最新の観てきた!クチコミ一覧

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NORA

NORA

東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2026/07/15 (水) ~ 2026/07/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ステージ前面にマジックミラーが何枚も隙間無く立てられていて、開演前は鏡として観客が映っている。どうも空席が見えてしまう。開演すると場内が暗転して光が透過しステージ上が見えるようになる。ステージの上部にはキャストの持つそれぞれの巨大なスマホ画面がリアルタイムで投映されている。基本はLINEだ。カチカチカチカチLINEを打つキャスト達。それをじっと眺める観客。録音したボイスメッセージを送ったり、ビデオ通話をしたり、写真を送信したり。素早く会話を進行する為、打ち間違いが多発。黒木華さんは多かった。

イプセンの『人形の家』を観たことがなかったので黒木華さん主演で観れる喜び。ただ、外国人演出家による現代アレンジ、スマホがテーマ···、と知れば知る程不安は拡大。ロシア人演出家はスマホという新しい言語を使った舞台を作る為に『人形の家』を選んだそうだ。登場人物が少ない会話劇だからと。『人形の家』の夫婦間ディスコミュニケーションを現代病理として描く為のスマホ使用ではなかった。カチカチカチカチ打ち込まれる会話をずっと見上げて読んでいるだけの観客達。一体これは何の時間だ?その観客とのディスコミュニケーションをテーマにした方が良い作品になると思う。

基本、原典通りだが何故かドクトル・ランクがいない。不治の病に冒された長い付き合いの医師。ノラを密かに愛している。

子リスちゃんことノラ役黒木華さんのタランテラは最高。
トールヴァル・ヘルメル役勝地涼氏は土屋佑壱氏っぽく見えた。
クリスティーン・リンデ役瀧内公美さんはいい女オーラ全開。
クログスタ役鈴木浩介氏のマッチングアプリのチェックが会場で受けた。

賛否両論と言うか、どうやって関係者が今作を褒めようとするのかお手並み拝見。あの手この手で楽しませてくれ。

ネタバレBOX

ヘルメルが役所勤めを辞めて弁護士になり、病に罹って療養。その間の医療費生活費をノラが工面した。借金を嫌うヘルメルの為、父親から借りたと嘘をつき、実際はクログスタから1000万円近く借用。その後、父親が亡くなったので返す必要がなくなったとヘルメルには言い、隠れて8年払いの分割で返済し続けていた。いよいよ来年の1月に完済。銀行員クログスタは個人で高利貸しを営んでいたようだ。それが何らかの事件となり社会的制裁を受け、妻に逃げられた。子供達の為にも銀行員として社会的信用を取り戻したい。だがそれも今、新頭取になるヘルメルに馘首されようとしている。こうなってはヘルメルの妻、ノラに縋るしかない。ノラに貸した大金の借用書はどうも怪しい。保証人であった父親のサインはノラが勝手に偽造したもの。それを使ってノラを脅す。自分が馘首されたらこのことを世間にバラすと。新頭取の妻が詐欺事件を起こしていたなんて格好のスキャンダル。世間が黙っちゃいない。

南イタリアの舞踏タランテラをナポリの伝統舞曲「タランテラ・ナポレターナ」に合わせて踊るシーンが印象的。ナポリ出身の外交官のクリスマス・パーティーで披露する為に毎日練習。スマホをちらちら見ながら踊るノラに苛つくインストラクター。クログスタからの告発の手紙をヘルメルに読ませないように必死のあの手この手。頭の悪そうなノラがヘルメルの意識をこっちに集中させようと思い付くものはもうコント。パーティー前日に「全て忘れて踊れなくなった」とビデオ通話でヘルメルに泣きつき、スマホ中継でダンスをリモート・チェックさせる。

