと、いっぱいあるんですけど
何はさておき『SPIRAL Cage』、今年イチバンの演劇経験でした、とさ♪
「谷のかげ」「満月」

「谷のかげ」「満月」

劇団俳小

d-倉庫(東京都)

2017/03/15 (水) ~ 2017/03/19 (日)公演終了

満足度★★★★

短編2作品。いずれも面白くはあるんだけど,ちょっと響いてこないなぁ。お国柄や時代背景を含めて,これは作品自体の問題でしょうね。演技としてはさすがです。舞台装置とかも,いずれも1幕物の芝居ですがしっかりしていて,劇団の力を感じました。

遠くから見ていたのに見えない。

遠くから見ていたのに見えない。

モモンガ・コンプレックス

BankART studio NYK 3C gallery(神奈川県)

2017/03/18 (土) ~ 2017/03/19 (日)公演終了

満足度★★★★

 コンクリート打ちっぱなしの大きな空間を斜めに横切るようにピンク色のシートが敷かれています。会場入り口からまっすぐ伸びているので、映画祭などでスターが歩くレッド・カーペットのような感じです。客席はその周囲に壁に沿うようにしつらえられており、約5~7席の列が2段あるひな壇が計4~5か所に点在。3歳未満の赤ちゃん同伴の「未来席」もあり、私が観た15時開演の回は親子連れで賑わっていました。ソファもあっていいムード。

 キャスター付きの可動式パネルが4枚あり、それぞれに1t、2t、3t、4tという大きな黒文字が描かれています。「t」を「トン」と読むと、とても重たそう。空間中央には壁と同様にコンクリートがむき出しになった円柱状の柱が数本立っていて、観客にとっては美的な装置でもあり、視界を遮る障害物でもあります。

 衣裳のデザインはカジュアルで幾何学的なカットが未来風。灰色のだだっぴろい空間にパステル調のカラフルな色彩の衣装と、ピンクのカーペットが映えます。ダンサーは積極的におどけて道化を演じ、全体的に明るくてハッピーな時間でした。私は感動して泣いちゃったりも。

 北川結さんのダンスが素晴らしかったです。頭のてっぺんから足のつま先まで意識が行き届いていて、目を奪われました。たとえ隙だらけの立ち姿でも、一本筋の通った何かが感じられ、凛として見えるのです。ダンサーという生き物はなんて美しいのだろうと、目の前で披露されたソロダンスを見つめながら涙しました。

 窓がある空間でしたので、昼と夜とでは全然印象が違うだろうと思います。

ネタバレBOX

 上演中に説明する言葉(セリフ)があったわけではないので、私個人の解釈です。

 劇場入り口から生まれ出た人々は上半身がほぼ裸で、灰色の空間に放り込まれ、戸惑っている様子。徐々に手に持っていた衣装を着て、散らかったものを片づけて、周囲の様子をうかがいながら、それぞれに動き、踊り始めます。

 可動式パネルは1枚(3×6尺)の縦型の板を3枚、横につなげた大きさでしょうか。計4枚のあり、ダンサーが両手で取っ手を持ったり、キャスター部分の底板を持ったりして、移動させます。板と板は垂木で繋ぎ合わせられ、パネルによっては両端に板があり、真ん中は板がないものもあります。

 柱と同様、パネルでも敢えて観客の視界を遮って、世界、世の中を作り上げました。少しずつ成長していく人類が、それぞれに突き当たる試練のようでした。また、人それぞれに見えるもの、見たいものは異なります。観客もそれを体験できました。

 夕田智恵さんの声掛けで、観客全員が一緒に足踏みをする時間がありました。ヘビーメタルの歌手に扮装したダンサーが乗ったパネルを山車のように移動させて、各客席を回ります。ロックの音楽に合わせて、派手な照明とともにノリノリで楽しみました。結構長い時間だったので、自分の体力の低下をまたもや思い知らされました…。

 私は入り口から向かって下手側、空間の中央あたりの前列に座りました。私の席の上手側が入り口になります。ある時、ピンクのカーペットの中央を横切るように4枚のパネルが並べられ、上手側が見えなくなりました。パネルのすき間から様子をうかがうと、白神ももこさんに向かって観客が手に収まる大きさのカラフルなボールを投げているよう。子供たちも一緒に大いに盛り上がっています。

 対して下手側は、2~3本の垂木をつなげた物体をいくつも出してきて、寝そべる臼井梨恵さんの上に重ねていました。その作業をするのは内海正考さんと北川結さん。シンクロする動きで夫婦のようにも見えました。臼井さんは白い紐をみつあみ(?)している様子。動と静、解放と抑圧、娯楽と芸術が対比され、やがて上手は資本主義社会、下手が某共産主義国家にも見えてきました。パネルは国境にもなり、分断された世界を観察できました。

 その後、真ん中の4枚のパネルを一気に上手側(入り口側)へと移動させる場面で、大きな波の音が流れたのです。1~4tもの物体を押し流すのは津波。下手側に折り重なるのは瓦礫。その下には人が横たわっています。東日本大震災発生時の記憶が蘇りました。しばらくして「夢で逢いましょう」をBGMに北川結さんが空間全体を使って踊り出し、私は涙腺決壊。死んだ人に会いたいという願いは、叶うことのない、最も切実な願いです。夢ならそれが叶うかもしれない。そして人生という一瞬の夢を今、共有できているのだと感動しました。

