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若手演出家コンクール2017 最終審査

若手演出家コンクール2017 最終審査

一般社団法人 日本演出者協会

「劇」小劇場(東京都)

2018/03/06 (火) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

 チェーホフのプロポーズを演出。

ネタバレBOX

演出家のコンクールであるから正攻法なのだが、このコンクールはオリジナル作品での応募も多いので、できればオリジナルで演って欲しかった。でなければ、協会の方で上演作品を決めて、演出だけを評価対象にするということも考えなければならないかもしれない。何れにせよ、尺も約40分で既に上演を拝見した東京の2劇団と比べて尺が短いのも勿体ない。演技自体は熱演で、地力もある劇団だと思うだけに猶更勿体ないという気がしたのである。
若手演出家コンクール2017 最終審査

若手演出家コンクール2017 最終審査

一般社団法人 日本演出者協会

「劇」小劇場(東京都)

2018/03/06 (火) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

満足度★★★

 今回の審査員の一人によると緻密な作品も作るらしいが自分は、この劇団では全*とか、アナーキーで様々な概念をブッ飛ばす作風の作品しか拝見したことが無かったので、今作もイメージ通りといえばイメージ通りであった。

ネタバレBOX

予想通りのシーンも出て来たし。
 面白く感じたのは、作・演の松森モヘー氏が狙いの一つにしているのが、現実に起きているもの・ことをそのまま舞台に上げようとしていることである。それは日常的に見慣れていて、何の変哲も無いと普段我々が思い込んでいるもの・ことが、じっくり観察してみると新たな側面を見せたり独自性を持っていたりすることを発見しようとする試みであるということができよう。
描かれているのは、在る家族の在り様だが、その内実は、DVあり、不倫あり、幻視あり、自殺あり、失踪あり等々ぐちゃぐちゃである。おまけに末娘が付き合っている彼氏は妻子持ちで不倫なのだが、その彼の子を身籠って出産する話迄出てくる始末。つまり家族とは言っても、現在、日本中にごろごろある崩壊家庭が描かれているのであり、そのような家族が生活するわが日本の現実として、家族を取り囲む状況そのものが現在増々非人間的傾向の進行度合いを強めていること、即ち民衆の命の値が日々どんどん軽くなっているという事実認識にも表れていよう。このように誰が見ても明らかだが、日本人は滅多に口に出さないことを言ってのけている点が面白い。但し、壊すのであれば、最初はもっとかっちりした世界観を持った家族が壊れてゆく方が説得力を持つだろう。どうしようもない家族がその結果としてどうしようもないのでは変わり映えがしない。
注:*は裸
ベター・ハーフ

ベター・ハーフ

ニッポン放送/サードステージ

本多劇場(東京都)

2017/06/25 (日) ~ 2017/07/17 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/07/13 (木) 14:00

中村中さんがよかった。演技もうまいですね。大人の恋愛って感じで楽しめました。

若手演出家コンクール2017 最終審査

若手演出家コンクール2017 最終審査

一般社団法人 日本演出者協会

「劇」小劇場(東京都)

2018/03/06 (火) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

 実に様々な解釈が可能な作品だが、脚本の緻密な安定感と、言葉の実験、舞台美術と衣装及び作品内容との関連性と統一性もさりげなく自然に而も柔らかく的確に表現している点が凄い。(花5つ☆)

ネタバレBOX

通常小劇場の舞台で見る作品とは次元が異なる完成度の高さを見せてくれた作品である。これまで、この劇団の作品は4作拝見して来て、何れも優れた作品であることに感心してきたのだが、今日、この番外作品を拝見するに至って、天才出現という思いを強くしている。
演出コンクールなので、脚本重視の自分と審査員の見解には相違も生じるかもしれないが、ドットの増減、ミラーボールの使用など視覚的なことにもにもかなり力を注いだのではないだろうか。役者陣では長女イブ役の加藤睦望が、気に入った。他は武田役。
この2人、互いの相互関係も絶妙である。見えないもの・ことに共鳴できるイブと末娘・ルルの彼、武田の間のコレスポンダンスが理解できるかできないかで評価が分かれそうだが、これが見える者にとっては堪らない作品である。
ところで虫の複眼を拡大するとドットの集積のように見えるが、舞台美術と衣装が、劇中に登場するテントウムシの文様とも交感・共鳴し合いながら、物語の進行に応じて減少。死んで見えなくなっている猫に、虫が潜む裏の世界では出会っているというような巧みな論理のすり替えが、魔法使いとして登場する武田との三角関係にもつれ込みそうなイブの切ない恋愛感情の危ういバランスの上で咲きかける緊張感と、その極点に於けるパラドクサルな永遠性を表現するに至っているが、念を断ち切るように紡がれるさよならの現実に由って確固たるものになる。
 ここには、チェシャ猫も居れば、三人姉妹も居る。更にチェーホフの「三人姉妹」は、姉妹同士が恋敵になる三角関係は描いていないのだが、今作では、それが提示されていることで、チェーホフに挑んでいる側面も感じさせる。長女が教師で頭痛持ちという設定は、オリガと同じであることは誰の目にも明らかだろう。
vol.19.5 あ・らかると