相原コージの『漫歌』だったかで携帯依存中毒カップルのネタがある。常に携帯を手にし、携帯越しでないと会話も出来ない。何かそれを思い出した。

ノラのモデルはデンマークの女流作家ラウラ・キェラア。ラウラの夫は教師だったが神経症になり、療養生活に。その費用の為、ラウラは借金を重ねる。次第に返済に困り到頭手形を偽造。それは直ちに発覚し、怒った夫に離婚を突き付けられる。追い詰められたラウラは発狂、精神病院に入れられた。知人だったイプセンは詳細を調べ今作の構想を練る。(後年、ラウラは『人形の家』のノラは自分がモデルではないと世間に発表してくれとイプセンに頼んだがイプセンは拒否)。

クリスティーンがクログスタを懐柔する為に、急によりを戻そうと訪れるシーンも嘘臭い。それでころっと行くクログスタも駄目男。原作通りだが。

ノラはヘルメルが自分の犯した罪を庇い一緒に背負ってくれるものと思っていた。妻の罪は自分の罪だと。だがそれは全くの誤解、ヘルメルは馬鹿な妻を罵倒し己の保身を考えるばかり。夫の為に手段を選ばず必死に何でもやったのに。そこにクリスティーンに懐柔されたクログスタが謝罪文と共に借用書を送って来る。それを読んだヘルメルは安堵しノラを許すと言う。だがノラの心はもう動かない。ペットを可愛がり可愛がられるような主従関係ではなく、夫婦とは対等な人間と人間の向かい合いであるべきだと強く思う。このまま暮らしていてもいつまで経っても自分自身にはなれない。今、何よりも必要なことは自身への教育だと。

※初日に4列目で観た。

※「愚人にほめられたるは第一のはぢなり」。またフランスの食い物にされたのかと思ったらロシア人演出家だった。(ウクライナとの戦争を批判した為、ロシアを離れて欧州を拠点にしている人らしい)。日仏芸術ラベリングで国から金をせびるシステムを蓮實重彦一派が構築した。向こうで箔付けしてから逆輸入。フランスで賞を取れば日本は土人のようにへこへこ拝む。芸術を口実に国から金をせびり取るシステム。(Rock 'n' Roll Swindleとしては凄く頭が良いとも思う。だがフランス人の鑑賞眼なんかこっちは全く信用していない。ここずっとこのシステムの壁打ち芸術ごっこばかり見せられているが日仏共にどんどん作品の質は落ちているのでは?システムの乞食ばかりが増殖。蓮實重彦なんか引きずり下ろせ。国から金をねだる芸術なんか皆死ね)。···なんて書くと袋叩きに遭うのでお勧めしません。ソシュールの言語学や構造主義なんかを仏壇に祀り上げ、呪文のように唱え拝んでおけば一安心。
友情

友情

トリケラトプスの会

横浜ベイサイドスタジオ(神奈川県)

2026/06/12 (金) ~ 2026/06/14 (日)公演終了

実演鑑賞

イタリアの劇作家デ・フィリッポの1952年作を上演。ワタシは初見です。国会図書館のデジタルコレクション(世界文学大系 第95 (現代劇集), 筑摩書房, 1965)で無料で読むことができるごく短い一本。55分。6月14日までベイサイドスタジオ。

https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2026/07/post-b0fae5.html

あばたもえくぼも、きみのねごとも、

あばたもえくぼも、きみのねごとも、

さまてまぴ

北海道教育大学 アーツ&スポーツ文化複合施設 HUG(北海道)

2024/10/19 (土) ~ 2024/10/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/10/19 (土) 18:00

[Xの個人アカウントより2024/10/19の投稿を一部転載]
話が進むに連れ、徐々に彼らの故郷の原風景がぼんやりと見えてきて、筆舌に尽くし難い感動を覚えた。
直近3年以内に身近な場で人の死に触れる機会が何度かあったので、普段は蓋をして閉じ込めている記憶がほんの少し顔を出して、ウッとなる瞬間が正直あった。
忘れたくないし、忘れるわけがないのに、時の流れと共に記憶や思い出が薄れていく現実にはどうしても抗えない。

鯛の鯛

鯛の鯛

劇団きらら

インディペンデントシアターOji(東京都)

2026/07/10 (金) ~ 2026/07/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/07/10 (金) 15:00

