第13回公演 明日花ーあしたばなー
日穏-bion-
「劇」小劇場(東京都)
2020/01/29 (水) ~ 2020/02/09 (日)公演終了
満足度★★★★
緻密な脚本に特徴のある本劇団だが、今回も「いい芝居」を見せてもらった。戦争の影響が残る1950年(昭和25年)に、ある町で13年ぶりの花火大会が行われることになり、戦争中は爆弾を作らされていた花火職人達は喜ぶが、大会の企画をしている男には何かあり…、という物語。伏線の張り具合がバランスよく、予想はされるものの、最後は人間を信じられる物語として展開される。気持ちよく帰路につけるような穏やかな作品だった。
クリシェ
ティーファクトリー
あうるすぽっと(東京都)
2020/01/29 (水) ~ 2020/02/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
自分では、完成度の高い舞台芸術を観たという印象だ。脚本、演出、照明・音響といった舞台技術はもちろん、役者の演技力が素晴らしかった。
タイトル「クリシェ」は、サスペンス映画の名作へのオマージュ、紋切り型のメロドラマのことらしい。タイトルを意識した公演は観応え十分だ。
(上演時間1時間50分)
ネタバレBOX
舞台セットは、正面に豪華なソファーとテーブル、上手側にピアノやサイドボード、下手側に二階部への階段が設えてある。後方に立てた棺桶と更衣室のような立方型スペース。登場人物の幼女期はドール人形を用い、現在と過去との肉体(美貌)的な違いと独特で幻想的な雰囲気を醸し出す。
物語は、”元気な死体”がストーリーテラーを担い、同時に物語の謎解きをする探偵の役割を果たす。豪邸に住んでいる元女優2人。しかしまだ現役として、そんな自意識の下、プライドも高く我が儘。この人物を還暦を迎えた「女優」2人(加納幸和、川村毅)が実に面白おかしく、時に切なく演じる。後日追記
残機尽きるまで私は戦う~再演~
U-33project
高田馬場ラビネスト(東京都)
2020/01/30 (木) ~ 2020/02/02 (日)公演終了
満足度★★★
高校を卒業して6年、久しぶりに仲間5人がみっちゃんの部屋に集まりパーティーを開くことになったが。(追記2月2日0時5分)
ネタバレBOX
みっちゃんを除く4人は他の1人に対してこれだけは許せない、と感じている所があり、その点でいつも喧嘩になる。それを止めてきたのがみっちゃんだったが、6年経って皆変わっているのでは? と期待していたみっちゃんの想いはアッサリ裏切られることになった。今やCIAのエージェントとして活動している彼女はC-4(プラスチック爆弾の一種、可塑性がありTNT火薬の1.34倍程度の爆発力があるが、爆弾として用いるときは一般に雷管や信管を用いる)。
当パンを基本的には敢えて読まずに観劇することを心掛けている自分が、その状態で感じたことを先ず挙げておく。みっちゃんがCIAエージェントだと分かったシーン以降が面白いと感じたのだが、理由は女性の生き方を一般的にいうと底を明かさないという方法だろうが、その社会的対応がそのまま表出され、狡さも含め、作家がその点を意識の俎上に載せている点を評価した。(当パン記載の作家名では男性・女性の弁別は判然としないと考えた。無論一応男性と読める表記ではあるが、小野妹子の名や紀貫之の「土佐日記」冒頭“男もすなる日記というものを云々”の例もある)然し帰宅後に当パンを読んでみると2016年7月の初演とある。かなり間が空いているのに、当パンの書きぶりだと余り内容は変えていないらしい。だとすれば問題である。これだけの時間がありながら社会に対する認識が殆ど変っていないことになるからである。みっちゃんがCIAのエージェントであることは、まあ良いとしよう。日本には正力松太郎を始め多くの売国奴が居た(る)わけだし。だが、スパイ組織ともあろうものが、たかが友人同士のいざこざ如きに介入するハズもない。スパイである以上、目立たぬことが第一であるから。この程度の認識は、多少知的戦いを経験したことのある者なら誰もが身に着けている基本である。(この点で現実認識に弱点があることが見て取れる)
一方、タイトルに用いられている残機という単語はゲーム用語で、最初音だけ聞いた時には“慙愧”などと随分難しい単語を知っているではないか‼ と驚いたのだがチケットの表記を見て、ハテ? となったのは自分がゲームには疎いからである。何れにせよ、ゲームでしか頭を満たしていないのであれば、足掛け4年の年月も何ら社会的知の拡大に繋がっていない状況が腑に落ちた。つまり作家は3年半というもの、相変わらず社会的成長を遂げていないという恐るべき状態にある訳だ。なるほどこれだけ悪い方へ極端に変わっている日本の政治状況を認識する術すら持たぬほど、そしてその危険に自らの力では気付けないほど訓練された白痴というものを作ることに専念しているのが、文科省が勝手に作っている指導要領の結果かとも思い、真面目にそんな馬鹿げた要領に反抗もしない「マトモ」な優等生的感性かとは思ったが、無論、教育は教科書だけで成り立つものではない。