傘と花火 公演情報 傘と花火」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-10件 / 10件中
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2015/05/22 (金)

    日暮里で、自分にとっては2公演目となる、teamキーチェーンさんの『傘と花火』観て来ました。

    ネタバレBOX

    夏希さんは、二度の離婚を経ながらも二人の男の子を無事に育て上げ、年子?の長男は大学生、次男は就職して会社員。
    夏希さんは、次男の収入が家計に入っても水商売の仕事を続けています。そして稼ぎの一部を、子供達もその存在だけは薄々承知している「優しげな男性」に定期的に手渡していたのです。
    母の日の晩、兄弟はそれぞれに思いのこもったプレゼントを携えて帰宅します。
    あれ? 母さんは留守? でも靴は置いてあるし…
    台所に入った長男、あとに続いた次男、二人は首をくくった母の躯(むくろ)を目にします。
    なんで・なんで母さん! 母親の残した手紙で長男は事情を知ります。
    実は、長男には先天的な疾患があり、このままでは20代のうちに命を失うことに…助かるには臓器移植しかないのだが、体質的に適合したドナーが手術のタイミングで見つかることは極めてまれ。さらに、手術の費用は高額。「優しげな男性」…長男が生まれた頃からの担当医に、夏希さんは毎月少しづつ、お金を預けていたのです。
    そして、手術代を全て渡し終えたとき、体質的に最適なドナーとして、我が身を捧げたのでした。

    ストーリーは、この後も続くんですが、今回、この夏希さんの行動に、劇をご覧になられた方からは少なからず異論が出されたようです。
    いわく、長男に重い十字架を背負わせるようなもの! 身内の死を前提にした臓器移植は倫理的にもあり得ない!…私もそう感じました。
    あと、劇中、担当医が自宅にやって来て、(死亡)4時間以内に手術しないと、お母さんの意思が無駄になる!と長男を説得する場面があるのですが、いわゆる不審死の場合、死体検案書の作成、及び、24時間以内の所轄警察署への届け出義務が医師に課せられていますので、現実的にそれは不可能と思われます。

    とはいうものの、そんなこんなも承知の上で、作者はホンを書かれたんだと思います。描きたいこと、伝えたいメッセージがあったからこそ、この芝居が世に送り出されたんだと思います。リアルとものがたりの境界線…なかなかに線引きは難しいものです。ですが、演者・セット・照明・音楽…私は舞台を通して伝わって来た熱気に胸打たれました。
  • 満足度★★★★

    象徴としての母の思い!
    女性としての喜びより”この子の為なら死ねる”的な母の思いを象徴として表現。
    それに比べて、男どもの情けないざまは何だ!(笑)
    下手な笑いを取らない小細工なしの直球勝負の芝居は好感持てました。
    舞台セットは素晴らしく楽しめる。

    ネタバレBOX

    ある夫婦と2人の息子を持つ家族とその近所の人たちとの関わりの話をさしながら、生まれながらの病気で約20年後には心臓移植が必要な長男の為に母親が自らの命を絶ち、その移植で長男が生きのびる話。
    ラストの皆で花火をするシーンは、母への感謝の気持ちが良く表現されたカットでとても感動しました!
  • 満足度★★★

    何とも言い難い気持ち
    観た人の数だけ、色々な意見が出るだろうと思いました。とても真面目に真剣に作られた舞台のように感じ、見応えがありました。個人的には、母親の選択について肯定出来ませんが、でも否定出来ない気もするし・・もやもやした気持ちでした。優しい音楽が心に残り、家族について考えさせられる舞台でした。良い意味でも、良くない意味でも、何とも言い難い気持ちが心に残りました。

