
骨と肉
JACROW
シアタートラム(東京都)
2025/06/19 (木) ~ 2025/06/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/06/19 (木) 19:00
ベテラン劇団の企業モノのようでいて家族の物語。エンターテインメントも意識した傑作。117分。
2017年に大塚家具の父娘の対立をヒントに書かれた作品をリライトして再演だが、物語は同じでも作り方が違ってエンタメにしっかり寄せてる。初演でも思った父(谷仲恵輔)と娘(川田希)の対立シーンなど「やりすぎ」の印象は残るが、それでも得意の企業モノで面白い。見事な衣装や、リングを模した舞台から、一種のファンタジーとしていることは分かる。久々の役者として登場の主宰・作・演出の中村が興味深いが、福圓美里という人を初めて認識して(『キョウカイセン』に出ていた)、声優としてのキャリアが長い人だそうだが、野田秀樹が喜びそうな声だなと思った。

新宿梁山泊 若衆公演「愛の乞食/アリババ」
新宿梁山泊
花園神社(東京都)
2025/06/18 (水) ~ 2025/07/02 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/06/19 (木) 19:00
座席1階
元ジャニーズの安田章大をメーンキャストに招いての2本立て。アイドルの登場に、客
席は若い女性で埋まった。アングラ劇を次世代に引き継いでいくというミッションを掲
げた新宿梁山泊の新たな挑戦で、しかも唐十郎の初期作品。どこまでテント演劇の魅力
が若い世代に伝わったか、その成果に注目したい。
豪華パンフレットに金守珍との対談が載っている。安田は「1966年に唐さんが書い
た作品が令和の今でもまったく古びていない」とテント演劇に取り組むきっかけとなっ
た気持ちを述べている。波長が合っているのだろうか。梁山泊の座組にすっかり溶け込
んで違和感がない。アリババで見せたテンポの速い長ぜりふも、ミスなくスムーズに流
れていく。アングラの近未来を支える逸材になるかもしれないと思った。
「愛の乞食」で、ヒロイン万寿シャゲを演じた水嶋カンナはさすがの存在感。25年前
にも若手公演でこの役をやったというが、恐らくかなりのパワーアップを果たしたので
はないか。登場曲がモーニング娘。だったのには驚いたが、セーラー服姿がとても似合
う。このインパクトはすごい。また、お約束のラストシーンは今作でも感動ものだ。
若い世代の観客のために、昭和のおじさんでないと分からないような用語集を収録した
パンフレットはぜひ買いたい。「緑のおばさん」「公衆便所」「下町の太陽」「金歯」
など、一読してから舞台を見ると面白さ倍増だ。さらに、テント演劇がどのようにして
作られるかという舞台設置の裏側や、新宿梁山泊の年表もついていて、これをきっかけ
にアングラファンになってほしいという思いがあふれている。
今回はカーテンコール恒例の金守珍による出演者紹介がなかったのは少し寂しかった。
本体公演の休演日に劇団若手による「若衆公演」をやっているのはいいアイデアだ。

隣の芝が青すぎる
コヒツジズ
駅前劇場(東京都)
2025/06/18 (水) ~ 2025/06/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
こちらの団体、初見です。
コントと演劇をさまよえる集団って枕詞?
コントと短いコメディの違いって僕にはわからないのですが。
僕はこれは演劇だなあって思った。
場面場面で、短めのコントが連続で連なってるような構成ではあるんですが。
突飛な世界設定、自己主張も個性も強すぎるキャラたちが、子供の喧嘩してるみたいな味わい。
でも、根底にはスジが通ってるようで、わからないんだけどわかるんですよね。
物語はシリアスなんだと思うんだけど、突飛な設定でギャグ連発してるというか。
単なる不条理や難解、ナンセンスなんて幾らでもあるけど、この味わい、演劇だとあんまり無い感じ。
変な本(褒めてます)に見事に命与えてる役者陣、凄いなあって思った。
手作り感あるダンボールの美術は色んな場面で実に効果的で。
伴奏、効果音を、ずっと生でやりながら時には芝居に参加しちゃうのは、ちょっとあやめ十八番の楽隊を思い出したり。
めちゃんこ面白かった。
描かれたものが、公演期間中の現実とシンクロし過ぎてるのは、やるせない。

秘密
劇団普通
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2025/05/30 (金) ~ 2025/06/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ちゃんと観客にセリフや芝居が届くように調整されてるんだけど。
このギリギリのリアリティは凄いなと思った。
同時に、これを舞台で観る意味って何だろなって思いつつも、目を離せないで引き込まれてるわけで。
個人的には、他人の家族を覗き見する面白さだと思いました。
でも、その覗き見した結果、自分の問題に帰っていくというか。
シンプルだけど、緊張感を感じた美術。
音は静けさを。照明は絶妙な微調整で時の移ろいを。

