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鐡の夢果て

鐡の夢果て

MEHEM

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2018/12/22 (土) ~ 2018/12/24 (月)公演終了

満足度★★★★

二つの世界 二人が繋がって繋がりは大きくなって 向こうでは新しい技術の飛行機が軍事目的に こちらでは新しい技術の人体支援 思考補助が。 パラレルワールドの2人の技術者の間に経験のない思想補助のNINAがいる。 経験のないNINAが純粋に見えた。 科学と軍事目的と純粋な心 二つの世界の中で進む物語 面白い物語に作っていた。

ネタバレBOX

おいで おいで こっちへおいで おはよう おはよう もうすぐ朝だよ。 // 何かを作る タケルお兄ちゃん これあげる いつか飛行機を作る 俺はいつも夢を見る 僕じゃない タケルになっている。 おいで おいで おはよう おはよう ぐんぐん加速する この流れは、 僕の意識は加速する おはよう // オープニング 白いワンピースの女と見つめ合う // 次の発表 人体支援 外部支援 内部支援 思考の補助 経験が欠如 経験をコピー NINAです ご自由にNINAの質疑応答。 僕じゃない僕になっている夢 // 試作機を持って行くとは。 防衛大臣のテラカド 秘書のシガラキが選んだ 先生には航空技術依頼 国の研究が漏れると 技術開示 戦争にも。 サイン契約成立 技師を一人派遣  シモガワラ シュリ // NINA歩いてごらん こける。 予算を他から回せ。 期待しているよ。 上手く出来なくてごめんなさい 横に座っていい 赤城さんなら良いよ 夢の話をしたの。 いいや 夢は変わりないの タケルは次々にあみだしている 全部向こうにいる彼の功績だ。 ・・・・ // みんなに聞いてもらいたい 僕の技術が僕じゃない。いや お前のだ 俺はお前に負けたくないと思っている。 何でいま話を どうか力を貸してくれないだろうか 夢と分離しないと解決しない パラレルワールド 真壁さんも同じ夢を。// 飯でも じゃ。 お前が来ないと話は進まない。 NINAは行けない 行ってらっしゃい。// 離陸テスト時に呼んでくれ ・・・ // 赤城さん夢の話をいおっ所にしましょう // 飛行機を大陸に売ろうと 私が横流し 今は飛びませんよ 思い通りにさせません。 // NINAは停止 死ぬ 床に置く (ゆっくりとすべてが動く生きる者たちが絡んでほどける 分離していくように タケルが見つめ合い 笑い合う NINAを挟んで二人のタケル) // (NINAの)調子はどうですか所長(尊) まだ目が覚めないんです。 コーヒー入れてくるね NINAが顔を上げる おはよう(飛行機の音)

二つの世界 二人が繋がって繋がりは大きくなって 向こうでは新しい技術の飛行機が軍事目的に こちらでは新しい技術の人体支援 思考補助が。 パラレルワールドの2人の技術者の間に経験のない思想補助のNINAがいる。 経験のないNINAが純粋に見えた。 科学と軍事目的と純粋な心 二つの世界の中で進む物語 面白い物語に作っていた。 
アトムが来た日

アトムが来た日

serial number(風琴工房改め)

ザ・スズナリ(東京都)

2018/12/20 (木) ~ 2018/12/29 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/12/26 (水) 14:00

座席G列11番

価格4,300円

今から20年ほど未来の核燃料処理施設をめぐる話と東海村に日本初の原子力発電所ができることになる話を同時平行で進めて最後にメッセージを盛り込むというのはいかにも詩森作品。

過去パートで原子力発電所建設予定地周辺住民が期待する姿などにDULL-COLORED POPの福島三部作 第一部「1961年:夜に昇る太陽」を思い出す。そして、その期待を裏切るような未来が待ち受けている(しかもそれを観客が知っている)ことにJACROW「夕闇、山を越える」や劇団チョコレートケーキ「熱狂」(2012,13,17年)も連想。

原子力発電に寄せられた過去の期待と将来起こり得るであろう事態を丁寧に描いて見せた後、その両方の流れを束ねながら(2つの時代の登場人物が縁もゆかりもない別人なのに名前は同じという仕掛けも相俟って)メッセージを伝えるという終盤が特に見事。

