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おつかれ山さん

おつかれ山さん

近畿大学 文芸学部芸術学科 舞台芸術専攻 34期

近畿大学 Eキャンパス D館 3階(大阪府)

2025/01/09 (木) ~ 2025/01/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

今年の観劇初めはこちら✨
Bキャスト本番初日観劇

愉しいコメディだが…
良い人ほど割を食う😰(良い先生ほど家庭を犠牲😭)
ギリギリ山ちゃんを支える筈の奥さんもギリギリで…
やり場ない哀しさ😢怒り🤬虚しさが刺さった🔪良かった👍

お疲れ様💕

焼肉ドラゴン

焼肉ドラゴン

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2025/12/19 (金) ~ 2025/12/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

作演出の鄭義信氏は中劇場を「苦手」と称していたけど、見事に空間を支配して強い感情が
ダイレクトに全身へ投げつけられるような「焼肉ドラゴン」に昇華させたように感じた。

1幕が終わった時点で複雑な家族関係や時代背景も相まって、ちんぷんかんぷんというお客も散見
されたので、Wikipedia序盤の家族構成や制作経緯を押さえておくとすんなり作品世界に入って
こられる気がする。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%84%BC%E8%82%89%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%B4%E3%83%B3

ネタバレBOX

いつも寡黙で三姉妹ほか「焼肉ドラゴン」のみんなが賑やかにやっている中でもいつも舞台の隅にいて
ただただ自分のなすべき仕事に精を出している金龍吉。

肝のすわった感じの妻・高英順や個性が強い三姉妹に押されるようにしてあんまり目立たなかっただけに、
美花が長谷川と結婚の許可を得に訪れた時、世間話でもするように自分の過去を訥々かつ切実に語るシーンが
脳裏に焼き付いて離れない。

済州島虐殺事件で村も故郷も失って命からがら日本へ逃れ、家族を養うために土地を取得して(本人は元の
所有者から買ったと言っているけど、資金的な面を考えるに不法占拠に近かったと思わざるを得ない)、
「働いて……働いて」と何度となく繰り返すほど必死で働き抜いて長い年月を過ごしてしまった。

自分の人生がただただ家族を守るだけ、生き延びるだけの労働だったってひたすらしんどくて、何のための
数十年間だったんだろう……って今生きているこちらとしてはふと心をよぎりかねないけど、こういう人は多分
東アジア中心にたくさんいて「焼肉ドラゴン」はそのささやかな一例に過ぎない。

そう思うと、今までの全てが「自分の運命であり、妻の宿命」だったと繰り返し劇中で出てくる龍吉の言葉が
何か取り返しつかないポイントに達してしまったようにも、どこか達観しているようにも、何度でも乗り越えて
きたからこれからも同じことをするだけだってこぼしているようにも受け取れる。たぶんその全部が入り混じった
感じなんだろな。

最初と最後の桜がピンク色のフィールドを作っていくシーンで、龍吉が「明日はきっと良くなるはず」「昨日が
どうであったとしても」には泣かされるね。高英順がリアカーに乗っかって夫にまんまと運ばせるってコメディ
部分なかったら胸が痛すぎたと思った。

イジメのストレスで失語症になり自殺したはずの息子が最初と最後で語り部を行う。最終部分で街を出ていく
両親についていかなかったの、おそらくなんだけど死者は過去の者であり、これからどんなものであれ未来へ
明日へ向かって歩みを進めていく2人には重荷になってしまうという思いもあったのかな……と。

この作品、演出次第ではどこまでもシリアスにできたと思うけど(現にあらすじだけ見るとドロドロした話
だと感じる)、多用されるギャグやコメディパート(個人的には元婚約者の静花に未練ありまくりの大樹へ
哲夫が「お前、しつこいぞ!」と放言するの、ブーメランにもほどあるやろと笑った)に助けられたところはかなりある。

あと、帰国事業で北へ渡っていく長女夫妻、朴正煕体制下の韓国へ渡っていく次女夫妻、一応日本には残る三女夫妻、
土地と店を失う格好でどこかへ流れていく龍吉夫妻と、どう考えても二度と全員が一緒に集まる機会なんて歴史を
振り返れば振り返るほど無いと分かるので、しきりに写真を撮りまくる哲夫がなんか切なかったなぁ。
『ジョルジュ』/『トロイメライ』

