
憫笑姫 -Binshouki-
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/08/25 (金) ~ 2017/08/28 (月)公演終了

荒人神 -Arabitokami-【2018年6-7月wordless殺陣芝居シリーズで東名阪ツアー決定!】
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/12/22 (金) ~ 2017/12/25 (月)公演終了
満足度★★★★★
泣くかもしれないとハンカチを握りしめての観劇でしたが、そのハンカチをまさか声を出さないようにする為に使うことになるとは!
それまでの各神楽の主人公が出てきた時の驚きと喜びとで叫びそうでした。
荒が闇を振り払うのではなく、受け入れる形で立ち上がる姿と、手を貸すのではなく、共にいることで荒を助ける白と元が印象的です。
ラストのその後のシーンは、作品の中で心踏音の2人が救われたことに涙が止まらなかったし、荒がにこにこと台上で見守る姿は、作演の竹村さんが自分の生み出した子どもたちを見守るようにも見えました。
5ヶ月の集大成といえる素晴らしい作品でした。

戰御史 -Ikusaonsi-
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/11/24 (金) ~ 2017/11/27 (月)公演終了
満足度★★★★★
他の神楽に比べて少し難解で、誰が誰で…と考え出したらわからなくなったので、途中から考えるのを放棄していましたが、殺陣がひたすらかっこよく、キャラがかっこいい!カーテンコールで戰レンジャーと呼ばれるキャラの皆さんが並んだ時のかっこよさ。
大熊さんの奇妙な動きは、そこだけ本当に時空が歪んでいるように見えて、ろうそく男との入れ替わりの異様な感じがぞくぞくしました。

心踏音 -Shintouon-
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/10/27 (金) ~ 2017/10/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
お芝居でも殺陣のかっこよさでもストーリーでも、すべての面に置いて心を揺さぶられ鷲掴みにされました。観劇中はひたすら涙が止まらず、どの立場でも観ていても辛かったです。
カーテンコールで盲人とフミが並んで笑顔で出てきた時に2人が救われた気がしてまた泣けました。

賊義賊 -Zokugizoku-
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/09/22 (金) ~ 2017/09/25 (月)公演終了
満足度★★★★★
拍子木の音で決めポーズをする紅が本当に魅力的で。ころころと表情が変わって、観ていて自然と笑みがこぼれました。
ルパン三世のような世界観でとにかく楽しかった!
五彩の神楽の中でダントツで元気をもらえる作品です。

新しい生活の提案
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/05/26 (金) ~ 2017/05/31 (水)公演終了
満足度★★★★★
小学生の娘と観劇。
日常が少しずつ歪んでいく奇妙な感じがなんともぞわぞわする作品でした。
変化を求めても次第にそれが日常に変わり、また新たな変化を求め、歪んでいくことにも気づかない様は少しゾッとしました。
壱劇屋さんらしいパフォーマンスも盛りだくさんで、娘もお気に入りの作品です。

人恋歌~晶子と鉄幹
壱劇屋
吹田市文化会館 メイシアター・小ホール(大阪府)
2017/01/19 (木) ~ 2017/01/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
子どもを置いて恋に生きる晶子や鉄幹の行動は、正直子どものいる身としては理解できないのですが、この鉄幹だったら納得というほど魅力的でした。
壱劇屋さんはパフォーマンスの印象が強い劇団さんですが、芝居色の強いこの舞台もとても素晴らしいものでした。

みんなよるがこわい
劇団 贅沢貧乏
多摩ニュータウン デジタルハリウッド大学 八王子制作スタジオ(旧三本松小学校)(東京都)
2017/11/11 (土) ~ 2017/11/12 (日)公演終了

白檻に触れて、
ヒノカサの虜
スタジオ空洞(東京都)
2017/12/07 (木) ~ 2017/12/10 (日)公演終了
満足度★★★
前半まではそれまでセンスも良く面白かったんだけど・・・。段々チープでくどくどしく感じてしまった。
座組みがとても良かっただけに残念。

残雪の轍(わだち)/キャンディポップベリージャム!
シベリア少女鉄道
サンシャイン劇場(東京都)
2017/12/07 (木) ~ 2017/12/11 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/12/10 (日)
途中に少しかったるく感じたのですが、その反動もあってか後半の映像化不可のどうかしてる展開に大爆笑でした。

