最新の観てきた!クチコミ一覧

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ウェディング・プランナー物語

ウェディング・プランナー物語

劇団暴創族

浅草九劇(東京都)

2017/10/04 (水) ~ 2017/10/10 (火)公演終了

満足度★★★★

推理・探偵物でとても楽しく拝見させていただきました。
かき回し役の二人の存在があったらこその作品ですね。
あれだけ走り回ってもセリフが飛んでしまわないかと心配しましたが、さすが役者さんです。

朗読劇『季節が僕たちを連れ去ったあとに』

朗読劇『季節が僕たちを連れ去ったあとに』

トライストーン・エンタテイメント

あうるすぽっと(東京都)

2017/10/06 (金) ~ 2017/10/12 (木)公演終了

満足度★★★

寺山修司の葬儀における山田太一の弔辞これには泣かされました。二人の書簡の朗読の部分にももう少し感情を入れてもいいのではと思いました。あれではちょっと物足りなさが残りました。

「月いち座布団劇場 十月篇」

「月いち座布団劇場 十月篇」

占子の兎

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2017/10/11 (水) ~ 2017/10/11 (水)公演終了

満足度★★★★

 3月から始まった今年の月一座布団劇場、半年で六回の公演も今回で今年度最後の公演となる。総勢10名出演の舞台となるが、本日1日のマチソワ公演のみである。演目は、上演順に「くやみ」「子は鎹」「掛取り」の三話。来年のことを言えば鬼が笑うというが、それはさておき来年三月以降にも月一座布団劇場上演の予定があるという。楽しみに待とう。

ネタバレBOX

 第一話は、冠婚葬祭のうちその人物の人生最後の儀式であるが、無論、通夜、葬儀の席には、多くの関係者が列席して悔やみを連ねる。然るに本当に故人の死を嘆く者はごくわずかであろう。厳粛な儀式であることを要請されるので弔問に訪れた人々は口々に神妙な口ぶり態度で悔やみを述べる訳だが、内心では全然別のことを考えていてもおかしくない。今作は、堅苦しい儀式に纏わるこんな人間の赤裸々な事象を嗤いに託して批評した作品とも取れる。そうとれば、かなり辛辣な作品である。在る者はのろけ、或いは自分の商売の宣伝をし、また別の者は縷々己の主義主張を述べる。厳粛であるべき今生の別れをする儀式で。而も仏は皆の面倒を看、皆から慕われてきた人格者だというのにこの様。まったく処置なしと嘆くより先に、このように鋭い批評意識で落語化し、茶化して見せる魂の健全さを持つ者の存在あるということが救いである。笑いとは何より鋭い批評であるという、笑いの原点が示された作品と言えよう。
 第二話は、腕の良い職人だが、無類の酒好きで而も酒乱の職人、熊五郎が出来た女房と可愛い子を追い出し、吉原の女を連れ込んだものの、己の罪に漸く気付き酒を断って3年、偶々、頼まれた仕事で木場へ向かう途中、息子の金坊に出会い、この子が鎹となって復縁を遂げるまでの話だが、訳あって2歳の時から親を信ずることができなくなり以来家族という概念に縁遠い自分でもホロリとさせられるような良い話である。何より、熊五郎役が良い。如何にも腕の良い、下町の気の利いた職人の風情が良く出ている。金坊役もそのヘアスタイルと童顔が似合って良いキャスティングである。女房のしっかり者としての気性と当時の日本女性の一歩引いて男を立てる価値観もかなりキチンと再現されている。フェミニズムの機械的支持者にはお叱りを蒙るかも知れないが、身体の物理的強弱の問題が完全に平準化されない限り、弱い側が、身体的強弱以外の方法で、伍してゆく為に様々な方法で対峙する以外、対抗することは本質的に無理を伴う。
第三話は、掛取り即ち借金取りの話だ。江戸時代は大晦日に借金の取り立てが出来なければ、その借金は確かチャラになって翌年から再度、借金0状態から始められたと思う。その流れがあって、借金を取り立てる者、支払いを拒みたい者の攻防には凄まじいものがあった。そんな訳で、このネタは多くの落語、笑話のネタとなっている。今作では、矢張り、金に詰まって、今年の支払い拒否の言い訳をどうしたものかと女房に言い募られている男が、この難局を如何に切り抜けるかを記した笑話になっている。
 借金取り撃退に去年は夫が死んだことにした。棺桶を持ち込んで、その前で女房に嘘泣きをさせたのである。素人に涙が簡単に出せる訳ではないから、女房は、茶の雫を目の下に付けて演じていたのであるが、ある借金取りには「泣き真似はもっと上手にやった方が良い」と言われてしまう。確かめてみると頬に茶葉が付いていた、とか。大家が気の毒に思って香典をくれたのを女房は正月を迎えれば、死んだハズの亭主が直ぐぴんぴんと起き上がってくるのが分かり切っている手前、受け取ることが出来ずにお返ししますと押し問答をしている時、棺桶の蓋がガラリと開いて夫が飛び出してきたものだから大家はびっくり仰天、下駄も履かずに逃げ出してしまった。今年も同じ手は使えない、と今年は相手の好きなもの・ことを肴に話を盛り上げて誤魔化そうということになった。大家は狂歌が大好き、魚屋は喧嘩が好き、三橋は三橋美智也が大好きということで、大家には狂歌談義を魚屋には喧嘩腰の談判を、そして三橋には美智也の歌を替え歌にしたりしながら、総て追い返す。このピカレスクロマンを洒落で構成したような痛快が何ともいえない。
オセロー

