熱海殺人事件 モンテカルロイリュージョン
KURAGE PROJECT
シアター711(東京都)
2024/11/06 (水) ~ 2024/11/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
月海舞由がプロデュースするKURAGE PROJECTは一昨年第1弾の「売春捜査官」を観ているが、その時以来のつかこうへい「熱海殺人事件」シリーズ
モンテカルロヴァージョンは初めてだった
まあ定番の作品だから、ほとんど役者の技量が試されているようなものだが、木村伝兵衛の岡田は表情が良くなかなかの迫力だった(もう少し前で観たかったな)
この役は阿部寛がやってたんだなと
月海は婦人警官水野としてよりも山口アイ子の方が良かった
このホンは相変わらず終盤迫ってくるものがある
セットはなかなか高級感ある机と椅子だった
月海がホワイトボードに書いていく名前の文字が下手で、「わざと?」と思ってしまった(笑)
音楽の音量が大きすぎてセリフ聴き取れないところが結構あったのは残念
しかしいろいろうるさいご時世にこのNGワードだらけの戯曲が上演されるのは嬉しい
こういう舞台も「セリフ変えろ」とかいう連中クソくらえ!
つかを知らない若い人はこういう舞台をどう思ってみるんだろうね
RTA・インマイ・ラヴァー
東京にこにこちゃん
駅前劇場(東京都)
2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
三度目の東京にこにこ、今回はRTAなるマニアックなゲームの世界が題材、という事から予想される、現実とゲーム世界を行き来する芝居であったがかなり混沌の度合いが強かった。これどっち?という境界認識の混濁が、狙いだったかと思わせる程であったが、自分の知らない分野だったせいか前半時々見舞われた睡魔のせいか・・。
相変わらず役者のトボケ振りと笑い満載の楽しい舞台。出演陣を見て観劇に赴いた自分の期待には応えてくれた。小難しい事を書けば、人物のとぼけた態度は、日常の細やかな事々に対する、疑問、疑い、相対化の視線の差し込みである、ゆえに笑える。一服の解放感をもたらす。
今後も楽しみ。
大きな泡の巣の中で
ハグハグ共和国
萬劇場(東京都)
2024/11/07 (木) ~ 2024/11/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
花の回観劇。ハグハグの芝居を観るのは実に7年ぶり。やはりハグハグの世界観だった。メルヘンのようで,ダークに深く,考えてしまうところがある。3つの結末があるということであるが,全て観たいような気も…。でも,このヴァージョンも面白かったのは間違いない。さすがハグハグの芝居にはハズレはない。
つきかげ
劇団チョコレートケーキ
駅前劇場(東京都)
2024/11/07 (木) ~ 2024/11/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白い、お薦め。「白い山」の続編(5年後)
昭和25年10月頃から新宿大京町の病院兼自宅へ引っ越す迄の斎藤家を描いた物語。話の中心は、偉大な歌人であり1人の男の晩年、それを家族の視点を通して<人間・斎藤茂吉>を炙り出す。突き詰めれば「老い」と「死」に向き合い、どう生きるか といった死生観に繋がる。最大の見せ場は、茂吉と妻 輝子の会話だろう。茂吉の苦悩「ひとりで生まれ、ひとりで死んでゆく」、その無常の儚さに対し 輝子の答えは実に単純明快で、思わず頷(肯)いてしまう。とは言え、人の死生観など人それぞれで決めつけることなど出来ない。
「白い山」が、戦中/戦後の茂吉の芸術家(歌人)としての思いであれば、本作は1人の男、もっと言えば根源的な人間の思いを描き出している。それは「偉大な歌人」という近寄り難い人物から、其処らにいる老人の嘆き 葛藤のように聞こえる。斎藤茂吉という人物を「白い山」と「つきかげ」、その前/後編とも言える紡ぎ方にしたのが妙(勿論 本作だけでも面白い)。さらに脳出血の後遺症という身体的な不自由を描くことによって、老いと病 そして死の影が忍び寄っていることを否応なしに突きつける。
登場人物は、茂吉を中心とした斎藤家、それに弟子の山口茂吉を加えた7人。その中でも妻 輝子を演じた音無美紀子さんの演技が凄い。確かに演技だが、そういうことを感じさせない自然体、本物の斎藤輝子がそこに居るようだ。開幕 明転後、火鉢に向かう音無さんが目の前におり驚いた。もう自然な振る舞いで一気に物語の世界へ誘われた。
