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第13回公演 明日花ーあしたばなー

第13回公演 明日花ーあしたばなー

日穏-bion-

「劇」小劇場(東京都)

2020/01/29 (水) ~ 2020/02/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

打ち上げ花火は綺麗だけれども何とも儚い。
哀しみしかもたらさない戦争を背後に、懸命に生きる人々の人生が、その花火の儚さ、更には激しさとリンクしていくように思えた人情ドラマ。

個人的に日中、何かと頭の忙しかった観劇日。
非常に集中しにくい精神状態ではあったのだけれど、自然な芝居の流れは非常に優しくて乗り心地が良く、遂には目頭が熱くなってくるのでした。
かつて同劇場にて大泣きで拝見した東京セレソンデラックスさんの初見公演を何故だか懐かしく思い出していました。

窓越し

窓越し

青色遊船まもなく出航

劇場MOMO(東京都)

2020/01/30 (木) ~ 2020/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/02/02 (日) 12:00

「幸せ」とは何なのか。
それぞれの思いが織りなすほろ苦い群像劇。
以下、ネタバレBOXにて。

ネタバレBOX

いきなり私事で恐縮ながら、まもなく、節目の結婚記念日を迎える我が家。
去年、同じく節目を迎えた知り合い夫婦が離婚。
結婚って何だろう?と思うことが多い今日この頃、そういうタイミングで
結婚と離婚を扱った本作を観劇するのも、巡り合わせというものか。

本作は川を挟んで向かいに住む二組の夫婦を軸に物語は進む。
テーマの柱としてあるものは「幸せとは何か」ということではあるのだけれど、
そんなに単純な話でもない。

まぁ、言ってしまえば、夫組の二人はクズですよ。そしてガキ。
梅沢富美男あたりに一喝されちゃうやつ。
ただなー…男として、夫として、人として、全く理解できないかと言われれば、
そんなこともなく。
さりとて、共感もできない。同情もできない。
この二人に関しては、感情の持っていきどころが非常に難しかった。

まぁ、学はね、わりと分かりやすいアウトだなって思う。
昔の女が忘れられなくて、その女の方でも男の方が忘れられなくてってなったら、
心がぐらつくのは、正直、分かる。
でも、そのくせ、与一のことはよく思わないわけだからねぇ。
あんた、自分勝手だよ、って思うけれど、そんな理屈だけで割り切って生きて
いけないから、辛いんだよなという思いもある。
ただ、共感も同情もしないけれどね。

卓真の方は、パッと見、学以上にクズ感があるし、残念ながらその通りなん
だけど、いや、ホントにこの人は…
何というか、割り切れない人なんだろうなぁ。
卓真が本当にやりたかったことは、目の前で消えかけている命、すなわち、
初季のおなかにいる子を、守ることだったんだと思う。
もちろん、家族を持ちたいのに持てない初季の悲しみを救いたい気持ちはあっ
たろう。
けれど、それ以上に、彼は小さく弱い命が目の前で失われることに耐えられな
かったんだと思う。

それを女性陣が指摘したように「病気」の一言で片づけることは、正直、どうか
と思うが、言われても仕方のないことだとも思う。

多分だけれど、卓真はまた同じことを繰り返すと思う。
彼にとって、大切なのは「彼自身が小さな命を救った」ことであって、それを
永続させることではない気がする。

この物語が象徴するように、誰かにとっての幸せは、誰かにとっての不幸になりうる。
世の中、すべてがWin-Winにはなりえない。zero-sumになることだって少なからずある。

にもかかわらず、卓真は少なくとも、彼自身の目に留まった不幸は、全て自身の手で
救おうとしているように思える。

それ自体は、まぁ、悪いことではないかもしれない。
如何なる事情であれ、目の前にある不幸を見過ごすことが良いことだとはもちろん思わない。

ただ、彼が大変な勘違いをしているのは、彼が与える幸福はあまりにも刹那でありすぎること。
苑子には結婚という幸せを与え、初季には家族という幸せを与えた。
でも、それだけ。
そこから後のことに目が向かない。
幸せを持続させることよりも、不幸な人を幸せにしたい。
それが結局は、大量の不幸を築いていることに気づいてない。
初季の「醒める夢なら最初から見させないで」という主旨の言葉は、何とも象徴的である。

