
TOCTOC あなたと少しだけ違う癖
株式会社NLT
ザ・ポケット(東京都)
2019/02/28 (木) ~ 2019/03/10 (日)公演終了

「ベッドに縛られて」 「ミスターマン」
名取事務所
小劇場B1(東京都)
2019/03/08 (金) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
満足度★★★
今作が根底で
2012年のトニー賞でミュージカル台本賞を受賞した
「ONCE ダブリンの街角で」が異色なんだなぁ~と思いました・・・
ブラックな不条理コメディがメイン~?
暗く捩れた印象をアイルランドに持ってしまいそうです
まぁ あまし自分の好みでは無い方向性の作品であった と感想です
2作 2時間30分=10分の休憩(舞台セットチェンジ)です
小型の椅子は
高齢者にはキツイよなぁ~と感じる=
結構高齢の観客層であり
男女比はトントンだったかな
しかし休憩中にカサカサと飴出してくれれば
明るくてガサゴソもし易かろうに
わざわざ暗転→開演して台詞しゃべり始めてから
カサカサ音出して暗い中で飴を出す輩は・・・馬鹿なの?
無駄な人生を過ごして周囲の迷惑とか勉強&理解できないの?
い~い年を重ねてねぇーとか思わせてくれた屑がいたです・・・・(ー_ー;)

Ernö-画家の瞳-
LUTEA
シアター風姿花伝(東京都)
2019/03/09 (土) ~ 2019/03/10 (日)公演終了

コマギレ
ラビット番長
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2019/02/28 (木) ~ 2019/03/04 (月)公演終了
満足度★★★★★
展開テンポがよく飽きさせない。
将棋ファンがうなずける棋士個々のキャラの演出が上手い。
このシリーズで世代を超えた万人に受け入れられる芝居で本当に面白かったです。
続編作るの大変でしょう(笑)!

舞台『仮面ライダー斬月』 -鎧武外伝-
東映/ニトロプラス/ネルケプランニング
日本青年館ホール(東京都)
2019/03/09 (土) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
仮面ライダー初の舞台化!おもしろかったです。若者がとにかくいっぱいいた。殺陣もよかった。ただ脚本はところどころちょっとテレビっぽすぎる気もしたので舞台としての仮面ライダーが続くとこなれてもっとすごくいい感じになりそうだなーと思いました。ヒーローショーっぽいともいうかもしれない。

「ベッドに縛られて」 「ミスターマン」
名取事務所
小劇場B1(東京都)
2019/03/08 (金) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/12 (火) 19:00
座席G列5番
「ミスターマン」
神の創造の話から始まるこの物語は、トーマスの自意識の果てしない暴走の物語。
のんびりとした出だし出だしは、母親との会話、近所の人々との交流があり、そして自分が空を飛ぶ幻想に浸り、神の愛を強く感じる日常がある。ところどころにユーモアを交えた展開は、吃音ではない「フォレストガンプ」なのだが、途中から次第に様相が変わり始める。
劇中、カメラが彼自身や客席を背後に映したり、トーマスのアップを投影したり、天使や悪魔の群像を舞台一杯に展開する演出は、彼の自意識を混沌としたものとして印象付けるのに大変効果を上げている。
結構、クスっとする場面も多いのだけれど、大声で笑っておられた男女が最後列におられて、ちょっとなあと感じたのは事実。まあ、笑いのツボは様々だからねえ。

母と惑星について、および自転する女たちの記録
パルコ・プロデュース
紀伊國屋ホール(東京都)
2019/03/05 (火) ~ 2019/03/26 (火)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/03/07 (木)
もうこれぜったい2019のベスト作品でしょ!!良かったわ。泣いたわ。興奮したわ。何が良かったのかって…すべて。配役も演出も何もかも。この作品を観る事ができて本当に良かったと思うもの。思い出しただけでも泣けちゃう。それぞれが明日へ向かっていけるから余計に泣けちゃう。

SWEAT
劇団青年座
駅前劇場(東京都)
2019/03/06 (水) ~ 2019/03/12 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/06 (水)
初日観劇。映画を生で、しかも吹替え版で観た!!というのが直後の感想。色々振り返ると、いやはやすごいわ。迫力もあり、「生きること」へのやるせなさや不甲斐なさがひしひしと伝わって来た。時代のために仲のいい友が敵になる。そうなりたくはないよね。