久しぶりのきらら、なんと8年振りとのことで驚きました。不動産屋さんたちをメインにしたお話で、それぞれの気持ちが伝わってきてわわわわってじんわりしたり、あの人は何者?なんてキャラもいたりで舞台美術とか衣装とかとっても好みです。

生活と革命4

生活と革命4

マチルダアパルトマン

水性(東京都)

2026/07/10 (金) ~ 2026/07/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/07/10 (金) 19:30

毎度楽しみにしている生活と革命短編集。今回も頷きながら笑ってキュンして…。
それぞれの日常を覗き見しているような、登場人物の誰かになっているような。
しかも脚本もすぐに公開してくれて反芻できるのがさらに美味しい。

ロミオとジュリエット

ロミオとジュリエット

劇団昴

Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)

2026/07/03 (金) ~ 2026/07/18 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

当日パンフに劇団昴の過去の沙翁作品上演歴が載っているのを見れば、1980年代90年代ほぼ毎年のようにやっている。現在自分が目にしている劇団昴は、海外現代戯曲(時に近作も)の良質な舞台を世に出す劇団、であり、今回のロミ・ジュリも間違いなく「一味違った」アプローチなればこその上演決定だろうと勝手に確信。田中壮太郞氏はコロナ期間に俳優座「セチュアンの善人」を演出し、かなり気張った演出、翻案で魅せていたので当然その期待もあり、まんまとその通りの舞台であった。
「現代」がそこここに散りばめられ、物言い、音楽、衣裳もくだけていて小気味良い。最初に登場する対立する両家の血気盛んな青年らが手にしている「武器」てえのがまず拳銃、日本刀、野球のバット、角材(内ゲバか)。ロミ・ジュリ役に配された俳優の若さも、劇の空気に絶妙な「現代」要素を与え、清新さというか斬新さの域。
対立する両家のいさかいを諫め、度々警告を発する当地の総統の登場のたび、SPの如く迅速に登場する部下たちはサッと一列に並び肩の高さで拳銃を構える。黒の上下に黒のキャップ。女性。この舞台では彼女らの存在感が現代的で生々しく、一瞬目が泳ぐ。現代の戦争、紛争、諍いごとへと連想が広がる。
悲恋の物語の付け足しのように、総統が末尾を飾るのが従来のロミジュリの印象であったが、これと一線を画し、社会がこの未来ある若者(しかも大きな役割を担っただろう両家の子息令嬢)を失った事の重み、対立心に発する互いの愚かな判断の結果として振り返させる総統の言葉が、この物語の総括となるのである。照明が落ちて行く舞台に、戦闘機の飛行音、爆撃音が織り重なって行く。

現代劇的翻案・演出の要素は多々あって、観客はそれらを美味しく頂いた。
ロミオの悪友の一人がラップを奏でればロミオも負けじと何とか返す。二人が本能レベルで好き合い惹かれ合う造形が現代的だが「詩的な台詞による説明」を、台詞ごと身体的反応に昇華させた表現が秀逸。ジュリエットの乳母役の喋り倒すキャラも、己の思うままに生きる(可愛いジュリエットの世話を焼く事そのものが彼女の愛すべき日常であり人生)自愛の姿が、他愛(ジュリエットとその家族を思う心)が本物である事を証す、必然性の演技。双方の親の子を巡る態度(特にジュリエット=キャピュレット側)はさもありなんと身に詰まされる。三日後の婚礼を宣告され追い詰められたジュリエットから相談を受け、神父が捻り出した窮余の策が、他に方法は無いと思わせるだけエライが例の「薬」(一度死んで42時間後に目覚める)。ロミオの元へ送った使者よりも早く「ジュリエットの死」を伝えた彼の友人、毒を売る薬屋、「掛け違い」が交錯する終盤に残る疑問のピース「神父が送った使者」が手紙を届けられなかった理由に「伝染病」が登場する・・。運命を左右する物語におけるツールとして作者が用いた伝染病だが、古来、忘れた頃に襲って来る象徴的な災厄が、この物語においても忘れた頃に登場する憎さを思う。震撼とさせられ、手筈がロミオに達しなかった弁明としては強烈にして余りある。婚礼の朝、娘の「死」を知った家族の狂乱振りも物語のボルテージを否が応に高め、その後に訪れる「死」の静謐な演出が引き立つ。
こうした明瞭な段落分けにより、観客はこれを美味しく飲み込むしかない。

