
平田オリザ・演劇展vol.6
青年団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/02/15 (金) ~ 2019/03/11 (月)公演終了
満足度★★★★
「走りながら眠れ」と、「思い出せない夢のいくつか」。
前者が大正時代、大杉栄と伊藤野枝による岸田國士戯曲のような?静けさの漂う会話劇。後者が年の行った芸能人とマネージャーと若い女性付き人(歌手になりたい)が銀河鉄道と思しい汽車の向かい座席で交わす会話劇(出入り有り)。「静かな演劇」である。
「走りながら」を、官憲の横暴で虐殺される運命にある歴史事件の被害者という前知識なしに見たらどう見えたか。だいぶ日も経って思い起こせないが、特異な関係とは言え夫婦である男女の関係は演技的に難物に思えた。反社会的な位置にあるなら、同居する二人はある種の倦怠に陥るか、終末観を帯びて性欲が増すか、生理的にはどちらかになりそうだ。だが不思議と睦まじい夫婦の「会話」を成立させねばならない。この戯曲はしばしば上演されているが、歴史上の著名人でなくとも成立する会話劇になっていなければならんのではないだろうか。やはり歴史人物でなきゃダメというなら、どういう歴史的人物であったか、の評価なり認識が込められていなければならんのではないか。
後者はよく出来た美術で古い機関車の車両の一部とそれが乗った線路が夜の橙色の照明に映えて美しい。兵藤&大竹の芸能人&マネージャーコンビと、同社に就職した若い女が、車中の間潰し会話を続けて行く。現実遊離した幻想的な場面もあって「銀河鉄道」に寄せているが、何かが最後に判明するようなオチはない。そこが不満。「銀河鉄道」でなくても良かった、と思える余地があるのが不満。ただ兵藤、大竹が醸す人物らしさの雰囲気が、味わい。
同演劇展でメリハリの効いた他の演目に比べて難しい素材だった。

TOCTOC あなたと少しだけ違う癖
株式会社NLT
ザ・ポケット(東京都)
2019/02/28 (木) ~ 2019/03/10 (日)公演終了
満足度★★★★
.ルーさんの芝居、そんなに期待していなかったのですが、他の出演者が強者を漂わせていたので観劇させて頂きました。想定外に面白い舞台でした。なんといっても、ブランシュ役の山崎美貴さんが実に愛くるしい!そして今まで観た中で一番素を感じさせない近藤弐吉!喋りっぱなしの人はイイがうっとおしい男、実に面白かった。食いついてみたい舞台ではありましたが、前の方に舞台を分割され、集中力が保てなかったのが残念でした。

喝采
加藤健一事務所
本多劇場(東京都)
2019/03/13 (水) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/14 (木) 14:00
座席1階
パンフレットで加藤健一が、ブロードウエイのロングランにあたる再演だと書いている。ブロードウエイのロングランは、評判が良くてチケットが売れるからそうなるわけだが、カトケン事務所が再演をしてきたというのは、ブロードウエイのロングランに相当する自信作、ということなのでしょう。
前回の「Out Of Order」とは違って大爆笑の連続で楽しませてくれるカトケンワールドではないが、本来は見ることができない演劇の舞台裏の人間関係などをこの戯曲の経糸として楽しむことができる。さらに、カトケン演じる主役の往年の名優の夫婦関係が横糸になる。酒浸りになり落ちぶれた盟友を支える妻を演じるのが竹下景子。これもパンフレットに書いてあったのだが、小田島恒志、則子の二人の翻訳家が苦労したという1950年代アメリカのちょっと微妙に含蓄のあるセリフ。舞台で実際にそのセリフを聞いてうーんなるほどと感じ入ってしまうのは、翻訳の妙も当然あるけど、やはり経験値の高い女優、竹下景子ならではのせりふ回しなのではないか。
Pカンパニーの林次樹、ワンツーワークスの奥村洋治と、おおっと思う俳優たちによる座組も興味深い。新人女優役の寺田みなみは、カトケン事務所公演のボランティアスタッフをしていた経験もあるというから、その下積み経験を土台とした晴れ舞台に拍手。
休憩をはさみ約3時間とやや長いが、納得のいく舞台だった。

近代作家コレクションvol.6 さよなら平成公演
J-Theater
「劇」小劇場(東京都)
2019/03/12 (火) ~ 2019/03/13 (水)公演終了

素敵じゃないか 佐世保公演
RAWWORKS
アルカスSASEBO(長崎県)
2019/03/02 (土) ~ 2019/03/03 (日)公演終了

ましてやココに
劇団がらんどう
ぽんプラザホール(福岡県)
2019/02/22 (金) ~ 2019/02/24 (日)公演終了

GUILD ENGEKI FES'19
GIULD FES STAFF
あじびホール(福岡県)
2019/02/22 (金) ~ 2019/02/24 (日)公演終了
満足度★★★★
短時間なのに作りこまれた作品の数々に感動!とても面白かった。
最近、公演を見逃しているZIG ZAG BITEが良かったな、元気出る!

