
色指南 ~或る噺家の恋〜
劇団ドガドガプラス
浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)
2020/02/22 (土) ~ 2020/03/02 (月)公演終了
満足度★★★★
こたびの新作はドガドガの要素の一である艶路線にぐぐっと踏み込んだ作で、野坂昭如による興味深い題材を舞台化した稀有な産物を目にした。
難点から言えば、、受け止め方にも拠るが、戯曲上のお家芸は歴史の中に物語を据える作りである所、今作の舞台は太平洋戦争開戦からミッドウェー海戦の手前まで、即ち日本が破竹の勢いでアジアの広域を軍事制圧下に押えた時期まで。冒頭戦勝の報に人々が湧く場面総集編が置かれ、また別の場面では自分のためでなく自分が誰のために役立てるかを考えねば(オリンピックもあるし)、という台詞、そしてラストは軍歌が立て続けに2曲、最後はフルコーラスを歌って赤紙青年を送り出す・・で幕。「日々の暮らしに文句もあろうが今は日本が大変な時、自分が国に対してどう役に立てるのかを考え、生きがいにしよう」・・このメッセージでまとめた劇であった、と結論付けても違和感のない作りになっていた。大いなる皮肉で締め括った、というような仄めかしもなく、やや後味が悪い。
一方、主役である空気読まない噺家の台詞「軍服に髭をはやした野郎共が幅を利かせやがって」が唯一「アンチ軍国化」を言語化した台詞と言えるが、酔った彼がそう言うのを友人が必死で止める、という場面は「現代」に重ねた皮肉と読める。だがこれ一つのみで最後の軍歌代斉唱を「皮肉」と解釈するのは中々厳しい(演出意図はそうであったとしても)。また「他者のために生きる」メッセージそのものは正しい、とのエクスキューズがあるのやも知れぬが、いやいや。語る文脈が言葉そのものより重要であるのは敢えて説明する事でもない。
それにしても客席はまばらでこれは客としても淋しかった。

Pickaroon!<再演>
壱劇屋
DDD AOYAMA CROSS THEATER(東京都)
2020/02/25 (火) ~ 2020/03/01 (日)公演終了
満足度★★★★
4年前の花まる王子以来2度目の壱劇屋。評判を聞きつつも日が過ぎた・・そのせいかと訝ったのは舞台がまるで変貌、しかも世界観は確立された感があり、狐につままれた心地であった。
芝居の方は、凡そ殺陣ショーに等しい冒頭暫くから、それなりな物語が立ち上って来るあたりは見物であった。。・・いやいや、その前にやはりこの変わりようである。
結局あとで調べたら同じ壱劇屋にも大きく二系統あるらしいと知り、得心。今回のは、私がチラシで容赦なく候補から外す、時代劇風・ファンタジック・活劇(勿論殺陣有り)、演目では「猩獣」「独鬼」(作・演出武村晋太朗)等で、要は新感線ファン向けの世界(個人の憶測です)。
これに対し以前観たのは別系統(「SQUARE AREA」作・演出大熊隆太郎)、王子小劇場の四面だか二面客席の真ん中に置かれた台(スクエア)を使って目まぐるしく展開する計算された身体パフォーマンスであった。
4年前のは「型」の芸術性を指向した知的なユニットの風情であったのが、今回は座長(作演出)自ら主要人物の一人を演じ、終演後もよく喋り、体を張って汗で売るパフォーマンス集団といった面持ち。このギャップは何度でも言い募りたくなるがここまでにして、、両者に共通した印象は、場面の造形と構成のアイデアとスピード、それを可能にする俳優の身体能力。
結論的には、今回のは物語が大掛かりな分、動きの型には情緒が伴い、以前観た「目だけで味わう快楽」は減退したが、物語による高揚があった。欲しかったのは以前のであったが。
その「物語」については又、余力があれば。

死の泉 Die spiralige Burgruine【大阪公演 会場変更】
Studio Life(劇団スタジオライフ)
紀伊國屋ホール(東京都)
2020/02/27 (木) ~ 2020/03/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
巡り合わせに翻弄される人たちの行く末に目が離せず、あっという間の3時間でした。
終演後の撮影会やアフターイベントも楽しかったです。
今週見るはずだった舞台が次々と中止になり、急遽上演している舞台の中から選んでいきましたが、見て良かったです。

