最新の観てきた!クチコミ一覧

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Better Days

Better Days

“STRAYDOG”

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

スカイ回を観劇しました。
笑顔と元気いっぱいの舞台で、気付くと口元が緩んでいました。
笑いの中に、涙を誘う場面もあり、あっという間に時間が過ぎました。
役者さん達のイキイキとした姿が印象的な舞台でした。
面白かったです!

 wowの熱

wowの熱

南極

新宿シアタートップス(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/03/29 (土) 13:00

いやー、これぞ南極(ゴジラ)の演劇だ!
3年4ヶ月前、都内の一軒家で観客数人で観た南極ゴジラが劇団名を南極に変え、新宿シアタートップスを満員にして公演を打っている。南極はどんどん力を付け、観客を巻き込んでいる!
素晴らしい演劇だった。これからも10人の南極がどんどん観客を魅了してくれ!
以前注文と言うかこんなことを言っていたけど、もうこれ以上言わないことに。
「演技も良いところがあるし、大きく拡がる可能性を感じた。ブンブン振り回してもっと遠くにボールを飛ばし続けて行って欲しい」今日は素晴らしい演技で観客を巻き込んでブンブン振り回して大きく拡げ、遠くにボールを飛ばしていたよ!

以下引用

一回目が凄く面白くて、2回目は少し拡がりがないかなと思い、3回目に拡がりを期待して観たのが『南極ゴジラの地底探検』でした。以下、その時の感想です。今日と明日の福島での南極ゴジラの『南極ゴジラの地底探検』超お勧めです!

以下引用
南極ゴジラ『南極ゴジラの地底探検』↓↓いやー拡がってました!
アフタートークで山崎彬さんが言っておられた、このまま続けて行け。この前のゴルフの日本オープンで優勝したアマチュアの選手、ドライバーはフルスイングを心掛けて、曲がっても良いので目一杯振り続け真っ直ぐに飛ぶ様になったって。
まだまだ荒削り/足りないところも、でも勢い/想い/工夫/発想/映像/展開/小道具、光を放つかけら達があちこちに散りばめられていた。演技も良いところがあるし、大きく拡がる可能性を感じた。ブンブン振り回してもっと遠くにボールを飛ばし続けて行って欲しい。行けー、南極ゴジラ!

悲円 -pi-yen-

悲円 -pi-yen-

ぺぺぺの会

ギャラリー南製作所(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/31 (月)公演終了

実演鑑賞

主なモチーフに「新NISA」と「ワーニャ伯父さん」をセレクトし、現代日本をぶった斬る!(←とは書いてないけれど)演目となれば、自然と期待は高まるもの。実際に最後まで観劇すると、この作品が明示しようとするスタンスが伝わってくるし、色々と興味深く観劇しました。上演中の写真撮影・短い動画撮影OKというのも、一歩踏み込んだ形式だと感じました。

ネタバレBOX

ワーニャ伯父さんの物語背景・人物相関などは割としっかり重ね合わせてあり、とはいえ、場所は日本で時代は現代、投資関連の要素も盛り込み、オリジナルドラマの要素が強い印象。会話劇として比較的飲み込みやすかったと思います。投資そのものに大きくスポットを当てるというより、投資を通して見える日本の近況に憂いている物語と言えるかも。上演会場が珍しい空間で(元々は町工場だった?)、その点も新鮮でした。ただ観劇日が寒い日にあたってしまったのが、ちょっとだけ残念でした。
止まれない 12 人

止まれない 12 人

テノヒラサイズ

ABCホール (大阪府)