『ジョルジュ』/『トロイメライ』

座・高円寺

座・高円寺1(東京都)

2025/12/19 (金) ~ 2025/12/24 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

『ジョルジュ』
通算3回目。去年何で観なかったのか調べたら昼公演ばかりで日程が合わなかった。

ピアニスト、平尾有衣さんの右肘に傷痕のようなもの。プロ故に変形していくものなのか。
甘いデザートを舌にのせて隅々まで確認し味わうかのように鍵盤を弾く。
雲の上の平均台を慎重に歩く体操選手のように緩やかに。
才能溢れたピアニストがピアノを弾く行為、それはまるで亡くなった数百年前の天才の魂を降霊させる儀式のよう。確かにショパンの思考、感覚、感情、思想に束の間触れたような気さえした。

天才とは神の世界に魂を飛ばしそこで聴いた旋律を何とか再現しようと努力する者。ただこの人の世ではどうしても音階が足りな過ぎる。

竹下景子さんは喉の調子が悪そうにも感じたが(咳をこらえる素振り)そんな時でもこなせる長年培った技術。

シライケイタ氏の演出に工夫が見られる。前より伝わり易い。

第一幕
①革命
②ノクターン第2番
③別れの曲
④ワルツ第9番
⑤バラード第1番
⑥雨だれ
第二幕
⑦24の前奏曲第17番
⑧4つのマズルカ第4番
⑨幻想即興曲
⑩子守歌
(11)ポロネーズ第1番
(12)ワルツ第7番
(13)英雄
(14)葬送行進曲

アンコールに「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22より」。Op.=オーパス=作品番号。

ショパンは音楽を思想と捉えていたそうだ。この圧倒的な人気は天才性だけでなく思想の美しさなのか。
魂を飛ばせ。

ネタバレBOX

③さびしんぼう。人は別れの為に出逢うのだ。別れこそこの世で一番美しい。そんなことを思わせる。
⑤一つのフレーズ(感傷)を打ち消すかのようにあらゆる旋律を試みるがやはり打ち消せない。
⑥「雨だれ」の解釈が他の人とまた違ったもので興味深い。いろんな「雨だれ」を聴きたくて山縣美季さんのピアノリサイタルにも足を運んだことがある。
⑦ピアノの演奏に被せて竹下景子さんがモノローグのように朗読を被せる演出はイマイチ。何を話しているか聴き取れない。どちらも殺してしまう。
ラスト、もう一度この演出があったが竹下景子さんが中央で喋ったので先程よりも聴き取れた。だがもっと違う方法がある筈。
(14)このフレーズを展開して明るい希望さえ垣間見せる凄さ。
やばすぎっ

やばすぎっ

劇団ノックステージ

OFF OFFシアター(東京都)

2025/12/17 (水) ~ 2025/12/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

(笑えた度)5.5(今感)5.5(完成度)5.5(平均)6

メタの異化効果を現代的に解釈してアウフヘーベンし、リアルを超越した一次元上の同化効果とでもいうべきすこぶる魅惑的な世界認識を提示せんとする高度の文学性。

小劇場エンタメに必要と思われるほぼ全ての要素をさりげなく備えて110分間観客を楽しませ続けるという隙のないエンタメ性。

ガストにこっそりレッドブルを持ち込んで、ちびちびやりながら、西陽のあたる国道沿いの窓際の席で芥川賞受賞作と直木賞受賞作を立て続けに一気に読み切った時のようなトリップ感と多幸感を与えてくれた世紀の傑作。

(※個人の感想です。)

ネタバレBOX

以下、ネタバレしてます。こ注意を。
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いやあ、そうだったのね。そこで出てくるラズベリースムージー。

劇中劇のあらすじを現実のフライヤーに書いて、虚構との境界を曖昧にし、意味をなし崩しにしていく展開には舌を巻きました。
メタは見慣れていると思っていたのに不意を突かれる、、、まだまだですね。

現代口語演劇から入り、ダウナーなセカイ系ホラースプラッタエモコアパンクテクノで終わる徹底的な虚無系不条理コメディ。
更にこの全体構造そのものがエモ、という凝りに凝った作り。
作者モヘーさんの守備範囲、間口の広さ、恐れ入ります。

