最新の観てきた!クチコミ一覧

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東京演劇アンサンブル こどもの劇場

東京演劇アンサンブル こどもの劇場

東京演劇アンサンブル

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2020/09/23 (水) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

 流石、東京演劇アンサンブル。優れた原作を選んでいる。(タイゼツベシミル華5つ☆)
本日、25日(19時開演)はLow Price Dayでもある。

ネタバレBOX

老境を迎えた老人ニルスと彼の暮らしを支えるホームの老人たちに少年2人(ベッラとウルフ)の殆ど奇跡的な出会いを通じて描き出される老境と少年期との対比作品。誰しもが持つ少年期の様々な悪戯や遊びを通してそれぞれの日常が描かれる。少年らは、前記の事どもがリアルタイムで、ニルスにとっては自らの少年時、亡くなった最愛の妻との思い出、戦争に取られた2人の息子、生まれなかった孫故の現在の孤独が、祖父を持たぬベッラの願い“おじいさんになって下さい”に応え実の祖父と孫として過ごす人生最後の大輪の花火の如く変容し輝く。換言すればニルスの若い時代の記憶がまざまざと蘇り、総てが上手くゆかなかった人生ではあったが、2人の少年に出会ったことでホントに若返ったかのような溌剌とした様が見事に描き出される。殊に少年たちのフレッシュで率直でちょっと悪戯な発想に鼓舞されるニルスの精神の活性化、即ち若返りが描かれることで老いの深みが実に味わい深く描かれる詩的作品。ラストシーンも予測は無論できるが、実際に描かれることの衝撃は極めて大きく胸を打つ。少年を演じた女優さん2人の演技も可成り自然だし、ニルス役が上手いのは当然として、ニルスの友達で元教師のトーラ、ホームで介護などを担当している優しく的確な判断を下すマリアンヌら脇を固める女優さん達の演技もグー。様々なお店を短時間の早着替えで演じ分ける店員さんの動きの早さがコミカルで面白い。また、舞台美術にも極めて優れた工夫が凝らされており、演じる役者さん達の演技が自然に見えるレベル迄キチンと演出が機能している点、照明も含めて雨のシーンの表現の素晴らしさ、歌や口笛が大事なテーマなので音響を的確に抑えている点も見所だ。
私たちは全力でホラーに挑みます!

私たちは全力でホラーに挑みます!

ライオン・パーマ

駅前劇場(東京都)

2020/09/23 (水) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

ライオン・パーマの作品はいつも長い。

けれど出演者の数からすればまぁ仕方がないところもあるのだろう。上演時間の決め方はおそらくなんらかの係数×人数で成り立っているんだと思う。

ちなみにそんなことを書いたのは文句を言うためではなく、始まる前に上演時間を聞いて「長いな」となり、終わったときに「あれ?意外と短かったな」と思うマジックのようなことが起こることをお知らせしたかっただけの話だ。

今回はお笑いを封印してのホラーということであったが、まぁまぁのお笑い感で、期待していたものを期待通りに観ることができて満足した。

けれど一点・・・

ネタバレBOX

過去に犯人が少年と別れる時、もっと狂気的に恐怖心を抱かせるくらいの暴力的な怖さを見せてくれていたら最後のシーンが際立ったのにと思った。

あんなにいいおじさんとして別れたのなら久し振りにあった時嬉しくてなるんじゃないかとすら思ったのに、そうじゃない展開に違和感を覚えた。
脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

オフィス上の空

シアタートラム(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

初キ上の空論。

ネタバレBOX

コロナが作家にもたらす影響をふと考えた。このユニットに寄せていた想像(勝手な、だが)と、今回の舞台との違いを見て、何かを探ろうと見始める自分がおり、「小屋がトラムだからかな」と考えが先走っている。達者な役者が物語を語り始め(百花亜季)、彼女自身を謎に括ったまま「こっち向け」とばかり、「現実世界」の二人の出会いの場面へ誘導される。一方思考は(勝手な)「想像」を裏切る様をあげつらう、例えば安定感の有馬自由氏だったり小沢道成をベタに生かす役の登場だったり。「多数の観客を味方につける」舞台の様相を「今まで本当にこういうドラマやってたのか」と疑わしげに見、本舞台はメタモルフォーゼか番外編かと批評家面の斜め目線を注ぎつつ、照れくさい恋愛話に既に乗っかっている。
肉付けを削げばさして変哲もない、というのも何だがただ惹かれ合った男女が「ただ惹かれ合った」というだけの関係を正当化するまでにあれこれと時間を費やす(現代らしいといえば現代的な)恋愛譚であるが、恋愛を「よきもの」でなく「生物の生態」として描くのを好む私がうっかり、主役達の恋を応援する体勢をのっけで取らされてしまった。