社会、マスコミ、人間関係や本人の語学力、情報収集能力や分析力、好奇心とイマジネーション等々様々な生きた経験の及ぼす力が大きい。だが今挙げたようなこと総て・即ち自分自身で自分を磨かなければならないということに気付ける能力とその開発に用いるべき時間がゲームのような蛸壺的な世界に代替されているとしたら、これは実に危険なことだと言わねばなるまい。下らない文科省指導要領に従っているようでは、人間的な成長は基本的に生まれようもないからだ。こんな自分の想像が正鵠を射ていないことを願うばかりだが、自分の想像通りであれば、実際に爆弾は炸裂し、その後のことが記された作品と読むことも可能だ。爆弾は、無論C-4ではない。空疎、否、より正確に表すなら空虚そのもの、即ち日本流に言えばこの爆弾の爆発の結果、鵺が蘇ったとでも言うべきか。訓練された白痴が自ら選び担う泥船の行き先、その明らかな被害者とその具体的被害状況のアウトラインも更に明確に見えてきた。残念至極!
ストリッパー物語
URAZARU
オメガ東京(東京都)
2020/01/15 (水) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
余り一般の人々に気付かれないことから書いておいた方がよかろう。
ネタバレBOX
差別は実際には極めて微妙なものだ。ヘイトスピーチの如く、どんなに鈍感で自分の頭で考える力の無い者にも露骨にアピールする力だけある政治的言辞というものはある。しかし実際に差別を受ける者にとって差別というもの・ことは無論、ヴァイオレンスや虐殺が無いではないが、日常生活の只中で遥かに深く静かに被差別者の精神の屋台骨を蝕む獅子身中の虫、油断すれば己が思考さえ差別者の思考に重なる。当然のことながら差別する側の者の殆ど総てが差別のこういった構造に気付いていない。
今作で最も緊迫した場面が連続するのは序盤から、彼女の病変にヒモが気付く辺りまでであり、終盤失踪した彼女が最後に大阪のストリップ小屋で発見される一件を除けば、終盤は、つかが一般向けに極めて分かり易く解説して見せているということになろうか。
この辺りのことをキチンと読み取ることができる観客には、売春捜査官や熱海のように顕在化された差別ではなく、見えぬ差別の根深さと地獄をこれほど見事に描いた作品の名作ぶりが感じられるであろう。その証拠に「落ちて落ちてどん底迄落ちて選ぶことを止めた」と、選ばされることを逆手に取って起死回生の一手を打ったヒモの、総てを許すことによって、否それを自ら選び取ることによって、人間としての最後の証明、即ち優しさを命を賭けて獲得したストリッパーとヒモの差別構造そのものを相対化しようとする営為の持つ優しさの意味する所は分からない。
演出、演技、照明、音響何れも高い評価を与えることのできる舞台であった。
クリシェ
ティーファクトリー
あうるすぽっと(東京都)
2020/01/29 (水) ~ 2020/02/02 (日)公演終了
満足度★★★★
ある意味幸せですね。
ネタバレBOX
妹は天才子役として、姉は成人してから大物女優として芸能界で大いに稼いだ姉妹が、サイコパス的雰囲気を醸し出しながら、豪邸で老後の今に至るまでずっと往時の自分たちの世界に浸り続けているという話。
こういう風に生きたいと思ったら、中途半端な金持ちではなく大金持ちになることが大事です。ただし、殺人はいけませんが。
『サンセット大通り』と見比べる必要性があると思います。
舞台『積チノカベ』
劇団アレン座
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2019/07/11 (木) ~ 2019/07/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
すごく重たい内容でとても考えさせられました。現実世界でもありえそうな内容に、自分たちが目をつぶって見ていたことを突きつけられたような感覚になりました。
いい人間の教科書。
劇団アレン座
シアターX(東京都)
2019/11/13 (水) ~ 2019/11/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
どこまでがアドリブでどこまでが本編なのかわからないとてもすごい舞台でした。
ウエアハウス-double-
る・ひまわり
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2020/01/25 (土) ~ 2020/02/02 (日)公演終了
満足度★★★★
とても緊迫感のある舞台で,かなり引き込まれました。
『大人の銀河鉄道の夜』
お茶の間ゴブリン
上野ストアハウス(東京都)