『コンサート・リハーサル』
時々自動
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2019/02/28 (木) ~ 2019/03/03 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/01 (金)
ダ・カーポ!!身体も笑い声も楽器になる。時々自動は初見。映像にダンスに歌に…。とにかく耳から目から振動からこちらの中に入ってくるものが楽し気で一直線で面白かった。そして観ていてシャキッとするというかシャープなんですよ!!動きが。飛び出す五線譜!でも演劇してた。前から知っていたらもっと楽しめただろうなぁ。少し悔しい(笑

「ベッドに縛られて」 「ミスターマン」
名取事務所
小劇場B1(東京都)
2019/03/08 (金) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/12 (火) 19:00
座席G列5番
「ベッドに縛られて」
今回は2戯曲上演なのだが、作品的には「ミスターマン」の方が先に作られたらしい(1年前)。それを知ると、「ミスターマン」の一人芝居が、この「ベッドに縛られて」の独白調のニ人芝居へと拡張された(あるいはベッドの上という形での濃密度化、コミュニケーションの空虚化)ものと考えるのもあながち間違っていないと思う。
ベッドの上にいる父と娘、彼らはそのベッドに閉じ込められるように寝ている。
父は寝ようとするが、娘の話は止まない。
娘はおそらく今20歳くらい、10年前にポリオを患いそのまま寝た切りに近い生活を送っている。母親も10年前に亡くなった。娘は父を父だと認識はしているようなのだが、それが」どうもはっきりしない。
娘は、時として発作を起こして夜眠れない。そんな時は、「初めからやりなおせばいいのよ」と自身の記憶と向き合うことにする。
物語りは、主に父親の過去についての自分語りとなる。
父は、昔からずーと家具屋に勤めており、倉庫搬送係から、先輩の販売員を殺すことで
販売員の立場を手に入れ、その後、流行りの家具販売で成り上がり、裕福な生活を手に入れ、ついには自分の店を出すことになる。そして妻と結婚し娘が生まれる。しかし、そこから彼の転落が始まって、機を一とするように妻と娘に不幸がおとずれたことを娘が、父の語りに被さるように語りだす。
父は現在何をしているのか、娘の汚れた寝間着とベッドシーツが何を意味するのか。
父が犯す犯罪、家族の優雅な生活、娘の幸せな日々、これらは現実の過去なのか、それとも架空世界ないし妄想なのか、それははっきりしない。
ただ、彼らは同じベッドで自らの回想を語るだけだ。
「ミスターマン」の主人公トーマスのように、カフェや墓参り、ダンスパーティーに出かけたり、ともすると空を舞ったりするような自由は全くない。
確かに荒唐無稽。しかし、そこには、自宅内のあちらこちらに壁を立て付け、家を迷路にし、ベッドだけの小部屋を作ってしまう父親の果てしない束縛への希求と、自らを閉じ込めようとする絶望感だけがにじみ出てくるだけだ。
娘役の小飯塚貴世江さんが家具屋の下働きの男達の相槌役を引き受けるが、実のところ、娘と父の交流はほとんどない中、父と子の相槌が物語り中で成立する雄一の交流なのである。
1つの場所への拘束といい、交流不能でありながら、お互いを希求す2人といい、ベケットの「幸せな日々」を思わせる作品。
寺十吾さんは、珍しくよく口籠ったけれど、あれは演出?(父の意識の混乱?)すでに5回目の公演ということだし。むしろすらすらと話して、セリフが一層無機質なった方が、それぞれの孤立感が強調されてよかったように思う。

『ザ・漱石 再演ニ非ズ』
おおのの
シアター711(東京都)
2019/03/06 (水) ~ 2019/03/12 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/11 (月)
下北沢シアター711にて おおのの♪『ザ・漱石 再演ニ非ズ』を観劇。
文豪・夏目漱石の生き様を、漱石の妻・鏡子へのインタビューシーンなどを交えながら紐解いていくような作品。一見するとお堅く難しそうな印象を受けるテーマではあるものの、漱石と鏡子の波乱万丈の生活ぶりをユーモアを交えて面白可笑しく描いており、全く堅苦しい雰囲気は感じられず、むしろ楽しみながら漱石や彼に関わった色々な人達、彼の残した小説などについて触れることが出来たような気がします。おおのの♪さんの作品観劇は2016年の『さよなら、先生』以来3年ぶり2回目。前回は太宰治の作品をモチーフとした作品で、今回同様になかなかユニークな視点から描いていた印象がありますが、扱う人物こそ違えど“文豪”という部分にスポットを当てて作品を創られている“一貫性”のようなものが感じられる点は良いと思いますし、文豪達の人格や生き様などに対して新たな発見もあって、今まで以上に奥深く作品に触れることが出来る点も魅力だと感じます。2回しか拝見したことのないカンパニーですが、今回の公演を以てピリオドを打たれるということで少し残念な気持ちも抱いています。どんなに立派な小説を書き、後世に語り継がれるような大きな功績を残した文豪であっても一人の人間であることには変わりなく、当然その文豪が一人だけいても成り立たない。人間は色々な人達の支えがあって生きられるものだと再認識したような気がします。夏目夫妻も波乱万丈の人生ではあっても、まぁ幸せで素敵な生き方をされたのではないかと思いました。
舞台セットは何もなく小道具もほとんど無し。演者さんの演技もラフで自由な雰囲気が感じられ、お芝居全体の完成度の高さという部分はやや欠けるような印象を受けたものの、見せ所はしっかりとしており良かったと思います。夏目夫妻役の大井靖彦さん、川西佑香さんは勿論、キャラがまるで異なる複数の役を演じられた藤澤志帆さんらの好演も光っていたと感じます。丸川敬之さんのチャラ男ぶりやコミカルな動きも面白かったです。