 北川さんが踊りながら両目を手で覆い始め、他のダンサーがそれを補佐します。徐々に両眼をふさいで踊るダンサーが増えていき、補佐は内海さんのみとなります。動きを止め、立った女性ダンサーたちが力なく、よろよろと倒れ始めました。おそらく人間の老化を表しているのでしょう。

 内海さんは下手側の垂木をいくつも持ってきて、一人ひとりを立たせてから、垂木を杖として渡します。それでも3人の女性ダンサーは杖と一緒に倒れ、内海さんは倒れる度に立たせて杖を渡すのですが、きりがありません。やがて女性ダンサーたちは徐々にその場から逃れていき、内海さんは倒れた垂木を立てることだけに没頭し始めました。何かに熱中しているうちに目的が失われ、行為が形骸化していく様がよく表れていました。

 5人のダンサーがアイコンタクトを取り、全員で意識を合わせながら、それぞれに踊り始めました。やがて全員一緒の振付の群舞も始まります。クライマックスに向かって盛り上がっていきました。BGMはおそらくマーヴィン・ゲイの「セクシャル・ヒーリング」の変奏(間違ってたらすみません)。

 同じ振付でも誰かの動きを少しずらしたり、おどけた動作が挿入されたり。完璧にはせずに、常にどこかが欠けています。不器用で、不細工だから可愛らしくて、愛おしいんだよな、人間ってこういうものだよなと、涙しながら見つめていました。そういえばパネルを潜り抜けようとして、背中に背負った箱が垂木に引っかかり、何度かやり直した白神さんがとても素敵でした。

 勢いを保ったままダンサーが入り口へと退場していき、終幕かと思いきや、内海さんが歌いながら登場。上半身裸の上に金色に光り輝くガウンを羽織っています。フレディ・マーキュリー? エルビス・プレスリー? 白神さんは何度もピルエット、臼井さんはフラフープで失敗連発、北川さんは「ピヨピヨー!」と叫びながら羽ばたく鳥の動きで走り回っていました。これは…輪廻転生でしょうか。生まれて、生きて、死んで、また生まれる命を想像しました。とてもハッピーな気持ち!

 白神さんがマイクで終演のアナウンスをして、観客は自由に退場します。ダンサーがダンスを終えた時に終幕。
ジプシー 〜千の輪の切り株の上の物語〜

ジプシー 〜千の輪の切り株の上の物語〜

ことのはbox

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2016/08/18 (木) ~ 2016/08/22 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/08/18 (木)

いろんな劇団さんで、幾たびもの上演を重ねてきた「歴戦のつわもの」的戯曲を取り上げて紹介してくれる、ことのはboxさん。演劇経験ド素人のオッサンにとっては、まさしく「演劇講座の先生」みたいな団体さんです。
その、ことのはboxさんの8月公演。雨が降っても駅から近いぞ♪の三鷹・武蔵野芸能劇場で観てきました(18日ソワレ)。

ネタバレBOX

全くの予備知識ゼロで拝見させて頂いたんですが、主人公の若夫婦、特に夫(演・大平隆行さん)のセリフの端々に、ちょっと「時代」が感じられ、後でパンフレットを拝見したら、初演1989年! 昭和と平成のはざかい年、自分が社会人ウン年目の頃のおはなしでした。
なっこともあってか? バブル景気の真っ只中、住宅ローンもバカ高なアノ当時、せっかく苦労して手に入れたマンションを正体不明の連中に占拠されたことへの夫の怒りが凄~~~く理解でき、おはなしのテーマ、頭では理解しつつも、そっちのけ! 舞台後半まで、夫と共に、ただただ激怒し続けていました(笑)。

ですが、そこは「普遍的テーマ」の「ハートフルストーリー」です。
ラストシーン。それまでの過剰な喜怒哀楽が消え、憑き物が取れたように爽やかな笑顔を浮かべる夫…同時代を生きた者の端くれだからこそ、作者が意図した、当時の世相に対するメッセージに、しみじみとさせられました。

話が長くなったので、最後に出演者について簡単に!
前公演ではヒロイン役だった、葭本未織(よしもとみおり)さん。ジプシー家族の少年役が大層愛らしく感じられました。
それから、夫ばっかり肩入れしてますが、妻役の矢嶋さん美(さんび)さん。明瞭な発声もですが、何よりも舞台上での立ち姿が美しく目に留まりました。以前にも、どこかで目にした感覚だなと、後でプロフィールを拝見したら…やっぱり俳優座の薫陶を受けた方! 流儀というか伝統は、連綿と受け継がれるもののようですね。
umami

umami

サスペンデッズ

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2017/03/18 (土) ~ 2017/03/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

メンバー3人の息のあった演技と今回はダンスも加わって、一層面白い展開であった。
早船さんの鋭い女性観察、女性を演じる役者達の演技にも注目の舞台。
うま味を発見した池田菊苗の厳しい人生と、池田に関わる人々をコミカルに描いてとても好感が持てた。

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