人物らは「異色」揃い。何かとカテゴライズされる者とカテゴライズされなくとも濃淡様々なグラデーションを示す個性が配される。恋愛の方は別カテゴリー同士が正体を知って引き合う(「引く」は今時の用法)という問題設定だが、基本「異質」とその理解者しか出てこない(理解の度合いに大小あるが)。また欲を言えば主人公の「扮装」は2パターン欲しかったが(あまり関係ないか..)、現代「らしさ」を役者の演技のディテイルで彷彿させる貢献あって「いい感じ」の空気感が出来ていた。

3ヶ月「何もない」二人。ナレーションは「二人は会う度に暗くなっていった」(互いに隠している事があるから」と告げ、物語は動き出す。そこは女の方が「私たち、何もないじゃん」と言い寄る瑞々しいシーンであったが、時間経過後の展開の飽きさせなさは作家の工夫の賜物だろう。ただ冒頭熱情をもって「初恋に落ちた」と吠えた男と、付き合って3か月後にその台詞?と思うが、セックスを忘れる時間を過ごせる二人の関係を想像して「あり得る」と思えるキャラが、後半戦で開陳される二人の実像に重なるのも良い。

ところで恋愛指南役を買って出る希少種、社会学者宮台氏が、ここ最近よく用いる語「クズ」(人間の部類)が、悲しいかな劣化社会の趨勢を先導する中で、「自分は正常を保てているか」のバロメータは端的に「異質」と向き合えるか、だと思う。
本作は「異質」をドラマ上の謎として中盤まで引っ張り、その開陳後(人物らに「異質」と遭遇させた後)、関係構築に中々の「現実に即した」時間を使う。ここの時間のかけ方に作者の愚直なこだわりを見るのは安易かも知れぬが、二人の心境と思考の過程は「想像にお任せ」とせず時間経過を台詞によって埋めて行く。真の恋愛の成就を作者は目指したのだろう、とはこれも勝手な想像。
「普通こうは行かない」夢物語にも見えつつ、気分よく見終えた。やはり周囲の人物各々に魅力があり、欲を言えば脇役達ももっと肉付けられ群像として見えたかったが、役者がよく演じ、あり得るキャラを見せてくれていた。

ドラマ上気になったのは高校時代に出会って以来主人公(男の方)の心の師であった「先輩」が、「じつは無理していた」との告白は価値観崩壊(なぜならあけっぴろげで何も隠さない生き方に憧れたと主人公は言っている)。現在の主人公の、これに見合う反応があったかどうか・・この場面での主人公を作者はもっといじめて(苦悩させて)良いのでは・・と思う所。
なお箸の場面はしっかり笑いを取っていた。
『夜鷹と夜警』(よだかとやけい)

『夜鷹と夜警』(よだかとやけい)

東京No.1親子

ザ・スズナリ(東京都)

2020/09/11 (金) ~ 2020/09/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

皮肉たっぷりの「政治屋」批判が後半連発されて、笑い転げた。。「政治家はやめられません。われわれの決断一つで、多くの人を(幸せにできる、というのかと思いきや)貧乏にできる(ウマイ!!)」「悪政を敷きながら、いかに当選を勝ち取るかの、そのスリルがたまらない」(ここまで本音いう政治家がいたらサイコー)などなど久々に笑った笑った。絶妙のコントの連続だった。

しかも、笑わせるだけでなく、ほかにも詩情や慧眼にみちたせりふが多い。夜、散歩しながら「太陽の影は厳しすぎる。月明かりの影は、合づち上手で一人ごとのリズムを作る」などと言って、ひとりごとしたり。「田舎は王様の顔が見えやすくていやだろ。都会は自分が誰の奴隷かわからないからすごしやすい」とか。
結婚式専門のカメラマンの科白「どれだけ幸せな二人を世に放てば、悲しいニュースが亡くなるのか」などなど

蝙蝠と格闘しながら友情が芽生えるコント(佐藤B作のまじめなとぼけが面白い)、ギター歌手が、突如辻斬り侍に変身する(村上航)、美人で演技のうまい安藤聖、有名なオヤジと共演して、何も臆する様子のない(どころか、芝居を引っ張る)佐藤銀平、役者たちも良かった。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

