
身・テント演劇「あるいは怠惰な革命」
劇団身体ゲンゴロウ
宗禅寺 境内 特設テント内(東京都)
2026/06/06 (土) ~ 2026/06/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
久々に羽村駅より歩く途中、観客と思しい二人組やグループを目にする。その年恰好から、些か異端児振りが匂う劇団の年代を想像、というのも最近出て来たにしては載ってる文言がラディカル、老成の感。だがやはり若かった。
さて如何なテント公演かと見れば、サイズ感は十分。水族館劇場がテントを張った宗禅寺敷地の墓地中の空き地ではなく、県道に下った向かいの駐車場がその場所であった(かなり迷った人もいたのでは)。墓地側から見下ろすと黒い塊がデーンと見える。単管パイプの骨組みに黒シートを張り合せた幕内は、手前と奥の出入口(シートを上げ下げ、時に脇から袖のように出入り)をつなぐ長方形の演技エリアと、その両側に組まれた雛壇客席がある。砂利がまばらに残る地面が見える。7割方埋まった客席には、外で販売してたのか飲食を持ち込んで食べる姿があった。
フランス革命を題材に取り、文筆家を目指す主人公がとりあえず細かな記事を書いて食いつないでるらしい現代?から、想念だか書いた文章だかの世界へ移行する形で物語が展開。史実をベースにルイ十六世治世のパリのある酒場に集う者たちの群像(ロベスピエールもその中にいる)。そして王と王妃マリーとの接点も。
革命の暗面と理想を拮抗させて描いた作劇であった。
かつては暗面を描く事の方がドラマ的には主眼で、暴露の意味合いがあった。だが今は暗面が基調で、理想を追う態度の尊さを描く事の方が突出した感じを与えるのではなかろうか。
普遍的価値を求める「理想論」は日本では果てしなく衰微していると想像しているので。
役者は一つ難点がたまにシャウトや声量で台詞が判別できない箇所あり(BGM音量との兼ね合いも)。もっとも展開の理解に支障なく、的確に演じ、風情よし。テントの使い方、演出も堂に入って演劇的に面白い。(屋台崩し的な瞬間もある)
しかし今公演は「当然赤字」であるらしく、クラファンの訴えあり。
活動継続を願う劇団の一つとなった。

身・テント演劇「あるいは怠惰な革命」
劇団身体ゲンゴロウ
宗禅寺 境内 特設テント内(東京都)
2026/06/06 (土) ~ 2026/06/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
如何にも表現する者の集まる芸大生中心の劇団らしい創り。扱われているのは1789年のフランス革命前後の時代だ。登場人物は1名を除き総て実在した人物達である。尺は約2時間。
上演会場は青梅線の羽村にある崇禅寺駐車場。本日最終日、ベシミル。華5つ菱(追記後送)昨夜、終演後のクラファン達成率は目標の50.4%できれば協力してやって欲しい。追記後送

身・テント演劇「あるいは怠惰な革命」
劇団身体ゲンゴロウ
宗禅寺 境内 特設テント内(東京都)
2026/06/06 (土) ~ 2026/06/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
会場はお寺の境内だと思っていたので、裏口からお墓の横の家の扉を開けたら、一家団欒の最中であって、そこではなかった。
お寺の敷地を越えた車道を挟んだ向かいの空き地が正しい場所であり、そこにテントを建てていた。
テント芝居みたいなのを観るのは、吉田神社の劇団どくんご以来ではないかしら。
初鹿野海雄さんという俳優の人が、福尾匠さんと瓜二つであった。長島千紘さんという主役の人はイノセントでした。
ちらしに100分予定と書いていたけど、2時間くらいやっていたような。
内容は、大半はフランス革命の時期の話で、アクチュアリティは殆ど無く、
途中、本当に目的がわからなくて、宗教ではないけど、左翼団体がバックについていて、オルグのために革命の話をしているのかも、と思ってしまった。
それでも、最後の方で欅坂「サイレントマジョリティー」(2016)的なスローガンが述べられると、そこは10年ほど前の現代性を帯びることとなった。
しかし、向かいに座っていたおばあさんは楽しそうだったので、それはよかったと思う。
役者の人は、というか全体的に、クオリティは高いと思う…
会場bgmがオルタナティブロックっぽい感じで、それも謎だった。