匣の中
STAGE JAM
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2025/06/07 (土) ~ 2025/06/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
若手声優主体ですが、朗読劇では無いです。
若い演者の熱はとても良かった。
始まりこそ、ファミリーミュージカル?みたいな感じで。
関係性や世界観が楽しく語られていくのですが……。
終盤に急転直下しだしてからは、もう圧巻の一言で。
悪魔的な程嶋しづマさんの絶対悪っぷり。
劇中に引用されますが、マクベスの「きれいは汚い 、汚いはきれい」。
この語りの強さはシェイクスピアのようだと思ってます。
初演がかなり以前で、劇中の小ネタがやや古いなってのが気になりはしたかな。
あと、現代だとテレビじゃなくてスマホになるから、小さな匣って感じかな、と思ったり。

黒いのは大抵、白いのよりほんの少し高い音で鳴く。
空想実現集団TOY'sBOX
北池袋 新生館シアター(東京都)
2025/06/18 (水) ~ 2025/06/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
抜群のセンス。ベシミル。華5つ☆ おっともう1点、きづいていたお洒落シーンがあったのだが、書き忘れていたので書き足した。(6.22 2:38)

ガマ
劇団チョコレートケーキ
吉祥寺シアター(東京都)
2025/05/31 (土) ~ 2025/06/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/06/03 (火) 14:00
太平洋戦争末期、沖縄の鍾乳洞(ガマ)で遭遇した6人による物語、照明の暗さが状況を際立たせて閉塞感が半端ない。
初演も観ていたが、今回は「臣民」「聖戦」「日本人として死ぬ」などを女学生に刷り込んだ(と言うより洗脳した?)当時の愛国教育の恐ろしさが際立っているように感じた。
なお、最終場面で連想したことは確認したら初演時にも思っていた。

『from HOUSE to HOUSE』
終のすみか
劇場HOPE(東京都)
2025/06/19 (木) ~ 2025/06/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
『Deep in the woods』観劇。丁寧で細部まで行き届いた舞台、静かにグッときましたね。もどかしくて、ちょっとイラつくような会話に違和感を覚えながら観ていましたが、ああこういうことなのかと。自分の身内にもメンタルをやられた者がいるので、デジャヴ感強いです。

今時な運命のシンデレラ
SFIDA ENTERTAINMENT
劇場MOMO(東京都)
2025/06/17 (火) ~ 2025/06/22 (日)公演終了

今時な運命のシンデレラ
SFIDA ENTERTAINMENT
劇場MOMO(東京都)
2025/06/17 (火) ~ 2025/06/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
カップリングチームを観劇しました。
婚活をする男女のコメディー作品でしたが、面白かったです。
相手を選ぶ基準、その台詞には、すごくリアル感があるなぁと思いました。
所々、演技が緩くなる部分が気になりましたが、役者さん達は、クセあるキャラを好演していました。
出演の女性陣は表情豊かで可愛くて、気付くと口元が緩んでいました。男性陣も素敵でした。
楽しい時間を過ごしました。

六道追分(ろくどうおいわけ)~第五期~
片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2025/06/11 (水) ~ 2025/06/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
チケプレで観せていただきました。ありがとうございました。
それが私の勘違いで[剣]チームを選んだつもりが[龍]チームの上演の日でした。当パンを開いてから気づくと言う間抜けさでしたが、なんとお目当ての役者さんが観劇にいらしていたので無事(?)ささやかですがプレゼントを渡すことができて良かったです。

蝉追い
劇団桟敷童子
すみだパークシアター倉(東京都)
2025/05/27 (火) ~ 2025/06/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
似通った設定や劇世界との指摘は承知の助、「大体3つ位のパターンを順繰りにやってる感じ」と東憲司氏本人が言うように、今回は炭鉱の話だが、毎回の作劇の着想や強調点の微妙な(そして決定的な)違いは今作にもあった。「形やテンポで見せるノリの芝居」と「リアリズム演技」の浸食のし合いという視点が自分にはあって、リアリズムとの劇的な邂逅の舞台として音無美紀子との二度の共演が記憶に刻まれている。
今回は作劇上の特徴にハッとしたのだったが、時間が経ってしまって今思い出せない(よーく細部を反芻しないと)。
役者としては前々作が増田薫であった実力を問われる脇の役どころの位置に、今作では三村晃弘氏。
炭鉱と言えば、落盤事故の際、被害が広がらないよう水を流し込むというのがある。救出は絶望的と判断され、救出の可能性を断つ無慈悲な措置。先日観た「三たびの海峡」にもこのモチーフがあった。桟敷童子の今作では「そろそろ呆けの始まった一人暮らしの男」(山本宣)の奇行の源を探って行く過程でその事実に行き当る。
冒頭、男が暮らす実家に三人の女がやって来る。男と疎遠になった三姉妹だが、近頃見知らぬ女が出入りしているとの噂を聞いて真偽を確かめに来た。この三姉妹が長女板垣、次女もり、三女大手このコンビが何とも良い(美味しい)。
群像劇としては一人一人の役の担う重量が今回やや軽く、その分人物同士の繋がりの線が薄く、もう一掘り描写が欲しい実感はあったが、こういう回もあるのかと逆に新鮮であった。

今時な運命のシンデレラ
SFIDA ENTERTAINMENT
劇場MOMO(東京都)
2025/06/17 (火) ~ 2025/06/22 (日)公演終了

キンギンヒシャカク
Soymilk Stage
シアターサンモール(東京都)
2025/06/18 (水) ~ 2025/06/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
昭和コミックを一気読みしたかのようなボリュームと疾走感
コンプライアンスという言葉がまだ使われていなかった頃のパンチある笑いとお色気攻撃
そこにハイテンポで入るツッコミが今のお笑いスタイルにも似ているなと感じるハイブリッドコメディー
それにしても天下分け目の将棋決戦くらいの勢いだったけれど、よく考えたら「この勝負、負けたところで・・・」なんですよね(笑)
もう沢山笑いました、面白かったです!