死の泉 Die spiralige Burgruine【大阪公演 会場変更】
Studio Life(劇団スタジオライフ)
紀伊國屋ホール(東京都)
2020/02/27 (木) ~ 2020/03/08 (日)公演終了
満足度★★★★
オールメールのユニークな劇団の看板演目の一つ。原作は皆川博子の代表作、この作者は現代、近代を舞台にしながら伝奇的、ゴシック風なところが劇団と相性がいい。
原作小説は、確かその年のベストミステリになったはずで昔読んだ。第二次大戦をはさんでほぼ二十年、大戦に翻弄されるドイツを舞台に、登場人物もすべてヨーロッパ人、ナチのSSが登場し、人種差別や人種浄化がドラマの原点になっている。伝奇的な要素も十分で、クライマックスは古城が舞台である。複雑に組まれた人間関係が、異常な愛や憎悪を生んでいくゴシックロマンの大長編だが、ベストに上げられたくらいで、よくできている。
舞台は、原作をかなり忠実に追っていくが、何しろ長い。舞台は三時間あるが、それでも後半は説明不足で駆け足の感じがする。しかしこの物語ならやはりこの劇団だろう。初演は二十年前、4演目である。
メール劇団の色彩は、男性が両性を全部演じてしまうところから生まれる。だが、現実の社会では男性と女性の違いは、ファッションでは強調されている反面、日常生活の動作、言葉、衣装、履物、など、すべての面で急速に少なくなっている。歌舞伎や宝塚のように様式性が確立していればとにかく、日常的なドラマでは単一の性の演技で、表現が広がるメリットは少ない。単一性のカンパニーの行先は、今までのこの劇団の路線でも苦しいのではないかと思う。
今回は久しぶりに紀伊国屋ホール。かつてはもっと大きな劇場も開いた劇団だが最近は二百席位の劇場が多かった。よく見ると、なんと東映と組んでいる。東映というのは興業には独自の企画力があって、業界エエツと驚くようなことを成功させる。映画だけでなく、東映映画村、とか東映歌舞伎とか、直営館の雑居ビル化とか、前例にとらわれない事業を展開する。意外な事業でもちゃんと数字の計算もあってのことである。今回は初めてだから、見てみようということだろうが、これから東映がどんな企画を出してくるか楽しみでもある。今の業界を見ると、むしろ、2.5ディメンションの世界の方が、この劇団の色彩が生きてくるし、俳優の交流もしやすく、両方にメリットもあるのではないか。現実に、そのメリットを生かして成功した俳優も少なくない。しかも、ここも上演こそ増えてはいるが伸び悩んでいる。
創立35年という時間を経た劇団の曲がり角だ。

グロリア
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2020/02/27 (木) ~ 2020/03/08 (日)公演終了
満足度★★★★
同僚同士のとんがった衝突、衝撃的な場面、引き込まれる語り、美しい思い出。そうしたいい場面の数々がある。と同時に、見終わってこれは何を描こうとしたのかと、コレというメインテーマを言いにくい。少し変わったタイプの芝居である。
第一に全三幕のうち、一番の衝撃は一幕の終わりにある。後の二幕はその後日譚で淡々としている。三幕を大きなクライマックスにすべきというセオリーに反している。
第二に、主人公がいない。三幕を通して出てくる人がいない。雑誌者の上級編集者?のナンシーが唯一全幕に出るが、彼女は脇役に過ぎない。脇役なのに、一番美味しいところを持っていく。そのストーリーに、部下やサポート役の苦努力も全ては、ただ地位が上だったというだけの幸運な人の功績になるという皮肉が込められているかもしれない。
第三にモノローグが多すぎる。「ハムレット」の時代でもないのに、現代劇でこのモノローグは禁じ手に近い。そこを見せ場にして引き込むのは、相当の確信犯である。
大事件の生き残りたちの語ることが、それぞれに食い違うのは、芥川龍之介「藪の中」と同じ主観の不確かさ、個々の語りの信用のなさを語ると言える。ただそれでは一般的すぎる。このシチュエーションにもっと踏み込むなら、一番の当事者(校閲部長ローリン)の証言はもっともないがしろにされ、最も事件から遠い者(編集者ナン)の回想記が最も成功を勝ち取るという、商業マスメディアの歪みだろうか。
一緒に見た友人は、事件を起こしたグロリアにしろ、ローリンにしろ、縁の下で日の目を見ない、黙々と働く労働者たちの鬱屈を指摘していた。彼らもストレスで歪められているが、その根底にはピュアな心根の普通の人なのだと。テレビ局での臨時社員の扱いにも同様の構図が見られた。