外のことはわかりません
ポポポ
シアター711(東京都)
2026/06/03 (水) ~ 2026/06/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2026/06/04 (木) 19:00
夫婦、親子、兄弟という一番小さい単位での共同体であるところの家族を切り取った作品。
シリアスを描きつつもコメディ要素がバランスよく入っていてどちらの邪魔もせずに楽しめた。

第三の証言
劇団青年座
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2026/05/21 (木) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

借金大王
中央大学第二演劇研究会
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2026/06/11 (木) ~ 2026/06/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白かったです。国のギャンブル推進法に翻弄される国民ですが、個人の受け取り方も様々でうまく利用する者、反対を唱える者、ただのめりこむ者と色々な角度から表現していました。

星の路
美族の邑プロデュース
大倉山記念館(神奈川県)
2026/05/09 (土) ~ 2026/05/10 (日)公演終了
実演鑑賞
屋久島で執筆を続け社会変革を目指した詩人・山尾三省(wikipedia)の想いを童話にして音楽を交えた朗読として繰り返しの上演で7回目。5月10日まで大倉山記念館。60分ほど。
https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2026/06/post-031837.html

川ひとつ向こうの、はるか遠い街。
乙戯社
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)
2026/05/08 (金) ~ 2026/05/10 (日)公演終了
実演鑑賞
70分。スタジオHIKARI。
https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2026/06/post-d5515a.html

カッコーの巣の上で
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2026/06/07 (日) ~ 2026/06/29 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/06/13 (土) 18:00
演者の力が演出に合わさって、素敵な芝居だった。
照明などの場面転換も良かった。
中野亜美さんが舞台で輝いていた。

僕ん家の冷蔵庫は 雪男ん家じゃない
劇団わたあめ工場
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2026/06/11 (木) ~ 2026/06/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白かったです。
謎めいたストーリーと独特の世界に、どんどん惹き込まれました。
まさかの展開や、隠された過去など、観応えがありました。
役者さん達の好演と熱演が良く、感情移入して、怒りを覚えたり切なくなったり、感情が忙しかったです。
素敵な舞台でした!

レディエント・バーミン Radiant Vermin
世田谷パブリックシアター
シアタートラム(東京都)
2026/06/08 (月) ~ 2026/07/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ブラック・ジョークのような作品で刺激的で終始ハイテンションで展開する。人の命が部屋の模様替えの手段程度に軽く扱われるのは何ともきつい冗談。最後も人を喰ったようなエンディング。主役2人は見ていて気の毒なぐらいの熱演だが、見ているこちらがだんだん飽きてくるきらいはある。

隕石
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2026/06/11 (木) ~ 2026/06/14 (日)公演終了

隕石
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2026/06/11 (木) ~ 2026/06/14 (日)公演終了

ハルカス寄席
近鉄アート館
SPACE9(大阪府)
2026/06/02 (火) ~ 2026/06/30 (火)公演終了

借金大王
中央大学第二演劇研究会
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2026/06/11 (木) ~ 2026/06/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
演劇大好き若者のパワーが感じられる舞台でした。運と努力にまつわる話。政府がギャンブルを推奨するようになる話だけど、ま、資産運用を推奨する最近の政権のオマージュでもあるのかな…と。あと、赤いジャンパーを着ていた男の役者さん、いい筋していますね。これから化けそうですね^^ 蛇足ですが、劇場が暑くて何度か意識失いそうになりました…

「言乃葉」
OWARI NO HAJIMARI
新宿シアタートップス(東京都)
2026/06/10 (水) ~ 2026/06/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/06/13 (土) 14:00
あらためて日常の些細な事の大事さを想う芝居だった。
今村さんの優しい母に癒された。