オセロー

劇団六風館

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2017/09/01 (金) ~ 2017/09/03 (日)公演終了

満足度★★★★

初めてシェークスピアのオセローを拝見。
悪役イアーゴの巧妙な罠。
罠に嵌められる悲劇の天使デスデモーナ。

悪役と天使が実に良かった。熱演でした。
そしてイアーゴの奥さんも要所を押さえた演技でとても良かった。

これまで何度もお世話になりました、卒業生の皆さん、ありがとうございます。

Hello! Welcome to Happy Arboretum (and zoo)

Hello! Welcome to Happy Arboretum (and zoo)

劇団冷凍うさぎ

Cafe Slow Osaka(大阪府)

2017/08/31 (木) ~ 2017/09/03 (日)公演終了

満足度★★★★

初演も拝見。
この劇団さんの初期作は、結構、毒気が多く、
初演では、主人公二人の壊れて行く様子がとても痛々しく、かなり不毛。
観劇後、ズッシリ重い感じでした…。

今回、若い客演さんを主演に迎えられ、
ワ冠さん円井さんの壊れ方が日常の延長線上にあるような、あくが抜けた様な、自然な感じで、素直に拝見できました。
初演同様、
鈴木さんの(常軌を逸した)面倒くささ、
浦長瀬さんの(常軌を逸した)健気さ、
も良かった。

でも結局不毛な結末ですが…。

【1期生】キラメキ 2017

【1期生】キラメキ 2017

project真夏の太陽ガールズ

HEP HALL(大阪府)

2017/08/31 (木) ~ 2017/09/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

チームブルーの回を拝見。

「私はトビウオ、あなたは太陽」
初演の感動再び!
この演目の初演を拝見し、2度目の観劇ですが、
初演同様、まさに水の中のようなシンクロの様子が秀逸。

初演は、大人になろうとする少女達の葛藤が、妖しく印象的でした。
今回は、太陽に一直線に向けられた眼差しが純粋無垢で、とても素直、青春って良いな、と思える公演でした。

シンクロ・青春・スポ根公演、感動した。

若手女優陣の成長も頼もしく、応援しています。
来年も拝見したいなぁ。

シアンガーデン

シアンガーデン

少年王者舘

AI・HALL(兵庫県)

2017/08/26 (土) ~ 2017/08/28 (月)公演終了

満足度★★★★

少年王者舘さん初めて拝見しました。

とても、とても、不思議な世界、異空間での物語のよう…。
繰り返されるステップ、繰り返される動き、ドンドン引き込まれて行きます。

関西では(東京でも?)観たことがない公演でした。

毎回こんなに不思議な公演をされているのか…?
別の公演も是非観てみたい。

憫笑姫 -Binshouki-

憫笑姫 -Binshouki-

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2017/08/25 (金) ~ 2017/08/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

姉妹の、師弟の、仲間の絆。
台詞がない分、気持ちが入ってきます。

末満さんとの競演、確かに見届けました。
末満さん、存在感が半端なかったですね。
西分さん、めっちゃ格好良かった。
師匠の元で成業する姉妹、感動敵です。

竹村さん、本公演昇格おめでとうございます。
ノンバーバル×殺陣、5ヶ月連続公演、これからも楽しみ。

近代ニッポン―女性を花咲かせた女 広岡浅子の生涯

近代ニッポン―女性を花咲かせた女 広岡浅子の生涯

東宝

シアタークリエ(東京都)

2017/10/04 (水) ~ 2017/10/28 (土)公演終了

満足度★★★★

朝ドラではちっとも年をとらない浅子さんでしたが舞台ではしっかり年を重ねていらっしゃいました。高畑さんはもちろんまわりの役者さん達もすてきでしたが、始まりは江戸時代のはずなのに男性はまげを結っておらず、最初からざん切り頭(と言っていいのかな)なのは不自然な感じがしましたが、ちょんまげカツラからの変身は難しいのでしょうか?