『恭しき娼婦』

『恭しき娼婦』

「出口なし」プロジェクト

スペース コラリオン(旧カフェスロー大阪)(大阪府)

2018/12/15 (土) ~ 2018/12/16 (日)公演終了

満足度★★★★

昔のアメリカの人事差別という現実がヒシヒシと伝わってくる人間の心理を描いた作品

何といっても主役の娼婦役の村田麻美さんの熱演がこのお芝居に緊張感を生み出して居たように感じました
最後まで惹き込まれる熱いお芝居

底なし女とパリの狂人

底なし女とパリの狂人

ロイン機関

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2018/12/07 (金) ~ 2018/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

初めてロイン機関さんを観ました。
私はミーハーなので、竜崎だいちさん素敵!ウミネコ楽団さん素敵!ってカンジで、そういう人でも楽しめるし、『西成』ってわかって観ても話を楽しめる。
学校の芸術鑑賞会とかでやって、生徒さんに感想文書いてもらいたいとか思いながら観ていた。

ハンザキ

ハンザキ

演劇組織KIMYO

名古屋市東文化小劇場(愛知県)

2018/11/01 (木) ~ 2018/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

価格2,500円

東京公演もあるので。
ストレートプレイメインですがダンス有りの公演で楽しかったです。
物語の笑いとシリアスのバランスも良く、背景や衣装、照明が独特の雰囲気を補完していたと思います。
登場人物達の説明が過剰に無いので関係性や思いについて色々思いを馳せれるのも好きです。

ネタバレBOX

ラストのシーンが凄く好きです。
平穏があり、その後下げて上げる展開も上がる所でワクワクしました。個人的には下げる所はもっと理不尽だったり容赦なく観る方にストレス負荷をかけても良いかもですがこれは好みですね。ダンスも良かったし、ラストが好き(大事な事だから二回、、、以下略
新春浅草歌舞伎

新春浅草歌舞伎

松竹

浅草公会堂(東京都)

2019/01/02 (水) ~ 2019/01/26 (土)公演終了

満足度★★★

みてきました。歌舞伎の番長皿屋敷は別物なんですね。

夕闇、山を越える/宵闇、街に登る

夕闇、山を越える/宵闇、街に登る

JACROW

小劇場B1(東京都)

2018/12/20 (木) ~ 2018/12/27 (木)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/12/25 (火) 19:30

座席6列1番

価格3,500円

【宵闇、街に登る】
料亭で進行した「夕闇」に対してこちらは各人の事務所で進行。
物心ついていた昭和40年代が舞台だけに「そうそう、あれあれ♪」満載で、それに「あの裏ではそんな策略や動きがあったのか」も加わって面白いったらありゃあしない。

例えば冒頭で語られる「都市政策大綱」ではカタいのでタイトルを変えよう、と言う角さんに「あ、アレね」だったり(狩野さん、書道の心得があるのかしら?)、流れるテレビ番組のテーマ曲も「あら懐かしい……」だったり。
またこのL字型客席の2面の角に背面を向ける形で置かれたテレビの表現と、それによって劇中でそれから語られる事象の概要を観客に伝える手法が巧み。

ネタバレBOX

終盤で「帝国の逆襲のようなに三部作の第二部ではないか?いやしかしさすがにアイムユアファーザーみたいなものはあるまい」と思っていたらしっかりあって頬が弛む。(笑)
で、夕闇→宵闇と来ているので完結編(?)のタイトルは何だろう?とも考える。「真闇」?「暗闇」?それとも「暁光、闇を討つ」とか???
夕闇、山を越える/宵闇、街に登る

夕闇、山を越える/宵闇、街に登る

JACROW

小劇場B1(東京都)

2018/12/20 (木) ~ 2018/12/27 (木)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/12/25 (火) 14:00