最後に両者ともが打ちひしがれた「敗北」の中にあって、総統の裁定により両家の長が手を差し出し、握る。笑み一つない。再起が約束された未来の光も見えない。
時すでに遅い、だが、そうするしかない暗澹たる悲劇が、再確認されるのみである。
悲嘆の美(裏返せば永遠に結ばれる二人の美)ではなく、「失った」側に主語が移っており、彼らこそ、私たちである、と思わされる。物語の添え物としか思っていなかった彼らこそが、私達だと改めて気付く。(そう感じるのは己が齢がそっちに近いからかもだけれども...。)

みづうみ

みづうみ

Co. Ruri Mito

シアタートラム(東京都)

2026/07/10 (金) ~ 2026/07/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

こちらの劇場に行ったことが無く
興味のあるダンス公演でしたので拝見する事にしました
台詞は一切無いので、パフォーマンスをどう感じるか次第の舞台になります
素直な感想で書かせて貰うと
リーフレット拝見してイメージした訳ですが
その様なシーンが有ったのか無かったのか理解出来ませんでした
また見たいのか?と自分に問えば
次回はパスすると思います

煙の汽水域

煙の汽水域

ムシラセ

小劇場B1(東京都)

2026/07/11 (土) ~ 2026/07/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/07/13 (月) 19:00

名前は知っていたが初見のユニット。丁寧で繊細な会話劇。(2分押し)81分。
 誠吾(阿岐之将一)の誕生日。20歳・35歳・50歳の3つの誕生日を描き、それぞれ「別れ」があるのだが、巧みに繋がれた物語が面白い。誠吾と友人の宍道(池岡亮介)はそのままだが、それぞれの場面に出てくる女性・母:秋・恋人:圭・愛人:時を異儀田夏葉が一人で演じる。巧妙で繊細な展開は面白いとは思うのだけれど、セリフフェチの私にはフィットしない言葉の選択もあったりした。タイトルは活きていない気がした。
 終演後、3分置いてアフタートーク20分弱。聞かない方が良かったかなとも思う。

『元祖惑星地球』〜この星から消えたもの〜

『元祖惑星地球』〜この星から消えたもの〜

ravencompany

シアター711(東京都)

2026/07/08 (水) ~ 2026/07/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

追加された千秋楽観劇
話は説明通りですが
チラシから想像するような
宇宙的な話は出てこなかったデス
イメージ的には
バトルロワイヤルみたいな
デストピア国での話かしら
グレーを基調としたシンプルな舞台美術で
冒頭では舞台背景にプロジェクターで
動画等の投影をし
OPスタッフロール流したりしてました
なかなかにインパクトある話で
琴線に触れた1時間50分の作品
全席指定でした→最前列は座布団席✕4

ハムレット×AI

ハムレット×AI

半畳の宇宙

日本福音ルーテル蒲田教会 礼拝堂(東京都)

2026/06/11 (木) ~ 2026/06/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/06/12 (金) 15:00

昨年「ドグラ・マグラ」を「あんなカタチ」で見せた半畳の宇宙、今年は「ハムレット」を「こんなカタチ」で見せようとは!(笑)
ヒップホップのライム(Rhyme)のような台詞回しや同じ部分を繰り返したりする手法は音響/音楽と相まってまさに「Re-Mix演劇」な様相。とかく堅苦しく思われがちな古典をカジュアルに仕立てて楽しい。
しかもそれを出演者4人で95分(本編)で上演するとはおそるべし!