オフィス上の空

シアタートラム(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

4回目のキ上の空論さんです。
タイトルに驚愕し、軽く観ていただける…なんて言葉に逆に身構えたりもしましたが、成る程確かにいつになく、するっと観られることができた。
シリアスにでもかけそうな題材を敢えて軽やかに。登場人物のキャラがだいたい強めなところもいい。
笑い声も多く聞こえてきた。
終わってから暫くして、余韻と共に色々と考える。それはいつものキ上の空論で、ああ、やはりこうなるかと。
楽しく濃い2時間を過ごさせていただきました。

ネタバレBOX

キャラの良さや、いたるところにある伏線が面白い。繰り返し観たいと思ってしまうわけです。
特に藤原祐規さん演じるシャイン先輩。
初見での吃驚と、再び観たときに得る、同じシーンに対しての全く違う感情。
藤原さんの難しい役柄を“そこにいる人”という存在感と違和感のなさが大変素晴らしかったです。
十二人の怒れる男

十二人の怒れる男

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2020/09/11 (金) ~ 2020/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

戯曲は名作中の名作、役者もベテラン、若手、いずれも名のある人たちが結集、演出はロンドンの実力者。これでは見ないのが損だろうと見た。期待通りではあったが、期待を越えるものはなかった。そこが微妙なところ。こちらの期待が高すぎるのかもしれない。以前、戯曲を読んだ気がするが、有名な映画は見ていない。でも、忘れていて、見ながら、探偵小説のように、証言の信ぴょう性を一つ一つ崩していく展開がやはり一番面白かった。現場に出かけたり証人に尋ねたりできない、一種の安楽椅子探偵ものである。

ネタバレBOX

階下の老人が「ぶっ殺してやる」という少年の声を聞いたというが、そのとき、効果の鉄道に電車が走っていた。その騒音で聞けるの? 足の悪い老人の歩行実験、など。やはり舞台で見ると、心に刻まれる印象の強さが違う。
ゲルニカ

ゲルニカ

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2020/09/04 (金) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

共和国軍=正義、ファシスト軍=悪という単純な善悪では割り切れないスペイン内戦の闇をしっかり見据えていた。とくに、共和国軍、人民戦線派にも偏狭なセクト主義や、残虐な殺戮行為があったことには驚いた。そのままだと、ゲルニカ爆撃は、愚かな人間を罰する「神の火」になりかねない。際どい作劇だったと思う。スペイン内戦について教えられるところが多かった。

日本には馴染みのない、当時の複雑な対立関係を割り引くことなく舞台にした、劇作家と演出家の努力に感嘆しました。領主の娘サラ(上白石萌歌)が目覚めていく主筋に、バスク独立勢力の決起、教会・ファシスト側の陰謀をからませています。外国人ジャーナリストの二人連れ(勝地涼、早霧せいな)に、証言者の役割を担わせ、さらに、サラの出会う若者(中山優馬)に、重い秘密を背負わせている。重層的な芝居でした。それらの美談も醜聞も、善も悪もすべてをたたきつぶす爆撃場面は、抽象的ながらも、イメージ喚起力が強く、圧倒されました。

ただ、パルコ劇場の間口が大きすぎて、芝居のサイズとはミスマッチだったかな。

星をかすめる風

星をかすめる風

秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2020/09/12 (土) ~ 2020/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★

非情な歴史と、それを超えて手渡されていく人間の真心を感じさせる秀作舞台でした。最初、殺された看守が暴力で囚人を支配する鬼姦手と言われると同時に、「本の虫」だったというので、「アレッ?」と思います。その謎が一歩々々解明されていく。殺人事件の犯人より、こちらの謎の方が私には面白かった。シェイクスピアの「薔薇の名前は違っても、香りは同じ」というセリフを、「創氏改名」を強いられた朝鮮人の立場から「名前の重要性」という意味に、解釈を逆転させるやりとりが面白かった。原作にあるということだが、元が舞台の名場面なので、新解釈を舞台で見るとまた格別。

葛西和雄さん、広戸聡さんら青年劇場の看板俳優たちはもうおなじみですが、ユン・ドンジュ役の矢野貴大、看守杉山役の北直樹、看護師の傍島ひとみがよかった。有望な若い俳優を知ることができたのも収穫だった。

ベイジルタウンの女神

ベイジルタウンの女神

キューブ

世田谷パブリックシアター(東京都)

