最新の観てきた!クチコミ一覧

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金曜はダメよ♡

金曜はダメよ♡

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

一度観ても二度観ても三度観ても、楽しい会話劇です。
6/28夜の部は舞台に向かって左袖の方から観たのですが、観る位置(席)によって、演者それぞれの違った表情が観れるので、全く飽きずに楽しめました。

モテない保険2

モテない保険2

TOP BANANA

ブディストホール(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

人と人との関わり方が、時代とともに変化してきている昨今が、コメディタッチでうまく表現されていて、楽しく観劇しました。
続編は?
今後の日本は、どうなるのでしょう?
ということも、考えてしまいました。

火山島

火山島

劇団演奏舞台

キーノートシアター(東京都)

2025/06/27 (金) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最後の祈りという歌が良かったです

煙が目にしみる【Mura.画】

煙が目にしみる【Mura.画】

Mura.画

劇場MOMO(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 ヒグラシチームを拝見。面白い、お勧め!

ネタバレBOX

 地方の火葬場待合室を舞台に火葬開始から骨上げまでをリアルタイムで描く。窓外には桜の満開が見え、天気も上々。尚、板中央やや奥に吊るされた大き目の白枠は場面によって窓にもなれば、写真のフレームや他の様々な物にもなる。
 Mura.画は、村上 悠太氏が独りでやっている企画ということで毎回、キャストは異なるという。今回拝見したのはヒグラシチームであったが、一部のキャストがWキャストであった。脚本も面白いが、役者陣が上手い。殊にシングルキャストで出演している役者さん達はベテランも多く流石と感じさせられた。中盤までは火葬に付される本人達の霊の登場以外は、待合室でありがちなシーンがベースになる比較的オーソドックスな創りだが、恍惚の人の仲間入りをしたと思しきお婆ちゃんの登場で事態は一変する。何とお婆ちゃんには、火葬される息子と同じ日の同じ時刻に矢張り火葬される2つの霊が見え、会話ができたからである。こんな事情で同日・同時刻の火葬で若干いがみ合いをしていた親族達は、故人個々の念をイタコと化したお婆ちゃんを通して知ることができ、故人個々の念や亡くなった経緯を正確に知ることとなった。その内容の奇想天外な展開や個々のエピソード、夫婦、親子、恋人同士の愛等が実にリアルに表現され心を撃つ。終盤、怒涛の如く訪れる各エピソードの回収のセンスも洒落ており、表現も美しい。
ケルベロス

ケルベロス

バカバッドギター

雑遊(東京都)

2025/06/28 (土) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

人間のあくた

人間のあくた

吉祥寺GORILLA

上野ストアハウス(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2025/06/28 (土) 18:00

110分。休憩なし。

Girls' Rush

Girls' Rush

劇団スクランブル

シアター711(東京都)

2025/06/11 (水) ~ 2025/06/15 (日)公演終了

実演鑑賞

2019年の「Men's Rush」(未見)と対をなすという劇団スクランブルの新作。90分。6月15日までシアター711。

https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2025/06/post-02c2d5.html

ケルベロス

ケルベロス

バカバッドギター

雑遊(東京都)

2025/06/28 (土) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「タイムスリップおばさん」「楽屋、ではなく喫煙所。」「グッバイ三ツ山」の3本立て。満員。くだらなくて(=褒め言葉)楽しかった。

煙が目にしみる【Mura.画】

煙が目にしみる【Mura.画】

Mura.画

劇場MOMO(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

火葬が始まってから骨上げまでの心揺さぶられるストーリィでした。

ネタバレBOX

役者の表情、重みのセリフが、心にしみました。家族のぬくもり、人の心のあたたかさを感じずにはいられません。
火葬されようとしている故人の二人がボケ始めたおばあちゃんを通して、家族と会話する場面は胸を打たれました。
緊張感のある中で、余分に買いすぎた弁当がひとつづつ減っていくのが、タイミングがよく、いいアクセントになったと感じます。お弁当とお茶がとてもおいしそうだったので、臨場感がとてもありました。
アンネの逆襲

アンネの逆襲

劇団PDW

ウッディシアター中目黒(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最高の舞台でした。まず脚本がすばらしいです。アンネにスポットライトを当てているようで実はヒトラーにスポットライトを当てているところなんか「技あり一本!」です。マジで、この脚本ならハリウッドで売れるかと思います。ありとあらゆるヒトラーにまつわる映画を観てきましたが脚本ならヒット映画を狙えるレベルのものです。