『熱狂』『あの記憶の記録』
劇団チョコレートケーキ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2017/12/07 (木) ~ 2017/12/19 (火)公演終了
満足度★★★★★
『あの記憶の記録』鑑賞-
何故、これを今やるのかよく分からないまま観て、普通に良いものだったなと。
この劇団を知って、それ程観ていないが生真面目過ぎる嫌い・硬さを毎回感じてしまう。
もっと独創的なものが個人的には好み。

「標〜shirube〜」
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2017/12/12 (火) ~ 2017/12/25 (月)公演終了

愛死に
FUKAIPRODUCE羽衣
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2017/06/08 (木) ~ 2017/06/18 (日)公演終了
満足度★★★★
通路を駆け抜けるひと組のカップル。無人の劇場に忍び込んだらしい。金目のものを探すはずが、はしゃいでセットのパルコニーに上がってみたりしている。
セットがゆっくりと傾き、舞台の上に倒れる。大きなセットの起こした風が客席を吹き抜ける。
そして、舞台の上で何かが動き出す。
棺桶から起き上がる男。むかしラブレターを書いたことのある少女に、ずっと時が経った今ふたたび書いた手紙を朗読している。それは、投函されない手紙。次々と棺桶から男が起き上がり、舞台上を歩き回りながら同じ手紙を輪唱のように読み続ける。
棺桶から女が起き上がる。窓の外を眺める。昔、手紙をくれた男について語り始める。棺桶から次々と女が起き上がり、舞台上を歩き回りながら輪唱のように女の言葉を繰り返す。
黒づくめの男と女が、舞台上を歩き回りながら言葉を紡ぎ、次第にそれはメロデイになる。
そういう情景。
あるいはいく組もの男女が登場し、それぞれに描かれる愛の形。
音楽と言葉。ほの暗いステージの上の黒衣の男女。劇場に忍び込んだカップルは、からっぽの劇場の客席で、目を閉じて彼らのステージをみつめる。
列車を降りて、知らない町を歩き、夕陽にそまる海岸に、腰を下ろす。
愛という言葉に、死という言葉がこれほど近いなんて。
物語というよりかつて観た幻影のような。
若いカップルは、手を取りあって劇場から去っていく。彼らの人生はここからまた始まるのかもしれない。

ミズウミ
日本のラジオ
ギャラリーしあん(東京都)
2017/06/14 (水) ~ 2017/06/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
昨年観た『ハーバート』や『ヒゲンジツノオウコク』同様、クトゥルフという架空の神話を題材にした作品だ。
舞台となっている田瓶市も他の劇団が創作した架空の都市だが、パンフレット内の用語解説に参考文献として『田瓶市市政50周年記念特別広報紙』などと挙げてあるのも面白い……などという説明は野暮かもしれない。
ちなみに、田瓶市は市としてはさほど規模の大きくない自治体であろう、と50周年記念として発行されたのが記念誌でなく記念紙であるあたりから想像してみたりする。
クトゥルフやインスマスやダゴンなどの単語に聞き覚えがある程度で、ほとんど知識のない自分でも、物語を見る上では支障なかったし、舞台のヒンヤリとした緊張感や物語の面白さは充分感じることができた。
物語の面白さ、と言ったが、それはなんていうか、脚本の緻密さはもちろんのこと、キャストのそれぞれのハマり具合(何人かはこの芝居中は魚顔に見えたり)、細やかに設定された登場人物像やそれに応じた語り口、近い将来年号が変わることになった昨今の状況、庭や観客の後方も含めた会場の使い方(おかげですっかり物語の中に取り込まれたように感じられた)、そして『ヒゲンジツノオウコク』との関わりなど、様々な方向から組み上げられた面白さであった。
それでも、やはりクトゥルフについての知識があればより楽しめただろうと思うと、次回までに(!?)読んでおきたい気持ちになった。
過去と現実の関わり。人ならざる女たちに心をとらわれた男たちの切ない想い。大きく開けた女の口の奥に見えたであろう深いミズウミ。
不思議でヒンヤリと怖くて、そして愛しい。そういう舞台であった。