いとのまなざし

いとのまなざし

晩餐ヒロックス

インディペンデントシアターOji(東京都)

2017/10/05 (木) ~ 2017/10/09 (月)公演終了

満足度★★★

メルヘンチック

ネタバレBOX

「蜘蛛の糸」や、人間がいないと生きていけないカイコをモチーフに、製糸会社で虐待されるみなしごたちをメルヘンチックに描いた物語。

子供を食い物にしてはいけません。
ぼうぼう

ぼうぼう

なかないで、毒きのこちゃん

OFF・OFFシアター(東京都)

2017/10/09 (月) ~ 2017/10/11 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/10/09 (月)

9日19時半~の回(90分)を拝見。

ネタバレBOX

開演前から続く女子高生たちの他愛のない会話や歌やダンスに気を取られ、ロンドン(演・裏表おりがみさん)の「耳なし芳一」メイクとかの伏線…悉く見逃していました(恥)。
ただ、負け惜しみ?!なんですが、全く伏線に気づかなかったおかげで、最後の最後で「こう来るのかぁ!」という急展開の結末には思わずグッと来ました。
(ニュアンスはやや異なる言い回しかもしれませんが)面白うて・やがて哀しき90分は、同じ題材を扱っていても、ただ「可哀想だ」「悲惨だ」と繰り返すばかりの芝居より数十倍も胸に応えました。

最後に、やまだ達のように、まだこれからの人生を東日本大震災で中断させられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
ぼうぼう

ぼうぼう

なかないで、毒きのこちゃん

王子スタジオ1(東京都)

2017/10/05 (木) ~ 2017/10/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

忘忘か、妄妄か、亡亡か。希望の望望でもありたいですね。

ネタバレBOX

高校の卒業式の後でミニライブを開こうと、卒業式前日から小さな会場を押さえて練習しようと計画したばかりに津波で仲間を失うことになったももちゃんの、6年経った今でも後悔にさいなまれ、当時を忘れられずに妄想する日々を描いた話。

ときめきパイナップルズというグループの、そのアイドルグループっぽい楽曲と振り付けがとても素敵で、みんな楽しそうで、ハッピーな時間を共有しただけに、その後の衝撃があまりにも大きく心が痛かったです。何とも悲しい話でした。

若い人が亡くなるのはいつもとても悲しいことです。
ミス・ダンデライオン

ミス・ダンデライオン

猿-creative studio-

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2017/10/08 (日) ~ 2017/10/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

価格1,000円

舞台セット、選曲音響、照明、ダンス。どれをとってもスタイリッシュなのに、演技はあくまでストレート。
イヤミのない爽やかなステージは110分を忘れさせるエンターテイメントでした。

役者さんの芝居とかダンスとか舞台セットとか演出とか言い出すとキリがないので、次回公演を実際に観て一緒に感動しましょう!

ワーニャ伯父さん

ワーニャ伯父さん

シス・カンパニー

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2017/08/27 (日) ~ 2017/09/26 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/09/25 (月)

日常から抜け出したくもいつもの場所が一番いいんだよ、と教えてくれた。常に人は変化を求めるのだけどそれぞれの時間のスピードが違っていることを感じさせてくれた。チェーホフってそんな日常を切り取ってくれているのですね。ケラさんのチェーホフ最後の4大劇桜の園はいつになるのかな?とても楽しみです。生演奏も良かった。

川村美紀子『或る女』/ 佐々木敦『paper song』

川村美紀子『或る女』/ 佐々木敦『paper song』

OM-2

d-倉庫(東京都)

2017/10/10 (火) ~ 2017/10/11 (水)公演終了

満足度★★★★

 異端x異端と銘打った本公演。佐々木 敦の「paper song」と川村 美紀子の「或る女」との2作品上演であるが、作品上演に舞台転換だの休憩は入らない。無論、それぞれ独立した作品である。(追記2017.10.12:02:54)