今時な運命のシンデレラ
SFIDA ENTERTAINMENT
劇場MOMO(東京都)
2025/06/17 (火) ~ 2025/06/22 (日)公演終了

今時な運命のシンデレラ
SFIDA ENTERTAINMENT
劇場MOMO(東京都)
2025/06/17 (火) ~ 2025/06/22 (日)公演終了

徒然なるままに… NOT TO BE, OR NOT TO BE…
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2025/06/18 (水) ~ 2025/06/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
月組の回。コミカルな展開にあれっ?と思っているうちに、いろんな感情が湧いてきて、終盤にはうるうる。役者が全員変わる星組の方も観たくなった。

徒然なるままに… NOT TO BE, OR NOT TO BE…
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2025/06/18 (水) ~ 2025/06/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
今年は戦後80年、戦争を題材にした公演が多く上演されると思うが、本作もその1つ。硬軟ある描き という言い方に語弊があるかも知れないが、戦争ものは硬質で骨太という先入観がある。しかし 本作は、敢えて遊び心を挿入し緩い場面を描く。その隙にこそ、観客が感じ 考える といった幅広さと奥深さを感じさせる。あまり感情移入しないほうだが、久しぶりに泣けた。
戦争(反戦)ものは、直接 戦禍等の悲惨な場面を描く公演が多かった。いわゆる硬質で骨太と呼ばれる描き方、それはそれで観応えがあった。しかし劇団(主催者)の描きたいこと 伝えたいことが全て反映され、その延長線上に自分の感情が乗っかるような感覚だ。そこには、自分で考えるという隙が見いだせない。その意味で、本作は緩いが強かといった印象。さらに演出の妙、特にラストシーンは秀逸だ。
チャップリンに「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」という言葉がある。「つらかったことも、後から思い出してみれば笑い話」といった解釈らしいが、このクローズアップとロングショットを「自分」と「他人」に置き換えたらどうなるか。他人事と思っていたことが、送り屋たちの中から一人だけ、特攻隊員となるよう指令が下る。我が身に降り掛かった災難が滑稽に描かれるのか と思えば、さらに捻りを…。
(上演時間1時間35分 休憩なし)【月組】

リチャード三世
義庵
新宿シアタートップス(東京都)
2025/06/15 (日) ~ 2025/06/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
シェイクスピアの初期作でデビュー作とされる『ヘンリー六世』三部作の続編。15世紀にイングランドで起きた薔薇戦争がモチーフ。赤薔薇の紋章・ランカスター家のイングランド王ヘンリー六世に対し、白薔薇の紋章・ヨーク家のヨーク公リチャードが反乱を起こす。30年続く凄惨な内戦の中、ヨーク家のエドワード四世が王位に付く。その弟、リチャード三世は生まれつき傴僂で跛、この世の全てを憎み自分の欲望を満たす為ならどんな残虐非道なことも平気で出来る邪悪の化身。嘘をつき罠に嵌め家族も仲間も簡単に裏切る冷血な人非人。このリチャード三世が地獄の太閤記さながら成り上がった末、惨めに破滅していく姿を描く。
リチャード三世、加藤義宗氏は劇団印象の鈴木アツト氏っぽい。傴僂でも跛でもなく、『ハウス・ジャック・ビルト』のマット・ディロンを思わせる長身細身のナルシシスティックなサイコパス。自分さえ良ければ何だっていい完全に頭のイカれたキチガイ野郎。このキチガイに妙に気品があり、少々間の抜けた人間味さえ感じさせるところが巧い。
MVPはバッキンガム公・津村知与支(のりよし)氏か。邪悪なアシストの汚れ役、屑を神輿に担ぎ天下を取らせる見事な女房役。ガッチリ笑いを取っていた。
イングランド王妃エリザベス、日下由美さんは綺麗だったな。
渡邊りょう氏にはヒース・レジャーを感じるときがあり、ジョーカーのような嵌り役を見付ければ役と共に死ぬような危うさがある。
のぐち和美さんは流石だな。声色だけで只者じゃないと観客を黙らせる。毒々しくキメるスパイス。トリカブト役者。
役者陣は強者揃い。
是非観に行って頂きたい。

今時な運命のシンデレラ
SFIDA ENTERTAINMENT
劇場MOMO(東京都)
2025/06/17 (火) ~ 2025/06/22 (日)公演終了