人人
くによし組
インディペンデントシアターOji(東京都)
2020/02/27 (木) ~ 2020/03/02 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/02/28 (金) 14:00
価格2,800円
忍者学校に新たに4人の生徒が編入してきて……な物語。
「〇〇だけれど〇〇でない」という謎の事前情報があったので割と早めに「そういうこと?」と気付き、しかしそれを上回る展開でまさかのXX〇〇〇であろうとは。

レコード1964
つきかげ座
シアター711(東京都)
2020/03/04 (水) ~ 2020/03/10 (火)公演終了

パズル
A.R.P
小劇場B1(東京都)
2020/01/28 (火) ~ 2020/02/02 (日)公演終了
満足度★★★★
始めのうちは「何がパズルなんだろう?」と良く分からない内容で、芝居のストーリーもバラバラ。正直言って途中で帰ろうかなと思ったけど、まあ、最後まで見続けてようやく「パズル」の意味がわかりました。座った場所と、カーテンコールでお目当ての女優さんが立った位置の向きが違ったのが残念。
でも終わってみたら、納得できるストーリーで、役者さんたちの熱意がわかって良かった。

グロリア
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2020/02/27 (木) ~ 2020/03/08 (日)公演終了

トタン屋根でスキップ
ここ風
シアター711(東京都)
2020/02/05 (水) ~ 2020/02/11 (火)公演終了

ゆうめいの座標軸
ゆうめい
こまばアゴラ劇場(東京都)
2020/03/04 (水) ~ 2020/03/16 (月)公演終了
「弟兄(おととい)」約80分強。余計な取り繕いのない素直な演技の応酬で、ヒリヒリとした臨場感あり。イライラはらはらグサグサ来て、ラストにじ〜ん♪ いいものを見せていただき感謝。ダブルコールになりそうだった。俳優さん、次回からはぜひ準備を!ロビーで今回のバージョンの台本購入(千円)。緊急ウイルス対策に些少ながら寄付。終演後の役者面会もなし。徹底されている印象。

蝋老楼
モジリ兄とヘミング
テアトルBONBON(東京都)
2020/02/29 (土) ~ 2020/03/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/03/05 (木)
観てきました☆ 対面座席、まさかの最前列! 役者さんが客席の後方から出てきたりして、舞台との境目を感じないような作り。
なかなか面白かったです☆

Gengangere 再び立ち現れるもの 亡霊たち
CAPI-Contemporary Arts Project International
こまばアゴラ劇場(東京都)
2020/02/20 (木) ~ 2020/03/01 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/02/28 (金) 14:00
イプセンの「幽霊」といえば、同タイトルでその作品世界が広く知られている。それを敢えて今回は「亡霊たち」と訳した。確かに「幽霊」というと、日本的な情緒を引き擦るので、「亡霊」の方がピンとする気がする。また英語題名は複数形なので「たち」と付けるのも理解できる。ただ、2つの点が気にかかる、「幽霊」ないし「亡霊」は、死んだアルヴィングだと思っていたのだけれど、なぜ複数?そして原題‘Gengangere‘には「繰り返される」という意味があること。
これらの点を強調する目的で、翻訳・演出の毛利三彌氏は「Gengangere 再び立ち現れるもの 亡霊たち」という題名を付けたらしい。
そうか、これは人間の業の話なのだな。いかに打ち消そうとしても、隠し通そうとしても、けして無くすことのできない血縁による業の話。
今回の観劇は、イプセン作品ということもあったが、それ以上に登場する俳優陣に興味があった。CAPIの芝居は、2016年に原田大二郎氏をゲストに迎えた「ゴドーを待ちながら」で確認済。久保庭尚子、西山聖了、中山一朗、髙山春夫、藤井由紀という配役に食指が動かぬわけがない。
しかし当日の舞台は、平日の昼ということもあってか、かなり閑散とした入り。ちょうど、新型コロナウィルスの席巻で、多くのイベントが中止に追い込まれた時でその影響からも致し方なかったのかもしれない。それだからというわけではないが、芸達者な俳優陣の芝居がどうも噛み合わない。俳優陣が舞台の両袖で待機するという舞台構成なので、自ずと演者は役者の視線を意識する。これが閑散とした客席(おそらく、数日前までは観客であふれていたであろう)の視線をも意識させ、長台詞がうまく回らない。あの流麗なセリフ回しの中山一朗氏が、ヘレン夫人との対面で途中から四苦八苦し始めた。髙山春夫氏登場で立て直すが、これはもしや演出の問題もあるのではないかと思う。
毛利三彌氏は、パンフレット中で、従来の「幽霊」とは異なった、ライトな現代に通ずる解釈をした演劇にしたいと書いていたが、このイプセン戯曲の陰鬱さを取り除こうと、役者間の距離を意識的に離そうとはしなかっただろうか。それが判るのが、ヘレン夫人とマンダース牧師(中山一朗氏)が、孤児院建設の背景から過去の秘密を話し合う長い対話が、妙に抑揚がなく感情の起伏が感じられない点である。この軽さが、これまでの舞台上との違いで役者の重しを外して、混乱を招きはしなかったか。
西山聖了氏のオズワルドは、まさに亡霊がごとく、現在に呼び戻された因果を体現し、その生の儚さと周囲を渦巻く狂気をうまく醸し出していた。