結局、厳しい言い方をすれば、彼の優しさ、使命感は、彼のためのものであって、
他者に対してのものじゃない。

卓真の苑子に対する
「君はひとりでも大丈夫」
という言葉は、自分勝手の極みで、私は席上からロケットパンチを食らわせてやりたい衝動に
駆られたが、彼が苑子に抱えていたコンプレックスを思うと、この部分に関してだけは同情的
になった。

書きながら、ちょっと背筋が寒くなったのは、三戸。
彼はある意味、幸福追求の原理主義者。
幸福は行動しないと手に入らないと信じ、グイグイと突き進む。
彼は天真爛漫であるだけに、平気で紀香に対しても、そして苑子に対しても、幸せに
なって欲しいといって憚らない。

その心意気は良いんだけど…
行く末は卓真以上のクズに進化しそうでちょっと怖い。
卓真は、まだ自分のありように対しての疑問があるだけまだいいのかもしれない。
三戸は…多分、そういうのないだろうから、ちょっとヤバいよねぇ。
EDでベランダから桜を観ている時の表情はすごく良かったけど。
あれはグッと来たな。

まぁ、男ってのは、基本バカで、子供で、ロマンチストでナルシストだなって改めて思う。
皆が皆そうだとは思ってないけれど、そう思ってしまうことは少なくない。

ろくな男がいない中、江田と与一の存在が、この物語に光を与える。
とはいえ、江田はめちゃくちゃいいやつだなと思う反面、柔軟性には欠けるきらいがあるし、
煙草のタイミングをアラームで設定しているというのは、正直、ちょっと引いてしまったけれど、
彼自身、その異常さに気が付いているところが救いだなと思う。
作中では詳細に言及されてはいないけれど、彼は一度ストレスで身体を壊しているのかな。
大好きな羽田さんが演じておられたという事は抜きにしても、男性陣の中では、一番好きな
キャラだった。

与一もまためちゃくちゃいいやつなんだけれど、紀香との距離感は、見誤っている感がある。
まぁ、これも良くある話ではあるんだけどねぇ…
与一はつらいなって思う。
あれだけ献身的に紀香に尽くしているにもかかわらず、当の紀香からは男性としては見られて
ないんだし。

与一と紀香って言うのは、お似合いには見えるのかもしれないけれど、じゃあ、付き合ったら
どうなんだと言われれば、きっと上手くいかないだろうなという気はしている。
根拠はないんだけどね。何となく。

人それぞれベストの距離って言うのがあると思う。
紀香と与一は、性別を超えたところでの繋がりがベストだと思う。
愛だの恋だの言う次元をはるかに超えたところで、人としての繋がりを持ってほしいなって、
個人的には思っているけれど・・・与一はいつか、自分の気持ちを伝えてしまうような気がするなぁ。
そして、それは、埋まらない溝を二人の間に作ってしまう気がする。

江田と与一はともかく、ガキが揃う男性陣に対して、女性陣は総じて大人。
苑子の女神っぷりは、もはや、涙なしでは観られないんだけれど、その女神っぷりが、ある意味では、
卓真を不倫に走らせる要因になったのは、何とも皮肉ではある。
とはいえ、これもよくある話ではあるんだよなぁ、悲しいことに。

あまりにも幼い卓真に対して、苑子は大人であり過ぎたように思う。
もちろん、それは苑子には責任のある話では全くないんだけど、まぁ、男を見る目がなかったとしか
申し上げるほかない。

それにしても幸奈の存在は大きい。
悲惨と言っても良い苑子の境遇に、幸奈の存在がどれほど支えになったろうか。
いくら友達のためとはいえ、なかなか、探偵までは雇えない。
親友というには、あまりにも熱いつながりだなと思う。

本作で一番好きなシーンが二人のやり取りのシーン。
「あの時の私、今のあんたの顔してた」
みたいなやり取りがあったところなんだけど、あのやり取りはすごく好きだったな。
ちょっとウルっとしながら観てしまった。

雇われた探偵の後藤は、実は全キャラの中で一番好き。
ビジネスライク、無関心なようでいて、何だかんだ色々と気にはしているんだよね。
ちょっとおいしい役だな、と思いながら観ていた。
そして着ていたMARVELトレーナーがめちゃくちゃ似合ってた。あれ、私も欲しい。