ネタバレBOX

 佐々木のパフォーマンスでも、川村のパフォーマンスでも照明はかなり絞られ、佐々木の場合では、工事現場で良く見掛るような電球の周りに防護のネットと半球型の反射板兼防護用カヴァーの付いた道具がいくつか用いられる他、エコーを掛ける為の機器が効果的に使われる。他は、机を叩いたり、蹴る。紙を破く、引っ張る、巻きつける際の、そして巻きつけた紙を通して呼吸をする際の様々な音を効果として巧みに用いている。
如何にも男の表現らしく、その方法は構造的・構成的で論理で追える内容と観た。開演当初、板上には、上手に机と椅子、机上にはエコーを掛ける機械と印刷物が少々載っており、机の脇には、数十冊の本か、該当する量の紙束が積み上げられている他、開始前に大きな紙袋から出された矢張り本らしきものが足し増されている。その下手横には、照明用機器がたぐねてある開演直後、男は、机に向かい新聞やら雑誌から、オンナの顔の映ったページを選んで破り取り、それを机上に大事に置いて、残りはゾンザイに投げ捨てている、この行為は、恰も文字や文字情報を拒否しているかのようである。その証拠と言ってはなんだが、男は女の画像と交感する。試しに♂が画像を顔に貼り付けると、彼の呼吸は荒くなり二重、三重に張られた文字情報の下で彼は吐血している。これは無論、文字情婦を紡ぐ為に費やされた刻苦勉励の為ではない。反対に本来刻苦勉励の果てに記されねばならぬ文字表現の果てしない堕落の齎した結果としての痛ましい「知」の血である。掛かるが故に、画像と化した女たちの顔を文字情報に傷付けられた血だらけの顔に貼り付け、気を取り直すのである。ここまで観れば彼が文字情報廃棄に至ることは必然であろう。彼が猛り狂ったように文字情報を廃棄する当に直中、板下手奥に設えられた袖に、オンナが立つ。この演出は背筋がぞくっとするほど素晴らしい。
かくして登場した女は、自由に舞う。この身体の柔らかさ、自由な表現のレベルの高さが見事である。一方、彼女は何か絶対的なこと或いは力及ばぬ何かに対する本能的な恐れをも同時に抱えているように映る。例えばそれは、己の身体と本能の総てが単にDNAの命令によって動かされている不如意。換言すれば、己の存在は単にDNAの乗り物に過ぎないという認識に似たものであろうか。そのような認識が真であるならば、精神と言い習わされてきたもの或いはその現れとしての事象は、総てマヤカシということになる。このような不安に対するに彼女の持っている武器は、精神に象徴される幻影と己の身体そのものだけである。だが、身体はその新陳代謝からも分かるように永遠不変のものである訳はなく、絶えず更新され、廃棄されて、その時点である一定の形を有する有機的構造体に過ぎない。レトリカルに永遠を措定するのでない限り、身体に永遠性を求めることは欺瞞以外の「なにもの」でも在り得ない。その時、瞬間、瞬間の反逆に身を委ねる以外にどのように真摯な態度を表現できようか? 彼女の踊りにはこのような問い掛けがあるように感じる。

三英花 煙夕空

三英花 煙夕空

あやめ十八番

旧平櫛田中邸アトリエ(東京都)

2017/09/26 (火) ~ 2017/10/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/09/30 (土) 19:00

 上村松園の『焔』は、謡曲「葵の上」に着想を得て、源氏物語に登場する光源氏の正室葵の上への嫉妬に身を焼き、生霊となって、源氏との子を産み落とそうとしている葵の上を取り殺そうとする六条御息所を描いた、美人画作家といわれる上村松園の作品の中では異色の主題の作品。

 髪の端を噛んで振り返る蒼白い般若のような顔には、嫉妬に翻弄される苦しげな姿が現われ,白地の着物に描かれた清楚な藤の花にからむ大きな蜘蛛の巣が,執拗な怨念と自らもまた持て余し断ち切るに断ち切れない嫉妬の怨念に絡め取られて懊悩する情念を不気味に暗示させる上村松園の『焔』。

 この『焔』をそのまま写し取ったようなフライヤーを観た時、嫉妬に絡め取られた女の情念、怨念が引き起こした殺人事件の話かと思っていたが、事はそう単純なものでは無かった。