ケルベロス

ケルベロス

バカバッドギター

雑遊(東京都)

2025/06/28 (土) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

ザ昭和的な舞台でいろんな意味でビックリしました。コンプラにうるさい昨今ですが、あえて下ネタを随所にぶち込まれ、おまけにパンイチ演出や悩殺下着のチラ見せありなどザ80年代な演出にも「おー、攻めてるな…」と思いました。雑遊らしからぬ舞台でこれまた別の意味で衝撃でした。暑気払いにちょうどいい舞台でした^^

廃グランド・ホテル別館

廃グランド・ホテル別館

システム個人

小劇場 楽園(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

(笑えた度)5(今感)3(完成度)4

ホラーコメディーといえば、その昔、、、
ナンセンス業界の大御所にして巨匠、
ケラさんが深夜の地上波でやっていた傑作ドラマをイメージして観てしまいましたが、、、

ネタバレBOX

本日の芝居は
ホラー色はほぼない。
ラブコメもほぼない。

「廃ホテルロビーのワンシチュエーションコメディー、ナンセンスを添えて」

でした。

今の時代感に左右されない、
怪異が暮らす廃ホテル別館の世界観の作り込みがエンタメ性高く、
とてもよくできていて、引き込まれました。
照明やキャラのメイクが美しかったです。
楽園の端っこに座ってしまったのですが、
観やすいように立ち位置をカミシモに平等に振るココロ遣いもよかったですね。

散りばめられた数々の笑いの仕掛けは種類豊富で鮮やか。
キャラ立ちまくり、
役者の皆様のバカ全力投球の演技力が光ってました。

てか、とか言いつつ時間をすっ飛ばしながらツッコむ、

袖にハケること自体がボケになっている、

カーナビ幽霊の指示通り動く、

などなど、
高度なワザながら味わいがあって良かったですね。

歌の上手い紅ヒデキ、佐々木さんの飛び道具感や、
タヌキ村上さんの怖がり演技のキレもなかなかでしたが、
日常を演じながらそこからの地続きで唐突にピュアナンセンスを炸裂させる技において
右に出る者がいない孤高のコメディエンヌ・麻生久美子を彷彿とさせる梶川さんの演技にはシビレました。
アンネの逆襲

アンネの逆襲

劇団PDW

ウッディシアター中目黒(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/07/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/06/28 (土) 18:00

脚本が面白く楽しめました!

LIPSTICKS

LIPSTICKS

スラステslatstick

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2025/06/24 (火) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

終わった瞬間「どこがミステリーやねん‼️」て思い切り突っ込んだ🤣笑いながらね(←ココ大事🤗)でもそれって作.演出のわかぎゑふさんと出演者の思うツボの筈やから完全に僕の敗北ですな😉「クリスティミステリー」やと思ったら「コント家政婦は見た!」やったみたいな🎵最高でした☆
総体的な雰囲気はガチのミステリー仕立てに作ってるんでクリスティ、横溝正史、火サスな匂いがプンプン🎵だからコメディと言っても大爆笑の連続というより終始ニヤニヤしながらいつまでも観続ける事が出来るお芝居って感じ🎶でもソレって演者はめちゃめちゃ難しいと思うんよ♪だから役者陣のポテンシャルが高くないと変にスベってしまう可能性あるんちゃうかなと★そういう意味ではミステリーコメディをここまで面白く仕上げた出演者の皆さんのパフォーマンスの素晴らしさに改めて敬意を評しますm(_ _)m
ブラボー👍

パトリオット

パトリオット

劇団チャリT企画

新宿シアタートップス(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/06/27 (金) 19:00

今まで観てきたチャリTと変わっていて、ガハハと笑うことなく深く深い地下へ連れて行かれた。
フフフとは笑っていたけど。
「戦争」を扱ったものときいていたが、なるほど!そういう事なのね。
ラストには浮上出来てほっとして拍手でした。

ネタバレBOX

エレベーターガールが可愛かったなぁ。って彼女は何者だったんだ??
鵺的の堤さん好きだなぁ。出演者みんな一癖も二癖もあって面白い!!これはいつも通りですね。
コラボレーターズ

コラボレーターズ

劇団青年座

吉祥寺シアター(東京都)

2025/06/19 (木) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/06/19 (木) 18:30