座席3列2番

価格3,500円

【夕闇、山を越える】
2年前の初演時も思ったが、まさしく「政治は料亭で動く」(笑)。そして5人の政治家たちが初演よりもより当人たちに似てきたような気がする。
開幕一番、登場した狩野さんが演説を始めた瞬間にそこに田中角栄がいる、という感じ方に劇団チョコレートケーキ「熱狂」(2012,13,17年)を連想。
そしてそこから、政治の道に入った頃は世のため人のためと希望に燃えていたのにやがて方向を誤り暴走してあんな末路を迎えるという流れが田中角栄、アドルフ・ヒトラーに共通ではないか?などと思う。
それにしてもあの頃は自民のセンセイがたも「ちゃんとした政治」をしていたのに……。

パンク歌舞伎「地獄極楽」

パンク歌舞伎「地獄極楽」

ハラプロジェクト

名古屋能楽堂(愛知県)

2018/12/21 (金) ~ 2018/12/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/12/23 (日)

歌舞伎、パンクだけでなく、民謡、西洋歌唱、現代舞踊、映像、大絡繰り… やっぱり様々な演出効果をガンガン詰め込んできて…なおかつそれが調和する。終盤の地獄絵図における表現の重層さは圧巻の一言に尽きる。黙って見て来いとしか言えない。

鐡の夢果て

鐡の夢果て

MEHEM

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2018/12/22 (土) ~ 2018/12/24 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/12/23 (日)

夢で繋がる2つの平行世界… 少し近未来感のある現代にいる「尊」と… 今とは異質なサイバーパンク世界にいる「タケル」。

ともに斬新な発想を形にする"ものづくり"に携わる裏に、夢で見た相手の「世界」がインスピレーションとなっているという背景があるのだが… ​その…一種の「夢の模倣」に依存し続けた結果として、寄り添いすぎた2つの世界が まるで歯車が噛み合うが如く繋がり… 干渉を始める展開が面白い。

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ネタバレBOX

【続き】

双方が寄り添い過ぎたその先に浮かび上がってくるシンクロニシティ… それによる歪みと苦悩は… 実は社会における本人のアイデンティティの問題にも重なって、事態が好転する過程においてさえ…尊が自世界に自分の存在を見失うシーンなどが印象的でした。

​ドラマ展開のテンポも良く、最初は尊とタケルだけの繋がりに見えたシンクロが、2世界の登場人物悉くに波及していき、行動にユニゾンを感じさせる演出が多発していくところに…不思議な高揚感があって良かった。役者2人で実質の1キャラを盛り上げる相乗効果も感じました。理(コトワリ)の違う世界の間でも、同じ人の営みとして共通の真理を身近に寄せてきた印象もありましたね。

さて…斯様に充分楽しんだことは評価・自覚した上で、この手の因果関係が込み入ったり、パラドックスを想起させるお話は思索を誘発して、観た後も楽しいので、色々語ります。決して難癖つけているわけではなく、マニアが解釈を楽しんでいるぐらいに思ってください。

まず、当初テーマかと思えた「 夢で見たものの真似はオリジナルと言えるのか」の部分について。
タケルは夢で尊側の世界を見て 飛行機やガジェット類の着想を得ていることが明確に語られているのに、尊の開発(サイバネスティックからの… AI、アンドロイド開発)はサイバーパンクの世界から何の着想を得ているのかが あまり汲み取れなかった。

これを前向きに解釈して… もし尊の「影響の受け方」が直接的でない…とするなら、その不整合さの中に「尊がオリジナリティを持つ者」として評価されるべき 何かが隠されれていると想像する余地があると思う。応用研究者みたいな感じで。

ただ… 人体と機械の電脳的な融合は、本当はサイバーパンクの典型的世界なので、既に当たり前の前提となっていて 単に状況表現が端折られていた…とも考えられる。サイバーパンク世界のタケルが逆に現代社会の物(飛行機やレトロな機関)の開発に入れ込んでいるので、いまいちその辺りがどうなのかは見えてこなかったけど。

おっと脱線した…

で、途中で「夢の模倣」を肯定する発言も出てきたので、そこのロジックに期待もしていたのですが、…最終的に尊は「夢の世界からの着想」への依存を断ち切る決断をする。それはそれでアイデンティティを保つ上での決断として受け入れられる展開なのだが、そこに至る過程が少しモヤモヤする。