 確かに、それはある意味歪んだ情念、怨念が別の形となって現れた事件とも言えるのではあるが…。


 『焔』は、持主を取り殺すという噂のある浮世絵師・乾宝山による『夜行四十六怪撰』の中の一つ、幽霊絵の『お駒』として登場する。

 盲目の骨董商『尼子鬼平』(あまごきへい)には、その名から横溝正史の『八つ墓村』に出て来る八つ墓村の由来になった金目当てに村人に殺された落武者尼子一族の長・『尼子義孝』(あまこよしたか)が、にっかり笑う幽霊を斬った逸話で知られる『にっかり平左兼正』は、『刀剣乱舞』の『にっかり青江』(調べたところにっかり青江は実在する刀らしい)を、唐の時代に創られた、副葬(器具・調度などを遺骸に添えて埋葬する事)に用いられる万年壺『三梅花文六耳壺(さんさいかもんろくじこ)』は、盛唐期の8世紀前半頃に貴族の墳墓に副葬するための明器として盛んに焼造された唐三彩の『三彩梅花文壺(さんさいばいかもんつぼ)』や、胴部に花文、裾部に蓮弁文を線刻した華南三彩の六耳壺。『華南三彩刻花文六耳壺(かなんさんさいこっかもんろくじこ)』が、頭を過ぎった。

 実際に存在する骨董品を下敷きにしている事により、『三英花 煙夕空』の世界がぐっと真実味を帯びた虚構の世界になり、観ているうちに事件を物陰に隠れて目の当たりにしているような、骨董品の目戦になって観ている感覚に陥って来る。

 その独特の雰囲気は、横溝正史に江戸川乱歩の妖しさを数滴落したような、禍々しくも狂おしい切なさと悲しみ、人の持つ業とエゴイズム、軆の奥底に潜む歪んだ狂気をも暴き出すようでもあった。

 旧平櫛田中邸アトリエの空間の使い方、光と影、闇、ガムランを思わせる間演奏の音楽と随所にその場面場面で奏でられる生の音、骨董たちの声が聞こえる尼子鬼平と骨董たちのだけしか、自分の声で話すことが出来ず、骨董たちの声の聞こえない普通の人間である刑事は、自らの声で喋る事はなく、声をあてられ、動きまでも人形遣いによって操られ、その姿は人形浄瑠璃のようである。

 骨董たちと尼子鬼平のやり取りを、天井から観ているのは、蜘蛛の棕櫚。役者の手の影絵によって、蜘蛛の影が大きくなり、その蜘蛛の影が闇となり、役者と観客が呑み込まれ、『三英花 煙夕空』の扉が開かれ、迷い込んで行く感じが、膚身に粟立つような怖さを犇々(ひしひし)と伝わって来た。
 
 骨董商として師匠の織部を越える目利きの才を持つ尼子鬼平への織部の嫉妬、その嫉妬から鬼平の目を事故を装い潰した織部への怨み、織部の持つ骨董たちのへの執着と骨董商としての尼子鬼平の業。

 書生に夢中になり、一緒になりたい余りに二人の仲を割こうとする父織部を無邪気な理由でにっかり平左兼正で殺害したものの、書生と駆け落ちすれば贅沢が出来ないと知り、これまで通りの贅沢を続ける為書生を捨て、織部の財産と骨董と自分を得る為に近づいて来た鬼平の妻となった娘はるの無邪気なエゴイズム。

 はるの愛を一時なりと得た書生斉木に対する鬼平の嫉妬と自分の怨みを晴らし、欲望を満たそうとする鬼平の業とエゴイズム、唯一、織部の死を悲しみ、織部を慕う骨董たち。

 ミステリーやサスペンスと言うより『因果応報』の物語。そこに在るのは幾重にも絡み合った業と嫉妬とエゴイズム。

 織部殺害は、娘はるの犯行と思った後に訪れる、どんでん返し。直接手を下した訳では無いが、織部に死を至らしめた元凶であり、手に入れた証言者の骨董たちを葬った鬼平に死の鉄槌を下したのは、葬られた骨董たちの怨念であり、織部の仇を打った骨董たちの思いであり、それは正しく『因果応報』であった。

 最後には、誰も居なくなった屋敷に残ったものは、人の持つ業とエゴイズム、軆の奥底に潜む歪んだ狂気だったのかも知れない。

 響き渡る読経、闇に沈むアトリエ。『三英花 煙夕空』の扉が閉じられた後に残ったのは、背筋に走る言い知れない怖さであり、それは、猟奇的な怖さではなく、人間の奥底に巣食う業とエゴイズムと欲望の怖さである。

 役者さん達の表情、動き、空間に放たれ漂う言葉と声、奏でられる音、光と影、全てがこのアトリエに『三英花 煙夕空』の世界を出現させ、観客を取り込み、呑み込み、世界の一部へと化してしまったような凄みのある舞台だった。

