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『イリクラ』-2019-

『イリクラ』-2019-

カガミ想馬プロデュース

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2019/07/18 (木) ~ 2019/07/22 (月)公演終了

満足度★★★★

2019年バージョン。

恐らく2018年バージョンよりも上演時間が長かった気がしたが、
作品としての纏まりや起承転結、場面転換やテンポ感は大きく改善されて、
俄然観易くなった印象でした。

役者さん達の歌唱力でも全体的に聴き易くなっていたのと、
遊びの部分もしっかりと遊んでいて、その空気感も好きでした。
物語もスッキリとクリアになっていた気がします。

上演時間の長さは相変わらずと思うしかありませんが、
2019年バージョンの長さは熱意と感じられる気がしました。
結局、単純な上演時間の長いや短いの比較ではなく、
観客が時間の長さをどう感じるかというものなのでしょうね。

イリクラ2018

イリクラ2018

カガミ想馬プロデュース

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2018/08/01 (水) ~ 2018/08/05 (日)公演終了

満足度★★

2018年バージョン。
初めて観た2017年のバージョンとは少し展開の違いがあったが、違和感なく観劇。
正直、2017年の方が全体的に歌唱力と纏まりの意味では上回った印象。
ただの印象だが、作品作りに苦労をしたのではないかと若干感じた。
観劇後に先ず長さを感じてしまったので今一つ気持ちが入らなかったのが正直なところです。

 チェンジオブワールド

チェンジオブワールド

VACAR ENTERTAINMENT

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2020/03/06 (金) ~ 2020/03/15 (日)公演終了

満足度★★★

《2人の人物の入れ替わり》というテーマの作品の中でも入門編の様な分かり易さ。
イジメていた側とイジメられていた側の立場が入れ替わり、お互いの気持ちを理解し合う…
嫌がらせなどもシンプルに明確(露骨)で、観客も難なく作品に没入出来たのではないでしょうか?
(悪者側は作品を通してずっと悪いし、純朴側は作品を通してずっと素直だし…)

今後の再演でのネタバレ回避で最後の展開は伏せるが、
舞台作品として2人の主人公達が~というのは個人的にとても好きな展開だった。

青春を切り取る描き方、イジメなどを多く扱っている作・演出の方なので、
その点も不安なく観る事が出来た。

劇場のサイズ感などもあると思うが、想像を超える様な展開にはならなかったが、
事前に予想をしていた範囲は十分に満たす作品でした。

アルカサバ・シアター『アライブ・フロム・パレスチナ-占領下の物語』

アルカサバ・シアター『アライブ・フロム・パレスチナ-占領下の物語』

川崎市アートセンター

川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)

2011/02/11 (金) ~ 2011/02/13 (日)公演終了

満足度★★★★

DVDで観ました。悲劇の中にもブラックユーモアをたっぷり込めた作品でかなり笑えました。東京で上演していることをネタにしたメタ展開も。

We are lucky friends

We are lucky friends

劇団冷凍うさぎ

ウイングフィールド(大阪府)

2020/04/10 (金) ~ 2020/04/12 (日)公演終了

この時期に延期は致し方ない事だと思います☆一日も早く安心してこの作品が観れる日が来る事を願っておりますm(_ _)m

プレイルーム

プレイルーム

ピウス

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2020/03/11 (水) ~ 2020/03/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

この作品は3度目の拝見になると思う。
池袋編として同じKASSAIで過去にも拝見していたが、
あの凄まじい空間を何度でも味わいたくて、また今年もこの場所に来てしまった。

プレイヤーと呼ばれる殺人鬼と始まる鬼ごっこ。
身体を触れられると罰として訪れる死。
誰が犯人なのか、一体誰が本当の事を話し、誰が嘘を付いているのか…

初めて拝見した時の衝撃は今でも覚えているが、今回も素晴らしかった。
演じる方が毎回変わるので、若干の印象の違いが出てくるがそれもまた素晴らしい。
あの密度の高い閉鎖された空間での逃れられない様な緊張感は、この作品にピッタリだ。