vol.19.5 あ・らかると

はぶ談戯

ホボホボ(東京都)

2017/04/08 (土) ~ 2017/08/19 (土)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/06/10 (土) 14:00

梅雨のアラカルトをみました。ちょっと重いかなと思ったけどそれなりに楽しめました。この会場はじめて行ったかも。

わらいのまち

わらいのまち

タクフェス

東京グローブ座(東京都)

2017/03/30 (木) ~ 2017/04/12 (水)公演終了

満足度★★★★★

笑いあり、涙ありのお話。なんていうかお客を置いてかないとこがいいです。鈴木杏樹さん久々に見た気がする・・・

「足跡姫」~時代錯誤冬幽霊~

「足跡姫」~時代錯誤冬幽霊~

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2017/01/18 (水) ~ 2017/03/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

やっぱりりえさんていいね~、舞台っていいね~と思えた作品でした。野田さんてなんか難しそうなイメージがありましたがいい意味で裏切られました。

おとうふコーヒー

おとうふコーヒー

劇団銅鑼

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2018/03/09 (金) ~ 2018/03/18 (日)公演終了

満足度★★★

わたし自身も含めて、看取りに後悔は付き物だと思うし、
介護の現場に問題が山積みなのも承知している。
この作品はその事を突きつけるのではなく、
こうだったら幸せだろうという理想の形で見せてくれたように思う。
終演後には暖かい気持ちで劇場を後にできました。
そして、高齢者の問題に加えてジェンダーの問題も挟み込まれており、
詩森作品ではお馴染みの、
「観客に伝えたい基本的な情報を説明臭くなく上手く処理してある」のは健在。
今回、詩森さんがどのような取材をして何を思ったのか、
アフタートークを聞いてみたかったです。

劇団銅鑼は初見でしたが、
すごくフラットに作品世界に入り込むことができました。
出演された俳優さんがみなさんとても良い声で、
声優さんのようだったのが印象的でした。

ロミミ_The W edition_

ロミミ_The W edition_

はちみつシアター

ザ・ポケット(東京都)

2018/03/07 (水) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

歌って、踊って、笑って、ホロリとさせられるファンタジックでパロな(SWよかったです)ステージ、大いに楽しめました。キュートな女の子が一生懸命なのは実に清々しい。

義経ギャラクシー ─銀河鉄道と五条大橋の999─

義経ギャラクシー ─銀河鉄道と五条大橋の999─

X-QUEST

北とぴあ つつじホール(東京都)

2018/03/08 (木) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/08 (木)

座席K列10番

初演の四方囲み客席でのロープなきリングのようなステージ版が彫塑とすればこちらは同じモチーフを油彩絵画で表現したような。
プロセニアムステージゆえ星空や地図を投影する(紗幕を使っての画像と役者の「合成」まで!)など各種照明効果を駆使したりで視覚的にも美しい。
もちろん初演からの義経+賢治+999(+α)のミキシングバランスも絶妙で、元ネタがワカればワカるほどニヤリだし、ソレとソレをそう繋ぎますか、なアイデアに感嘆。先の喩えのように初演版大いなる改作……ってか二卵性双生児的関係、みたいな?

カチナシ!

カチナシ!