これは真実の話なのだろうか?SFなのだろうか?と思っているうちそんなことも忘れて楽しんでいました。
今の日本と重なるところもあり、世知辛いなぁ、って。

ネタバレBOX

ダンスがまた良かった。舞台美術も、天井からぶら下がるアレも良かった。
人間のあくた

人間のあくた

吉祥寺GORILLA

上野ストアハウス(東京都)

2025/06/25 (水) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

表層的には、合法と非合法地域という差別/被差別を描いた物語で、人間の生き辛さが浮き彫りになる。非合法地域は既成事実として存在するが、そこに居る人々は居ないに等しい。その意味するところが物語の肝。

当日パンフに「本作は、架空の国、その中にある鉄塔が立った街とラショウモンと呼ばれる特殊な地域の話」とある。塔は、セントラルタワーと呼ばれ 平和条約を記念して建てられた。差別の先にある「戦争」や「人権」という大きな問題にも言及するが、舞台の中で伝えたいことが描けたのだろうか? ラストの情景は、その間にあった出来事を観客の想像力に委ねたように思うが…。

舞台技術の音響や照明等は、衝撃と印象付けという意味では効果的で巧い。ラショウモンの外では、騒音や雑踏といった日常風景、照明は正面の格子窓や下手のガラス戸の照明色の諧調によって 微妙な時間帯を表現している。細かな演出だけに丁寧な制作といった印象だ。
(上演時間1時間50分 休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は薄汚れた街の一角。上手に高い段差、奥はブロック壁と波トタンの塀。所々にパイプ管が付いている。正面 上には格子窓があり、場景に応じて窓奥の照明色が変化する。中央に階段と電柱、何故か拡声器が取り付けられている。下手は低い段差にホワイトボード、その上には横長のガラス窓。全体的に吹き溜まりといった印象で、非合法地帯といった雰囲気が漂っている。

ラショウモン、日本でいえば部落問題と関連付けてしまう。この架空の街では歴史的なことは語られず、既にその地域はあったという前提で描かれている。ラショウモン以外の人間は(マイ)ナンバーが付与され、それが身分証になっている。主人公 アクタ(28歳)は、偽造ナンバーを用い 人材派遣会社 トロッコに勤めている。或る日、カンザキという男が、経営アドバイザーとして来るようになってから、周辺が きな臭くなってくる。

この国は 15年ほど前まで戦争をしており、今は他の地で戦争が起きている。トロッコは、ボランティア/後方支援といった名目で戦場へ人を派遣する。戦場であるから、当然死傷者は出るが、派遣されるのは、戸籍を持たないラショウモンの人間。そこには「人権」はない、いや もともと人間扱いされていない。カンザキもラショウモン出身者、内部事情には詳しい。差別される痛み苦しみは知っているはずだが、それを暴力的な思考で破壊しようとする。ラショウモンの内と外、それぞれが相互干渉を嫌うような描き方だが、国はラショウモンの存在そのものを認めているのか?

物語の根底には紛争/戦争、そして差別/被差別といった不条理が横たわる。そして目先の利益や暮らしを優先するあまり、脱法行為へ といった分かり易い展開。舞台としては迫力ある銃声音や火事現場の照明などリアル。演出は好かったが、物語としては もう少しラストシーン(劇団としての訴えたいこと、主張なり)を描き込んでほしかった。
次回公演も楽しみにしております。
はぐらかしたり、もてなしたり

はぐらかしたり、もてなしたり

iaku

シアタートラム(東京都)

2025/06/27 (金) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/06/28 (土) 13:00

価格6,000円

110分。休憩なし。

はぐらかしたり、もてなしたり

はぐらかしたり、もてなしたり

iaku

シアタートラム(東京都)

2025/06/27 (金) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

村上春樹の短編、『レーダーホーゼン』を思い出した。

舞台美術の柴田隆弘氏が構築したエッシャーのだまし絵のようなセット。至る所に増設された階段は今は失き九龍城の違法建築のよう。東急ハンズ渋谷店、ドン・キホーテやヴィレッジヴァンガードなどのスラムの迷宮感。増築を重ねた神経症的な高台建築。(関係ないが終わりが見えず延々続く渋谷駅の工事にはガウディのサグラダ・ファミリア感)。