苑子は男運には恵まれないが、同性の知人には恵まれているなと思う。
幸奈、後藤はもちろんだけど、涼子もそう。
彼女はこれからも妹ではあり続けるんだけど、あらかた片が付いたところで、
苑子を思いギャン泣きするところがあるんだけど、あそこも良かったな。
メッチャいい子だなって思う。
ただ、ちょっと分からなかったのは、
「苑子さんはかわいそうじゃない。かわいそうなのはお兄ちゃん」
っていうセリフ。
あれが未だに呑み込みきれてない。
あれはどういう意味だったんだろうなぁ・・・

「結婚」というものを軸として「幸せ」を考えた時に、紀香、小町、亜矢が思う、
それぞれの「幸せ」の形が面白い。

結婚だけが幸せとは思わない小町。
結婚に幸せを見出そうとする亜矢。
そして。
結婚は必ずしも幸せなことばかりではないが、さりとて、不幸なものでもないと
思う紀香。

小町と亜矢の思想は対極的だ。
そのまさに中間、もっと言えば俯瞰する立場にある紀香からすると、二人の思いに
それぞれ感じるところはあったのではないかと思う。

多分、紀香は結婚するまでは亜矢と同じ考え方だったのではないか。
けれど、結婚してから色々な現実を見たのだろう。
彼女自身が言ったように、結婚相手というのは、家族には違いないが「他人」である。
何もかもが重なるわけではない。

象徴的なのがトイレのごみ箱と、与一の風呂掃除のエピソード。
ひどく些細なことに見えるが、実際の結婚生活で火種になるのは、浮気、不倫の類よりも、
こうしたごくごく日常における意見の相違である。

紀香の中から、結婚に対して抱いていた夢や憧れは、日に日に色褪せていったと思う。
けれど、彼女は、学が「他人」であることを意識したうえで、言うなれば「60点の結婚生活」
に妥協したのではないかと思う。

残りの40点にはトイレのごみ箱や、亜矢との浮気が入っているのだろう。
けれど、それを差し引いても、幸せだと思える60点分が残っていると考えたのではないか。
だから、彼女は自らを
「幸せ」
と言えるのだと思う。
その40点がどれだけ辛いものであったとしても。学をマジで殴り倒したい。

作中、ただ一人、幸せになったといっても良い初季。
ずっと不幸な境遇のまま生きてきた彼女が、望んでいた殆どすべてを一日で手に入れてしまう。
そのことに恐怖し、泣きじゃくる彼女の姿は、非常に印象的だった。
これから先、彼女が幸せに生きてくれることを、個人的には願ってやまないけれど、相手が
卓真だと思うと、彼女の行く末を案じずにはいられない。

川向こうの家の明かりが、温かいものに見えても、その中にある空気が、必ずしも温かいとは限らない。
言ってしまえば「隣の芝生は青い」だけであって、誰しもが、それぞれの思いを抱えて生きている。
幸せの形も人それぞれ。結婚の形も人それぞれ。

本作を観て、すっきりした気持ちで劇場を後にしたかと言われれば、正直、全くそんなことはない。
観劇後、こうして感想を書いている今でも、飲み込み切れない部分は多々ある。

私にとっての幸せ、妻にとっての幸せ、我々夫婦にとっての結婚って、一体、何なんだろうと
考え続けているけれど、その答えもまだ見えてこない。

けれど、そういうことを考えるきっかけが出来たことはとても大きい。
結婚してしまうと、何となく、惰性で時は流れてしまう。
一度立ち止まって、色々と考えてみたいなと思う。
三戸の「行動しない人のところに幸せは訪れない」という言葉が、胸の中でざわついている
理由も考えてみたい。

何はともあれ、人生において観ておくべき演劇を、観ておくべきタイミングで観劇できたと思う。
劇団の皆様、役者の皆様、素晴らしい舞台を本当にありがとうございました。

脱獄戦隊ニゲルンジャー

脱獄戦隊ニゲルンジャー

生きることから逃げないために、あの日僕らは逃げ出した

新宿LIVE FREAK(東京都)