皇宮陰陽師アノハ
レティクル東京座
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2017/09/27 (水) ~ 2017/10/02 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/09/28 (木) 19:00
価格3,500円
【team白】
クライマックスのたたみかけはテンポもあってイイのだが、いくつか唐突/性急に感じられる行動がある。σ(^-^)の中にはそこまでするに足るほどネジが巻かれていなかったんだろう。
また、中盤に流れが滞る印象が無きにしも非ず。終盤の行動の原動力の蓄積と中盤のテンポアップは二律背反だけれども。
一方、冒頭部分、タイトルまでは完璧? 「説明台詞撲滅セオリー」を使いこなし、亡命してきたウシオに教える形で作品世界のあれこれを観客に理解させるのはテンポの良さも相俟ってお見事。ま、ここのテンポの良さが印象に残り、その分、中盤が割を喰ったのかもなぁ。
なお、謎多き野ばらの「中身」を描いたスピンオフを熱望!
そんな野ばらの設定にM.C.エッシャーの「婚姻の絆」を連想したりも。(神様級の漫画家のある作品も)

THE Negotiation
T-works
HEP HALL(大阪府)
2019/03/08 (金) ~ 2019/03/10 (日)公演終了
満足度★★★★
交渉ごとなのだが、とてつもなくしょうもない(これ褒め言葉)内容で、真剣に話し合ってるからそのギャップが笑いにつながる。
2時間飽きさせない会話で今後観る人は羨ましい。もう一回観たい。