2025/03/27 (木) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

とにかく雷神号の舞台美術が凄過ぎる‼️劇場入った瞬間こんなにワクワクするお芝居はないネ🎶そんな舞台を関西演劇界の重鎮だけでなくお笑い芸人、落語家の重鎮達が演じるんやからオモロイに決まってるやん‼️あとアンケートに「一番好きな人物は?」て質問あったけどそんなん「全員‼️」に決まってるやん🎵それくらい出演者全員が素晴らしかった🎵逆に言うとこのメンバー(座組)じゃなければ舞台美術に負けてパフォーマンスがしょぼく見えてしまう可能性あったんかなと…笑いとシリアスが共存しながらのパニック群像劇なんて表現するの大変やって‼️そう考えると正に全員MVPのお芝居でした☆
随所に散りばめられた昭和ネタとか世代的にどハマリしたんやけど、今年50歳を迎える湯浅崇さんが子供を演じてそれがまかり通ってしまう世界観が一番のコメディやなと笑ってしまいました🤣あととある病院の患者も周りが全員曲者なんで言うほど浮いてなく見えるのもオモロかった🤣

Better Days

Better Days

“STRAYDOG”

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

勉強合宿で沖縄に来た東京の女子中学生と現地の子供達との交流を描く休憩無し約70分、ジュニア劇団といっても10代後半だろうと思っていたら本当にジュニア!年齢に相応しく元気一杯、観ているこちらも元気を貰いました。

夏砂に描いた

夏砂に描いた

miwa produce。

πTOKYO(東京都)

2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

良かったです。

幸子というんだほんとはね

幸子というんだほんとはね

はえぎわ

本多劇場(東京都)

2025/02/26 (水) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

配信で観劇

こんにちわ赤ちゃん
地球へようこそ

みんな幸子
幸子と言うんだ本当はね

お子さんは御子息だったんでしょうか?
次世代へバトンタッチするノゾエワールドでした
生で同じ空間で観てみたかったです

夏砂に描いた

夏砂に描いた

miwa produce。

πTOKYO(東京都)

2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ギターと歌の生演奏から始まり、心にグッとくるストーリーに何度も泣きそうに。
演者の方皆さん声がよくとおるので聞きやすくて良かったです。

夏砂に描いた

夏砂に描いた

miwa produce。

πTOKYO(東京都)

2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

3月29日夜観劇。良かったです。

ネタバレBOX

わざとなのか、台本を買ってという事なのか、私の座った位置が悪かったのか、ギターの音に出演者の声が消されて何を言ってるのかわからないところが嫌でした。
夏砂に描いた

夏砂に描いた

miwa produce。

πTOKYO(東京都)

2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

生演奏付きの朗読劇。みんな大好き(なんでしょ?)な難病恋愛モノ。役者さんは悪くはないけど、残念ながら、この手の話に感動できる程、ピュアではないのよね。

Better Days

Better Days

“STRAYDOG”

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

できはともかくとして、小学生ががんばっていると、それだけで微笑ましくなりますよ。

ネタバレBOX

全体的にダンスと演技が良くなったらなあとは思います。おと不要と思えるアドリブやギャグがもう少しすくなければなあとも。
シスターズ、エンゲルス

シスターズ、エンゲルス

劇団アンゴラ・ステーキ

STAGE+PLUS(大阪府)

2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

ん~ん、ちょっと分かんなかったな・・・

夏砂に描いた

夏砂に描いた

miwa produce。

πTOKYO(東京都)

2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
異なる時間軸で紡がれる慕情や郷愁、それを繊細にして抒情豊かに綴った珠玉作。登場人物は、僕・君・女・母・彼の5人。僕と君は勿論、すべての組み合わせで会話があり、長い時を経て関係性が明らかになっていく。その情景が、脳裏に鮮明に浮かび上がるという、朗読劇ならではの醍醐味。5人の喜び 悲しみ、そして驚きといった心情が手に取るようにわかる。

少しネタバレするが、舞台は 或る年の8月31日夕暮れ、人気のない海辺。物語は 茫洋と海を眺めて、街へ帰る最終バスに乗り遅れた高校生2人の淡い思い、その回顧から始まる。今となっては夢か現か、過去と現在を彷徨する。可笑しくて 優しい、でも悲しくて残酷な…。舞台技術、時間と心情を表す照明の諧調、音響は さざ波や微風、音楽は咲田雄作 氏によるギターの生演奏、この上ない贅沢な時間が舞台空間に流れ、実に気持ち良い。
(上演時間1時間30分 休憩なし) 