                文:麻美 雪

暗闇演劇「イヤホン」

暗闇演劇「イヤホン」

大川興業

ザ・スズナリ(東京都)

2017/10/06 (金) ~ 2017/10/09 (月)公演終了

満足度★★★

前回の方が良かったなぁ
話自体がスムーズに入ってこなかった
イヤホンを使って という新しい試みはいいんだけど
あまり効果はなかったように思う

ナイゲン(2017年版)

ナイゲン(2017年版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2017/08/11 (金) ~ 2017/08/21 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/08/11 (金) 19:00

価格2,000円

何度観ても楽しめるし、何度も観ていながら今回初めて気付いたところがあったし、そして「これが今年の“ナイゲン生”か」な感慨もあった。強いて言えば一部早口で流れ気味の台詞があったのは残念(後述)だが概ね上出来。

やはり一旦終結したかに見えて……以降の部分が特に好き。「いいんですか?」「説得して!」「お願いします」などの泣ける台詞もそこのパートに集中しているし。
これも毎度ながら「12人の怒れる男」との共通点や類時点、(偶然の?)一致点などを見出だすのも愉しい。あーそうだった!的な。

早口が気になったのは、理屈あるいは屁理屈を駆使して理論で言い負かそうとしている台詞が早口だと、勢いで誤魔化そうとしている印象になってしまうから。ということで、今後の本作での屁理屈担当者はそれを気に留めていただきたく。

今年の「ナイゲン生」を次にどこで観ることになるんだろう?的な楽しみも残った。

カーテン

カーテン

日本のラジオ

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2017/09/30 (土) ~ 2017/10/09 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/10/09 (月)

9日14時、千穐楽の回を拝見。

ネタバレBOX

戻り夏のような強い陽射しだった、10月9日・体育の日のお昼時。
三鷹の駅からトボトボと、太宰治先生や森鴎外先生の眠る禅林寺のご近所、星のホールまで足を運んで、昨年4月の『ゼロゼロゼロ』以来となる、日本のラジオさんの舞台、観て来ました。

さて、会場に入ってみると、本来、広いはずのスペースの四方が、文字通り、カーテンで仕切られて、閉塞的な空間に。
さらに開演の幕が…いや、カーテンが開くと、舞台上には「客席」が設けられ、リアルな客席と対峙する形に!
後から皆さんの感想ツイートに目を通すと、これには驚かれた(≒作者の術中にはまった)方、多かったようです。
ただ、個人的には、昨年10月、新国立劇場(☜ホンモノ!)で拝見した、米国の古びた映画館を舞台にした『フリック』で、舞台上に映画館の「客席」を設けて、リアルの客席と対峙、というのを経験済みだったもんで、さすがに意表を突かれるようなことはなかったんです。
ですけど、いざ芝居が始まってみると…

舞台である「客席」のそこかしこで散発的に始まる、セリフのやり取りから伝わる、人質たちの心理とか

(もちろん人質の監視や警戒のためではあるのだが)どこか落ち着かない様子で「客席」を歩き回る、テロリスト?!達の内面とか

日本のラジオさんの特色らしい、感心するほど綿密に、人物紹介から事件の顛末まで!記載された当日パンフ、開演前に目を通した観客ならば、肌感覚で感じ取れるはずの、忍び寄る運命の瞬間への、そこはかとない緊迫感、ピリピリと伝わって来ました。

派手な劇伴(BGM)も・煽るような照明も、一切の虚飾を排した芝居です。
ですが、これほど強烈に、非日常な空気感に痺れたのは、初めての経験でした。


【追記】
今回の観劇の動機の一つだったんですが、NICE STALKERさんの舞台以外で観てみたかった藤本紗也香さんが、やっぱり藤本紗也香さんであったのが、何気に微笑ましく感じられました。この方の佇まい…すっきやなぁ~♪
光の帝国

光の帝国

演劇集団キャラメルボックス

THEATRE1010(東京都)

2017/10/04 (水) ~ 2017/10/05 (木)公演終了

満足度★★★

初代メンバーの作品はそれなりに観たと思う。で、しばらくぶりに観た感想として・・・なんというか演技が変わらないというか“キャラメルボックスはこういう演技”という風に決まっているのだろうかと、誰がやってもこういう話し方、動きになってしまうのかと、思わずにはいられなかった。ストーリーは深く考えさせられるものがあったが・・・。

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