女優たちのための冬の夜の夢
LIVEDOG
新宿村LIVE(東京都)
2019/02/16 (土) ~ 2019/02/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/02/21 (木) 14:00
2019.2.21㈭ PM14:00 新宿村LIVE
うらうらと暖かな昼下がり、新宿村LIVEに、REONさんが出演されるLIVEDOG『女優たちのための冬の夜の夢』を観る為に足を運んだ。
劇場に入り、チケットに示された最前列真ん中の席に着くと、目の前には、屏風のような壁にレースの貼り絵を施したような真っ白な木立ちとその前に白い靄で覆ったような白い3段程のひな壇、舞台の左右に、太く枝先が羊の角のように丸まった真っ白なレースの貼り絵のような木。舞台装置はそれだけ。
妖精の女王ティターニアが、インドの美しい少年を引き取り自分のお小姓として片時も離さずそばに置いていると聞いた、夫の妖精の王オーベロンが、そのお小姓の美しさに執心し、妻ティターニアに、下げ渡すように言うも拒絶されたことから、妖精界を二つに分けるような夫婦喧嘩を繰り広げている所に、二人の統べる森に迷い込んだ、相思相愛のながらハーミアの父に結婚を反対され駆け落ちしようとしているハーミアとラインサンダー、ハーミアに横恋慕するディミトーリアスとそのディミトーリアスに想いを寄せるヘレナの二組の人間と妖精たちが森で巻き起こす恋の騒動を描いたシェイクスピアの祝祭的喜劇『夏の夜の夢』を原作に置き、就職活動に打ちひしがれ、厳しい現実を感じていた夢子が、『夏の夜の夢』の公演に向け女子演劇カンパニーの冬合宿に参加し、夜の森での稽古中、森に霧が立ち込め、姿を変えた森が部員たちを夢の中へと誘ってゆく所から始まる、夢か、舞台か、現実か、境目のない不思議な冬の夜の夢の世界へ誘われ、夢子は、いつしか失っていた「生きる喜び」を思い出してゆくという、かつて少女だった大人たちへ送る、歌とダンスとロマンスが織り成す物語へ誘(いざな)われる。
男女で演じられるこのシェイクスピアの戯曲を、女優だけで演じるからタイトルが夏の夜の夢ではなく冬の夜の夢、シェイクスピアが男の目線で『夏の夜の夢』を書いたとするなら、『女優たちのための冬の夜の夢』は、女の目線で描かれているのではないだろうか?
シェイクスピアの原作の『夏の夜の夢』を忠実に踏襲し描きながらもそこに、現代を違和感なく自然に持ち込み、溶け込ませシェイクスピアの時代と現代、シェイクスピアの創り出す夢と現代の夢子の現実とが融合し、境目のない夢を観客は観る。
夢子が(佐々木七海さん)演じるはパック、夢子はパックと夢子を行き来しながら、夢子はパックを演じ、パックが夢子の中で蠢き、夢子が夢を追いかける限り解けない魔法をかけたかも知れない魔法で、夢子は生きる喜びを見出したのではなかったろうか。
この舞台を観たいと思ったのは、REONさんがオーベロンを演じると聞き、REONさんにオーベロンはピッタリ、絶対に面白い舞台に違いないと思って観たら、創造を更に上回る面白さだった。
REONさんのオーベロンは、妖精の王としては堂々とした押し出しなのに、インドの美しいお小姓を巡る争いでは、駄々っ子のような子供っぽさと、妻に頭が上がらない夫の片鱗が見え隠れしつつ、時にさっそうと夜の森に吹く5月の風のような色香を漂わせるオーベロンそのまま。
門田紗苗さんのティターニアは、妖精の女王としての気品はありながら、オーベロンとの仲違いでは、子供のような利かん気とオーベロンの成すことに呆れる母のような心持ちを仄かに漂わせながら、艶やかさもあり、最後にオーベロンと仲直りをした時に見せる睦まじさに、本当はオーベロンをこよなく愛おしく思っているのが垣間見え、可愛らしい女性の一面が好ましく感じた。
そしてそれはまた、オーベロンにしても、妻ティターニアに対して抱いている愛でもあるのではないか。
REONさんのオーベロン、門田紗苗さんのティターニアが、とてもイメージにピッタリで好み。
夢のように不思議で美しく、110分間笑いっぱなしで、観終わった後、清々しい幸福感に包まれた舞台。
シェイクスピアの『夏の夜の夢』もきちんと描かれていながら、オリジナルのコミカルな台詞や動きがおふざけにならない、心地の良い軽みのある面白さになっていて観ていて気持ちの良い幸福感に満たされた舞台だった。
文:麻美 雪

三島由紀夫「近代能楽集」より4作まとめて上演!『葵上』『班女』『熊野』『綾の鼓』
鳥の劇場
鳥の劇場(鳥取県)
2019/02/22 (金) ~ 2019/03/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
三島由紀夫「近代能楽集」より『葵上』
もし私だったら「捨てないで」の一言だけは、惚れた年下の男には最後まで言えないだろうな。恋しい男を奪った若い女から、最後の最後に男を奪い返すラストシーン。心の中で密かに乾杯!これだから女はやめられないと思う。
舞台に流れる歌謡曲とその違和感の無さ、男優が演じる康子(生霊)に女の愛おしさと怖さが凝縮され、中島諒人の演出に喝采。三島由紀夫連続4作品上演の中で、最高に面白かった舞台である。(上演50分)