見よ、飛行機の高く飛べるを
ことのはbox
中目黒キンケロ・シアター(東京都)
2019/03/13 (水) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/03/13 (水) 18:30
この戯曲は大好きで、どこかでやればできるだけ観に行くようにしているが、小野寺ずるが出るとあっては必至である。本劇団で3回目の上演だそうだが、見事な舞台だった。明治期の終わり、第二女子高等師範で、出自も立場も違う2人の女生徒がストをやるという物語だが、戯曲の力もさることながら、キャスティングが重要な作品だと思っていた。で、今回は当たりで、貧農の出で直情型の初枝を小野寺に割り振った外、各キャストが的確で、しっかり仕事をしている。良い戯曲を適切な俳優で巧く演出すれば、良い舞台になるという典型に思われた。見るべし!

THE Negotiation
T-works
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2019/03/13 (水) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/03/13 (水) 19:00
東京初演を拝見。
大阪での公演後だったので、芝居もよく練られていて観ている分にもスムーズな進行が心地よい。
(多少噛んだのは、東京初日の緊張感?)
さて、フライヤーの渋めの色調、あまり説明文をきちんと読まなかったので、ちょっとした心理劇かと思っていたのだけれど、心理劇には違いないものの立派なコメディー。それもセリフと行動と間で笑わせるバランスの良い上質品だ。
まず、開幕直後から気付くのが、完全な日本語オリジナルなのに、海外の現代演劇を模するような作りをしていること。場所はトゥイッケナムホテル(イギリスだよね)、登場人物が全て外人名であるだけではなく、海外翻訳劇によくある口調まで意識している。例えば、アリソン(山﨑和佳奈)のセリフに頻繁に出てくる語尾の「・・・わ」。
通常、「・・・でしょう」「・・・ですよね」と言えばよいところを「・・・ですわ」という言い回しをする。(これ、古典劇に多いのだけれど、何でかな?)
アリソンとアレックスの、いかにもな世間話を含んだフレンドリーな挨拶なんかも、どうも日本人感覚としては変なのだけれど、これも意識的なのだろう。
そう、もうここから自然とおかしみを醸し出している。
さて、気になるのは何の交渉かということ。
どうやら、アレックスが社長を務める会社とアリソンがCEOを務める会社が合併するらしい。おおよその条件では折り合ったのだけれど、1つだけ双方譲れないことがあるらしい。アレックスと秘書ドナーは、重役にも伏せてこの交渉に臨み、アリソンとCOOのウォーレンは交渉に破れれば辞職覚悟で臨んでいる。
さて、その交渉内容とは、、、、って、え、そんなことなの!!!(いやあ、確かに大事なことかもしれないけれどさあ)
もちろん、この交渉内容だけで2時間近い芝居を持たせられるわけはなく、交渉は紆余曲折、あらぬ方向にいったり、本末転倒したり。
ホテルのフロアマネージャーを演じるボブ・マーサムのとぼけた演技と仕草も軽妙でおかしい。
作・演出の村角太洋さんが、この作品大好きなのよく判るわ。

殺してゴメンネ
劇団たいしゅう小説家
萬劇場(東京都)
2019/03/13 (水) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
満足度★★
平成の若者を集めて作った昭和風コメディ。しかし座長が昭和にこだわる意味は分からなかった。若者のエネルギーを分けてもらえるようなこともなく、役者さんのファン以外にはあまりお勧めしない。

見よ、飛行機の高く飛べるを
ことのはbox
中目黒キンケロ・シアター(東京都)
2019/03/13 (水) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
明治時代を舞台に自然主義等に憧れた女教師を目指す女生徒達。現代では当たり前のことが当たり前じゃなかった時代の話。素晴らしかったです!