きっとまた上演される、そして必ずその空間に私も足を運ぶだろうと今から確信している。

ライフメイカー

ライフメイカー

ピウス

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2020/03/13 (金) ~ 2020/03/22 (日)公演終了

満足度★★★★

同時上演の『プレイルーム』と対を成す作品と言えるだろうか。
私は今回、先に『プレイルーム』を観てから本作品の観劇を行った。

劇中劇というか、目の前に広がる世界の中にもう1つ世界があって…
何層にも世界が構築されていて、段々と種明かしがされていく様は
ピウス企画さんの流石の匠の技であった。
しかし目の前の世界と観客席との間に存在していたと思っていた何らかの境界線が、
いつの間にか観ている我々よりも外側に存在しているのかも知れない、という感覚は、
ゾクッとさせられる世界観であった。
息を殺して没頭出来る緊張感ある作品を堪能する事が出来た。

はぎのりなさんの飄々とした存在感が印象的でした。

ジプシー 〜千の輪の切り株の上の物語〜

ジプシー 〜千の輪の切り株の上の物語〜

ことのはbox

シアター風姿花伝(東京都)

2020/04/01 (水) ~ 2020/04/07 (火)公演終了

満足度★★★★

Team葉 観劇
憧れと現実の狭間のファンタジー、
こんな状況の現実社会から抜け出せたようなひとときでした!

『4.48 PSYCHOSIS』(4時48分精神崩壊)

『4.48 PSYCHOSIS』(4時48分精神崩壊)

一般社団法人PAIR/PARADISE AIR

SPACE EDGE(東京都)

2020/03/20 (金) ~ 2020/03/23 (月)公演終了

配信映像を見た感想になるが...。
オペラの名の通り、台詞(と言っても殆ど作者の独白と言ってよい)全てに旋律が付き、ミザンスはバンド風にセンター・滝本直子、歌い手の男女(小野友輔、中西星羅)を左右に配して3ヴォーカル、後ろの壇上にドラムセット風演奏エリア(鈴木光介)。予定では異種競演のクインテットであったが、コロナ「対応」で葉名樺(ムーブ)の出演が無く、カルテットに。
鈴木氏の音楽が多彩な場面を作る。<時々自動>仕込みの意表を突く展開のあるビート、コード、メロディ、またオペラだけに言葉の抑揚をとらえた旋律。殴り書きに近いテキストが自らの「肉体」として欲するのは、調べであり色であるのかも。オペラは音楽の範疇と言えるが、この場合「作曲:鈴木光介」とすべきであり、題は「4.48PSYCHOSIS組曲」になるか。どこかでまたやってほしい。いや当然やるでしょう。

白鳥先生と過ごした2日間

白鳥先生と過ごした2日間

enji

吉祥寺シアター(東京都)

2020/04/02 (木) ~ 2020/04/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

話が進むにつれて、どんどん見えてくる人間関係、
いろいろな想いを感じさせてくれますが、
根底には、優しさに溢れたステージ、良かったです!

ジプシー 〜千の輪の切り株の上の物語〜

ジプシー 〜千の輪の切り株の上の物語〜

ことのはbox

シアター風姿花伝(東京都)

2020/04/01 (水) ~ 2020/04/07 (火)公演終了

まじかるすいーとプリズム・ナナ ザ・スターリーステージ

まじかるすいーとプリズム・ナナ ザ・スターリーステージ

オッドエンタテイメント

サンシャイン劇場(東京都)

2017/09/13 (水) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

満足度★★★★

玉川来夢さん出演。
持田千妃来さん出演。
この続編というか派生の舞台「ナナステ スイーティブストーリーズ」はコロナ禍で中止になってしまいました。そういえば、このオリジナルの感想書いてなかったな、と。
2回観劇しました。1回めではよくわからなかったですが、2回めで大体理解しました。壮大なストーリー。DVDでも何回か見るほどに、気に入りました。セットがほとんどないのですが、映像と演技と歌でうまく表現していました。
ミュージカルのようにたくさんの歌が出てきます(一部は口パク)。吠埜役の栗生みなさんの生歌はさすがでした。感動的です。
玉川来夢さんは「ばあや」役。予想以上の出番で、重要な役を見事に演じていました。
持田千妃来さんは雛菊という女武者のような役。得意の殺陣を披露しました。出番は3回くらいと、ちょっと少なかったですが。