2020/01/22 (水) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/01/26 (日) 16:00
価格3,900円
独り立ちの機会が巡ってきたことで迷いも抱えたOLとホステスが終電を逃した後に来た列車に乗り込むが……な物語。
「銀河鉄道と言えば」な2作品(+α)のキャラクターとその作者たちがある者はそれらしく、またある者は経時劣化して登場するのが可笑しくかつ見事。
そんなところは「穏やかなカカフカカ企画」的な?(笑)
あと、「星めぐりの歌」をロックアレンジにしたオープニング、さすが秦さん♪
ネタバレBOX
そんな面々との出逢いを通して迷いがふっきれて自分の進むべき方向を見出す2人、という結末も爽やか。
いい人間の教科書。
劇団アレン座
シアターX(東京都)
2019/11/13 (水) ~ 2019/11/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
音楽とお芝居とダンスの濃密空間。たった3人(4人)で作られた舞台だとは思えないほどの濃い時間。役者3人ともキャラも濃くて見応えあるお芝居にあっという間に時間が過ぎていきます。いい人間とは、いい人とは、いい生き方とは、すごく考えさせられる作品でした。
エブリ・ブリリアント・シング 【高知公演中止(2月29日(土)・3月 1日(日))】
東京芸術劇場/新潟市民芸術文化会館
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2020/01/25 (土) ~ 2020/02/05 (水)公演終了
満足度★★★★★
観客参加型、いや、観客巻き込み型というのか、カードを持ってない人も含めて、不思議な一体感が生まれる舞台だった。
ネタバレBOX
佐藤さんは、開場時から席についた客にカードを渡して、丁寧に説明しながら参加のお願いをしていたようなので、実際は上演時間+30分の出ずっぱり。
パズル
A.R.P
小劇場B1(東京都)
2020/01/28 (火) ~ 2020/02/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
今日、観てきました。期待、裏切ることなく、メッチャクチャ面白かったです。しらけることなく、爆笑の渦でした。最初から、最後まで、もう、釘付けの面白さで、登場人物の中に入り込んでしまいました。夢中で、あっという間に時間がたっていた。脚本は、練りに練った最高の作品でした。観て良かった、と思った。観てないかた、おすすめです。絶対後悔しない作品です。
エブリ・ブリリアント・シング 【高知公演中止(2月29日(土)・3月 1日(日))】
東京芸術劇場/新潟市民芸術文化会館
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2020/01/25 (土) ~ 2020/02/05 (水)公演終了
満足度★★★★★
観客参加型ってどんななのかなぁって思ってたら、観客まで演技させられるとは!
いろんな意味で一生忘れなれない素晴らしい舞台。
ネタバレBOX
内容を知らずに観劇。
親に自殺された経験を持つ子供の話しだったので、いろんな事を思い出して嗚咽しました。
声を出せない状態だったのでカードを受け取ってなくて本当に良かったです。
内容を知ってたら絶対に観に来なかった舞台。
内容を知らなかったからこそ、観に来れて本当に良かったと思えた舞台。
パズル
A.R.P
小劇場B1(東京都)
2020/01/28 (火) ~ 2020/02/02 (日)公演終了
満足度★★★★
クチコミの評判が良かったので楽しみに出かけました。1時間35分飽きさせません。場面の切り替えもテンポ良く、笑いもあちこちにちりばめられていて楽しかったです。コミカルでありながらうなずける部分もあり満足感が残りました。
ゼガヒデモ
CONTE-RIBUTE
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2020/01/22 (水) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/01/26 (日) 13:00
座席1階4列
価格3,600円
お客様に「笑っていただく」ことを狙って作ったこの作品は完成度が高い。
チケット代3600円はなかなか強気だなと思ったけ大納得。
芸人と殺し屋は同じカテゴリーで舞台は戦場としっかり笑いながら認識。
なんかハードボイルドなんだけど藤子先生の漫画のような印象も受けた。なぜだろう。
あと「あの窓」。こんな枠一つでキャラクターの個性を知るのがとてもユニーク。
フジタさんがピストルを咥えてワナワナ震えたシーンが頭にこびり付いている。罪だ。
デッドストック・トーキョー
キコ qui-co.