  • 満足度★★★★★

    親から子への愛情
    親子で鑑賞しました。役者さんの皆さんの演技が上手く、お芝居の空気感と「羊毛とおはな」さんの音楽がとても合っていました。

    全編を通じた親子愛。親→子供への愛情。子供→親への愛情。「家族を大事にしたい」と感動できる内容でした。子供もストーリーを理解できていました。

    ネタバレBOX


    自分も子供を持つ親として、母親の想いはよくわかります。自分の子供は大好きだし、守りたいし、何でもできます。

    何でもできますが、、、
    自殺した親の心臓を提供された子供、その子供と接する兄弟は、これからの人生辛いんだろうな..と感じました。

    ・親の自殺を知った時の子供の気持ち
    ・移植後の世界に住む人の気持ち

    自分の想像力を駆使して、決断したのだろうか。

    「誰が幸せになったのか?」を考えさせられる素晴らしい作品でした。

  • 満足度★★★★

    私は共感したが・・・
    人によっては、評価が分かれる作品だと思う。

    【以下ネタバレ】

    ネタバレBOX

    病気でも、事故でも、
    我子の命が奪われてしまうのは、例えようもなく悲しいもの。

    それを、“宿命”とするなら、私は神、仏を恨むだろう。

    本作での、母親の選択は賛否両論あるだろうが、

    もし、自分の“死”を以って我子の命を守れるなら、
    私は、間違いなく“それ”を選択するであろう。

    なぜなら、我子より長く生きながらえることなど望まないし、あり得ない。
  • 満足度★★★★★

    見応えありました
    舞台装置からも演劇にかける真剣さが判ったような気がしました。挿入歌も良かったです。役者さんも熱演で、見応えありました。あまりの感動に席を直ぐに立てない経験もしました。

  • 満足度★★★★★

    家族
    母親の選択を肯定はできませんが、全編を通じて「家族」を強く感じる舞台でした。

    ネタバレBOX

    再婚の理由は経済的なことのためだったのでしょうか?あと、最後に線香花火をするシーン、BGMとの兼ね合いもあるのでしょうが、花火が自然に落ちるまで観せてくれたほうが余韻に浸れて良かったように感じました。
  • 満足度★★★★

    母と息子たち...その想い
    プロローグとエピローグがあり、ありそうなシチュエーションだが、現実的ではないストーリーが展開する。芝居はフィクションの積み重ねであるが、描きたいまたは伝えたい想いは十分に表現していたと思う。時空間移動や脳内探訪するような奇抜さはなく、演出も中途半端なコメディ、シリアスでもない。本当に描きたい”母と息子たち”の想いを搾り出していくような、そう正攻法(?)のような公演である。

    脚本・演出のAzuki 氏と話をさせていただいたが、自分の思いをしっかり表現したかったと...。この真摯な取り組みが、劇団を応援したくなる。
    細かい点はいくつかあるが、芝居という大きな枠組みで考えた時、氏の中で形成した主張は表現できていたと思われる。

    ネタバレBOX

    まず舞台セットが見事に組まれており、観せる努力はさすがである。上手・手前にはベンチ、奥には向かいの家、中央が細道(私道か)、下手は主舞台となる秋月家の居間といったところ。そして二階は子供たちの部屋がある。

    秋月家は両親と息子2人の4人家族である。どこにでもありそうな家族構成である。二人の息子は性格の違いはあるが、仲は良い。父親は会社勤め、母親は夜の仕事をしている。波乱があるとすれば、長男が5日間ほど家出したこと、父親がリストラさせたこと。それが原因で離婚したことが描かれる。また母親の再婚(入籍なし)があるが、それ以外は日常の坦々とした生活である。
    じつは長男は生まれつきの心臓疾患があり、二十歳までに移植しないと危険であるということ。母親は夜の仕事で手術費用を貯め、自殺して自分の心臓を提供するという結末である。
    本当は家族の想いとなるところであるが、早々に父親と離婚してしまった。

    細かいことだが、少し気になったところが...
    まず、自殺後のことを考えれば、父親の存在は大きいはずであるが、家族の再生の努力が見えない。
    また、主筋ではないが、近所の千里という子の家族についても描かれるが、その話と秋月家は直接絡まない。思わせ振りの感じもした。

    やはり、母親と息子たちに絞った想い、愛情を表現したかったということであろう。主張したい点を鮮明にする...その力が観客の心を揺さぶる。
    ラストシーン...雨の中、縁側で線香花火をする兄弟。その煙の向こうに優しい眼差しの母親の姿。実に余韻を感じさせる演出であり、見事であった。

    次回公演も楽しみにしております。
  • 満足度★★★

    母親
    母の愛が強いのはわかるけど、子供は幸せかな?

  • 満足度★★

    セットは文句無しだけど・・・
    話の筋はわかった。子を思う母の気持ち・・・これは如何なものか?子を持つ母としては、どうにも納得がいかない。もしもこれが成立するとしたら、子供はずっと重すぎる十字架を背負って生きなくてはならない。何をどう言おうと罪ではない罪は一生ついて廻ると、それが子供を苦しめ続けると、私は思うのだが・・・・。また、みんながみんな自分の不幸を前に出すような芝居、もっとナチュラルに出来ないものか?その方が真実の重さが迫ってくるような気がするが・・・。唯一文句無しはセット!風情があり、機能的!更に話の説得力をしっかり上げている。前作を観た時はもう少し面白みのある劇団かと思ったのだが・・・。

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