「2つの世界の分離」が… 例えば「世界の存在自体を危うくする」とか… 何か根源的なものであるなら… 受け容れざるを得ないのだが、何となく「片方で起こる悪いことが… 他方でも起こるから…」という動機に基づいている様に見えるのが、しっくりこなかった。
リスク回避なら もっと別の次元の話ではないかな…という気がしたのだ。

因果律のロジックは如何様にも拡げられるので、そうも言い切れないことは自覚しているが、真壁の言い様じゃないけど、やり様があるんじゃないか…という印象が拭えない… 何となくオリジナリティに拘り過ぎな感じもあって、それは作り手志向ゆえかもしれませんね。…私も…シンプルに「運命から逃れるために…」的に受け取れれば、良かったかもしれないかな。

また、NINAと決別することで、夢の世界とも決別する選択をするのだが、それじゃ2つの世界のシンクロニシティが より増してないか?という印象も受けました。2つの世界で唯一「対応する者」がおらず、独立していたのがNINAだったので。

勿論 NINAの存在が「夢への依存」の具現なので消さねばならなかった…ということは理解できるのだけど…逆にNINAの「存在価値」の中にこそ、2つの世界を別つ鍵を見出して欲しかったかな… せっかく独立した存在だったのだし。まぁ、趣味的な話ではあります。(登場人物の中で 一番気に入ったのがNINAだったことの影響は否めない感想だ(笑)…)

もう一つ。

尊とタケルは相互に夢に着想を得ていた構成で、それ自体が売りな気もしますが、…精神的な依存関係としては、タケルは手段を夢に依存していない(様にみえる)。

だから、インタラクティブに話の構造や因果を考えると、かえって混乱しました。シンプルに「尊の夢⇒タケル」の一方向の構造でも良かったんじゃないかな… そんなことも考えました。

徒然感想にも程があるので そろそろオシマイ。

重ねて言うと… 面白かったからこその思索の振り返りです。ダメ出しじゃないので念のため。
ポストグラフ【大阪】

ポストグラフ【大阪】

彗星マジック

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2018/12/21 (金) ~ 2018/12/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/12/22 (土)

実在の印象派画家達を下敷きに、史実とフィクションが巧みに織り込まれて…あってもおかしくない実在感を醸す。私みたいなライトな美術愛好家ぐらいだとちょうど良い感じにIFの世界に惹き込まれる。スーラとシニャックの関係にはグッと来た。

ドラマ的な部分のみならず、美術に関する理論的な語りや一種のスピリチュアルさが 絵画に対する深みを醸して、とても趣味に合った。

逢いにいくの、雨だけど

逢いにいくの、雨だけど

iaku

八尾市文化会館プリズムホール 小ホール(大阪府)

2018/12/21 (金) ~ 2018/12/22 (土)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/12/22 (土)

色んな考えと嗜好が人の数ほどある… 理屈では分かっていても、人が自分の価値観から逃れることは難しい。問題点が部外者のバイアスで逸れていく、物議があらぬ方向に肥大化していく… その様が印象に残る。

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ネタバレBOX

【続き】

『僕が不幸だと思っているのかな…』刺さる台詞だ。
サイパンの約束

サイパンの約束

燐光群

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2018/12/20 (木) ~ 2018/12/21 (金)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/12/20 (木)

記憶があやふやと思しき老女との冒頭のやり取りは、まるでミステリーの始まりを予感させて、好みの出だし。最初は「痴呆」がイメージに浮かんだのだが… 思い出したくない過去とも絡み合って、それに留まらない内心の複雑な感情が察せられる展開でした。

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ネタバレBOX

【続き】

結局、映画の撮影隊の物語であることが早々に明かされるのだが、映画制作に演劇の手法(ワークショップで演出を手探りしていく)を持ち込んだ印象の設定で(それを演劇上演しているのでややこしいが笑)、サイパンでの戦中戦後のドキュメンタリーの主役を、そのモデルとなっている当事者の「生き残りの老婆(渡辺美佐子さん)」が、当時の自分を演じる(のを演じる)のだが、その演技の過程で、彼女がまるで痴呆で退行したかのように見事に「少女」と化す様が圧巻、ホラーじみた印象すら残す味わい。

