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光、一歩手前

光、一歩手前

優しい劇団

高円寺K'sスタジオ【本館】(東京都)

2025/11/01 (土) ~ 2025/11/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

(笑えた度)4.12(今感)4.12(完成度)5.15(平均)4


Amazonでポチッた手持ちライトに照らされて、味のある高円寺の地下空間に映し出される全77話の絵巻物、目眩く寓話の世界。

本当に大切なものは目には見えない。
サンテなんとか、「目薬のような名前の作家」(©︎尾崎さん)が書き記した言葉を敷衍した珠玉の名言の数々。

息つく暇もなく繰り出される言葉のシャワーに圧倒される100分


ネタバレBOX


手持ちライトに照らされた呪術的、幻想的な劇空間

役者各人が手持ちしたライトと、スマホからのBluetooth接続での音響操作による圧倒的な空間支配。
劇場内だけでなく、会場の特性により換気のため定期的に入口の扉を開けることによって、外部との連続を取り入れ、日常と非日常が入り交じる呪術的な劇空間を創出。

言葉使いの魔術

ホワイトボードに役者が手書きする文字、時にはヘタウマな絵により生じる詩情。詩人・歌人の土台を思わせる、アフォリズム(警句)、レトリック、言葉の音や連想を用いた複雑な言葉遊びや比喩表現の多用。日本語接続詞などのわずかな独特な表現によって、日常の言葉に詩情が溢れ出る。ナンセンスの原点はほんの少しの違和感にあったのだと気付かされる。

機関銃のように繰り出される過剰なセリフと限界まで体力を使う身体表現

言葉を洪水のように浴びせかけることで、観客は現実から引き剥がされ、演劇空間に放り出される。時には単独で、時にはささやき、時には複数唱和ユニゾンでつむぎ出される言葉たち。アントナン・アルトーを想起させる激しい身体性と非常にエネルギッシュな表現が、引き摺り込まれた観客を捉えて離さない。

抒情的で詩的な世界観と宇宙規模で人間愛を語る文学的態度

ノスタルジー、夢、記憶、そして純粋な愛や孤独を、非常に美しく、時に残酷に、詩的な言葉で描き出す。
個人の孤独や、人々の愛憎を扱いながらも、その根底には人類全体や存在そのものへの問いかけがあり、スケールの大きな文学的態度を示している。


我々はどこにいても、その相互の距離は1光年未満。日本のアングラの原点、寺山からの距離50年は誤差に過ぎない。偉大な作家の精神は、人類の記憶となって、何度でも繰り返して現れるのだろう。

本作「光、一歩手前」では、POPな音楽に彩られて、人類の記憶が現代劇として見事に美しく昇華されている、そう感じた。


ヴォイツェック【公演初日9月22日から23日に変更】

ヴォイツェック【公演初日9月22日から23日に変更】

パルコ・プロデュース

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2025/11/07 (金) ~ 2025/11/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

原作が未完なのでいろんな解釈・構成の脚本が存在するようで、本公演は近年ロンドンで上演された版の翻訳台本で、原作にはない場面や登場人物が加えられているようだ。
ベルクのオペラ版と比べると、本公演はどこが原因なのかわからないが心理的な内面の描写や不条理さの表現などが今ひとつ薄っぺらく感じられた。クライマックスに向けて狂気が緊張感を伴ってぐんぐん盛り上がっていくという印象は少なく、むしろ淡々としている。子どもと母親が絡む場面が複数回挿入され主人公の心の歪みの端緒が仄めかされているようだが脈絡がなくあまり効果は感じられない。個人的にはベルクによる十二音主義の濃厚で異様な音楽が付けられたオペラ版の構成・表現のほうが面白い。言葉を超える音楽の力か。

さらば黄昏

さらば黄昏

阿佐ヶ谷スパイダース

小劇場 楽園(東京都)

2025/11/08 (土) ~ 2025/11/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

阿佐ヶ谷スパイダース『さらば黄昏』を観劇。

あらすじ:
過疎化が進む町では、過去の忌々しい事件を忘れつつ平和に日々を過ごしている。そこに犯罪を犯した男が刑期を終えて戻ってくると噂が流れる。巡査を中心に対策を練ろうとするのだが…。

感想:
追い詰められた人たちが無謀な行動に出る展開は、過去作『はたらくおとこ』を思い出さずにはいられないが、それに近い感じかと思えども違う。
刑期を終えた男が戻ってくるという噂にあたふたする町民たち。
男は現れず『ゴドーを待ちながら』的な展開だと思わせるが、そうにはならない。追い詰められ、怯える町民たちの未知への恐怖に、小さな町での出来事ながら、今の世界情勢が見えてくる。
下北沢『楽園』という狭い劇場をあえて選んで、群像劇にしているからか、観客も町民に巻き込まれ、謎の男に不安すら感じてしまい、「この問題の解決法は?」と一緒に考えてしまうほどだ。
町民と観客の不安はどこへ向かっていくのだろうか?と終わりの見えない流れに、長塚圭史は驚くような手法を提示してくるのだ。
観客の想像力を徹底的に試す『阿佐ヶ谷スパイダース』
これだから観るのを止められない。
傑作である。
クレマチスの小屋