(上演時間2時間15分 途中休憩なし)
お気に召すまま
明治大学シェイクスピアプロジェクト
アカデミーホール(明治大学駿河台キャンパス)(東京都)
2024/11/08 (金) ~ 2024/11/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
学生演劇はあまり観ないが、この明治大学シェイクスピアプロジェクトだけは、ここ数年観ている。月並みな言葉だが、一つの公演に大勢(パンフには206名のメンバー名鑑掲載)の学生が関わり上演している、その一生懸命な情熱を観たいからである。演劇的には学生のレベルの域を出ないが、それでもシェイクスピアの戯曲の力であろうか、楽しめるのである。本作のメタファーであろう台詞「人生は舞台である」…これから社会に出て現実に向き合うであろう学生達が、今それを演じている。
今回は第21回、それだけ長く上演し続けることの大変さ、その努力・熱意に敬意。観てきた公演は、必ず生演奏で伴奏する。役者と演奏者、そして多くのスタッフが一丸となって取り組む姿は清々しい。演劇を通して若者の情熱、そのパワーをもらっている。だからこそ観劇(感激)し続けたい。
(上演時間2時間 休憩なし) 11.10追記
熱海殺人事件 モンテカルロイリュージョン
KURAGE PROJECT
シアター711(東京都)
2024/11/06 (水) ~ 2024/11/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/11/08 (金) 14:00
つかさんの芝居は大昔の大昔、風間杜夫が主役の「熱海」を
新宿紀伊國屋ホールで観たのが最初で、その時は何が何だか判らなかった。
生れて初めてか2番目くらいに観た演劇だったし(歌舞伎教室を除いて)、
「あたしを立てるのよ!」という絶叫しか覚えていない。
その後2本くらい「熱海」を見たと思うが、本当の伝兵衛、アイ子の心情を
感じて泣けたのは今回が初めてだった。
訓練された怒涛の台詞に圧倒され続けた末に
ラストあんなにしみじみ涙が出るとは思わなかった。
テーバイ
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2024/11/07 (木) ~ 2024/11/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ソポクレスによる3つのギリシア悲劇を連結するように台本を構成したようだが、暗く重い舞台で3作品を同時に味わえたようなお得感がある。演出もなかなか良い。やはり有名な「オイディプス王」の部が一番シリアスで面白い。
熱海殺人事件 モンテカルロイリュージョン
KURAGE PROJECT
シアター711(東京都)
2024/11/06 (水) ~ 2024/11/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
素晴らしかったです。というか、役者さん、喉大丈夫でしょうか… あと2日喉もちますでしょうか… そのぐらいシャウトする回数の多い舞台です^^ いやー、それにしても激アツの舞台でした。あと、今の時代ではアウトなぷち差別的な表現などもバンバンあり「やっぱり舞台はこれでなくちゃなー」と思った次第です。ほんと、舞台だけはコンプラ抜きでギリギリのところを攻めてもらいたいです。
ハナコキカク「きょうのエビスは」
2223project
エビスSTARバー(東京都)
2024/11/07 (木) ~ 2024/11/10 (日)公演終了
わが星
TEP+steps
シアター風姿花伝(東京都)
2024/10/24 (木) ~ 2024/10/30 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/10/27 (日) 14:00
ビッグ・バンから地球が星としての命を終えるまでを人の一生になぞらえて言葉遊びも含んだ数人によるリズミカルなラップ風パフォーマンスの後に地球や月などを擬人化して誕生から死までを物語る105分、2011年4月に観た本家のままごと版より20分も長いが冗長感や中だるみ感などなくしっかり惹きつけられる。
また、この回はトラブルにより本来の明かりではなく搬入灯での上演となってしまったが、それでもちゃんと観ることができたのは戯曲の力と演技・演出の賜物か?