そして残留日本兵の潜伏やバンザイクリフの悲劇等を通じて、信じてた価値観の崩壊・反転の中で、意識の切替に対する拘泥・順応、内部での確執が様々に描かれる。今の価値観で当時の行為を安易に非難できるはずもなく、翻弄される人間模様を眺める他はなかった。

ただ 燐光群なので(?)、沖縄を絡めたり… 主義主張が絡んできたりすると、どうしても「説明劇」の様相が濃くなってしまって、むしろドラマ没入を阻んでいる印象は否めないのだが… そうと分かっていながら、名古屋公演が来ると観に行ってしまうのも事実だなぁ。
TRUCE

TRUCE

WWP 渡部将之(円盤ライダー)×渡辺一正(劇団スマイル・バケーション)のプロデュース企画

G/Pit(愛知県)

2018/12/14 (金) ~ 2018/12/25 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/12/16 (日)

ミリタリー物だが、それ以外の異色さやボケが加わり硬軟入り混じる。その分、終盤のシビアさと男達の覚悟を決めた想いが深く染み入る。そして…八代さんの芝居がマジ凄いことになっていて、その変幻自在さは観ないと後悔するレベル。

グッドグッドグッドワールド

グッドグッドグッドワールド

ゲボゲボ

千種文化小劇場(愛知県)

2018/12/14 (金) ~ 2018/12/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/12/16 (日)

前作「ふた街」から…更に磨き上げられたRPGゲーム感覚演劇。更に圧倒的な物量投入…14人パーティv.s. 魔王 という驚きの出だし。劇中の14人行進は見応えあったな。

あまりに大勢が登場して、個々のキャラの掘り下げに不安もあったが、パーティの内紛を展開の骨子に据えることで、人物描写を仲間に集中したのは上手かった。それでこそテーマの一つ「仲間」の肉付けにも結び付く。

またパーティのキャラ達も良い意味で統一感なく、バラエティに富んで異質な個性…というか世界観が林立していて、スピーディな展開も相まって、パーティ内の人物描写の豊かさも密度もしっかり濃かったと思う。

基本、人間関係でしか世界が語られないし、ほとんどダンジョン内の1シュチュエーションなのに、妙に世界の拡がりが感じられるのは巧妙だよなぁ。

また、本作品のノリをガッチリ支える常滑さんの音楽も健在。前作同様、何かのゲームで聴いた気がする…ぐらいの「微かな聞き覚え」を感じさせるアレンジが観客を盛り上げてくれる。戦闘エフェクトの映像効果も含め、ゲームに馴染んだ身体に自然に沁み込むノリだ。

…そんな…ノリで楽しむ部分はかなり強力でしたが、さて、お話の方。

ネタバレBOX

【続き】

今回の物語を深く味わうポイントとして以下の3つを挙げたい。

①「弱者」と「勇者の資質」

② 気遣いが強固さを生むチームビルディング

③ 罰という名の救済と…それを引き出した大局的判断


①「弱者」と「勇者の資質」
「弱者が勇者になる」 という構図自体さほど珍しくはない。弱いくせに他人の窮地を放っておけない。昨今だと「僕のヒーローアカデミア」の序盤等でも読者の心を打ったシチュエーションだが、… 本作にはそれとは大きく異なる点がある…本作の主人公・勇者タスクには… 物語展開における「ヒーロー的な主人公補正」が一切ない。

物語の展開の中で、都合よく「物理的な力」を獲得したりはしないのだ。あくまで弱者のまま、自分の居場所を見出していく。(予言の書の扱いは微妙なので横に置く。)

物理的な力を行使できる者が勇者・ヒーローという根強い価値観… バブルガムが揶揄した『弱い奴に何かを守る資格なんてないんだよ』という即物的な感覚に反して…
タスクの勇者としての資質、それは「他人の気持ちが分かる… 共感する力」にあるように思える。

…弱いからこそ… 役立たずだからこそ気づける… 拾い上げられる「弱き者、虐げられし者」の想いがある。

「共感」で仲間を増やす天賦の才、そして、だからこそ…護ってあげたくなる勇者! そんな異色の存在でした。


②気遣いが強固さを生むチームビルディング

(承前) ただし、その天賦の才は冒険1巡目の時点で既に備わっていたものだ。

なぜ1巡目のパーティは崩壊したのか。

表向きはタスクの自己顕示欲によるものになっていたが、その内実はそれに留まらない。パーティ内の歪みは、その前に既に拡がっていた。崩壊するべくして崩壊したと思える。
微熱ガーデン