駅前劇場(東京都)
2020/01/23 (木) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/01/24 (金) 19:30
座席1階1列
価格4,000円
4つの時代。展開とつながり。
輪廻転生ではない。水の使い方。このテイストが私好み。
「神の左手」も同様に思ったが小栗さんは「水」にこだわりがあるのだろうか。
最後の小口さんの演技には震えたよ。あんなんひたすら凝視するしかないじゃないか。
恋も芝居もどこまでいってもアナログ。
『国府台ダブルス』
filamentz
新宿村LIVE(東京都)
2020/01/22 (水) ~ 2020/01/27 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/01/25 (土) 14:00
座席1階
価格7,600円
ダブルスどちらも1日で堪能してきました。
■いざ、生徒総会
両作品だけで比べるとこちらのほうが満足度が高かった。
初回公演と比べると「大きな箱」であり、そこが気になり最後方から拝見。会場に見合った演出になっていた。他の方も高好評しているが池内会長が十二分に存在感を出していた。このメンバーがそっくりスライドして「卒業式、実行」を演じたらどうなるか?フト気になった。
■卒業式、実行
他の国府台作品と比べると大人と子供の関係性が色濃い。かなり初演から加筆されたが対立ギリギリなシーンよりももっと笑えるシーンが私は欲しかった。プロローグとエピローグに星さん起用は大ヒット。今回美術部員の土橋さん。沈さんとは違う味がありとてもよかった。
甘い手
万能グローブ ガラパゴスダイナモス
駅前劇場(東京都)
2020/01/29 (水) ~ 2020/02/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
楽しかったです。
ネタバレBOX
かつてアニメのマイメロディが好きだったことがキーポイントとなって、とある高校の文化祭に向けて生徒や先生を巻き込んで展開するドタバタコメディ群像劇。
生徒も先生もワンステップ成長しました。三角関係も一段階泥沼化しました。
みんなが主役で楽しくほっこりしました。素晴らしかったです。
エブリ・ブリリアント・シング 【高知公演中止(2月29日(土)・3月 1日(日))】
東京芸術劇場/新潟市民芸術文化会館
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2020/01/25 (土) ~ 2020/02/05 (水)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/01/30 (木) 19:00
価格5,000円
観客参加型というのを最初にアナウンスする。
チラシにも載っているので観客もそれを前提に観る。
約1時間20分の作品だが、「演劇にこれほどの可能性があるのか」とおもわせる作品。
演劇人、非演劇人問わず、観て欲しい。
ネタバレBOX
開場中から佐藤隆太さんが約70枚のカードを客席の至るところにいる人物に配る。
この日は挙手制でカードを配っていた。
芝居が始まると、最前列の観客5人位に、実際に舞台に上がってもらったりして芝居に参加してもらっていた。
ある人はお父さん役で「どうして?」と何回も言ったり
ある人は教授役で本のあらすじを説明したり、
ある人は恋人役でプロポーズをしたり。
大前提として佐藤隆太さんの人柄だったり、全くプレッシャーなく相手を誘い込む上手さはもちろんあるが、それ以上に驚いたのは観客の言葉(しぐさ)に込められた豊かさ。
実際に芝居で参加している人はもちろん、カードを読み上げる人の声にさえ何重ものイメージが見えた。
これは一人芝居でもあると同時に「100人の観客がいれば101人芝居」になる作品だと思った。
全段通し仮名手本忠臣蔵(2020)
遊戯空間
浅草見番(東京都)
2020/01/29 (水) ~ 2020/02/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
初日を拝見した際、30日は休演日ながら、ワークショップをやるというので、これだけ優れた舞台を作ることのできる方法、手法とは何か? と在り来たりな発想で伺うことにしたのだが。13時から17時まで途中10分の休憩を挟みあっという間の4時間。ただ、観ているこちらも参加型でもあり、全十一段を通した後は呆けたような状態であった。全身全霊、作品との格闘である。ワークショップも無論華5つ☆。(追記2月1日02:17)
ネタバレBOX
役者陣に交じって朗読に参加した人達の中には、腹筋が痛くなったという方もいたぐらい、実は激しいトレーニングである。というのも全十一段のうち息抜きができるような部分が無い。七五調の古文によって描かれる台詞内容は、殆ど総ての段で命賭けの対峙である為、気の休まる暇もないのである。だから、ぼんやり眺めて居るだけなら立ったり座ったりと動作は大して大きくないように見えるかも知れないが、演じる者の内面では実に激しい精神的・知的・肉体的葛藤を通して内面化されたもの・ことを身体表現として表出すべく、将に格闘が行われているのである。それは、古語によって描かれた命そのものの葛藤と現代日本に生きる我々との真向勝負でもある。