ネタバレBOX

5脚の椅子が横並び。そして上手には別の椅子、そこにギターの生演奏をする咲田雄作 氏が座る。朗読劇ゆえ基本的には動かない。最初の登場と最後の退場時に客席通路を何人かが通るだけ。舞台上には浮き輪やビーチサンダルという夏イメージ。
朗読の情景にあわせて照明を諧調する。例えば時間の変化や5人の心情表現など、淡い照明色であり強調すべき場面ではスポットライトへ、その効果付けが巧い。同時にピアノ音楽を流し、ギターの生演奏が適宜入り情景が豊かになる。

8月31日夕暮れ、この海辺にある海の家でバイトをしていた2人。同じ高校の先輩 ー高校3年(君)と2年(僕)の会話、それぞれ淡い気持ちを抱き、将来の夢を語り合う。僕は画家を目指し、君は…それを聞きそびれた。後々わかるが花嫁になること。この時、君が僕の絵が見たいと せがむから棒で砂浜に描いた。取り留めのない会話、そして来年もここで会おうと約束したが…。君は明日、横浜へ引っ越し転校するという。

翌年、君は現れなかった。あれから12年、僕は30歳になっていた。そしてあの時と同じように最終バスに乗り遅れた女と出会った。女は途方に暮れ、歩いて街まで行くか、始発まで浜辺にいるか思案している。僕は女に話しかけ、一緒に歩いて帰ることにした(疲れたら 途中でラブホテルもあるし)。実は女は君の妹。そして君は難病に侵され入院中。病院の理学療法士であろうか、彼の治療を受け、そしてプロポーズされる。君は病気のことを知っており、だから花嫁になりたいと言ったのだろうか。

さらに、それから10年、僕は40歳になり離婚し独り身である。そして以前会った女と偶然あの海辺で出会う。女も結婚し子供がいるが離婚したと。偶然、彼は病室に僕の絵を飾って君に見せてくれていたらしい。君が亡くなったことは女(君の妹)から聞かされた。さらに年月が流れ、あの海辺に僕と女ー2人は結婚した。年を取り棒ではなく杖をついている。高校時代の淡い思い出、それも1日の…その追慕が実によく描かれている。
次回公演も楽しみにしております。
CARNAGE

CARNAGE

summer house

アトリエ第Q藝術(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

水野小論さんは観る作品、観る作品、ずば抜けたセンスのキャラ造形で感服した。この圧倒的才能の女優が主催する初プロデュース公演、一体どんなものになるのか?

今作の真矢ミキさん主演版を2019年東京グローブ座、『正しいオトナたち』のタイトルで観ていた。(出演・真矢ミキさん、岡本健一氏、中嶋朋子さん、近藤芳正氏)。

四人芝居なのだが高度な言論プロレス。攻守目まぐるしく入れ替わりタッグパートナーだった筈が裏切り裏切られ一体自分は今誰と戦っているのか訳が分からなくなる。このスラップスティックの疾走感が客席をどっと沸かせる。名勝負だったと思う。キャスティングの時点で勝負あり。笑いのセンスの高さ。脚本を読んでここの何が笑えるのか肌ですぐに解るのだろう。これは天性のもので努力で身に付く訳じゃない。スピード感、タイミング、リフレイン、この小屋がジャスト・サイズ。

舞台はフランス、ヴェロニク(水野小論さん)とミシェル(小林タカ鹿氏)夫妻の家。11歳の息子、ブリュノが公園で前歯を折られて帰って来る。やったのは同級生のフェルディナン。彼の両親であるアネット(伊東沙保さん)とアラン(小野健太郎氏)を招いて話し合いを持つことに。アランは急ぎの仕事を抱えていて常に携帯が手放せない。