2020/01/31 (金) ~ 2020/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

想像していたより濃厚で海馬に絡みつくようなステージ。
冒頭の脚本家独白は骨太で真摯な言葉が紡がれその世界観に惹きこまれる。
個性あふれる八人の囚人と際立つ看守が織りなす世界平和への歩みに思わず共鳴する。
赤鼻言い切った俺は許す。復讐の連鎖を断つために唇をかみ血を流しながら許す。
今の自分に一番足りないことを見透かされているようで凍り付く。
ぜひ第1回の公演から見てみたかった。

コタン虐殺

コタン虐殺

流山児★事務所

ザ・スズナリ(東京都)

2020/02/01 (土) ~ 2020/02/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/02/03 (月)

過去と現代を交差しつつ「アイヌ民族」「差別」を考える。倭人とは、他物語の軸なる事件・説明がススキノキャバレーでの歌となり面白く心に残る。流山児祥ここにあり!!的な演出も面白かった。何より今回音楽担当の鈴木光介の生演奏が舞台を盛り上げ一緒に戦っていた。私にとって詩森ろばの作品は今までちょっと、と敬遠しがちになっていたのだけれどこれはすごく楽しめました。舞台美術も素敵でした。

沖縄世 うちなーゆ

沖縄世 うちなーゆ

トム・プロジェクト

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2020/01/25 (土) ~ 2020/02/02 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2020/01/30 (木)

「沖縄」歴史を顧みると様々な思いがよみがえりますね。今も苦しい想く辛い思いをしているニュースを見るたびに何か出来ないものか、とも感じます。今回の舞台はわかるのだけど心に響きませんでした。女性二人の場面はすごく良くて、あの二人の出世物語にしてくれた方がドラマ的だったかも。

ネタバレBOX

息子のハイウエストのラッパジーンズのポケットに手を入れる格好は懐かしさも感じました。
カラカラ。

カラカラ。

劇団もっきりや

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2020/01/23 (木) ~ 2020/01/26 (日)公演終了

満足度★★★

日本の社会構造の縮図を提示されたようで、発せられる台詞に己の愚かさのベールをはぎ取られ、欺瞞的な心根がさらけ出されるようで痛い。
あまりに直球勝負の物語だからか、言葉が鋭い刃物のように喉元に迫る。登場人物の背景が見えるサイドストーリーを絡めてエッジを滑らかにして、物語を飲み込めるようにしてもよかったのではとも思う。
エンターテインメントとしては少しばかり窮屈な展開に物足りなさを感じる。

NET“網”が切れたら、終わり?

NET“網”が切れたら、終わり?

劇団 枕返し

遊空間がざびぃ(東京都)

2020/01/24 (金) ~ 2020/01/26 (日)公演終了

満足度★★★

一言でいうと「欲張り」。
動くものに興味を持ち、視界に入ったもの何でも欲しがる童のように、雑多に積み上げられたサイドストーリーがとりとめなく連鎖する。
救いは各シーン物語が見ごたえあり、うまく創り込まれていること。これは表現力の高い役者陣の力に依るところも大きい。
客演、団員問わずスキルの高い役者さんたちの今後にも期待。
もちろん面白い着想で物語を綴った脚本家の次回作も楽しみ。

ウエアハウス-double-

ウエアハウス-double-

る・ひまわり

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2020/01/25 (土) ~ 2020/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

まさにハマリというキャスト!小林且弥さんという役者はこういう不気味な役、上手いですねぇ!好きなタイプの方ではないけど、この役に関してはが、その捉えどころのない、相手を圧迫していくような存在感が秀逸!また相手役の平野良さん、彼の思考と観ている側が同化していくのがわかる演技でした。おそらく大半の観客が彼の感情と共に話の流れに引き込まれていたのではと思います

それは秘密です。

それは秘密です。

劇団チャリT企画

座・高円寺1(東京都)

2020/01/23 (木) ~ 2020/01/30 (木)公演終了

満足度★★★★

コメディー化と思えば、かなり深刻な内容で、ストーリーがどう流れていくのかが気になる舞台ではあった。しかしリアルなネタに対して、かなり甘さも感じる。お芝居なんだからではなく、もう少し切実な現実の色が欲しかったかなと思いもする。

『帝都メルヒェン探偵録 ~幽霊屋敷のブレーメン~』

『帝都メルヒェン探偵録 ~幽霊屋敷のブレーメン~』

REON NEO COMPANY

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2020/01/29 (水) ~ 2020/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/02/01 (土) 13:00