どこら辺がエモコアかというと、エモコアはいわゆる口語のエモとかなり違いますし、音楽のボキャブラリーで演劇を語る無理ゲーは承知の上でまるっと強引に進めますと、劇中劇で、まあ、これは作中人物によって語られているだけなんですが、次々と人が○んでいくわけです。○酸カリで○んだり、チェーンソーで首ぱっつんしたりする。その、殺伐としたパンクの中に、隠しても隠しきれない溢れてくる抒情性があるわけなんですよ、それが、たとえば、舎人ライナーに轢かれて○ぬ、というディテールです。あの日暮里の、舎人ライナーのどこが叙情なのか、という点については、議論のあるところだと思いますが(笑)、そのほかには全くと言っていいほど、内面の葛藤とか、個の悩みとかそういった要素が綺麗サッパリないにも関わらず、パンクがエモコアに寄ってくるのは、この叙情性あってこそ、そういう面があると思います。

そして。以下に音楽におけるエモコアの特徴を書きますが、、、
動と静のダイナミズム: ささやくような静かなパート(叙情的なクリーンギター)から、一気に感情を爆発させる激しいサビ(絶叫や歪んだギター)への展開。この「感情の起伏」が、物語のような叙情性を生みます。

なんかわかんないけど、もの凄くエモい。その正体は、多分この構造です。
なんせ、これが、いわゆる「エモい」の語源らしいので。

導入部。
同時多発会話が使われていたり、日常の不完全なコミュニケーションの再現になっていたり、○かな演劇を静かに○○しているところは最高にチャーミングなポイントです。上記でいう静かなパートを普通にやってもつまらないので、○○しているわけですね。通好みといえば通好みでしょうけど、秀逸です。

舞台はクリスマス当日。クリスマスといえば、マライアキャリー。まさに「今」です。音のセレクトとインアウトのタイミングは相変わらず天才的で、スーパーフライ、AKBフォーチュンクッキーなどの使い方は群を抜いています。その音楽マジックに酔いしれていると、ことの次第は突然マジックリアリズム風味な、地方の因習話になっていき、個人の内面の問題でこそないけれど、小集団の行き止まりが世界の浄化に通じている、まさにセカイ系自意識と表裏一体です。

演劇自虐ネタセリフは相変わらず冴え渡っていますし、これは言わずもがな、芝居の登場人物が、「現実の観客が期待して観にくる、「フライヤーの裏に堂々と書いてあったあらすじ」であるところの劇中劇」を徹底的にディスるわけですから、それは見事なメタのひねりの効いた「自己言及」となっています。

そして、世界は虚無で踊るしかない、という永遠の真理・安定の着地点には、お袋の味、ふるさとの安心感さえ感じます。

エンディングのカニのパラパラシーンはあれは、誰がなんと言おうと「ダンスシーン」と認定させて頂き、「踊ったのか」の問いに対し、「踊った」と記しておきたいと思います。実際、人間のパラパラもありましたしね。
ちなみに、カニがパラパラといえば、どうしてもカニチャーハンが思い浮かび、パブロフ状態で涎が出ました。

「イマ」ということ。イマ、何を観せられているのか、それがわからなくなるということは、イマに自覚的になるということで、それこそが究極の現在性なのではないでしょうか。よく出来たメタ演劇の真髄です。マライアとか、下北の家賃とか、ヤクルト1000とか、ダゾーンに出てるとか、そういう今を凌駕する構造的なイマを確かに感じました。

と、なんだかんだ書きましたが、全編ぶっ飛んだコメディだと思います。
文句なしに刺激的、かつ面白い。
劇団の皆様のキャラ設定も演技もとても良かったです。


「エターナルチルドレン」「ツキカゲノモリ」

「エターナルチルドレン」「ツキカゲノモリ」

片岡自動車工業

駅前劇場(東京都)

2025/10/15 (水) ~ 2025/10/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

片岡自動車工業さんの本公演を久しぶりに観劇させていただきました。
片岡さん以外は劇団員さんが二手に分かれて、エターナルチルドレン、ツキカゲノモリにゲストさんと共に出演されていました。
エターナルチルドレンは片岡さんの書き下ろしだとの事で、キャストさんが全員キラキラして役を楽しんでおられて観ている私も恋と切なさにドキドキしてしまいました。
ツキカゲノモリはまたゆっくりと振り返ります。

2000兆年

2000兆年

劇団クロワッサン

横浜国立大学 第一食堂下 共用室3(神奈川県)