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2018/03/01 (木) ~ 2018/03/05 (月)公演終了

満足度★★★★★

劇団十八番の介護と将棋のコラボは大正解。唸らせられますね。さり気なく胃瘻の問題を挿入していたのは、個人的に好印象。

父

雷ストレンジャーズ

サンモールスタジオ(東京都)

2018/03/07 (水) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

劇団初見。上演作品も未見でしたが、いや~古典の力はスゴイですね。とても130年前の作品とは思えない。大いに楽しめました。

父、ロボットになって、帰る。

父、ロボットになって、帰る。

TOMOIKEプロデュース

シアター711(東京都)

2018/03/06 (火) ~ 2018/03/12 (月)公演終了

満足度★★★★

劇団初見。ちょいエロで笑えるSF(?)コメディですね。まったりと楽しめました。

もうはなしたくない

もうはなしたくない

範宙遊泳

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2018/03/03 (土) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

今まで観たきた範宙遊泳のなかでも屈指の重さ。3人の女たちの性に対するオブセッションの軋みが頭にこびりつく。もう衣装からして重い。格別変な格好をしているわけでもないのになにかを含んでいると思わずにはいられないファッション(メンヘラ、ということなんだけどただメンヘラってわけでもない)。笑えるセリフもあるにはあるのだけど、笑いより痛みが残ってしまう。油井文寧の左まぶたぴくぴくが効いてる。

若手演出家コンクール2017 最終審査

若手演出家コンクール2017 最終審査

一般社団法人 日本演出者協会

「劇」小劇場(東京都)

2018/03/06 (火) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

 男道ミサイルという宮城の劇団、観劇前未見だった2つ劇団のうち決勝に残るチーム2つの内の1つとして予測していた劇団が矢張り順調に勝ち上がってきた感じが強い。

ネタバレBOX

大地震、大津波そして福島第1原発人災三重苦を背負わされた地域から予選を勝ち抜いてきたチームだけに天才脚本・演出家、笠浦静花が主宰する“やみ・あがりシアター”に対峙することのできる劇団の最右翼と踏んでいた劇団だが、見事にその期待に応えた形であり、否それ以上であった為、どちらを優勝チームに選ぶかが大問題になってしまった。
 何しろ開演前から板を挟んだ入り口側・対面に設えられたスクリーンに渋谷から下北を目指して走るタカシのライブ映像が映されており、それを座長役の本田が解説つきでアナウンスしているのだが、このトークが絶妙で芸質の高さを示している。一所懸命に走っているタカシの地方から出てきた故のルート選択の過ちを含めて一瞬の隙もない、フォロワーからの“いいね”“がんばれ”などの投稿が、画面上にリアルな協同感覚を盛り上げる。若者達が、大事なニュースや自分達の将来を決定する政治動向を間違え続けていることの原因の一つが、このような協同感覚に訴える手法のリアリティーに在るであろうことを実感させられたシーンでもある。それほどまでに効果的な演出であった。
 さて、本編に入ると劇小劇場に到着したタカシがルームランナーとでも呼ばれているのだろうか? 室内ランニング用の機械の上に乗り、走り始める。劇団の推移・状況説明や家族との関係、そして下敷きにしている太宰治の「走れメロス」の主題に絡ませた劇団内紛をドラマツルギーの対称軸としながら物語が語られ紡がれてゆく。この縒り合わせ方も巧みである。而も、通常公演と異なり江戸時代の歌舞伎のように飲食OK。音声・写真・動画撮影、ツイッターなどのSNSもOK。劇団サイドとしてもネットで本編同時中継をしているという。
 本編は、原作の本質を過不足なく抉り出してベースとすると同時に、アレンジを加え現在福島を含め被災県民が現実に向き合っている逃げ場のない状況を、原作の呈示している本質的問題の仮借ない追及と重ね併せて描いた後、終盤重く深いこの問題から、観客を日常感覚の世界へ連れ戻す為の創作を極めて手際よく加えている点も素晴らしい。
 タカシを演じた役者さんの体の鍛え方が半端ではない。無論、出演していた他の2人の役者さんの力量も大したものでああり、作・演出の澤野氏の力量も本物である。
物の所有を学ぶ庭

物の所有を学ぶ庭

The end of company ジエン社

北千住BUoY(東京都)

2018/02/28 (水) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

鑑賞日2018/03/10 (土)