煙の汽水域

煙の汽水域

ムシラセ

小劇場B1(東京都)

2026/07/11 (土) ~ 2026/07/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鈴木という男の、彼の人生の潮目が変わった20歳、35歳、50歳の時期を切り取った三場構成の舞台(家具の配置などはその都度変わる)。描かれていない時間をも想像させてくれる役者陣がいい。

ネタバレBOX

20歳のシーンでテレビから有珠山の噴火云々と聞こえてくるので、自分がリアルタイムで体験した'77年なのかと一瞬思ってしまったが、ガラケーが出てくるから2000年の噴火の方なのね。
夏のおどり

夏のおどり

東京レビュー

浅草花劇場(東京都)

2026/07/09 (木) ~ 2026/07/11 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

スぺクタルに演目、出演者が変わる舞台にくぎ付けになりましたが、徐々にリズムに合わせて夏踊りに引きずり込まれてしまいます。
目の前で展開される彼女たちの生き生きとした肢体にしばし引きづりこまれること、お勧め致します。

父と暮せば

父と暮せば

STEAM HEAT

横浜ベイサイドスタジオ(神奈川県)

2025/12/18 (木) ~ 2025/12/21 (日)公演終了

実演鑑賞

ずっと観てこなかったのに、ここ数年、続けて拝見する印象の井上ひさしのマスターピースのひとつ。105分 12月21日までベイサイドスタジオ。

https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2026/01/post-2e6cb6.html

ラフカディオ・ハーン 琉球の夢

ラフカディオ・ハーン 琉球の夢

燐光群

新宿シアタートップス(東京都)

2026/07/03 (金) ~ 2026/07/14 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

残り1回ですが、書いておきます。上演時間は約2時間となっていますが、実際は2時間25分です。燐光群は毎回SNSでも公式サイトでも上演時間を告知しないし、劇場内のどこにも掲示がなく、アナウンスもない。非常に不親切極まりなく、観客のことを考えていないのだなと感じます。

小説家の檻

小説家の檻

明治大学実験劇場

明治大学和泉キャンパス・第一校舎005教室(東京都)

2026/07/09 (木) ~ 2026/07/11 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 楽日の楽公演を拝見、尺は110分。AIとSNSが生活に組み込まれた現在日本の生活感覚にマッチした底の無い空虚の上に構築された世界の「実相」を描いて見事。

ネタバレBOX

 箱チーム観劇。若者の書いた脚本らしくラディカルで尖鋭的な視座と疾走感が終盤迄物語をグングン引っ張ってゆき、その疾走感と凍るような世界を切り裂く烈度は「時計仕掛けのオレンジ」のシーンを彷彿とさせるが最終盤での失速が無念。これは主要な登場人物2人を死なせてしまう結末にしたことが大きいとみる。理想的には裏地を残し自死した雪子の代わりに親友を名乗っていたが裏切りを犯した頼子を雪音と組ませて稼いでいた資金と共に国外へ脱出、新機軸の創作を発表させる等。性格も行動も真反対の2人が雪音を介してどのような作品を作り上げるか? 基本的に人生を肯定する頼子と否定的に観る裏地との関係もこれまでの雪子との関係とは違ってくるハズで双方の差をより明確にする為に雪子との回想シーンを挿入して対比させるシーンを(何か所か)設けても良い。その上で新作品で大儲けをした彼らは行方不明となる結末で如何か?
 実際に拝見した作品では現代日本の人間性そのものを喪失した世界の甚だしい虚ろ感覚が提起されてハイになっていたテンションが砕けるのだが、作品としての作り、演出、演技、舞台美術の合理性に優れ、スタッフの親切丁寧な対応も有難かった。
黄昏の街を行け

黄昏の街を行け

1ZA

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2026/07/08 (水) ~ 2026/07/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

金曜日のお昼の回、観劇しました。
昭和の人たちの価値観と未来へ挑む若者たちが気持ちをぶつけたり、ちょっと引いてみたりするところ、
すっごい自分のことの様でした。
「夢がかなう」わけがないという大人の言葉もわかるし、「夢をかなえたい」とずっと先を見る若者の気持ちもわかる。
そんないろんな世代の人たちの思いがまざまざと描かれた作品でした。
気が付けば涙がポロリ。