ネタバレBOX

三秋里歩さん演じる至の話、現実としていちばん深刻というか、考えさせられました。恵まれない近所の子供に、どこまで関わるか、線引はどこか、と。松本稽古さんがその苦悩を表現していました。
ガリレオのくだりで、イタリアの話なのにギリシャ文字が映し出されたのが気になりました。そこはローマ字で。
ヘンリー・リー・ルーカスにまつわる..

ヘンリー・リー・ルーカスにまつわる..

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2020/04/02 (木) ~ 2020/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/04/06 (月) 14:00

座席2列

『ヘンリー・リー・ルーカスは殺してしまう』
 宇野正玖のルーカス愛に満ちた一編。表版と称する意味も、さもありなんの、ヘンリー・リー・ルーカス一代記である。舞台は、伝記を書こうと目論んだジャーナリストが獄中のルーカスに会いに来る場面から始まるといったオーソドクスな作り。少年・青年・壮年のヘンリーを3人の役者(大森さつき、平良和義 渡辺一人)で演じ分け、彼の精神史と行動を丹念に描き尽くす。
その陰惨な幼少期、母親のヴィオラの登場シーンは強烈で、物語の前半まで彼女の存在感が、在不在にかかわらず舞台全体を支配する。
中盤のヘンリーは少女ベッキーとの犯罪行における純情と蛮行。ベッキーがキリスト教信仰に至る場面でのヘンリーとの気持ちの乖離の描き方は丁寧で、愛したい・愛されたいというヘンリーのもがきが観客の心を掴む。
ストーリーの悲劇性は留まること知らないが、それでも、時折訪れるヘンリーの心の安寧に観客も安堵することが、観劇での大きな拠り所になっている。
監獄でのヘンリーは、むしろ神々しささへまとい、浄化を経たかのようだ。

ただ、舞台の広がりを求めたのだろうけれど〈裏〉を含めて、ビデオ画像に頼る演出はちょっと興覚めなところが多い。山中での犯行や草原での遺体の処理など、限られた狭い舞台では表現しづらいことは理解できるのだけれど、その場面の意味も含めて舞台上に顕在化させることはできなかったのだろうか。

よつば診療浪漫劇~父と嘘をついた泥棒は、本当の父でした~

よつば診療浪漫劇~父と嘘をついた泥棒は、本当の父でした~

劇団シアターザロケッツ

ザ・ポケット(東京都)

2020/03/18 (水) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

2020年弥生 過日 PM14:00 中野 ザ・ポケット

 午後から雨だという天気予報が嘘のような、麗らかで暖かな昼下がり、桜が街を染める弥生過日、劇団シアターザロケッツ第十回舞台公演『よつば診療浪漫劇』を観に中野 ザ・ポケットへと足を運んだ。

 劇場に入り、席に着き、目の前に広がったのは、

 時は大正。所はよつば診療所。

 若い女を連れて蒸発した父、父の蒸発後、母を病気で亡くした事がきっかけになり、医者になってよつば診療所を開業した真(井上貴々さん)の診療所に、波乱の半生を送った末に泥棒家業に至り、息子の診療所と知らずに空き巣に入り、診療所で出くわした面々についた嘘が原因で逃げるに逃げられなくなった父 次郎と診療所に訪れる人たちが繰り広げる、夢と希望、愛と別れ、嘘と真の笑ってほろりとする浪漫喜劇。

 行き当たりばったり、口から次々溢れる次郎の嘘が診療所に集まる、悩みや惑い、夢を抱えた人々の心に響き、背中を押すきっかけになったのは、次郎の嘘に一欠片の実があるからではないのだろうか。