クレマチスの小屋

劇団大樹

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2025/11/06 (木) ~ 2025/11/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

観ることができて、本当に良かった!!
舞台セットが本当に良かった!!アコーディオンの生演奏が良かった!人形役の方と、猫役の方がとてもチャーミングだった。
そして、カーテンコールでの代表の挨拶がとても素敵だった。泣けてきた。心動かされた。
30年続けるというのは、並大抵なことではない。今回、時間を共有できたこと感謝します。ありがとうございました。

クレマチスの小屋

クレマチスの小屋

劇団大樹

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2025/11/06 (木) ~ 2025/11/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても良かったです。
ストーリーは優しい人間関係が描かれ、ちょっと切なくて温かい気持ちになりました。
舞台美術も素晴らしく、アコーディオンの生演奏が贅沢でした。
可愛い人形や猫の動きに笑顔になり、そして役者さん達の演技、表情に涙腺が緩みました。
最後の公演を観る事が出来て、本当に良かったです。
素敵な舞台でした!

ロックスターは死んだ

ロックスターは死んだ

中央大学第二演劇研究会

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2025/11/06 (木) ~ 2025/11/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白かったです。
夢を叶える為には、何かを犠牲にしたり、諦めざるを得ない事もある・・とてもリアル感がありました。
夢を追い続ける登場人物達の悩みや葛藤が伝わってきました。
役者さん達のパワーあふれる演技も良かったです。
昔の自分や今の自分について考えさせられる良い舞台でした。

雷ノ鳥

雷ノ鳥

劇団カルタ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2025/11/07 (金) ~ 2025/11/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2025/11/08 (土) 18:00

価格3,800円

もしこれが映画だったりドラマという形式だったら、あるいは掛け値なしの称賛をしていたかもしれない。だけどこれは小劇場の舞台だ。あきらかに「詰め込みすぎ」の感が否めなかった。
場面の切り替わりが本当に多いし、登場人物が多すぎて誰が誰やらわからないし、早口で、大声で、聞き取りづらい場面が多々あった。休憩をはさんだ第2幕あたりからようやく話の骨子がみえてくるのだが、逆に言えば第1幕は本当に必要だったのかよくわからない。回想のようなダイジェストで十分だったと思う。
ちなみに「雷ノ鳥」というタイトルが回収されるのも第2幕の後半だ。
この舞台を観た収穫としては、「小劇場でやる意味」だ。建築で言えば小劇場は「住宅建築」に似ていると思った。住宅は「居住空間」という意味において本質的であり、「人間が生きるために必要なすべてのものがある」といっても過言ではないが、社会全体においてのすべてではない。
同様に、小劇場も(映画など映像作品を含む)「劇」という仮想空間において「人間を描写するために必要なすべてのものがある」と言っても過言ではないのだろうが、その空間のすべてではないということだ。
削ぎおとして削ぎおとして、これ以上削ぎおそすものがない、というくらい純粋なものだけにしたものが小劇場という形式に適する、ということを知った。その意味においては小劇場ほど「最初から最後までよくわからなかったけどなんかよかった」という表現が成立する場所もない。例えば住宅建築においては意味の分からない空間だらけなのは許容されるが、市役所において意味の分からない空間だらけでは全く許容されないのと同様に。
本自体は悪くないと思う。この劇を通して言いたいことがわかったうえにおいてはエンタメとして普通に面白かった。だが場所が悪かった。

光、一歩手前

光、一歩手前

優しい劇団

高円寺K'sスタジオ【本館】(東京都)

2025/11/01 (土) ~ 2025/11/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

改めて説明文のあらすじを読むと、こんな話だったっけ?と思ってしまうが、そんなことはもうどうでもよくなってしまうような、全77話で展開される約110分のハイスピード舞台。

一座二部『熱海殺人事件』『ストリッパー物語』

一座二部『熱海殺人事件』『ストリッパー物語』

たやのりょう一座

紀伊國屋ホール(東京都)

2025/11/01 (土) ~ 2025/11/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

濃密な充実した時間でした。

ネタバレBOX

緊迫感とたたみかけるセリフの連続に一瞬たりとも目が離せない凄みを感じました。舞台から発せられる、熱量、エネルギーがすさまじかったですね。
Cordemoria

Cordemoria

縁劇ユニット 流星レトリック

ザ・ポケット(東京都)

2025/11/05 (水) ~ 2025/11/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

舞台セットと脚本が印象的でした。

ネタバレBOX

丁寧につくりこまれた舞台のため、物語がすーっと入ってきたので、あたたかなセリフが心に沁みました。優しい気持ちになれたオムニバスでした。劇場を出るときに、やさしげな余韻が残りました。
クレマチスの小屋

クレマチスの小屋

劇団大樹

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2025/11/06 (木) ~ 2025/11/09 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2025/11/06 (木) 19:00

揺れる三つ編みとしなやかな動きから目が離せませんでした。とても愛らしい人形役の方でした。

雷ノ鳥

雷ノ鳥

劇団カルタ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2025/11/07 (金) ~ 2025/11/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