「帽子と預言者」 「鳥が鳴き止む時-占領下のラマッラ-」
名取事務所
「劇」小劇場(東京都)
2020/02/20 (木) ~ 2020/03/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/02/25 (火) 19:00
座席E列1番
「帽子と予言者」
「不条理」というと、何かそれだけで何か分かった風な気分にさせられる。では、この舞台は、不条理かと言われると、そうかしらと思う。主人公の男、その男の子を宿した女、その女の母親、そして、宇宙から来たらしい生物を殺してしまった男を裁こうとしている検事(あるいは裁判官)。彼らがどういう存在なのかといえば謎多く、判然としない。この話自体、寓話なのかSFなのか、現実にはなさそうな話ではある。
パレスチナの作品と聞けば、「帽子」はユダヤ教のラビを、「預言者」といえばイスラム教のナビーを思い起こさせる。母親は宇宙生物を帽子だと言って、頭に被る。主人公はそれに倣い、帽子としてその生物を被るが、一方では彼らを大事な友人と呼び、自らに裁きを加えようとする検事たちに、死の不可抗力性と自分が殺していないことの正当性を述べる。主人公が聞く生物たちの言葉は、周囲には聞こえず、彼はまさに神(=宇宙生物)の声を伝える預言者とも言える。つまり、主人公はイスラム教の預言者(もちろん彼も、高額な金品で生物を売ることに関心がないわけではない)で、生物を売り払い多額な金品をせしめようという母親は、ユダヤ人だ。
彼らは、自らの私利私欲のために生物をうまく利用しようとしているに過ぎない。生物は同じものなのに解釈自体でいかにようにも扱われる。ユダヤ教徒もイスラム教徒も、同じ穴のムジナに過ぎない。そんな彼らを嘲笑し、見放していく検事や裁判官たちは、愛想を尽かせた理性の権化かもしれない。
「鳥が鳴き止む時-占領下のラマッラ-」
突如として訪れた占領軍蹂躪されたラマッラ-に住む作家の独白劇。秀逸。日々の生活風景が、淡々と描かれる。それは戦時下という日常。作家の言葉の陰に埋もれた悲惨に、どれだけ想像力が喚起されるかが問われる作品。それでも、人は日々生きていかなくてはならない。田代隆秀氏の明るく、しかも時々戸惑う口調が、生きるということの切実さと楽しさを同時に醸し出している。
こういう作品こそ、アフタートークのある回を観るべきだった。

少女仮面
metro
テアトルBONBON(東京都)
2020/02/19 (水) ~ 2020/02/24 (月)公演終了
鑑賞日2020/02/24 (月) 16:00
座席4列5番
やはりこの舞台、最大の目玉は、元宝塚男役の月船さららが、春日野八千代をどう演じるかということ。この舞台に関わる月船さららは、何とも不思議だ。まずフライヤーの写真が、月船さららではない(に見えない)、登場してきた春日野八千代が月船さららではない(に見えない)。フライヤーにはただ単に女子高生が写り、舞台には春日野八千代が鎮座する。
月船さららはどこだ?
けして宝塚の男役としては大柄ではない月船さらら。しかし、舞台に春日野八千代として登場する段の、ボリューム感、威圧感、押し出しは、どんなもんだいというほどに観客に迫ってくる。何か見つけたな。今回の役を演じるにあたって、いろいろ逡巡があったようだけれど、何を言わんか演じて御覧じろ、という感じ。
少女という仮面をかぶり続け、それを取れなくなった春日野八千代。唐作品には「仮面」というテーマが時々出てくるが、この作品ではまさにそれが作品全体を通底する。仮面=本来の自分とは何か?
井村昂の水道水を飲む男と久保井研の腹話術師、生という仮面と自我という仮面を被った存在が死にゆく中で、春日野八千代は自身の仮面を剥ぎ取って生きていくことができるのか。年齢に、性差に、虚実に、現代と過去に分裂させられた春日野が自己を取り戻す流浪の物語。見事、大団円を迎えるラスト、春日野八千代は月船さららに昇華してしまった。
全てを力で歪ませ尽くす、岩松力のバーテンダーは、舞台の異化を強烈に突き進めて圧巻。タップダンスも、腹話術人形演技も、観客を舞台の中へと引き擦り込む強力な磁場だ。
metroは、まだまだ堀尽くせぬ大きな鉱脈を発見したのかもしれない。