 2020.2.1㈯PM13:00 池袋シアターグリーン BIG TREE THEATER

 明け方地震に揺り起こされたものの、麗らかに晴れた土曜日の池袋を、池袋シアターグリーン BIG TREE THEATERへREON NEO COMPANY vol.2『帝都メルヒェン探偵録~幽霊屋敷のブレーメン~』を観に足を運んだ。

 2階にある劇場へ入り、前から3列目の真ん中の席へ着くと目の前には、この物語の舞台となる“カフェグリム”の店内が現れる。

 階段を下り、舞台右手に千崎理人の教育係であり、店主小野カオルに仕える“カフェー・グリム”の店員三宅が、珈琲を淹れるカウンター、舞台の左右に二人掛けの席が一席ずつある“カフェー・グリム”を舞台に起こるひとつの事件。

 伝統とモダンが、新たな市民文化を花開かせる帝都。昭和の初め、ドイツ人の母を持つ華族の青年・千崎理人は、乙木(おとぎ)夫人が経営するカフェで知り合い、仕事を紹介してもらおうと訪れた乙木夫人のサロンで出会った謎の美少年小野カホルに、理人に職と住まいを用意する代わりに、グリム童話に擬え、3ヶ月の間に自分の本当の名前を当てる賭けを持ち掛かけられると同時に、「自分が事件を解決するから、『探偵』として表に立ってほしい」と頼まれた事から、華やかな昭和の初めを舞台に、理人は「少年助手を従えた美貌の探偵」として、様々な事件に巻き込まれていく小説『帝都メルヒェン探偵』を原作に、舞台の為に書かれたオリジナルストーリーとオリジナルキャストを加えて描かれる物語、それは。

 とある日、千崎とカホルは明治末期に活動した「音楽隊」と名乗り強きをくじき弱気を助けると人気のあった窃盗団とその手口を模倣しているが、なりふり構わず人を傷つけて盗む強盗団のやり口に違和感を感じるという常連客遊馬親子の話をカフェー・グリムで耳にした同じ頃、新人画家・宇崎善太郎(うざきぜんたろう)と新人音楽家・吉永侑哉(よしながゆうや)に出会い「幽霊屋敷」の怪談話を聞いた千崎たち一行は屋敷へ赴き、巻き込まれる事件とは……という物語。

 全編オリジナルの楽曲による【CLASSICAL ROCK MUSICAL】と銘打っている如く、幕が開いた瞬間、千崎(冨森ジャスティンさん)の独白から、舞台の主題歌から始まり、登場人物たちが現れ歌い上げ、踊り、華やかに物語の中へと誘われる所から高揚感に包まれた。

 REONさんが『帝都メルヒェン探偵録』を舞台化すると聞いてすぐに原作を読んだ時からイメージしていたそのものの冨森ジャスティンさんの千崎に瞠目した。

 漫画や小説が原作の場合、読者がイメージしていた登場人物と余りにもかけ離れていて、残念な事も多々ある中で、今回のこの舞台はイメージ通りの登場人物たちが目の前に現れたので、小説を読んでいた時のように自分がその物語の中に迷い込み、物陰から見ているような臨場感があった。

 観ながらふと、頭の中を「ねずみ小僧次郎吉」や「石川五右衛門」「大岡越前」が過ぎった。

 これらに共通するのは、義賊と呼ばれた盗賊の話し。この物語の窃盗団「音楽隊」も義賊のように扱われ庶民に人気があった。

 けれど、盗んだお金を施す事で助かる人がいる反面盗賊に間違われたり、お金を奪われた事で、人生が一変し、謂れのない労苦を強いられ不幸になった人もいるのではないか。

 金持ち=悪、悪どい事をし、人を傷つけて金を儲けた人たちばかりではない。金持ち=悪と決めつけ、根こそぎ金を奪った窃盗団「音楽隊」によって、犯人と間違われ、人を傷つけず仲睦まじく暮らしていた家族の幸せと夢を奪い、一家離散になった子供たちが強盗団「音楽隊」を名乗り盗みを繰り返し、人を傷つけた強盗団になった者たちの憤りと悲しみと悔しさを思う時、正義と悪の紙一重、表裏一体の怖さと危うさも感じた。

