「ベッドに縛られて」 「ミスターマン」 公演情報 名取事務所「「ベッドに縛られて」 「ミスターマン」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/03/12 (火) 19:00

    座席G列5番

    「ミスターマン」
    神の創造の話から始まるこの物語は、トーマスの自意識の果てしない暴走の物語。
    のんびりとした出だし出だしは、母親との会話、近所の人々との交流があり、そして自分が空を飛ぶ幻想に浸り、神の愛を強く感じる日常がある。ところどころにユーモアを交えた展開は、吃音ではない「フォレストガンプ」なのだが、途中から次第に様相が変わり始める。

    劇中、カメラが彼自身や客席を背後に映したり、トーマスのアップを投影したり、天使や悪魔の群像を舞台一杯に展開する演出は、彼の自意識を混沌としたものとして印象付けるのに大変効果を上げている。

    結構、クスっとする場面も多いのだけれど、大声で笑っておられた男女が最後列におられて、ちょっとなあと感じたのは事実。まあ、笑いのツボは様々だからねえ。

    ネタバレBOX

    空を浮遊するのは幻想だが、もしかして母親は本当にいたのか、街の人々の交流は現実なのか、物語の進行に従って次々と露呈するトーマスの蛮行は前半の展開そのものに疑問符を投げかける。この展開は十分に怖い。
    最期のダンスパーティー会場入口での情景は、彼がとても街の人々に愛されているとは思えないのだ。

    トーマスが自らのあらゆる行動を正当化し、ひたすら善行を積むだけに尽力していると思い込む様の狂気は、
    斉藤淳さんの一人芝居は、メリハリがよく効いていて様々な意味で楽しめるものになっている。ラストクライマックスでのの炎上場面も、そこまでの軽快かつ、変調のよく効いた芝居の賜物で、とても見ごたえのあるものとなっている。

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    2019/03/13 14:26

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