2025/12/19 (金) ~ 2025/12/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/12/19 (金) 18:00

110分。休憩なし。

あるいは眞ん中に座るのが俺 2025

あるいは眞ん中に座るのが俺 2025

株式会社テッコウショ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2025/12/17 (水) ~ 2025/12/25 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/12/19 (金) 14:00

115分。休憩なし。

わたしの隣人

わたしの隣人

趣向

象の鼻テラス(神奈川県)

2025/12/11 (木) ~ 2025/12/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

象の鼻テラスを初訪問。てっきり堤防の突端にでもある天井の無いステージか何かだと想像していた(テラスっつうとそうなりまへんかな)。当日は急な寒さでしかも風が強くなり、野外ならとても耐えられそうもなく「行くなって事か・・」と挫けかけたが、着いてみればきっちり大きなガラスに囲われた立派な建造物であった。ぬくぬくと観劇。
その安堵感と疲労で途中また寝落ちの時間あり、比喩性の高いテキストの裏を読み取る作業が中途で断絶、不十分な観劇となった。宣伝文にもアフタートークでもこれは自分の事を書いた初めての劇、とあったが、登場する誰がオノマ女史=自分に当たるのか、作者のどういう体験がこの夢の中のようなふわっとした劇に落とし込まれていたのか、は判らなかった。
趣向は、どちらかと言えば言語過多なテキストで(油絵のように何重にも絵具を塗り)形をあぶり出すというのが通常形かも知れない。出世作「アントニン・・」や「ザ・ゲーム・オブ・ポリアモリー何とか」や先日のワンアクト・ミュージカル等。一方、以前観た一つと今作共に、「語量を抑えた小品では穴の埋まらなさ(伝わりづらさ)が否めない」という印象(勘が良いか又は同じ感覚を持ち合わせてる人には伝わるかもだが)。
作者自身にとっては言葉一つ一つに意味が籠められているのだと思うが・・。今回はそんな感想しか書けない。

玄海灘

玄海灘

劇団劇作家

上野ストアハウス(東京都)

2025/12/11 (木) ~ 2025/12/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

今年初めになるか(昨年末だったか)リーディングで有吉女史によるこの大作の脚本化の成果を堪能。圧倒された。第Q藝術の四角の箱の中に演者が揃い、オフの時にも台本を見つめ、皆がそれぞれ作品を語る一人の、一人称の人格となり物語を紡ぐ橋をともにわたる切実感も合わせて全身に浴びた。
今回、本舞台での上演に踏み切った。リーディングのレベルには到達しないだろうと予想し、事実その通りであったが善戦していた。不足感を挙げればきりがないが、例えば役人物が変化していくのが要である朝鮮両班の家系の息子のその変化や、歌姫と呼ばれる居酒屋の娘の歌(これは技量の問題か演技の問題か)、朝鮮総督府での日本にこれでもかと忠誠を尽くそうとする男とその日本人の上官の微妙な関係、その彼の地下運動組織への接近、理解、最後の裏切りのダイナミックスなどは、植民地支配の矛盾、渦巻く静かな憤激が沸騰する要素でありたく、石を積み上げるようになりたかった。場面処理の課題があったとは思うが、抽象舞台とした事で、集中が殺がれる瞬間が多々あった気がする。時に居酒屋、時に新聞社、時に総督府、あるいはどこかの野外と、多場面ではあるが、観客の目は「見立て」がうまく行かない所があった。
にしても、物語の力、台詞の力は舞台を押し上げていたのは確か。今後も挑んでほしい作品。

あるいは眞ん中に座るのが俺 2025

あるいは眞ん中に座るのが俺 2025

株式会社テッコウショ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2025/12/17 (水) ~ 2025/12/25 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

こりゃ面白い。イエス・キリストの後釜争奪戦?新興宗教が生き残るには、教祖亡き後が大事ですからね。マグダラのマリア役の及川奈央さんが素敵。

ゴツプロ!Presents / ブロッケンver.3  『さよなら挽歌』

ゴツプロ!Presents / ブロッケンver.3 『さよなら挽歌』

ゴツプロ!