微熱ガーデン

下鴨車窓

津あけぼの座(三重県)

2018/12/15 (土) ~ 2018/12/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/12/15 (土)

田辺剛作品は… 元々 事件らしい事件を起こさず、「台詞以外」から発せられる…積み重なった心情や過去、背景を研ぎ澄まして想像させるスタイルの印象があるが、今までで最も狭いアクティングエリア、至近距離でこれを浴びて、より強く鬱屈感や怯えた感じ、… 必死の抗いが伝わってきた。

構成がさりげなく凝っていて、後から あぁ…そういうこと…ってなるのもいい。あそこで終わらせることも、返ってより落差と最終的な心情が際立つ。絶望の中に… でも一人じゃないっていいね… って思わせる後味。

冒頭の言葉に若干反するけど、今まで観た下鴨車窓作品の中では一番事件性があるから、結構取っ付きやすい作品になっていると思う。

観客の力強い拍手に、それが現れていたかもしれない。

真夜中の弥次さん喜多さん

真夜中の弥次さん喜多さん

KUDAN Project

あさけプラザ(三重県)

2018/12/15 (土) ~ 2018/12/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/12/15 (土)

東海道中膝栗毛モチーフの弥次さん喜多さんが、増水で道中の渡河を阻まれ逗留中… その雨中の夜半に起こった不思議な出来事… いや、起こらない出来事と言うべきか。

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ネタバレBOX

【続き】

​まるでスイッチが入るが如く、威勢良くドンと床を踏み鳴らす行為をキッカケに…今で言うタイムリープを繰り返し、話が先に進まない。

雨は降りだし、物語はフリダシ、様々な言葉遊びで「意味深」さを纏いつつ、同じ行為の意味合いが徐々に変わって見えてくる。

天野天街作品では「繰り返し」は定番であるが、…よりコミカルな風合いから展開していくそれは、ギャグの空気から…何やら次第に様相を変え、他愛ない会話が… 虚と実、現と幻、生と死、あの世とこの世… 交わらざるべき二極を綯い交ぜにしていく… そして、無の恐怖を掻き立てつつ… 遂には旅立った二人が… 戸がパタンと倒れるとともに、まるでマジックの様に虚空に搔き消える… 我々はいったい何を観ていたのか… そんな観後感に相応しい幕引きでした。

こんな漫画的な結末を舞台で実現してくれる仕掛けがオツでしたね。

映像プロジェクションの演出と、昔さながらの大道具・小道具による手品のような演出の融合も、観客の意識を不条理空間に引き摺り込む効果が極めて大でした、呑まれました、ほんと。手練れの役者の演技だけでも惹き込むものがあるのに、…あらゆる演出手段を惜しまない… 初演から17年経って今なお再演が続くというのも頷けます、さすが。

一つ…一番印象に残ったことを書き残す。

同じ行為の繰り返しの中で、うどんの「どんぶり」が現実に無いケースと在るケースがあって、…そこの演技から伝わるニュアンスが前後で変化したことにゾッとした。色んなところで虚実の曖昧さを匂わせていた作品でしたが、ここで…ここで実体験として遂に実感した。

自分の目に見えるものは…果たして本当に現実のモノなのか、…自分に見えない(感じ取れない)ものは… 本当に無いモノと切り捨て得るのか…。

自分に対する懐疑が実感で迫ってきて、自分の感覚…自分の認識を鵜呑みにすることの怖さを垣間見た気がしました。ちょっと怖かったよ。
転調少女

転調少女

fuzzy m. Arts

シアターココ(愛知県)

2018/12/08 (土) ~ 2018/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/12/09 (日)

祖母 蘭子と2人暮らしのJK 紅子。何故か別居の父 清治。そして、この家族?を取り巻く…一筋縄ではいかない奇人変人の登場人物たち。流れとしては…紅子がバイトして、蘭子と2人でディズニー旅行へ行くまでの顛末を軸に、割と淡々とした調子で家族3人の内面が掘り下げられていくのですが、挟み込まれる意図が読めない事件や… そもそも今もって現象の意味が掴めない謎エピソードも入ってくる…不思議なテイストのお話でした。