2020/09/13 (日) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

面白くて時を忘れ、夢のような3時間半を過ごせました。ケラの芝居はその場で立ち上がる雰囲気が絶品です。一つ一つのシーンが絶妙なコントのようで、キャラクター同士の掛け合いが生きています。今回はそれを痛感しました(ザ新劇という舞台を見た、ダブルヘッダーだったかからでしょう)。大きなストーリー、テーマに貢献するというより、その場の作る空気と人物のずれやもつれを楽しむ。さらにステージングと映像がそうした空気をびしっと視覚的に定着させる。何度見ても惚れ惚れします。

緒川たまきの世間知らずのお嬢さん社長、犬山イヌ子と温水洋一の乞食友達、なりあがり悪党と水道オタクの双子の兄弟を演じ分ける山内圭哉、いずれもはまっていました。吉岡里帆と松下洸平の若いふたりも、初々しくて爽やかで、ベテラン陣とはちがうフレッシュさがあってよかった。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

オフィス上の空

シアタートラム(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

お面白かったです。ありえない×ありえないはありえるのでしょうか。
ありえない話だけどよかった。特にヒロインの美しさは際だっていたけどそれだけではない何かがありました!

風吹く街の短篇集 第三章

風吹く街の短篇集 第三章

グッドディスタンス

本多劇場(東京都)

2020/09/23 (水) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/09/24 (木)

羽衣ライブ観てきた☆ ライブっていうより、お芝居観てる感じだった☆ でもとても良かった☆ ぜひまた年末くらいにライブやってほしいな☆

ネタバレBOX

お客さん30人くらいしかいなかったんじゃないかな~ びっくりするほどガラガラで心配になったけど、ライブは熱かったです!
岡本さん、中盤から出ずっぱりで大変そうでした。 浅川さん かなり目立ってました!鯉和さん、やっぱ歌うまい☆
私たちは全力でホラーに挑みます!

私たちは全力でホラーに挑みます!

ライオン・パーマ

駅前劇場(東京都)

2020/09/23 (水) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

 第30回メモリアル公演おめでとうございます。
良くこんな発想が出てくるな、と唸らせるようなシーン満載。(追記後送)

ネタバレBOX


 ベースにあるのは無論、この劇団の笑いの精神だが、今作で初めてホラーに挑んだ。舞台設定が天才漫画家がそれ迄描いてきた恋愛物では無くホラー作品に挑むという設定になっていることもそこから来ては居よう。だが、Covid-19対応の政治的拙さによって殆どの民衆の明日が奪われている現在の日本で、人々は矢張りホラーを観ることで明日の無い現実の怖さをうっちゃろうとしているかに見える。
 こんな世相だから、怖さの質も通り一遍ではない。輪廻を遠い木霊のように下敷きにしてはいようが、単に霊異譚の怖さという形では敢えて出さぬ、因果応報。先ずは観るべし。
脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

オフィス上の空

シアタートラム(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

個性を強調する若者の「思い込み」の強さが多面に渡り演じられていました。
「落ち」があるのも良かったです。楽しめました。

ゲルニカ

ゲルニカ

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2020/09/04 (金) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

感染対策もしっかりしていて換気もしていて安心した。
激動の内戦中に生きる人達の思いが凄い伝わった。

おじいちゃんの口笛

おじいちゃんの口笛

東京演劇アンサンブル

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2020/09/23 (水) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

9月の観劇も9本目。疲れてペースダウン中。
スウェーデンの作家ウルフ・スタルクの子供のころの体験を元にしたお話らしい。絵本は日本語にも訳されている。
CoRich の「説明」にすべてのストーリーが書いてあり、その通りを達者な役者さんたちが丁寧に描いていく。大道具小道具もしっかり用意されていて奇抜な演出もなく安心して観ていられる。

75分と短いこともあって私には物足りなさが残った。心構えを75分にセットして臨むのが良いと思う。

私たちは全力でホラーに挑みます!

私たちは全力でホラーに挑みます!