ちょっと残念だったのは、アオイちゃんの声が聞きとりづらくて、雰囲気で言っている内容は想像つくけれど
もっとくっきりと聞きたかったな。
加齢のせいかもしれないけれど。

『元祖惑星地球』〜この星から消えたもの〜

『元祖惑星地球』〜この星から消えたもの〜

ravencompany

シアター711(東京都)

2026/07/08 (水) ~ 2026/07/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

すごく良かったです!
感情を消し去るという政策が始まった理由が、紐解かれていくストーリーでしたが、面白過ぎて、どんどん惹き込まれました。
話の面白さに加え、役者さん達の全力の演技に目が釘付けでした。
ラストは「そんな・・(悲)」で、観劇後も切なくて仕方ありませんでした。
大満足の舞台でした!

せんがわ劇場×桐朋学園芸術短期大学自主上演実習公演

せんがわ劇場×桐朋学園芸術短期大学自主上演実習公演

桐朋学園芸術短期大学芸術科演劇専攻

調布市せんがわ劇場(東京都)

2026/07/11 (土) ~ 2026/07/12 (日)公演終了

実演鑑賞

ここ数年、桐朋学園芸術短期大学自主上演実習公演を観ているが、今年は残念ながら1日(2演目)だけ。しかし 未見の作品で潤色しているとは言え 観応え十分。それだけ学生の演出と演技が素晴らしい。
公演は教員の監修のもと、学生が自ら作品を選び 上演する。学士「芸術学(演劇)」取得の審査対象になり、上演作品の映像を独立行政法人大学改革支援・学位授与機構に提出することになっているため、★評価はしない。

●「またここか」(作:坂元裕二 潤色:片野彩加) 
●「夢を見る」 (作:石原燃 潤色:小野七実、小野萌香)

(上演時間「またここか」85分 「夢を見る」60分)追記予定 

迷妄曲論

迷妄曲論

藍澤慶子一人芝居

東中野バニラスタジオ(Vanilla Studio)(東京都)

2026/07/07 (火) ~ 2026/07/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

或る女性の小学生から三十代半ば迄、その綴られた日記の舞台化のよう。藍澤慶子さんの一人芝居 そのモノローグは内省と激情の繰り返し。ダイアローグ その姿の見えない相手は衣類という小道具を使って対話する。Kという女性の伝聞というスタイルで語っていくが、実は語っている本人の物語と言う。登場する人物そのものの存在があやふやで、一見 迷妄していくようだが…。早い段階で 性格の欠点が語られるが、そうなった原因は 今 社会問題になっていること。それ以降の彼女の人生に大きな影を落とし生き辛くしている。紆余曲折しながら懸命に生きてきた女、その成長譚のようでもある。

公演の魅力は 勿論 藍澤さんの演技力だが、その熱演を邪魔しない演出が好い。一人複数役を担うが、その情景・状況作りは飽くまで一人。音響はなく 音楽も奏でることなく、最後に一曲流れるだけ。照明も過度な照射はなく 淡く柔らかい光が射す、そんな僅かな諧調のみ。それだけに芝居の中の人物がくっきりと立ち上がる。
(上演時間1時間25分)追記予定

夏のおどり

夏のおどり

東京レビュー

浅草花劇場(東京都)

2026/07/09 (木) ~ 2026/07/11 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

魅力的なパフォーマンス。「夏のおどり」ということもあり「南へ!」をキーワードに構成した12演目。日本の沖縄民謡だけではなくブラジルのサンバまで幅広く取り入れており、踊る姿態と衣裳の華やかさは眼福。レビューの魅力は華やかさであるが、幕が下りれば夢(酔い)から醒めたような虚無感、その儚さ潔さが好い。だからこそ踊っている最中は夢中になって観る、その姿を目に焼き付けようとする。

本公演、実はすでに音源がない演目もあり、残っている映像で音源を再現したらしい。そんな努力と苦労が実を結び、ダンサーは熱量と鼓動が共鳴し合い、力強いステップが地響きのように会場を揺らす。個々人の力の調和が「生きている」を主張しているよう。
(上演時間1時間)

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