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ネタバレBOX

【続き】

パンフで語られている作品コンセプトにテーマとして謳われているのは「継承」で、確かに 紅子が…大好きな祖母・蘭子の存在を継いでいく感じで締めくくられますが、私に一番印象が残っているのは、この親子3人が長年の積み重ねで形成するに至った…悟りとしての「距離感」ですね。

​若き頃、蘭子にとことんまで追い詰められた清治。清治の窮地に…紅子を引き取り育てた蘭子。蘭子に理想の母像を重ねて慕う紅子。育ててもらえなかった蟠りを紅子にぶつけられる清治。…

しかしこの3人は… 縁を切ることはしなかった。相性の悪い人には近づきすぎない… 例え親族であっても無理はしない…でも決別はしない。悲劇の後の苦悶の果てに生まれた…「好きじゃないけど嫌いじゃないよ」という距離感が作り出す穏やかな関係性が、異なる価値観と共存する多様性の在り方を感じさせてくれました。

一つの失敗した関係性で自分を全否定することなく、清治の良い母ではいられなかったけど、紅子の良い祖母(養母)にはなれるかもしれない… という立ち直りとやり直し… できることをすれば良い… という自分自身の受け容れ方に、温かな眼差しを見た思いがします。

まあ、マジメな話はここまでにして(笑)、
とりまく奇人変人たちの味が、如何にもfuzzyらしくて、良かったですね。

ダミさん演じるプエルトリコ育ちの純血日本人「田中ナッターシャルーンポリサワ」を一推しにしてきました。その可笑しみの深い口調と、言われたことを何でも善意に翻訳してしまうリアクションが好きでした。

次点は、矢島さん演じるキモカワ系の不思議少女 成瀬と、鞍本さん演じる…エキセントリックな価値観の持ち主 西園寺でしたね。

あと、校長先生の不思議なキャラメイクも魅力でした。
「生徒に耳を傾けることが全ての解決の始まりだと思っていた。」という真面目なくだりから… 「聞かないと分からないようじゃダメなこともある。話をすることすらできない子もいる。」→「聞かずに感じれる感受性が必要。」→ 「視覚の異常発達!」 という… 生物的進化を遂げた謎生物ぶり。

いずれ成瀬の研究対象になるのでは…という趣きでした。

ぶっちゃけ、お話の核になっても可笑しくない個性でしたね。
そういえば、しばたさんは、ズラで出てきた母4or5、もうちょっと見たかったなぁ(笑)

そして… そして… 、最後の最後まで「ポリサワ」は謎であり続けました。

未だに一切が謎(笑)、モチーフも謎ならば、意図することも謎。素敵な味わいでした。

そして、

『ハヤシテンキは、その辺によくウンコする』

何という風評被害か(笑) 

あ、最後に… 「どんなに無茶であっても、着々と手順を踏んで決められたルールは… 知らなかったでは済まされない」は、思いっきり…今の日本社会の暗喩で、実は近頃こういうシニカルさを差し込む芝居が多くて、こんなとこから世相への不安を実感させられますね。
ファッション

ファッション

劇団ラッキーキャッツ

ぎふメディアコスモス みんなのホール(岐阜県)

2018/12/08 (土) ~ 2018/12/09 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/12/08 (土)

ファションデザイナーの世界を舞台に…というのが新鮮な印象。颯爽とランウェイを闊歩する役者の姿はダンスともまた違った面白味。昨今の不穏な世相を想起させ、岐阜の歴史的背景とも絡めた作劇の切り口は興味深い。

つながせのひび

つながせのひび

ソノノチ

モノコト(愛知県)

2018/12/08 (土) ~ 2018/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/12/08 (土)

言葉に頼らない…空気と時間の作り込みが素敵… 大須モノコトの空間にとても相性が良く、似て非なる道を歩む夫婦の日常と… けっして甘いばかりではない関係性を緻密に…そしてゆっくりと描写する。諍いありながらも…何となく微笑ましく思えるのは歳のせいかな汗

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