 自分の育った家を強盗団のアジトにされ、家業の不振から家を手放し、一家離散になるも、悪に走らず、画業に打ち込みながらも孤独と切なさを抱えて生きていた画家の宇崎(古畑恵介さん)を包み、前を向かせたのは千崎や花村(REONさん)たちの温かさと思いだったのではないか。

 人は人によって、傷つけられもするが、また、救われもする。

 観終わってしみじみ、人っていいな、人が好きだなと思った。

 もうひとつ、最後に付け加えるならば、音楽と踊りの素晴らしさ。役者さんの超えと歌が素晴らしく、ダンサーさんたちの踊りが格好良かった。

 特に千崎(冨森ジャスティンさん)、花村(REONさん)、一谷(大橋篤さん)、三宅(川井康弘さん)は、原作のイメージそのままで素晴らしく、遊馬(楠田敏之さん)の声と歌、宇崎(古畑恵介さん)が好きだった。

 ミュージカルの楽しさと物語の面白さに惹き込まれた舞台だった。

               文:麻美 雪

スーパードンキーヤングDX

スーパードンキーヤングDX

ヨーロッパ企画

小劇場B1(東京都)

2020/01/22 (水) ~ 2020/01/26 (日)公演終了

満足度★★★★

初めての 大歳作品 でした
面白かった~
中川さんの熱演
呉城さんの熱演、そして美貌
見所満載でした

四角い2つのさみしい窓【三重公演延期】

四角い2つのさみしい窓【三重公演延期】

ロロ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2020/01/30 (木) ~ 2020/02/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

幸せ一杯❗

コタン虐殺

コタン虐殺

流山児★事務所

ザ・スズナリ(東京都)

2020/02/01 (土) ~ 2020/02/09 (日)公演終了

満足度★★★★

かなりよいです。難しいテーマを扱いつつ流石詩森ろぼ、しっかりエンターテイメントでした。

キャプテン翼

キャプテン翼

Zeppブルーシアター六本木運営委員会 / ㈱集英社 / ㈱テレビ東京

Zeppブルーシアター六本木(東京都)

2017/08/18 (金) ~ 2017/09/03 (日)公演終了

満足度★★

2日目に観劇。

恐らくこの作品は1975年〜85年生まれくらいの世代が1番ドストライク世代。
その世代が小学校時代に観て、そして中学生から高校生くらいにJリーグが開幕して…の世代。
この作品の上演時期で言うと40代前半くらいが1番のターゲットになってたハズ。

何が言いたいかと言うと、つまり【舞台と1番縁遠い世代の男性】がターゲット層になってた。
そりゃ…席が埋まらないよなぁ…と思ってしまった…

ブルーシアター900〜1000席キャパにお客さんは180人ほど…(上演中にザッと数えた)
選手達が席の間の通路をフィールドに見立てて駆け回るシーンもあったのだが、
スポットライトが選手達を追うと、空席が目立つ目立つ…役者さん達可哀想…

しかも空いてる席にポツポツとスーツの男性が携帯を持ちながらつまらなそうに座ってる。
明らかに関係者、マネージャーさん達なのだろうか…アレなら座らない方がマシだと思った。

作品は、原作のダイジェストの様な色んな場面が盛り込まれてた。
また魅せ場であろうフライングを使った空中シーンや、
主役達の有り得ない身体能力を使ったバク転の光(ボールに見立てた)を巧みに使っての
アクロバティックなシュートやパスやガードのシーンの数々など、
個人的には楽しめるところもたくさんあった。

シンプルに、マンガやアニメの中の人物達が実際に現れて話してプレーしてるかの様な再現度は、
役者さん達の努力の賜物を拝見してる様だった。
原作ファンであれば、登場人物達が動いて話してるだけでワクワク出来ただろう。

ただ、それが作品の面白さやクオリティに直結してたかと言うと少し違った様な気がする。

話題作であり、珍しいものが観られたという感想が先に出てきてしまうのが個人的に正直なところ。

体育の時間

体育の時間

玉造小劇店

COOL JAPAN PARK OSAKA・SSホール(大阪府)