凄く面白いので是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

開演前SEにアフリカ民族音楽。

原題は『虐殺の神』。世界情勢に思いを寄せ、社会運動に関わる文化的知識人も一皮剝けば内実はそう大して変わらないというブラック・ユーモア。

ヴェロニク 出版社でパートで働く。ダルフールについての書物を執筆中の作家でもある。(スーダン西部のダルフール地方では今尚虐殺が続いている。非アラブ系住民45万人が虐殺されたという)。
ミシェル 金物などの卸売業者。
※ブリュノ 公園でフェルディナンに前歯を2本折られた11歳の息子。

アネット 資産管理コンサルタント、夫の資産を運用している。
アラン 弁護士。顧客に大手製薬会社。
※フェルディナン 公園でブリュノを竹の棒でぶっ叩いた。

MVPは伊東沙保さんかな、と思いつつ皆図抜けていた。小野健太郎氏もたまらない。ドロー裁定か。

前観たヴァージョンは嘔吐ネタの後、酔っ払って荒れるネタばかりで後半がイマイチ盛り上がらなかった印象。今回も携帯花瓶水没からなかなか盛り上がらない。それは戯曲の構成のせいなのかも知れない。

※一番好きな台詞。伊東沙保さんが吐き捨てる「こんなあばら家」。
夏砂に描いた

夏砂に描いた

miwa produce。

πTOKYO(東京都)

2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 えのもと ぐりむさんの脚本。極めて詩的な朗読劇である。オープニングで生ギターの演奏と歌唱。その後ギターは効果を担う。上演形態は朗読劇だが間の取り方や表情、声音等の変化で登場人物の心理をも細かに表現し脚本に描かれた内実を上手く舞台化している役者陣の演技、演出の良さが、この上演空間に辿り着く迄の都会の暗がりの持つ何とも言えない雰囲気とも呼応してグー。お勧めである。華4つ☆

ネタバレBOX

 観たいではPaul EluardのL'Amourに絡めたコメントを書いたので観劇後は同じフランスの詩人、Paul VALÉRYの"Charmes"所収の有名な詩Le Cimetière marinから今作終章に呼応する1行を抜き出し書き添えておく。
La mer, la mer, toujours recommencée
 VALÉRYの用いる単語は極めて簡易である。それは彼が20世紀最高の知性と称されたことにも関係するように、言語が真に厳密な表現機構を為す為にはその単語1つ1つが数学的に相互規定し合ってその内実を厳密に規定し合い意味する内容を正確に相互規定し合うことによって表現される内実に異同が起こらないことを目指したからである。従って読者に要求されることは上記のコンセプトを目指しつつ己の思惟によって為される厳密な解釈である。自分も仏語を習い始めて半年ほどでVALÉRYの原書にあたった。辞書と首っ引きであったが単語は容易で解釈に苦労した。その後、その詩行の美しさに撃たれるようになったのは矢張りBaudelaireの"Les Fleurs du mal"を愉しむようになる頃迄待たねばならなかったが。無論VALÉRYの理想は実現しない。然しVALÉRYは哲学の盲点を曝け出したことが重要だ。哲学が言語を用いる限り厳密な意味でそれが普遍的であることなど在り得ない。哲学は、異論、無数の解釈の集大成に成らざるを得ないのだ。
今作の序盤と終盤は極めてよく似た台詞でサンドイッチされているが、その内実は大きく異なる。このような差異こそ、言語の持つ曖昧さに起因しているように思われる。そのような曖昧を生きるヒトという生き物の生々流転、淀みに浮かぶ泡沫の如き存在の侘しさ、哀感、未練や何やらを下敷きにこれらを越えようとする靭さを載せてLe Cimetière marinのLa mer, la mer, toujours recommencéeと今作が響き合う。
 仏語辞書を引いて各自、仏文は自分で解釈したまえ
夏砂に描いた