 それは、物語を書く時に99の嘘をそこにあるかの如く成立させるのに、1つの真実を核にするような、1つの真実を99の嘘で包み、物語を作り上げるのに似ている。

 結末へ向けて、解き解されてゆく次郎の蒸発した本当の理由、それによって溶けてゆく真の父へのわだかまり。

 次郎の言葉で、次郎と接するうちに、それぞれがそれぞれの夢と希望を見出して行く。

 笑って、笑って、ほのかな切なさとほろりと沁みる温かで、久しぶりにお腹の底から笑って暫し今を取り巻く落ち着かない状況を忘れた舞台だった。

               文:麻美 雪

ヘンリー・リー・ルーカスにまつわる..

ヘンリー・リー・ルーカスにまつわる..

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2020/04/02 (木) ~ 2020/04/12 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2020/04/06 (月) 14:00

座席2列

『ヘンリー・リー・ルーカスと殺人カルト集団』
 ヘンリーが所属し、殺人術を取得したとされるカルト宗教集団「死の腕」にテッド・バンデイやチャールズ・マンソンがいたらという創作。まさに、夢の共演というところだが、バンディやマンソンの個性がうまく描かれておらず、ただのドンちゃん騒ぎに終始している感がある。
 ヘンリーは孤高の存在で、終始静かで抑制的。あまり周囲と絡まないので、ただただ教団のどんちき騒ぎを見せられている感が強く、物語としては凡庸。
 物語としては、割の良い仕事(教団のビデオ撮影)から教団に入信した(本人たちにその意識はないようだが)2人の若者が、教団内部の不協和音に乗じて、自らが作り上げた脚本と演出によって、教団自体を意のままに操っていくブラックユーモアが通底している。これが焦点となるくらいかな。

揺れる

揺れる

東京演劇アンサンブル

d-倉庫(東京都)

2020/03/25 (水) ~ 2020/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

揺れる」
アフタートークにて、安田純平さん曰く「知りたいと思うと、知りたいことはどんどん増えていく」公家義徳さん曰く「知れば知るほど、自分は何も知らないのだと思えてくる」つまり、自身の関心の度が高まれば、累乗的に知ろうという意欲が高まるということを、別の表現で語っている。中東やシリアのこと知りたいと思って、インターネットを調べてそれで理解した気になるんじゃねーよ、ということだ。
 もちろん、時間は限られているし、ソースは限られている、自分に体験できることなどちっぽけなものだ。そうなると、関心を持ったとしても、とても知り尽くすことなどできないわけで、彼らが言いたいことは、けして知に対して傲慢であるなかれということだと思う。

 さて、「揺れる」だ。このテキストには(訳本も見ていないので、パンフの読み書きだけれども)役名が振られておらず、ト書きもなく、詩文のようにセリフが書き綴られているという。だから、舞台の登場人物の人数もそれを割り付けた演出の理解・感性によるもので、セリフを別の人物が話していても、それが別々に発せられた言葉である保証はない。
 全セリフを、1人がリーディングで済ませる舞台も可能だ。

 原題はbeben,風に揺らぐような優雅なものではなく、地響きがして周辺の事物が震えるという意味らしい。むしろ「揺らぐ」の方が適切かもしれない。
 
走ってくる子供を射殺したスナイパー、その子供の死体、子供の母親。手をつなぐことは簡単なこと。しかし、手はつなげない。それはとてもとても難しいことだから。バルコニーから屋外を見やる若者たち、屋外に下り散らかったケーブルを片付ける中年女性、彼女は動かなくなる。路上のバスは狙撃を防ぐための盾となり、電波障害は若者たちをイライラさせる。今起こっていることは、現実なのかと自問自答する。ユリズンはこの世界をどう改変するのだろう、それともこれは改変された世界なの?理性とは、誰が持ち誰が実現するものなの。この世界はすでに理性的なのか。