社会の柱
新国立劇場演劇研修所
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2020/02/21 (金) ~ 2020/02/26 (水)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2020/02/23 (日) 14:00
座席RB列31番
まずは「社会の柱」というイプセン作品を舞台で観られたことには感謝したい。
イプセン作品の上演に特化したシリーズか、あるいはこうした研究生公演のような、実験的・メモリアル的な舞台でしか上演されることはないであろうから。
研修生の皆さんの演技について言うと、主人公の13期生宮崎隼人によるカルステン役の頑張りは認める。しかし実際の舞台は、その敵対者、同調者たる周辺の人々を、ヨーハン役の河野賢治を除き、すべて修了生が演じることで舞台が安定するといった結果になった。主人公の懊悩や欺瞞が席巻して物語が進むのではなく、周囲の演技によって、主人公の性格や言動が増幅され、彼がこれから犯すであろう過ちの恐ろしさが際立っていく展開だ。要は、主人公役と周辺の役柄との技量の差が、如実になっているということ。ヨーハン役の河野賢治の、ルステンに対する抗いや怒りの熱量も決して高くはない。
古川龍太、原一登ら商人の驕り、椎名一浩の偽善、小比類巻諒介の狼狽、野坂弘の抵抗、それらがルステンに人間としての血肉を供給している。
13期では、大久保眞希演じるローナ、姉さん肌の気風の良さは、賞賛もの。彼女の語る過去、未来そして現在は、周りの空気をしばしば躍動させる。

VOICARION-ヴォイサリオン-「龍馬のくつ」
東宝
シアタークリエ(東京都)
2020/02/20 (木) ~ 2020/02/25 (火)公演終了
満足度★★★★
2時間の朗読劇。
有名な声優さんの朗読は最高でした。
完璧すぎるが故にもう少し遊びの部分があっても良かったような気がしました。

エブリ・ブリリアント・シング 【高知公演中止(2月29日(土)・3月 1日(日))】
東京芸術劇場/新潟市民芸術文化会館
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2020/01/25 (土) ~ 2020/02/05 (水)公演終了
満足度★★★★
佐藤隆太さんの人柄の良さが出ていた。
開演前に既に佐藤隆太さんが舞台のあちこちに用紙を配っていて
初見の人はなにをやっているんだろう?というちょっとした疎外感?がありました。
私が見た回は誰も失敗することなく、みんな大きな声で用紙に書かれた単語を読んでいました。
最前列に座っていたら緊張して劇の内容が入って来なかったかもしれない。
新しいものが見れた感じがしますが、欲を言えばアドリブ部分をもっと見たかった。
こういうのはお笑い芸人さんが得意なのでお笑い芸人さんで見てみたいな。

ギョエー! 旧校舎の77不思議
ヨーロッパ企画
本多劇場(東京都)
2019/08/15 (木) ~ 2019/08/25 (日)公演終了
満足度★★★
ヨーロッパ企画=笑える劇団ということで観劇する前からハードルを上げすぎてしまいました。
前半は物に頼った笑いばかりで人と人の掛け合いで発生する笑いが少なく、
来たことを後悔していました。後半くらいから言葉のやり取りで笑わせる展開に変わってから
一気に面白くなりました。前半と後半でこうも評価が変わるとは自分でも驚きました。

ドクター・ホフマンのサナトリウム 〜カフカ第4の長編〜
KAAT神奈川芸術劇場
KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)
2019/11/07 (木) ~ 2019/11/24 (日)公演終了
満足度★★★★
ケラリーノさんのオープニング演出は毎回、素敵ですね。
できればオープニングで遅れてきた客の誘導はやめてほしかったな、
そこがいい区切りかもしれないけど…。
カフカとか全く知らなくてもわかりやすい内容だったので助かった。