傘と花火 公演情報 teamキーチェーン「傘と花火」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2015/05/22 (金)

    日暮里で、自分にとっては2公演目となる、teamキーチェーンさんの『傘と花火』観て来ました。

    ネタバレBOX

    夏希さんは、二度の離婚を経ながらも二人の男の子を無事に育て上げ、年子?の長男は大学生、次男は就職して会社員。
    夏希さんは、次男の収入が家計に入っても水商売の仕事を続けています。そして稼ぎの一部を、子供達もその存在だけは薄々承知している「優しげな男性」に定期的に手渡していたのです。
    母の日の晩、兄弟はそれぞれに思いのこもったプレゼントを携えて帰宅します。
    あれ? 母さんは留守? でも靴は置いてあるし…
    台所に入った長男、あとに続いた次男、二人は首をくくった母の躯(むくろ)を目にします。
    なんで・なんで母さん! 母親の残した手紙で長男は事情を知ります。
    実は、長男には先天的な疾患があり、このままでは20代のうちに命を失うことに…助かるには臓器移植しかないのだが、体質的に適合したドナーが手術のタイミングで見つかることは極めてまれ。さらに、手術の費用は高額。「優しげな男性」…長男が生まれた頃からの担当医に、夏希さんは毎月少しづつ、お金を預けていたのです。
    そして、手術代を全て渡し終えたとき、体質的に最適なドナーとして、我が身を捧げたのでした。

    ストーリーは、この後も続くんですが、今回、この夏希さんの行動に、劇をご覧になられた方からは少なからず異論が出されたようです。
    いわく、長男に重い十字架を背負わせるようなもの! 身内の死を前提にした臓器移植は倫理的にもあり得ない!…私もそう感じました。
    あと、劇中、担当医が自宅にやって来て、(死亡)4時間以内に手術しないと、お母さんの意思が無駄になる!と長男を説得する場面があるのですが、いわゆる不審死の場合、死体検案書の作成、及び、24時間以内の所轄警察署への届け出義務が医師に課せられていますので、現実的にそれは不可能と思われます。

    とはいうものの、そんなこんなも承知の上で、作者はホンを書かれたんだと思います。描きたいこと、伝えたいメッセージがあったからこそ、この芝居が世に送り出されたんだと思います。リアルとものがたりの境界線…なかなかに線引きは難しいものです。ですが、演者・セット・照明・音楽…私は舞台を通して伝わって来た熱気に胸打たれました。

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    2017/03/19 09:39

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