観客はイライラする。阿鼻驚嘆と諦念、何かが何かが地中で蠢いていることだけは判るのだけれど。それを鎮めることは、とても簡単なことに思えるのだけれど。手をつなごう。果たして舞台の登場人物は手をつなげるのか、観客席の私たちは手をつなげるのか。

東京演劇アンサンブルの実験的な演劇。面白いかというと、うーん。でも、退屈はしなかった。そして、知りたくなった。今目の前の舞台で起きた何かを。

ジプシー 〜千の輪の切り株の上の物語〜

ジプシー 〜千の輪の切り株の上の物語〜

ことのはbox

シアター風姿花伝(東京都)

2020/04/01 (水) ~ 2020/04/07 (火)公演終了

満足度★★★★

結構な出演人数の割に共通役無しで2チーム。「大事に作る」印象のことのはboxにしては・・制作上の事情か、とすれば稽古回数の圧縮が中身にしわ寄せを・・等と実は勘繰りながら観ていた。が、戯曲の本線がやがて浮上し、堂々たるメッセージ性が倒れた大木を起こすようにもたげ、元来飲み込みづらい超自然的要素をすっかり観客に飲み込ませて終幕した。
バブル時代を思わせる台詞に、若手中心の俳優は時代気分のシフトが出来ない様子、これが序盤のギクシャク感の事情と想像するが、戯曲を古いと感じさせなかった点において上演は成功と言えるかも知れない。貨幣や住居、所有に捉われない生き方・・・思い起こせば当時こういった視点がバブルに踊る自らへのアンチとして)巷間あった(『パパラギ』なんてのもあった)。
しかし今この時代にこの戯曲の言葉を据えると、バブル期からさらに転落した文明そのものの惨めな帰結を、深く深く思わされる。
このご時世に・・は決まり文句になりつつあるが、本舞台、この時世によくこの作品を蘇らせた。そしてよく中止にしなかった。

ゴドーを待ちながら【4/8(水)ー11(土)公演中止】

ゴドーを待ちながら【4/8(水)ー11(土)公演中止】

KARAS

KARAS APPARATUS(東京都)

2020/04/03 (金) ~ 2020/04/11 (土)公演終了

満足度★★★★

「ゴドー」をどう踊るのか・・興味津々で荻窪へ。公演はほぼゼロに等しいこの週末に上演をやっている事については、トークで言及があった。「特に状況に抗っている訳ではない。私たちの表現活動をやっているだけ」。そのKARAS公演も火曜以降は中止となり、6(月)夜を残すのみ。
2015年12月のシアターXでの初演は佐藤利穂子とのデュオで、今回も2人の名前があったが、日々更新されていく「update」、2ステージ目は勅使川原氏のソロとなっていた(1ステージ目は不明)。
上演時間1時間、とあったが終演後時計を見ると1時間半弱、トークが乗って10分程だったか。ダンスは二部構成で前半が長く、音声で流れる「ゴドー」の台詞に合わせて、ぼろをまとった勅使川原が動く。マイムっぽい動きもあるが、台詞を喋る人物を「演じる」ので、確実に演劇的な「演技」が入っている。舞踊では見ない表情が覗く。
何とも味わいがあるのが一人の男の声で吹き込まれた「ゴドー」のエストラゴンとウラジミールのやりとり。聴いてると勅使川原氏の声にも聞こえるが(トークでそうだと判明)、小慣れた噺家風の口調で互いを食い気味に、力みゼロでやってる。猪俣敏郎あたりが聞かせてくれそうなテキトー感横溢な喋りがイイんである。台詞は戯曲通りでないらしいが、ゴゴとディディの会話として聴ける、というか「本日の二人の会話」はこんなかも・・と氏が「再現」したような会話である。
出て来るはずの佐藤利穂子が出ないので、もしやポッツォかラッキー、又は少年で登場か・・と待ったが、その期待はかなわずであった。