『フランドン中学校2年3組豚がいた教室』
劇団zzZ°
中板橋 新生館スタジオ(東京都)
2026/06/12 (金) ~ 2026/06/14 (日)公演終了

隕石
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2026/06/11 (木) ~ 2026/06/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
思(想)いを伝える いや寄り添うといった心温まる物語。冒頭は限界集落からの逃避的な印象だが、その後 不思議な出来事が…。この公演が面白いのは、表層の可笑しさの奥にある哀惜が透けて見えるところ。少しネタバレするが、場面は突然転換し 全然違う話が展開しだす。しかしラストは緩く繋がり余韻を残す。
もう1つの面白さは、眼前で繰り広げられている物語を通して、自分なりの別の物語が立ち上がってくるところ。色々な想像力を掻き立ててくれる好公演。自分の中では「隕石」は比喩、もっとも劇中で隕石が落ちてという台詞があり 大きな音が響くが。隕石は抗えない運命のようなもの、その時 人はどのような選択と判断をするのであろうか。
(上演時間1時間20分)

フードコートファミリー
半ドア
ユーロライブ(東京都)
2026/04/22 (水) ~ 2026/04/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/04/26 (日) 14:00
フードコートに集まり家族写真を撮ろうとする訳アリ家族の三場の会話劇。
素舞台に6脚の椅子と長短2つのテーブルだけという簡素な装置での会話は役者の演技が剥き出しで、気まずさが支配するその場の空気に圧倒される。
また、間をたっぷりとった静かな会話で進行するスタイルに劇団普通の作風に通ずるものも感ずる。大きな動きはないのに何故か惹かれてしまうんだな。
あと、半ドアメンバー2人(脚本、演出)と出演者から3人が登壇したアフタートークも、映像作品と舞台演劇との違いや作品創作上の裏話が聞けて有意義だった。

フラガール’26
羽原組
赤坂RED/THEATER(東京都)
2026/06/02 (火) ~ 2026/06/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2026/06/02 (火) 14:00
【 羽原組「フラガール'26」 @ 赤坂レッドシアター 】
映画版は、羽原大介 脚本×李相日 監督のコンビで、蒼井優や松雪泰子ら、
南海キャンディーズの山崎静代も出演し、話題を呼んだ。
実力派キャストを迎え、2006年、「日本アカデミー賞最優秀作品賞」、
「最優秀脚本賞」ほかを受賞した、映画史に残る不朽の名作の舞台化。
映画マニアが選ぶ、キネマ旬報ベストテンでも第1位を獲得。
舞台では、今回が4度目の上演。
羽原組としては3度目となる。
公開ゲネプロを観劇。
元・SKE48、チームKⅡのH組の主演は惣田紗莉渚が務めた。
「ダンスのSKE48」は、裏切ることはなかった。
「マイホームヒーロー」で、元・乃木坂46齋藤飛鳥の友人役を務めた経験のある、
新星・十河茉由が、映画で、蒼井優が務めたセンターポジション。
炭鉱娘たちの「フラガール」の主役を奪ってみせた。
「母ちゃんの操り人形じゃない!」
清楚で恥ずかしがりやな性格が一変し、子供が反抗期、
成長する瞬間が観られる。
ここから大きく変わる花子。
花子の才能を一瞬で見抜いたのが、惣田紗莉渚演じる、
東京から招致された先生だった。
「どんなに辛くても、泣きたくても、笑顔でいなくてはいけないの。それがプロ。」
「私の指示に口答えしないこと。」
厳しさを見せる。
これは、SKE48然り、
他のアイドル、芸能人にもいえること。
親の死に目にも会えない時がある。
それを覚悟した者だけが見える、「見たことのない景色。」がある。
炭鉱閉山で、ハワイアンセンターを作る計画が着々と進む。
2026年は「女性が活躍する時代」と言われている。
それを体現するに相応しい物語に、仕上がっている。
炭鉱で生き抜いてきた男たちの悔しい解雇。
再就職先はハワイアンセンター。
若しくは…。
閉山した後の炭鉱を女性たちが守り抜いてみせた「フラガール」に涙が止まらない。
あっという間の2時間だった。
派手な舞台装置などない。
役者と観客が創り上げる舞台。
計算された照明の素晴らしさには賛辞。
昔、経験した舞台稽古までが想像できる。
あれ以上に、きつかったんだろうなぁ。
そして、「華やかな」舞台へ。
稽古量は嘘を付かないことを教えてくれる。
稽古で流した汗は、
お客さんの涙に変わる。夢に変わる。笑顔に変わる。
ーそして、「生きる希望に変わる」。
その日の前に。
(批評/吉永安志)