夏砂に描いた

miwa produce。

πTOKYO(東京都)

2025/03/28 (金) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしいの一言に尽きます。朗読劇とは思えない、情景が豊かに浮かぶ手法。この観劇で、人の想いは永遠に消えないのだと再認識した気がします。

ネタバレBOX

白いワンピースの女優さんが、とても綺麗です。
幽霊

幽霊

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2025/03/25 (火) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

開演前の舞台下手奥、壁に1枚の鏡、机がひとつ。
その机に向かって1人の男が座っている。
微動だにしないその後ろ姿を見ていると、彼こそが幽霊なのかと思ってしまう。
やがてこの屋敷に棲みついて人々の人生を狂わせていく幽霊の正体が視えてくる・・・。

ネタバレBOX

北欧の名家アルヴィング家の一室。亡き夫の名を冠した孤児院の開所式を明日に控え、
夫人と牧師マンデルスが打合せをしている。
画家修行のためパリに滞在していた息子オスヴァルも帰って来ている。
屋敷の使用人レギーネは、孤児院の建設にも関った大工エングストランの娘だが、
父親が計画している新しい事業を手伝う気は毛頭ない。
牧師マンデルスが、相変わらず伝統的な倫理観に固執して夫人の人生を否定した時、
アルヴィング夫人は真実を白日の下に晒す決意をする。

すなわち
亡くなった夫は、人々が信じていた名士などではなく、放蕩の限りを尽くしていたこと、
かつて一度だけ夫を捨ててマンデルス牧師の元へ逃げて来たアルヴィング夫人を、
牧師は諫めて家へ帰したが、その後も放蕩は収まらず偽りの結婚生活を続けたこと、
亡き夫は使用人の女性に手を出して子どもを産ませ、その子がレギーネであること、
夫の放蕩と業病から7歳の息子を遠ざけるためにパリへ行かせたこと・・・。
これら積年の恨みを上辺しか見ないマンデルス牧師に一気にぶちまける。

おまけに自らも業病を患ってしまったオスヴァルは、血のつながりがあるとは知らず
レギーネに手を出そうとしている始末。

この期に及んでマンデルス牧師の「息子は父親を尊敬するべき、妻は夫を支えるべき、画家
など諦めてまともな仕事をするべき、娘は父親を助けるべき、云々」という形式的な倫理観は
滑稽なほど説得力がない。
当時の人々の暮らしが宗教と古い価値観の中にあって、がんじがらめだったことがわかる。
アルヴィング夫人に行動を決意させたものは、人生の半分を偽善に費やした悔しさと、マンデルス牧師に対する失望、息子の人生をも狂わせてしまった後悔の念だと思う。
まさに、死んだはずの「幽霊」に憑りつかれて道を誤ったのだと思わざるを得ない。

一方真実を知って、それならと前へ進もうとするのは若いレギーネだ。
医師からもう長くないと告げられて絶望の淵にあるオスヴァルが、最後にすがったのが
レギーネの愛情だったが、「こんな田舎で病人の面倒を見るつもりはない」と素晴らしい一撃で屋敷を出て行く。野心も金銭欲も旺盛で牧師様の言うことなど歯牙にもかけない言動には
爽快感すら覚える。

アルヴィング夫人は古い因習に真っ向から立ち向かった。
敵だらけの中、正攻法でぶつかったので傷も喪った物も大きかった。
これに対してしたたかなのは大工のエングストランだ。
常に利害を見て姑息に立ち回る彼は、開所式前日に孤児院が全焼してしまうという事件を
得て、出火の原因を”牧師がミサの火をちゃんと消さなかったからだ”と指摘する。
身に覚えがないまま自信を失って「牧師の資格をはく奪されるかもしれない」と意気消沈する
牧師に、私がお助けいたします、と言葉巧みに自身の事業用寄付金集めの片棒を担がせる。
日頃のご立派な説教はどこへやら、ホイホイそれに乗っかる牧師の情けない倫理観。