新宿シアタートップス(東京都)

2025/12/12 (金) ~ 2025/12/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

塩野谷さんありきのお話でしょうね。いろいろな種類の悲哀を実に自然に演じていらっしゃる。いつもながら役者さんたちの上手さが安心して物語に入っていけて、きっとどの世代の人が観ても共感できる絶妙なさじ加減でした。
君の笑顔を見ていたい…最高の愛情表現ですね。
実際にはこんなゆるい闇バイトはないと思うけど、パートナーとの危機とか八方塞がりな現状をこんな風に受け入れることができるのも、心のもちようなんだろうなと。年末にギフトをもらいました。

ネタバレBOX

レンタル料金の肩代わりはチャラということなの?
新装改編版 『世界の果てからこんにちはⅡ』

新装改編版 『世界の果てからこんにちはⅡ』

SCOT

吉祥寺シアター(東京都)

2025/12/12 (金) ~ 2025/12/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

観るべし! 華5つ☆。追記12.21

ネタバレBOX


 吉祥寺シアターに入って驚いた。空気が凛としている。丁度、神社や仏閣の境内を訪れた時に感じるような空気感なのである。これがSCOTか! 先ずはこの空気感に撃たれた。既にかなりの観客が早目に来場して開演迄の時を過ごしているが鈴木忠志さんの執筆なさった本や、彼について書かれた特集雑誌等の物販を見たり観客からの随意な志によって為されている今公演への志を規定の箱に収めたりと和やかなムード。
 開演前にチケットが手渡され劇場内に入る時の手際の良さ、スタッフの対応も極めて凛として良い。
 板上には中央に四角い縞模様が見えるが、縞模様中央に場面によって座卓にもステージにもなるテーブル様の台が置かれている他は、フラットな空間が広がる。幾つかの挿話がオムニバス形式で演じられるが、二場やラストを除き登場人物達は、皆車椅子に乗って登場しその状態で演技する。而も皆その演技の基礎に全世界で共通の人間身体の構造分析や各部所をどのように用い演劇表現と為すか? (体幹の鍛錬は言うに及ばず、動作時の重心移動、身体各部所の動さに適い且つ演技に見合う用い方)への絶え間ない訓練が見え而もそれが様式化されて居る為に、世界中の優れた演劇先達者が目指す基礎と共通のメソッドに到達しているように思われる。この共通性故にSCOTは、世界の様々な国々の役者と言葉は十全に通じなくとも優れたコラボレーションを為すことができる。無論、海外の役者で鈴木氏の弟子の多いこともあるだろうが。
やばすぎっ

やばすぎっ

劇団ノックステージ

OFF OFFシアター(東京都)

2025/12/17 (水) ~ 2025/12/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

クリスマスの鍋パーティーっていう、まあ、今の時期に合わせた芝居なんですが。
そこは松森モヘーさんなので。
下北沢で、北沢っていう田舎町から上京した幼馴染たちが鍋パーティーをする。
こんぐらがる。
二人のゲスト。招かれた一人と、招かれざる同郷の一人。

実際に舞台上で”鍋”を作ります。
この生の食べ物の匂いの演出を、モヘーさんは最近好まれてるなって。
不思議と心温まる気分になる鍋マジック。

序盤こそとっちらかってる感じについていくのに、やや苦労しますが。
嘘って言葉が裏返るあたりからは、引き込まれた。
最後は想定外のやつが踊ってくれます。

面白かった。
幼馴染が集まることで、何かが開くってのは、スティーブン・キングっぽさを感じました。

あと、雪が降るんですよ。綺麗だったな。

ネタバレBOX

サイトや当日パンフにある”あらすじ”と、当日も座席に置かれてる、折り込まれてるチラシの”あらすじ”。
違うんですよ。
モヘーさんは入れ子細工的なことよくやりますけど、ここもかーーーってなりました。
くちづけ

くちづけ

タクフェス

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(大阪府)

2025/12/18 (木) ~ 2025/12/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

再々演と
2%と25%の数字は今も変わっていないのかな…
健常者では余り関心がわかないパートを、踏み込んだスタイルで伝え演じる宅間さんは凄いですね〜 自身が演じるのは最後とのことで、拝見出来たのは良かったです!
小劇場とは違う感動🥲が有りましたが、大阪であのボケは無い無い
宮根さんめちゃ老けたな〜

爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK

爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK

ヴィレッヂ/劇団☆新感線

新橋演舞場(東京都)

2025/11/09 (日) ~ 2025/12/26 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

大盛況の芝居でした
お薦め

季節

季節

劇団普通

シアタートラム(東京都)