2019/10/08 (火) ~ 2019/10/14 (月)公演終了

演劇人とアスリートって、ちょっと似てると思うんです。
学生時代は文化部と運動部では世界が違うと思ってましたけど、必要とされる根性は同じ。

昭和初期の、女子スポーツ開拓期の物語は知らない事も多く、純粋に感動しました。
その女子をほぼ男性が演じるコミカルさ!さすが玉造小劇店!
しかしプロスポーツの世界で活躍する女性は筋肉量や体型など男性に近くなるでしょうから女性が演じるより違和感は無かったし、可愛いは本当に作れる。
笑って泣ける、オリンピックイヤーにもう一度観たい作品!
ふっこさんのスポーツ愛と、演劇根性を感じました。

髑髏城の七人 Season鳥

髑髏城の七人 Season鳥

TBS/ヴィレッヂ/劇団☆新感線

IHIステージアラウンド東京(東京都)

2017/06/27 (火) ~ 2017/09/01 (金)公演終了

アンサンブル出演の野田久美子ちゃんは地元出身女優!そんな彼女が名だたる俳優さんと一緒の舞台を駆け巡るのは本当に嬉しかったです。

阿部サダヲさんは大人計画で何度も観てますが、ドラマ寄りの見やすいサダヲさんでしたね(笑)
松雪泰子さん、森山未来さん、早乙女太一さんの美しさが溜まりませんでした(*´д`*)

逆鱗

逆鱗

NODA・MAP

シアターBRAVA!(大阪府)

2016/03/18 (金) ~ 2016/03/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

野田秀樹作品が大好き、だけど劇場で拝見するのは久しぶり!
ワクワクしながら開演を待ちました。
何の予習もせずに行ったんですが(色々ビックリしたいから)、『パンドラの鐘』を彷彿とさせる、いやそれ以上の戦争モチーフで、人魚からこんな展開になるなんて全く予想付かず本当にビックリしました。

舞台装置がとても美しく機能的、駆け巡るキラキラ光る魚群は見事。

松たか子さんの長台詞が胸に迫ります。
好き過ぎて探して覚えました(笑)
最後の叫びも、色々とその意味を考え、想像して、涙が出ます。
阿部サダヲさんは笑って泣かせる天才。
井上真央さん、色気と毒がとっても良かった、テレビでは見られない姿。

クロスミッション

クロスミッション

カラスカ

アトリエファンファーレ東池袋(東京都)

2019/10/23 (水) ~ 2019/11/03 (日)公演終了

満足度★★★

2作品同時上演の中『十字架ミッション』の方を観劇。
教祖様に顔が似ているとある人物が怪しげな宗教団体に辿り着き、
色んな事が次々と起こる…

宗教とか入ってたので、何か怪しい雰囲気かと思いきや、タップリと笑えて、
またパク…(コホン)…パロデ…(コホン)、
たくさんの過去のゲームやアニメ映画などからのオマージュも多方面に観られて、
観客もタップリと笑いに包まれていました。

狭い劇場だったので表現の限界は色々とあるだろうけども、
その中でやれる精一杯で楽しませて貰えました。

ノンバーバルシアター『ギア-GEAR-』Ver.4.60【3/18~公演中止】

ノンバーバルシアター『ギア-GEAR-』Ver.4.60【3/18~公演中止】

ギア公演事務局

ギア専用劇場(京都府)

2019/04/01 (月) ~ 2020/06/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/12/15 (日)

実は前説アナウンスをさせて貰っています!
その関係で観に行かせて貰いましたが…ノンバーバルパフォーマンスの伝わる力、ハンパない!
感情ってこんなに豊かに表現出来る物なんだと圧倒されました!
ラストシーンは寂しくて、終わって欲しく無くて、泣いていました。
また別のキャストさんのも観に行きたいです!

Re:call

Re:call

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ザ・ポケット(東京都)

2017/01/25 (水) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

当時3〜4回観劇した作品。

個人的に母を亡くした経験もあり、作中の人間関係に涙が止まらなかった。
主演の高田淳さんも素晴らしく、加藤凛太郎さんも素晴らしかった。

人間、成長する中で生じる正直になれなかった後悔…
その部分がとても自分に響く形で表現されてて、観劇後に席で呆然としてました。
ボクラ団義さんの第1回公演作品との事でしたので、
作・演出の久保田唱さんが後の作品にも取り入れる色んな要素の原石がたくさんあった気がしました。

2020年にボクラ団義さん自らが再演をされるという事で、
こちらもまたとてつもなく楽しみな作品です。

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