眠れぬ夜のホンキートンクブルース 第三章~覚醒~
水木英昭プロデュース
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2017/06/02 (金) ~ 2017/06/11 (日)公演終了
満足度★★★
あいかわらず波乱万丈なホストクラブ ホンキートンクに新たなピンチが到来?
しゅうくりー夢主宰の松田環さんの脚本で横井伸明さん御出演ということで、笑いと涙とそしてたっぷりの愛情が込められた物語に環さんらしさを感じたり、横井さんのピンクのスーツに度肝を抜かれたり、しゅうくりー夢ファン的にもいろいろ楽しい舞台となっていた。
若手ホスト役の方々も魅力的だけれど、伝説のホスト政秀役の津田英佑さんを始め、主宰の水木さんや客演の横井さんなど、オトナの魅力も満載だった。
日高市長役の山田邦子さんや翔役の鈴木拡樹さんが映像でご出演されたりしたのも楽しかった。
何が本当で何が偽りか。どんでん返しの連続とさまざまな仕掛けもたっぷりで、ハラハラしたり笑ったりしつつ、観終わると気持ちが温かくなって元気が出る、そんな水プロらしいサービス精神に溢れた舞台だった。
「疲れた女性を癒す」というホンキートンクのモットーと政秀を中心にした彼らの歌声に聞き惚れて、気持ちよく劇場を後にした。

祖国は我らのために
マコンドープロデュース
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2017/05/18 (木) ~ 2017/05/28 (日)公演終了
満足度★★★★
ロシア革命を題材に……というより、ロシア革命そのものを真正面から描いた骨太な物語である。タイトルになっている『祖国は我らのために』は、ソビエト連邦時代の国歌の題名とのこと。
血の日曜日事件から始まって、2月革命、そして10月革命へと、歴史の教科書の中の単なる言葉だったものが、目前で人間の営みとなり、時代の大きなうねりが平凡な庶民の視点で描かれていく。
工場で働くニコライ(須貝 英)らは、厳しさを増す労働と少ない報酬に危機感をつのらせていた。このままでは暮らしていけない。そういう切実な訴えから始まる物語の前半は、ニコライの妹 イリーナ(加藤理恵)ら女性たちの働く工場や弟アレクセイ(永嶋柊吾)の所属する軍隊なども含め、市井の人々を中心に動いていく。
前半では特に、イリーナたちの働く工場から自然発生的に始まったムーブメントが革命になるまでのダイナミックな描写が圧巻であった。
全体に、台詞も動きも熱量を強調する演出である。久しぶりに帰ってきた弟を囲む家族の会話さえ、舞台の対角線上を足早に行き交いつつ声高に交わされる。出演されている方々にとっては、たいへんな舞台だったかもしれない。
2月革命の後も暮らしはよくならない。民衆のささやかな希望は、権力に群がる者たちに踏みにじられたままなのだ。
革命の中のある種の高揚から、しだいにきな臭い雰囲気が漂い始める。女たちの働く工場で革命の指導者的役割を担っていたマリア(小林春世)が、捕らえられていく。仲間をかばうために悪態をつく彼女の毅然とした様子とそれを知って彼女を見送る仲間たちの姿が印象に残る。
革命家たちの動きが活発になっていく。そういえば、ボリシェヴィキやメンシェヴィキなどという言葉を聞いたのは、高校の歴史の授業以来何十年ぶりかもしれない。そしてとうとうあの男が動き出す。井上裕朗演じるレーニン。彼の怜悧な情熱が、後半の物語を引き締めていった。
庶民の中から始まった革命は、彼らの思惑を超え、国家を大きく動かしていく。数多くの犠牲のもとに。
ラストで、舞台上の人々を降りしきる雨が濡らしていった。革命後の時代を予想させるかのように感じられた。『祖国は我らのために』というタイトルが、どこか皮肉に聞こえるラストであった。

エンドルフィン
モノモース
こまばアゴラ劇場(東京都)
2017/05/24 (水) ~ 2017/05/29 (月)公演終了
満足度★★★★★
一台のスマートフォン。そこに録音された音声を男が再生する。どうやらある会議の席上のようだ。
聴こえてくる声の主は、ゴミの島に捨てられた少年。「旧・希望の島」あるいは「絶望の島」と呼ばれるそこは、合法非合法の廃棄物におおわれた場所であった。
捨てられ、傷つき、飢えた少年の生きるための戦いが始まる。
スマートフォンに残された彼の声は、過酷な生と痛みをありありと描き出していく。
語られる出来事は無惨だけれど、舞台上での描き方はむしろ抑制が効いている。血糊が飛び散ったりしないし、たくさんの布が重なり合う美術はどこか寓話めいているし、照明も音響もむやみに感情を煽るものではない。
なのに、少年の言葉はあまりにも生々しく響いてくる。
会議室でその声を聴く人々の冷めた会話。聴かせる男の目的と作為。それらのざわつく肌触りと、少年の発する言葉のギャップにも揺さぶられる。
観ているうちに、ある場面で突然気分が悪くなった。目の前が暗くなり冷や汗が吹き出す。
精神の緊張がこんなにストレートに身体の反応を呼び覚ますなんて、自分にとっては初めてのことだった。
舞台上で起きている出来事そのものより、劇中の彼の孤独が、そして予想される行為のもたらす痛みが胸を締めつける。
席を立つ……という選択肢が一瞬頭をよぎったが、続きが恐ろしいのと同じくらいその先が気になって立ち上がることもできない。
彼の語る記憶は、過酷さを増しつつ、ひとつの出逢いを境にその性質を変えていく。
ニイナという少女。目の見えない彼女を、少年は守ろうとする。
それまでの彼の生と、彼女と出会ってからの日々は、まったく別のものとなっていた。
もう、孤独ではない。
少年を呼ぶ彼女の声、共に生きようとする彼女の意志、彼女の弾くピアノの音。
飢餓も痛みも耐えられる。彼女さえここにいてくれたら。
もっと惨い展開はいくらも考え得るだろう。けれどそういう道を選ばなかった少年の、想像を絶する痛みの向こうにある種の甘やかな想いがある。それを愛と呼ぶにはあまりに切実すぎるけれど。
わずか85分の中に、切り取られ鮮やかに浮かび上がるひとつの生命。ひとつの世界。言葉にできない確かなものを受け取った気がした。