全員がある種の「弱者」である中で、「所有」が語られることの痛ましさが胸を衝く。異なる時間軸の二つの会話が、同じ単語の響きをたよりに同時に発話されることのリズム感の中で、所有と喪失のあわいは曖昧に溶ける。そのうら寂しさをBUoYの会場全体を駆使したセットが表現する。中央に荒んだ庭、左はもっと荒んだドアのはずれてものが散乱した部屋、右側には柱がいくつもたてられ、客席の椅子にはツタが絡まる。本当は何も所有したことはないかもしれないのに、なんで喪失感だけがくっきり残るのだろう。そんなどうしようもない感情のツボをおされて泣きそうになっていた。

ロボット演劇「働く私」/アンドロイド演劇「さようなら」

ロボット演劇「働く私」/アンドロイド演劇「さようなら」

青年団

浜離宮朝日ホール(東京都)

2018/03/09 (金) ~ 2018/03/10 (土)公演終了

鑑賞日2018/03/10 (土)

会場に段差があまりなくて後方だと演技が確認できないという劇場構造上の難点はあったものの、作品は十分に楽しめた。ロボットのうなずきとまばたきのタイミングなどが相当に細かく設定されており、その辺りが作品の肝になるのだと思う。人間の身体ノイズがもたらすリアルさを機械が表現すること。人間の身体というより日本人の身体といった方が適切かもしれないけど。ロボットだけの会話はスムーズすぎてちょっと違和感を覚える。

ドレッサー

ドレッサー

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2018/02/23 (金) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/11 (日) 14:00

座席1階L列

有名な作品でしたが、今回の公演でやっと観劇しました。千秋楽。
年老いたシェイクスピア俳優と、長年仕えた付き人を描くバックステージもの。
もっとシリアスな話かと思っていましたが、終盤前までユーモラスな話に仕上がってました。
それは、ベテラン俳優を演じたのが加藤健一さんだったからかもしれない。
付き人の二面性と複雑な心情や、メインの二人以外にも
それぞれ短いシーンに込められた他の登場人物たちの背景、
思いが良く描かれていました。

midnight fly high

midnight fly high

Artist Unit イカスケ

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2018/03/09 (金) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

意外な配役が多数有り、役者さんたちの新たな魅力発見!
楽しかったです。

奴碑訓

奴碑訓

Project Nyx

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2018/03/09 (金) ~ 2018/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

戦争物でもないのに会場は年齢高めの男性が多いという不思議なことになっている。
1978年の寺山修司による作品ということなのか、ベテラン女優さんが多いので固定ファンが来ているのか、Nyxの美女劇が高年齢のファンの心をつかんでいるのか…。

場所は「イーハトーブ」農場という設定で「雨ニモマケズ…」などの言葉が断片的に散りばめられ、「セロ弾きのゴーシュ」も登場する。もっとも全体とどう関係しているのかはとうとう分からなかったが。私にとって連日の宮沢賢治は奇妙な偶然だ。40年も前の有名な作品なので川島むーさんのコレクションにはしっかりと入っていることだろう。

内容は主人の留守の間に召使たちが交替で主人となり、やりたい放題の後は便所掃除に戻ることの繰り返しというドタバタ音楽劇である。まあストーリー云々よりは見て聴いて感じたままを楽しむものだろう。下敷きは1731年にイギリスのジョナサン・スウィフトによって書かれたものである。そのため、その時代のドレスが使われ舞台が華やかになっている(もっともかなり面積の小さな衣装もあって、そちらに気をとられたのか全体の衣装の記憶が飛んでしまって詳しいことが書けないのは我ながら情けない)。
ベテラン勢を除けばスタイルの良い女優さんが多いことに驚いた。そのスタイルをずっと保っていただきたいなあ。
また舞台上のビジュアルも素晴らしく、特に最初と最後の場面では持ち込まれる明かりが幻想的な美しさを作り出していた。

私にとって今回の最大の収穫は「黒色すみれ」のお二人の歌とバイオリン(+一部アコーディオン)のすばらしさである。鍛えられた喉から生まれたどこまでも破綻なく美しい声は、バイオリンのしっかりコントロールされた音色でコーティングされて行く。今まで全く知らなかったのが悔やまれる限りだ。

ネタバレBOX

使用人たちが働かないことの皮肉として奴婢訓(使用人の心得)が唱えられる。
したがって実行するのはその逆。心得の中には「お客さんと話をしない」「お客さんと握手をしない」とかあって(記憶曖昧)前方通路側の観客には嬉しい事態になるのでお楽しみに。

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