「ベッドに縛られて」 「ミスターマン」
名取事務所
小劇場B1(東京都)
2019/03/08 (金) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
満足度★★★★
アイルランドの現代劇の小品二本立て。
海に囲まれた国という共通性があるのか、アイルランド演劇は、例えば、チャペックくらいしか知られていない内陸国のチェコなどに比べるとずいぶん日本には親しみがあるようだ。
マクドナーは大当たりの作家だが、こちらのエンダ・ウオルッシュは、後継者と言われている由。今回も土着性、幻想的、宗教的な面も含めてその国の伝統を引き継いでいる。その上に様式にはこだわらない。現地でどのような上演になっているかうかがわれないが、今回の舞台は、いわば、モノローグ芝居。最初の「ベッドに縛られて」は親子の葛藤、ことに生活者の父と娘の地域に縛られた生活と脱出願望。あとの「ミスターマン」はダブリンよりもさらに田舎町の青年の域苦しい青春を描いている。なにやら日本の自然主義小説にも通底しそうな物語を、最初の作品は二人、あとは一人の演者が演じていく。
演者は最初が寺十吾と小飯塚貴世江。寺十吾は、私にはよくわからない演劇人で、演出も俳優も、ちょっと変わったものがうまい。派手な見せ場になりそうなところも、手際がよくまとめてボロを出さない。しかしときには見当違いと思える出来のものもあって、つかめない。だが、今回はほとんど一人でこの台詞の多い舞台を背負って特異な国の父親像をうまく造形した。小飯塚貴世江は、最初の早いせりふ回しなど頑張っているが、残念がら使っている声域が高く狭いので単調になってしまう。娘と父の二重唱にするという演出の意図があったのかもしれない。きっとうまい人なのだろうが、これで大損をしている。声域が生来のものなら、これは配役のミスだろう。
あとの方は斉藤淳。こちらは一人で全部やるのだが、さすがに荷が重すぎる。一つ一つのエピソードがバラバラで、一つの青年像に集約していかない。父の墓参に行くシーンとか、おばさんに踊りに誘われるとか、空中に舞い上がっていくところとか、演出も気を入れて面白くしているところがつながらないうらみがある。
演出の扇田拓也は、この難しい様式の戯曲を飽きさせず、ヘンに突っ張りもせず、いや、突っ張っているのだが、それをあの手この手で抑え込んで、うまくまとめている。ことに音の使い方がうまい。難しいものを何とか納得できるようにしてしまうのは、なんだか故人の父の扇田昭彦の演劇評にも似ていると、懐かしく思った。この演出が第一の収穫であった。

寒花
文学座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2019/03/04 (月) ~ 2019/03/12 (火)公演終了
満足度★★★
ハツビロコウ版とはずいぶん違うなあというのが第一の感想である。医者一人をとっても今作の医者は酒を飲んでもしっかりした態度であった。ハツビロコウ版では「酒に飲まれている/世の中に斜に構えている」度合いが強く駄目な人間と私は感じた。
2つの版を観た結論は、「寒花」という作品は、良く言っても安重根の収監と死刑執行という事実からインスパイアされたファンタジーであり、悪く言えば注目度の高い安重根を客寄せに使い実際は自分の好きなことを描いただけのものである。これを観て安重根について何かを語ることは止めた方が良いだろう。
歴史的事実により近いことを知りたいと思ったらウィキペディアの「安重根」の項目を読んだ方が1,000倍もためになる。そこには弟たちが面会に来たことが書かれている。「寒花」では家族の面会はなかったことになっていたがどうしてそんな嘘の設定にしたのか理解不能である。演劇なんてそんなものなのさとつい斜に構えてみたくなるキョウコノゴロデアル。まあこの作品も「リチャード3世」なんかと同じ態度で観るべきなのだろう。歴史的事実は別にして、演劇としては長時間にもかかわらず飽きずに観ることができた。

皇宮陰陽師アノハ
レティクル東京座
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2017/09/27 (水) ~ 2017/10/02 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/09/27 (水) 19:00
座席F列14番
価格3,500円
【team黒】
実際の劇中設定はともかく、洋の東西を問わず中世の国盗り合戦を思わせる物語ゆえ前作のアメリカン・コミックス日本版のようなライトな感覚に対して本作はビター/ダーク系か。「非情」とか「重厚」とかの単語がチラつくような?
お馴染みの白塗りもキメが細かい印象でその上に施したメイクと共に完成度がアップした気も。
そうして、マンガやアニメを舞台化した所謂2.5次元の逆で、芝居でありながらマンガやアニメの味わいを持たせた「逆2.5次元」ではないか?とも。
ところでレティクル東京座の公演を観る度に思うが、巧みな「温故知新」だよね。物語の基礎的な部分はオーソドックスと言うか基本に忠実と言うか、昔からあるものの組合せ(たとえば今回は時代劇の当主/家督争いやアーサー王物語、ひいてはシェイクスピアの史劇など)で、それを多彩なアイデアによってイマ風に仕上げている感じ。

贋作 ハムレット
カトハルステージ
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2019/03/01 (金) ~ 2019/03/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
全て死ぬ 極端な物語が 極端に笑いに持って行き ダジャレ ハムレット ハムスター デット ハムデット ハムレット どうやってハムレットにするのか 褒められたいから 観ていてもらいたいから 愛の形 最後にハムレット。サラッと見せているが、かなり死んでおります。見た事がないハムレットです。素晴らしい 面白かった。

THE Negotiation
T-works
HEP HALL(大阪府)
2019/03/08 (金) ~ 2019/03/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
混乱 カオス 勘違い 本音 嘘 ガッツリの会話劇で丹下真寿美さんの役者の魅力が詰め込み。作演出 さん 出演 さん 芝居らしい芝居 上質な会話劇 良かった。