度肝抜かれました。2時間半、ずっと圧巻です。以前『軌道』を観劇したときに「この劇団はただならぬものがあるな…」と思いましたが、今回『雷ノ鳥』を観て確信に変わりました。劇団カルタは若手劇団ではトップクラスですが、劇団カルタがこれから日本の演劇界をひっぱっていくことになるでしょうね。それぐらいすばらしい劇団です。話の展開が何よりもすばらしいです。分刻みでシーンが変わるのに話がちゃんとフォローできるつくりになっていてほんとすごいです。あと、ワンチームということばがあう劇団ですね。音響もさんも音効さんも照明さんも役者も一丸となっているのがよくわかります。あと、そうそう、休憩に入る前のピンクレディの曲、ナイス選曲です。あの曲であんな演技するなんてセンスありすぎです^^

Cordemoria

Cordemoria

縁劇ユニット 流星レトリック

ザ・ポケット(東京都)

2025/11/05 (水) ~ 2025/11/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

久しぶりにセットを観て「すごい…」と思いました。しかも、エピソード3に入る前にセットがまさにリセットされて再び「すごい…」と思いました。全体的に家族がテーマになっていたかと思いますが、さらにコアコンセプトに喪失と再生をもってきたところがいいですね。しかも、喪失から再生にシフトするフックとなるのが本というのもいいですね。

ハバカル

ハバカル

劇団マタヒバチ

ロームシアター京都ローム・スクエア(京都府)

2025/11/06 (木) ~ 2025/11/08 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

初観劇
ストーリー性はあるものの、音楽劇的な要素が強く演劇性が薄いかな
刺さらなかった…

一座二部『熱海殺人事件』『ストリッパー物語』

一座二部『熱海殺人事件』『ストリッパー物語』

たやのりょう一座

紀伊國屋ホール(東京都)

2025/11/01 (土) ~ 2025/11/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

迫力ある演技に圧倒されました。
情報量が多くて理解が追いつかない場面もありました。

マクベス - その名に惑わされた男 -

マクベス - その名に惑わされた男 -

劇団天動虫

シアター711(東京都)

2025/10/29 (水) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/10/29 (水) 14:00

マクベスというのは魔女の言葉を信じて分不相応な野望を抱いた男の自業自得な話では?と思っていたが、本作ではマクダフをフィーチャーしており「そうか、マクダフにとっての悲劇なのか」という気付きがあった。
夏に観た OuBaiTo-Ri版で「小心者マクベスの自滅」面が強調されていたのと好対照で、古典というのは演出/解釈によって印象が様々に変わるのが面白い。
で、歌って踊る最終場にマクダフだけが登場しないことにノーマン・ジュイソン監督「ジーザス・クライスト・スーパースター(1973年)」の「ヨハネ伝第19章41節(エピローグ)」からの連想でマクダフの身を案じてしまう。自死まではいかずとも失踪したりしていないよね?(笑)

一座二部『熱海殺人事件』『ストリッパー物語』

一座二部『熱海殺人事件』『ストリッパー物語』

たやのりょう一座

紀伊國屋ホール(東京都)

2025/11/01 (土) ~ 2025/11/09 (日)公演終了

実演鑑賞

30数年ぶりに紀伊國屋ホールでの「熱海殺人事件」を観劇。

ネタバレBOX

その時も思ったのだけど、この演目は原作の戯曲を読むのが一番面白いのかなと。

木村伝兵衛役の台詞が聴き取れないことがままありました。
人のいぬ山

人のいぬ山

発条ロールシアター

中野スタジオあくとれ(東京都)

2025/10/31 (金) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/11/01 (土) 14:00

価格0円

11月1日〈土〉14時鑑賞

山で突然の雨に見舞われて、
登山者たちが小さな山小屋に次々に飛び込んで来る。
小屋には白髪の老婆、少々怪しい主人、白い着物の女。

観劇するまでは、てっきりミステリーだと思っていました。
でも、そうではないのですね。

主人と飼い犬が抱えた過去。
「一生懸命、馬車馬のように働いて働いて…」
あのシーンは心に滲みました。
自分を重ねました。
残業で夜遅く帰る時など、心も体もクタクタで……

作品を通して、いろんな事に思いをめぐらせる
とてもいい劇でした。
とても満足です。
ありがとうございました。

エキセントリックプラネットモデル

エキセントリックプラネットモデル

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2025/11/06 (木) ~ 2025/11/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

全体的には、ゆるめの笑いの、長編コントって味わい。
間やテンポが確立していて、自分はさくらももこの漫画やアニメを思い出した。
とは言え観終わると、良い芝居観た感じも残った。

チケット代の3,000円は、びっくりよね。
あと、物販も色々とグッズあるんだけど、これ原価割れしてないかい?みたいに心配になる販売価格。
ぜひ、ここ良いなって思ったら、物販に寄ってみてほしい。

わかろうとはおもっているけど

わかろうとはおもっているけど

劇団 贅沢貧乏

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2025/11/07 (金) ~ 2025/11/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/11/08 (土) 14:00

フェミニズムを考える良い舞台でした。
いろいろなスレ違い、無意識な行動があると考える機会になった。

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