2025/12/05 (金) ~ 2025/12/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

幾らか多めの登場人物に、幾らか知名度の高い俳優の参入・・トラムで演るとはそういう事也や。劇団力をベースに集客の読みは劇場付の企画スタッフの力量の範疇かと推察される。
それはともかく芝居。一見「普通」以外の何物でもない主宰で作演出の石黒女史は、その日のトークに拠れば、全て茨城弁で展開する劇世界は、実体験の記憶を掘っているのであるらしい。
一番手として登場する野間口氏は、どうやら老け役らしいが、最初あまり見えなかったのだが段々と、中身は老け男と見えてくる。
一か所、ぼやっとしている間に言った誰かの台詞が客席にどっと受けていて、無念にも聞き逃した。
それにしても地方の親類同士の距離感の絶妙な具合はどうだ、と。完全にああではないがどこか身に覚えのある「親戚同士」(子どもにとっては親が兄弟同士で賑やかしく、こちらは独特の距離感のいとこ同士・・これもまた愉し)の空気感。所在ない瞬間が訪れ、これを飄々として乗り越える者達。意味的には単なる血縁であるが、現代既に機能しなくなり、町内会と同じくせいぜいが法事だとか、自分ちの話をして「心配」し合うが関の山な関係である(その心許なさを幼心にも感じた事を覚えている)。地域社会も同様にCONSUMERとSELLERのみで成立する資本主義体制において、家族単位はまだ制度として機能するとして、世帯の異なる「親戚」は最早いなくて困る存在として登場する事がない。
親が死んで遺産相続が決着すれば法的関係は終るのでありこれを最後に付き合いがゼロになるケースも実際多いんだろうと想像する。
「会いたくて来たんだよ」と親戚を訪ね歩くチャーミングな御仁が一人いればまた違うだろうし、名を上げた成功者が殊勝な人で、親戚を集めて一席設けるなどしても「益を分かつ」(裏話を聞くだけでも役得)目的で集うという事も起きるだろう。
身もふたもない話をすればそんな具合だが、舞台上では地方では今もあるだろう親戚づきあい(これに近所づきあいの側面も割り込んでくる)の健気で面白おかしいサンプルが展開している。石黒女史の中にはまだ湧き出てくるネタがありそうである。

『末原拓馬奇譚庫-其之弐-』

『末原拓馬奇譚庫-其之弐-』

末原拓馬

Mixalive TOKYO・Hall Mixa(東京都)

2025/12/17 (水) ~ 2025/12/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/12/18 (木) 19:00

其之一は見逃しちゃったが、其之弍はしっかり見ました。不幸な境遇の者たちが皆で力をあわせて...といういつもの末原節があったり、短いけど過激なものがあったりと、約2時間、万華鏡のような世界に没入。来年のおぼんろ本多劇場も楽しみです。

パーク

パーク

甲斐ファクトリー

シアター711(東京都)

2025/12/10 (水) ~ 2025/12/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

公園のベンチに集まる人々。ヤミが見え隠れでおもしろかったー

サイハテ

サイハテ

演劇企画集団Jr.5(ジュニアファイブ)

小劇場B1(東京都)

2025/12/10 (水) ~ 2025/12/16 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

めっちゃ良かったです。人柄の良さが伝わって来る前説。お芝居はうってかわってシリアスでカオスで。良い意味で裏切られた〜最後まで釘づけ。これだから小劇場はやめられない!

幻魔怪奇劇「DGURA MAGRA―ドグラ・マグラ-RE/再演」

幻魔怪奇劇「DGURA MAGRA―ドグラ・マグラ-RE/再演」

PSYCHOSIS

「劇」小劇場(東京都)

2025/12/10 (水) ~ 2025/12/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/12/11 (木) 14:00

4年前の新宿スターフィールドよりも舞台の幅と高さが増してよりダイナミックかつ洗練された感覚な一方、地下の劇場から地上2階の劇場になったことで泥臭さが薄まり「おすまし顔」になった感が無きにしも非ず。
しかしそれはむしろ「PSYCHOSISらしさ(私見)」がより押し出されたと言えるか?
そしてあの「奇書」を解り易く整理した高取脚本と若林派/正木派を白と黒で対比させたり過去場面を照明でセピア色に染めたりする森永演出との相乗効果で「モダン・アングラ」な娯楽作に仕立て上げたのは原作ファンとしても嬉しい♪

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