なお、トラブル発覚から時間がほとんどなかったであろうにこのようなプランを考案して実行した照明スタッフもスゴい。
秘密基地ラヂオパーク
劇団伽羅倶梨
KARAKURIスタジオ(大阪府)
2024/11/08 (金) ~ 2024/11/11 (月)公演終了
満足度★★★★
受付(制作)の不手際さや、開始がかなり遅れたことセリフの間違いも目立ったけど、客演は実にセリフも含めとても良かった‼️
最後に繋がるのはおはこであるが、ホッコリさせてくれる 特に一週間を何とか乗りきったサラリーマンには、どんなに強力なENERGIEドリンクよりも身体に効いた❗楽しめました‼️
人という、間
グッドディスタンス
OFF OFFシアター(東京都)
2024/11/07 (木) ~ 2024/11/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/11/08 (金) 15:00
座席1階
グッド・ディスタンスの会話劇は面白い。これまでの作品の多くは、舞台から明確に伝わるものがあり、切れ味もあった。今作は、ラブホテルの一室で繰り広げられる男性と義理の妹の会話。舞台設定の妙もあり、期待通りの面白い会話劇だったが、画竜点睛に欠いたところはある。
男性は5年前に妻を亡くし、義理の妹は暴力夫と離婚してシングルマザーとなった。生活に困窮し、病気がちの子どものため保育園に預けることが難しく、職業はデリヘル嬢。設定が面白いのだが、妻の葬儀以来5年ぶりに会いたいと男性が選んだ場所はラブホテル。つまり、義妹の客として再会したところから始まる。
最初はこの二人の関係が明かされないから、スケベな中年男性が女子高生の制服姿のデリヘル嬢のサービスを受けるのかな、と舞台に見入っているが、関係性が明らかになると「何でラブホで、しかもオプション料を払って制服姿なの」と面白さが倍増する。妻が亡くなっているとは言え、その妹にサービスを受けたいというのは完全な妄想の世界だな、と思うが、男性はいきなり上から目線で「こんな仕事は辞めなさい」とか「自分が養うから結婚しよう」とか説教を始める。完全にずれているのだが、そうしたところをはじめとして随所に、ねじれを利かせた面白さがあった。
「自分は義理の妹とはできない」なんて言っておきながらけっきょくしてしまうところが単なる中年のおじさんなのだが、なぜ、5年の歳月を超えて義妹に会いに来たのかが微妙な形で伝わってくるのがこの戯曲の最大の面白さだと思う。それだけに、最後の最後の場面は今ひとつもったいなかったな、というのが正直な感想だ。
しかし、グッド・ディスタンスの舞台には今のところ、はずれはない。普通ならあり得ない?というシチュエーションでの会話を味わえるのも、演劇ならでは。ちなみに、女子高生の制服を着こなしているこの俳優さんは誰?と思ってHPを見てみたら、何と元AKBの人だった。かわいいはずだよね。
つきかげ
劇団チョコレートケーキ
駅前劇場(東京都)
2024/11/07 (木) ~ 2024/11/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
前篇の『白き山』が斎藤茂吉と二人の息子、一人の弟子との四重奏。後篇である今作は斎藤茂吉と、文学史的には無視された妻と二人の娘との四重奏。見事なアンサンブル。個人的には今作の方が好み。前作が黒澤明なら今作は小津安二郎の世界に挑戦する作家の新境地。だがやはり我慢ならない、本性が出てしまう。達観した死生観では終われない。命ある限り生きて生きて生きまくってこそが生物だ!と黒澤明になってしまう。侘び寂びで慎ましくお茶を啜ってはいられない。醜さこそが同時に人間の美しさであると、人間のその浅ましさこそが生命の本質なんだと。
上手に洋間、下手に和室、真ん中に火鉢。斎藤茂吉(緒方晋氏)は脳出血で倒れ歩くこともおぼつかない。意識がぼやけてくる。創作に集中出来ない。記憶の混乱。全ては老いだ。老いてしまった。やりたい事やらねばならぬ事が山程あった筈なのにそれが何だったのかすら思い出せない。
素晴らしいのは文学史的には意味のない、妻である斎藤輝子(音無美紀子さん)、長女・宮尾百子(帯金ゆかりさん)、次女・斎藤昌子(宇野愛海〈なるみ〉さん)の存在こそをメインに据えた視点。各人それぞれに見せ場はあり、光の当たった人々だけが存在した訳ではないことを強く主張する。
音無美紀子さんは見事としか言いようがない。確かに間違いなくここに生きて在る。金の取れる女優。