誰がために壁はある
曲がり角ランデブー
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2017/05/19 (金) ~ 2017/05/21 (日)公演終了
満足度★★★★
女性2人の魅力的なダンスから、物語は始まった。
客を送り出した風俗嬢が控え室で次の客を待とうとしているとき、後輩の女の子が助けを求めてくる。壁の向こうの人と恋に落ちて、店の金を持って逃げようとしているらしい。
壁によって西東に分断された近未来の日本……という設定について、劇中ではあまり説明はなくて、観客は物語の中でしだいに様子をつかんでいくこととなる。
『めごとの天使たちは』では、壁のある世界を背景にした古典的な「許されざる恋人たち」の物語を、2人の女性によるチャーミングな会話劇として描いていく。逃げ出そうとしているすみれの無邪気な一途さと、彼女の話を聴く姐御肌のれいかの男前な魅力が、観る者を物語に引き込んでいった。
続く『誰がために壁はある』では、不条理劇めいた会話を牽引する奇妙な男と、広場に来た男の語る恋の顛末が、「壁」に閉ざされた閉鎖的な社会の終焉と結びついていく。男1を演じる古市さんの飛び道具めいたキャラクターと台詞に圧倒された。
先の2つの短編は2人芝居だったが、3作目の『惑い人は還る』では、遠く宇宙を旅する少女と地球で待つ父親が、それぞれのかたわらにいる女性(型のアンドロイド)と交わす会話で進む2人芝居×2のような3人芝居であった。
宇宙を隔てた父と娘の孤独や迷いに手を差し伸べる、死んだ(妻=母)の姿と記憶を持ったアンドロイドの慈しみと、終盤で希望を語る少女のキラキラとした表情が、これまでの物語に登場したすべての壁を乗り越えていくチカラを持つように感じられた。
壁をテーマに描かれた3つの愛の物語はゆるくつながりながらそれぞれ綺麗に着地し、そして気がつけばまたつながってひとつの物語となっていた。笑いも多めの軽妙な会話とその奥の切なさを魅力的なキャスト陣が立体化して、小さな劇場に見えない壁と宇宙が立ち現れるように感じられた。