「太陽、太陽」と力なく呟いて意識が遠のいていく哀れな”依存心の塊息子”に、モルヒネを
託されて苦悩するアルヴィング夫人・・・。

物語はここで終わるのだが、一人ぽっちになったアルヴィング夫人はどうするのだろう。
息子も、使用人も、かつて心を寄せた牧師も、皆行ってしまった・・・。
これほどの代償を払わなければ、人は幽霊から脱却することが出来ないのか。

レギーネ やエングストランのように、庶民の方はとうの昔に幽霊から脱却している。
牧師の説教より日々の生活が優先されるのだから。
たぶんアルヴィング夫人はわが子にモルヒネを投与するだろう。
そしてひとりで初めての自由をかみしめるだろう。
孤独ならとっくに連れ添っている。
その表情は清々しく、昂然と顔を上げて生きていくのだと思う。

アルヴィング夫人役の千賀由紀子さん、ダメ夫に代わって事業を成功させるほどの頭脳と
強い意思を持つ女性を、くっきりした口跡と声で魅力的に演じて素晴らしかった。
エングストラン役の高田賢一さん、下手に出ながら牧師様をも操る卑しさとたくましさの両面を持つ、庶民のリアルさに惹きこまれた。
コンパクトになったこの「幽霊」は、私たちの今と見事に重なる普遍性を抽出して見せた。
イプセンが140年前に書いた物語は、現代と何ら変わらない様相を呈している。
タブーに切り込めば説教されて、伝統を押し付けられて、異端児扱いされる。
今イプセンが生きていたら、どんな賛否両論を巻き起こす作品を書くだろう。
ただ、現代ならば多くの劇場がこぞって上演したがるはずだ。中でもハツビロコウは。
そう願って止まない。

十二人の怒れる男たち

十二人の怒れる男たち

舞台「十二人の怒れる男たち」製作委員会

サンシャイン劇場(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/03/28 (金) 13:00

絶えずどこかで演じられてる古典的名作。『十二人』に影響を受けた作品もいくつか見たことがありますが、12人が激しい議論を行なわなければならなかった必然性が間接的に伝わってくるのが、この古典とその他の作品の差だと感じました。

止まれない 12 人

止まれない 12 人

テノヒラサイズ

ABCホール (大阪府)

2025/03/27 (木) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/03/27 (木) 19:30

久しぶりに大王のモノローグを聴けて笑った後は、とにかく突っ走るあっという間の120分でした。ラグジュアリーな雰囲気と命がけの緊迫感のギャップが心地良かったです。枝雀師匠の「緊張と緩和が笑いを生む」という言葉を思い出しました。

ネタバレBOX

物販で雷神号の豪華な座席を限定販売していました。欲しい! 座りたい!  回したい!
十二人の怒れる男たち

十二人の怒れる男たち

舞台「十二人の怒れる男たち」製作委員会

サンシャイン劇場(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです。ごくスタンダードな作りでした。舞台下手には陪審員たちが使うトイレも配されていました。いくつか「12人・・・」を観たことがありますが、キャラクターが強調されすぎていたり、何人かが女性に置き換えられていたりしていました。今回の「12人・・・」は映画でも観たことがある脚本に沿っていた様に思います。映画と違うところもあって、終演後にスタッフさんに聞いたところ、この脚本で上演されるのは初めてなのだそうです。
いろんな「12人・・・」があると思いますが、今後も観る機会があることを考えたらまずはこのスタンダード版を観ておくのは良いと思います。

ネタバレBOX

配役には難ありですが。舞台では誰が何を演っても、中年男性が幼稚園児を演っても、若い女性がおばあちゃんを演っても良いわけなのですが、日向野君が18歳の息子がいる様なおじさんには見えなかったのでした。スマートな彼はおじさんに見える様に太って貫禄を出した様な気はしましたが。
それでもこれは観た方が良いと思うのですが、チケットがちょっと高いかなあ。

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