驚いたのが宇野愛海(なるみ)さん。メイクもあるのだろうが原節子や轟夕起子を思わせる戦後日本映画のヒロインの貫禄。凄いのが出て来たな、と思ったら既に二作自分は観ていたらしい。しかも元エビ中のバリバリのアイドル出。心底驚いた。この娘は今後ヤバイ。
帯金ゆかりさんの体現する現実感も重厚。生きて在ることのそのリアル。その手触りを感じられた時、共感の度合いがぐっと上がる。
そして緒方晋氏の立つ境地。弱って駄目になった自分のありのままを見てくれ。これが今の俺だ。失望しようが落胆しようが構わない。これが今の老いた俺の姿だ。
浄土宗の開祖である法然が詠んだ和歌、宗歌ともされている。
「月影の 至らぬ里はなけれども 眺むる人の 心にぞ住む」
月光は全てを照らしてくれているのに受け手側がそれに気付かなければ届かないのと同じこと。どうか気付いてくれ。
是非観に行って頂きたい。
熱海殺人事件 モンテカルロイリュージョン
KURAGE PROJECT
シアター711(東京都)
2024/11/06 (水) ~ 2024/11/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
初めて「つか作品」の演劇を拝見しました。
名前だけは聞き及んでいましたが、個人的には「合わない」と感じました。
演者さんたちの演技は素晴らしかったと思いますが、ストーリーというか、時代設定上、仕方のないことだとは思うけれど
表現が自分の感覚では「マジでない!」という表現があり、受け入れられなくて結構最初から引いてみてました。
あと、音楽が結構流れるのですが、劇場の大きさの割に爆音でセリフが聞き取れず(あえて?)、なんて言っていたのか気になりました。
演者さんたちの全力の演技、膨大なセリフの応酬は素晴らしいと思いましたし、他の公演で観れるのであればぜひ観たいなぁと思います。
多分、作品との相性が自分にあってなかったということなんでしょうね。
ROCKS!
サプライズメーカーPandA&MousePiece-ree
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2024/11/07 (木) ~ 2024/11/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/11/08 (金)
最高に面白い中年男性トリオを是非観て下さい。大阪と福岡の劇団によるコラボ作品です。ストーリーもしっかりしているし、各所に伏線もあるお芝居です。残りの席は余り無いようですが、早めのご予約をオススメします。
熱海殺人事件 モンテカルロイリュージョン
KURAGE PROJECT
シアター711(東京都)
2024/11/06 (水) ~ 2024/11/10 (日)公演終了
~幻惑演劇実験集~二千某年のドグラとマグラ
月蝕歌劇団
アトリエファンファーレ高円寺(東京都)
2024/11/01 (金) ~ 2024/11/04 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
もう何年も前だけど観に行った時は、コスチューム的にも楽しませていただきましたが今回はポカンくんのみで少し寂しかったです。
シオンの眠るとき
縁劇ユニット 流星レトリック
サンモールスタジオ(東京都)
2024/10/30 (水) ~ 2024/11/04 (月)公演終了
軌道
劇団カルタ
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2024/11/02 (土) ~ 2024/11/04 (月)公演終了
広くてすてきな宇宙じゃないか
演劇集団わるあがき
吉祥寺櫂スタジオ(東京都)
2024/11/03 (日) ~ 2024/11/04 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
「演劇集団わるあがき」の最終公演。
この演目 最近観たが、近未来に出現するかもしれない世界、そんな寓話劇のよう。上演前から男の子(カシオ)が舞台上にいる。1人 ラジオを聞き、雑誌「星座と宇宙」とその付録で楽しんでいる。ラジオから聞こえる声は、劇団の10年の歩みへの感慨、そして歌はaikoの「瞳」が流れる。
10年間の演劇活動、お疲れさまでした。そして ありがとうございました。
(上演時間1時間10分 休憩なし)