ライオン・パーマ

駅前劇場(東京都)

2020/09/23 (水) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/09/23 (水) 19:30

凝った構成にエピソード満載、随所に織り込まれる笑いの要素でライオンパーマらしい作品。でもちょっとホラー感は薄れたかな。せっかくのホラーネタがもったいない。怖さは集中してこそ感じるもの、そこが若干散漫になったのが残念。久々の観劇、劇場・主催者のコロナ対策と努力に感謝します。

ネタバレBOX

天才漫画家・天堂幸一郎には秘密があった。
それは漫画家としての彼の原点ともいえる、9歳の時の出来事だった。

これからホラー漫画に挑戦しようとする天堂は
同業者でホラーの天才闇野霊太郎から怖い話を聴いて参考にするようにと
編集者からアドバイスを受ける。
そして闇野の話を聞いた後で、ふと遠い昔の出来事を口にしてしまうのだ。
“墓場まで持って行く”はずの、誰にも話さずに来た秘密を・・・。

天堂が秘密にしてきた昔の出来事と、
9歳の彼が描いた漫画のストーリーが絡み合って
平和な日常は次第に傾いていくというホラー。

“全力で挑みます”と銘打った作品なら、もう少し怖くても良かったような・・・。
核となるホラーには惹かれるものがある。
あの「魔界不動産」の話、もっと観たかったなあ。
すごく面白い設定だと思う。
だが何といっても挿入されるエピソードのボリュームが大きく
しかも笑いを取る場面が多いのでホラー感が持続しない。
このバランスとメリハリがくっきりしたら
ライオンパーマの新たな魅力になったと思うが、
いつものライパを楽しむという点では、安心して観ていられる。

MATCH

MATCH

ステージタイガー

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2020/08/21 (金) ~ 2020/08/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

ステージタイガーの舞台は、いつもそこに上っ面ではない確かな心があり、人生がある。
台詞にされてない想いまでも、ひとつの場面から、深く豊かに感じさせてくれる。
ここ数年、もう観るたびごとに、それは増すばかり。
故に、観て持ち帰るものがおおきくて、2時間という観劇体験以上のものをいつも頂いてしまう。
舞台というものは創作物、でも作り物じゃない、板の上にあるものは全部本物、そう思わせてくれる。
そこにいる人達の想い、人生、描かれないこの先の人生、ここに至るまでに歩んできた人生、想い馳せる。
観た後々までも、ずっと頭の片隅に心の内側に有り続ける、そんな舞台でした。
平十郎も、さつきも、勇吉も、それぞれに出会い、経験を経て、変化してゆく。
それは人生であり、生きていくということであり、それを舞台の上で生の質感で観せてくれた。
本当に大変な世情の中、こんな素晴らしい舞台をありがとうございました。
観る前から、観てる間も、観た後も、たくさん幸せ頂きました。
これぞまさに鉄壁の対策という信頼感、これぞまさに生きた生の舞台。
熱かった!笑った!泣いた!感動しました!
また必ず、どこかの劇場で。。。

おじいちゃんの口笛

おじいちゃんの口笛

東京演劇アンサンブル

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2020/09/23 (水) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/09/23 (水) 19:00

75分。休憩なし。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。

オフィス上の空

シアタートラム(東京都)

2020/09/17 (木) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

インパクトのあるタイトルとヤバそうな匂いのするあらすじからして少し心配でしたが、セットをうまく使った展開と予想を裏切られる内容が面白かった。

ゲルニカ

ゲルニカ

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2020/09/04 (金) ~ 2020/09/27 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2020/09/21 (月) 13:30

壮大で悲惨な物語だが、一種の普遍性を感じる部分もある。
 ゲルニカは、ピカソの絵でも有名となったスペインのバスク地方の都市で、スペイン内戦の際に無差別爆撃を受けた町である。そのゲルニカの領主の娘としてなに不自由なく育ったサラ(上白石萌歌)の婚礼の日、スペインの内戦が起こり、婚礼は延期され、婚約者は戦いに参加してしまう。一方で、戦場ジャーナリストのクリフ(勝地涼)とレイチェル(早霧せいな)は、スペイン内戦を報道するために、バスクに赴く。そうした軸になる人々や、ゲルニカに住む人々の様々な行動を、群像劇として長田育恵が壮大な物語を綴った。歴史的事実として空爆されたことを知ってる我々は、結末がそうなるのか、を気にして観るしかない2時間50分(休憩20分込み)。緊張感は維持され、歌を交えることで起伏もあるのだが、何となく一本調子に見えてしまうことも事実だ。現代の日本と重ねて見ることはできないが、長田が現代と一定程度繋げようとしていることは理解できる。その意味では秀作と言える。
 少しだけ気になったのは、バスク語を話すであろう人々がビルバオと呼んでいること。バスク語ではビルボと発音されるのだが、劇作上の都合で分かりやすい発音を選んだということだろうか。

 なお、初めて観たのが小劇場という俳優たち、石村(ザ・スズナリ)・玉置(王子小劇場)・後藤(サンモールスタジオ)がPARCOの舞台に立つのを観るというのは、ある種の感慨がある。

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