ネタバレBOX

トークでは「ゴドー」に対する思い入れの由来を語っていたが、約半世紀前に観て衝撃を受け、演劇ではあれを超えるものを未だ見ないそれが、とある劇団による「ゴドー」であったとの事。当時まだ進路を舞踊と見定めていない頃、絵画も好きだったが、氏を捉えたのはその身体性と言い、現在も根底に流れている・・。そして、落語は好き。
ステージの後半、声は消え、上手奥に街灯のような暖色系のランプに照らされ、遠景のように舞う。心温まるといったBGM(冒頭に同じ)に乗せた踊りは「ゴドー」への解釈という事になるが、ゴゴとディディへの温かな眼差しか、共感か。
ソロにした理由は、台詞が落語風に一人で成立するのだから、踊りの方もこれで行けるのでは、との説明だった。
本当は新型コロナを念頭においた判断では..、と推察しているが。
ジプシー 〜千の輪の切り株の上の物語〜

ジプシー 〜千の輪の切り株の上の物語〜

ことのはbox

シアター風姿花伝(東京都)

2020/04/01 (水) ~ 2020/04/07 (火)公演終了

満足度★★★★★

人の生き方を力強く、そしてハートフルに描いたちょっと不思議な物語。

(上演時間1時間40分) 【Team葉】

ネタバレBOX

芝居は映画と違い、その時、その場だけの新鮮さが最大の魅力であろう。脚本の魅力は、そのテーマというか主張の鋭さ面白さとすれば、演出はそれに息吹を入れることだろうか。

「ジプシー・千の輪の切り株の上の物語」…時代はバブル最盛期、その当時を象徴する土地神話、それを当時の典型的な若夫婦に語らせる。
念願のマイホーム、その建設中のマンションに「流浪の民」であるジプシー一家がやってくる。彼らは梅雨の時期だけ住まわせてほしいと強引に住みついてしまうが──何とか彼らを追い出そうとする夫婦だが、次第に奥さんが彼らの生き方に共感を覚え始め──という物語である。何となく奇天烈のような物語だが、その描くところは鋭く、単に時代(背景)に対する風刺だけではなく、人の生き方を問うている。

バブル当時の物欲への批判的なシーンが印象的であり、今となっては、バブル崩壊後の失われた経済活況を振り返れば含蓄ある台詞の数々。…過ぎたことを悔やめば、無くした物が惜しくなる。先のことを思い煩えば、無い物が欲しくなる。どちらも、ただ物が増えるだけのことだ。物が増えれば、もう旅には出られなくなる……物に縛られて動けなくなるか、何も持たずに自由でいるか、私たちは迷わず自由の方を選ぶ。
とは言え、世代的には夫婦(夫)の感情に近く、自他所有(コンビニ商品含め)関係なく我が物にするところに異論が…。

一見、楽観的な夢物語の戯言に聞こえるが、目先だけではなく、もうほんの少し先を見据えさせることで、観客の思いに訴える。時代背景の現実性とジプシーという夢物語をうまく調和させた脚本。その脚本の面白さを十分引き出す演出が巧みだ。例えば鳥の浮遊感をイメージした衣装、小躍りしたようなパフォーマンスは地に足を着けない、物にこだわらない自由さを表現しているようだ。建築現場のコンクリート=人工、森林=自然というイメージ対比を舞台セットと音響(羽ばたきと風)・照明(夜中=薄暗さが神秘的な自然空間)でうまく表現している。

さて記録(記憶ではない!)という点では、戯曲は映画に劣るかもしれない。また小説のように想像性をかきたてない(直視しているから)。しかし役者の身体を以て、瞬間瞬間で物語を紡ぎ実体化する、そこに芝居の醍醐味を感じる。まさに本公演のようにー。
次回公演を楽しみにしております。
白鳥先生と過ごした2日間

白鳥先生と過ごした2日間

enji

吉祥寺シアター(東京都)

2020/04/02 (木) ~ 2020/04/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

く~たまらん。多国籍(?)人情ホームドラマ、グッときましたね。コロナ渦で、疎らな客席が実に残念。世間が落ち着いたら、是非再演して欲しいものです。

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