満足度★★★★
鑑賞日2019/02/21 (木)
下北沢小劇場B1にて劇団ハーベスト『肉体改造クラブ・女子高生版』を観劇。
劇団ワンツーワークス主宰・古城十忍氏の戯曲を、劇団レトロノート主宰の中村公平氏が演出し、劇団ハーベストの団員さんが演じるという個人的に夢のコラボレーションが実現したような作品。3話のオムニバス構成。ダイエッター、ピアッシング、ギャルゲーというテーマを聞いただけで、何となく一筋縄ではいかないような印象を受けましたが、案の定、様々な問題要素が絡み合い、根深く色々な感情が生まれてくる作品に感じました。これまで何本か劇団ハーベストさんの作品を拝見させて頂いたことがありますが、今までとはひと味もふた味も違ったテイストの作品で、笑いや華やかさなどの要素は少なく、むしろ怖さや不気味さなどが先行するような少し大人の雰囲気を感じた作品でした。
女子高生が抱く様々な悩みや葛藤、個人にしか理解出来ないような複雑な心情などが的確に捉えられており、なかなか見応えがありました。女子高生に限ったことではないと思いますが、家庭の乱れ、社会の乱れなどが歪んだ人格、もがき苦しむ人間を生んでしまう原因の一つなのかもしれないと感じました。肉体(外見)の改造も大事ですが、やはり一番は思考(内面)の改造が一番大事で必要なことなのではないかという印象です。気軽に、という感じではなく、頭をフルに使って謎解きするような感覚で楽しむような作品。どこまで理解出来たか不安ではありますが、劇団ハーベストさんの新たな可能性を感じた作品でした。
また、一人一人が存在感のあるしっかりとした演技をされており、自然と物語の世界に引き込まれました。中でも篠崎新菜さん、比嘉奈菜子さん、小野由香さん、千綿勇平さんらが印象に残っています。広瀬咲楽さんの劇中歌は今回もとても良いアクセントになっていたと思います。面白かったです。