ミュージカル 人間の条件
劇作家女子会。
座・高円寺1(東京都)
2017/05/18 (木) ~ 2017/05/21 (日)公演終了
満足度★★★★
ホモ・ミームスと名付けられ、宇宙人とか人モドキなどと呼ばれる人間によく似た別の生き物と人間が共存する社会が舞台である。……と言ってもSFではない。
ホモ・ミームスと人間が暮らす社会という背景を共有しながら、4人の作家がそれぞれ異なるシチュエーションで綴っていく。……けれど短編集でもオムニバスでもない。
4人の作家が描く4つの主人公と彼・彼女を取り巻く状況が平行し、ところどころ重なりながら進んでいく物語は、タイトル通り人間であることの意味を直球で問う骨太な寓話となっていた。
見た目では区別がつかない。本人でさえ自分が人間なのかホモ・ミームスなのかわからない。死んだ時に初めて何者であったか確認できる、というその仕掛けは残酷でもあるだろう。
深刻なアイデンティティの問題であり、差別の問題であり、宗教の問題であり、医療の問題でもあり、教育の、福祉の、そして男女の問題でもあった。
若き外科医 西本の勤務する病院では、ホモ・ミームスを治療していたため運ばれてきた人間の子どもを治療できず、子どもは死んでしまった。人間を優先すべきだという抗議が殺到し騒ぎが起こるが病院は反対に、いつでも人間とホモ・ミームスを同等に治療する、と言い始め……。
突然の事故で亡くなった恋人が、溶けて消えてしまったという。人間ではなくホモ・ミームスだった。それでも愛していたことや喪失感に変わりはなくて、でも、宇宙人とつきあっていた、と言われることにやや複雑な感情もあって……。
居場所のない少女たちの援助交際……いや、売春グループ。彼女たちと親しい男はホモ・ミームスであると自称している。学校でのいじめられて宇宙人と呼ばれていた仲間の一人が飛び降り自殺をし、大地と激突した瞬間溶けて消えてしまった。残された少女たちは……。
発達障害で仕事も続かない。自分は人間だろうか、そうではないのだろうか、と悩む女が、
ある日自分を受け入れてくれる場所を見つける。それは、ある宗教団体だった。そこで彼女は自信と強さを身につけようとするが……。
そういう4つの流れが、少しずつ関わりあい、ひとつのテーマを浮き彫りにしていく。書き手の違いによってややテイストを変えながら、4つの状況はどれも興味深い。なるほど、「劇作家女子会。」なのだと思った。彼女たちの書いた戯曲の面白さがまずは前提にある。
ストーリー自体に加えて、シンプルなセットの中でさまざまな場面を演じる工夫や休憩前後の遊び心を感じさせる仕掛けなども含め、観ていていろいろと楽しい舞台であった。
演出は赤澤ムックさんで、4つの物語の多彩な登場人物や場面を生かす手腕も見どころだ。重い題材に真っ正面にぶつかる部分もトリッキーな遊びの部分をも含め、戯曲を活かしたバランスのよさが感じられた。
加えて、ストレートプレイではなくミュージカルだ。
歌もダンスも予想以上にたっぷりあり、クォリティも一定以上で見応えがあった。特に、ヘルス嬢チームのダンスや2幕はじめのパレードのパワフルさが印象に残った。
音楽も生で、舞台の奥でバンドが演奏する様子も観ることができた。
キャストの人数も多く、それぞれに熱のこもった演技を見せてくれていっそう引き込まれた。
こうやって作品が立ち上がるまで、ずいぶん時間がかかっただろうなぁ、と観終わってから思う。
できれば、流れを把握した上でもう一度観たい作品であった。

不謹慎な家/佐藤さんは殴れない
MCR
OFF・OFFシアター(東京都)
2017/05/12 (金) ~ 2017/05/17 (水)公演終了
満足度★★★★
『不謹慎な家』を拝見。
えっ、何これ?なんでこんなに可笑しいの?と思いつつ観ていた。まあ、この劇団の作品はおおむねそんな感じかもしれない。
恋人が人を殺して捕まった。みのりは彼を待つと言う。昔からみのりを想っている濱津は、彼女の論理に圧倒され、彼女の感情に翻弄れつつ、彼女を見守っている。
夫や恋人が刑事事件の犯人として刑務所にいるという境遇を同じくする女たちが集まって一緒に暮らすことになる。一人では揺らいでしまうかもしれない「待つ」行為は、客観的には共感を得難いことなのかもしれない。たとえばみのりの恋人に殺された人の遺族にしたら、犯人が早く自由になって欲しい、という彼女の想いは不謹慎なものなのだろう。
そんな中、みのりが一人の男を連れてくる。新しい恋人ではないし、浮気でもない、待ってることに変わりない、とみのりは言うが、男の側はそうは思っていない。彼はかつて刑務所に入っていて恋人に去られたことがあり、「君は待てないと思う」と言い切る。
待っている女たちもそれぞれの事情や複雑な想いを抱えている。その家にいるのはつらいけれど、彼女の抱えているものを理解してくれそうもにあ世の中にひとりで向かっていくのはもっと恐ろしい。
題材はそうとう深刻だし、展開だって明るいばかりじゃないし、そもそも登場人物がメンドくさいヤツばっかりだ。でも、破天荒な登場人物の破天荒な言動に翻弄され、呆れつつやっぱり笑ってしまう。
笑ってるうちに、行き場のない想いが積み重なって、ジンワリとあたたかい何かが胸を満たす。不安や孤独をアクの強い笑いで彩りつつ、彼らの見せる切実さが観客の胸を打つ。そして彼らがとても愛しくなる。この、じんわり愛しい感じが、MCRの魅力なのだろう、と思った。