この素晴らしき世界
しゅうくりー夢
ザ・ポケット(東京都)
2019/03/13 (水) ~ 2019/03/17 (日)公演終了

THE Negotiation
T-works
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2019/03/13 (水) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
スタイリッシュで滑稽な、とびきりの会話劇!
みなさん、ええ声と演技とふれ幅で、本当に楽しかった~脚本の面白さは必須だが、役者が達者で間が良いから、随所で笑いが起こるのだな~と感じた。それにしても、細かいネタのずらし方がいちいちツボだった!
そして、最小限で最大限の効果を上げている舞台装置。舞台転換のおしゃれな演出も心憎い~
関西がベースのプロデュースユニットなので、17日(日)までの東京公演は、まだチケットがあるようです。
重厚なチラシが気になった方、少しイメージとは違うかもしれないけど、とても心地よい笑いに包まれたお芝居なので、よかったら観てみて下さい。

別役実「正午の伝説」フェスティバル
die pratze
d-倉庫(東京都)
2017/04/25 (火) ~ 2017/05/09 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/05/07 (日) 19:00
【劇団820製作所/激弾ショット】
劇団820製作所戯曲の、「白い舞台」の表現方法によって暗示するものを明確化したこと、暗転なしの場転で様式美のような味を出したこと、最後に「ある歌」を使ったことで印象付けた。ここもオーソドックスというかお手本のようでワカり易い。
激弾ショットは冒頭、ビニール傘、照明、「女」の立ち位置によって赤い色と日の丸を強調。
こちらもオーソドックス系で全体の〆に相応しい組合せ……ってことは、全10団体の組合せと上演順、完璧じゃないか? いやぁ、面白かった。
最後を飾った2団体はオーソドックスな演出に加えて日の丸を「見せる」のが共通か?
で、最初の団体から観ている中で気付かされたところなどもあって、それがこういう企画の良いところでもあろう。

TOCTOC あなたと少しだけ違う癖
株式会社NLT
ザ・ポケット(東京都)
2019/02/28 (木) ~ 2019/03/10 (日)公演終了

「ベッドに縛られて」 「ミスターマン」
名取事務所
小劇場B1(東京都)
2019/03/08 (金) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
満足度★★★
今作が根底で
2012年のトニー賞でミュージカル台本賞を受賞した
「ONCE ダブリンの街角で」が異色なんだなぁ~と思いました・・・
ブラックな不条理コメディがメイン~?
暗く捩れた印象をアイルランドに持ってしまいそうです
まぁ あまし自分の好みでは無い方向性の作品であった と感想です
2作 2時間30分=10分の休憩(舞台セットチェンジ)です
小型の椅子は
高齢者にはキツイよなぁ~と感じる=
結構高齢の観客層であり
男女比はトントンだったかな
しかし休憩中にカサカサと飴出してくれれば
明るくてガサゴソもし易かろうに
わざわざ暗転→開演して台詞しゃべり始めてから
カサカサ音出して暗い中で飴を出す輩は・・・馬鹿なの?
無駄な人生を過ごして周囲の迷惑とか勉強&理解できないの?
い~い年を重ねてねぇーとか思わせてくれた屑がいたです・・・・(ー_ー;)

Ernö-画家の瞳-
LUTEA
シアター風姿花伝(東京都)
2019/03/09 (土) ~ 2019/03/10 (日)公演終了

コマギレ
ラビット番長
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2019/02/28 (木) ~ 2019/03/04 (月)公演終了
満足度★★★★★
展開テンポがよく飽きさせない。
将棋ファンがうなずける棋士個々のキャラの演出が上手い。
このシリーズで世代を超えた万人に受け入れられる芝居で本当に面白かったです。
続編作るの大変でしょう(笑)!

舞台『仮面ライダー斬月』 -鎧武外伝-
東映/ニトロプラス/ネルケプランニング
日本青年館ホール(東京都)
2019/03/09 (土) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
仮面ライダー初の舞台化!おもしろかったです。若者がとにかくいっぱいいた。殺陣もよかった。ただ脚本はところどころちょっとテレビっぽすぎる気もしたので舞台としての仮面ライダーが続くとこなれてもっとすごくいい感じになりそうだなーと思いました。ヒーローショーっぽいともいうかもしれない。

「ベッドに縛られて」 「ミスターマン」
名取事務所
小劇場B1(東京都)
2019/03/08 (金) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/12 (火) 19:00
座席G列5番
「ミスターマン」
神の創造の話から始まるこの物語は、トーマスの自意識の果てしない暴走の物語。
のんびりとした出だし出だしは、母親との会話、近所の人々との交流があり、そして自分が空を飛ぶ幻想に浸り、神の愛を強く感じる日常がある。ところどころにユーモアを交えた展開は、吃音ではない「フォレストガンプ」なのだが、途中から次第に様相が変わり始める。
劇中、カメラが彼自身や客席を背後に映したり、トーマスのアップを投影したり、天使や悪魔の群像を舞台一杯に展開する演出は、彼の自意識を混沌としたものとして印象付けるのに大変効果を上げている。
結構、クスっとする場面も多いのだけれど、大声で笑っておられた男女が最後列におられて、ちょっとなあと感じたのは事実。まあ、笑いのツボは様々だからねえ。