高校教師の瓜生和成氏は教え子だった竹田モモコさんと結婚、授かった娘は高橋紗良さん。瓜生和成氏の好物はオムライス。竹田モモコさんの作るオムライスは鳥肉の代わりにソーセージを何本も入れるレシピ。ある日、お弁当のオムライスに楽しみにしていたソーセージが一本も入っていなかった。帰ってそのことを妻に告げると「確かに入れた」と不機嫌に。その後、失踪してしまう。

MVPは近藤フク氏か。東京03の飯塚のようでいてプロレスラーの西村修みたいな独特の空気。座間事件の死刑囚のような妙なヤバさも。
彼の上司、小林さやかさんのキャラも愉しい。
高橋紗良さんと井上拓哉氏のストーリーは清々しい。
キャスティングが絶妙で横山拓也氏の人を見る目が超一流。

短編『夜のオシノビ』が挿入されていたり、短編連作集を一つに繋いだ印象。何か無理にまとめた感もあった。だが非常に高度な文学性も感じさせる。妻の帰宅時、家族会議のMCを担当する異儀田夏葉さん、その奮闘ぶりが最高だった。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

タイトルは横山拓也氏の今作を観に来る観客に対してのスタンスだろう。

『レーダーホーゼン』は単身ドイツ旅行をすることになった55歳の女性が夫に頼まれて肩紐付き革製半ズボン、レーダーホーゼンを購入。オーダーメイド専門店の為、体型のよく似た現地のドイツ人に試着して貰い、サイズを合わせる。その折に何かの心境の変化があり、突然離婚を決意する。一方的に一緒に捨てられてショックを受ける大学生の娘。三年後、親族の葬式で顔を合わせた母娘。自分を捨てた理由を問い質し、レーダーホーゼンの話を聞いて何故か納得、母を許すこととなる。この母親に離婚を決意させた“何か”が謎で文学としての余韻となる。

自分も当時この小説を読んで深く共感を覚えたことを思い出す。論理的に人間の思考行動は構築されている訳ではない。それは後付けのアリバイ作りみたいなもので所詮は嘘だ。本当は言語化出来ないある種の“気付き”みたいなものの方が生きていく上では大きい。そのキッカケになるレーダーホーゼンが人によってはオムライスだったりする。

ラストはオムライスを皆で食うしかないだろうと思っていたら成程。
火山島

火山島

劇団演奏舞台

キーノートシアター(東京都)

2025/06/27 (金) ~ 2025/06/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 淡々と紡がれる今作のテーマは深い。改めてゆっくり、世の中のこと。自分のことを振り返ってみたい。(追記予定)

ネタバレBOX

 十日に一度、欠航でなければ内地からの船が港に入る人口千人程の小島には四十年来稼働し電気を起してきた風車が在る。物語は島の崖に立つこの風車が強い風に立ち向かい人々に恩恵を施してきた音、目には見えないほどゆっくり、而も着実に移動し島の若者たちが何度も戦争に獲られ亡くなってきた墓を耳にできる音もなく、心の琴線を響かせて埋め尽くして行く“音”、そして周囲を囲むさざ波の聲が続いてきた。然し心臓音のように当たり前の風車の音は搔き消されることになる。この風車を四十年間護り続けてきた老人が語る島の歴史が今作で描かれる三つの音の内実と共に展開する。
 冒頭に挙げた入港の日の賑わいを想像して欲しい。人々は欠航でなかったことにホッとし、待ち侘びた新鮮な食料や便り、注文していた物が漸く無事に手に入る喜びや幸運に胸をなでおろしひと時の安らぎを覚える。だが、何度となく起こっては村の若者を徴兵し死や身体の欠損を強制する戦争に抗する手立ては無念にも見付からない。今迄の戦争で敗戦の憂き目もみて来た。その時に受けた魂の傷は時の経過も癒すことが出来ない重い軛である。母が愛する嬰児が泣く声を防空壕の皆から咎められ止む無く殺した、その痛みは! 嬰児を水に沈めた時、水中から上がって来た小さなあぶくの数々が、一つ一つ彼女の魂を抉るのである。今も、明日も、永久とは言わぬまでも少なくとも死ぬまでは。付き添う夫もどうしてやることもできない。愛する妻を庇ってやれない苦悩は筆舌に尽くし難い。戦争は若者達にも大きな重い圧を加え、未来は鈍色である。徴兵される男子ばかりではなく、恋こそ命の乙女も無論、この宿命からは逃れられぬ。砂丘は古い兵士の墓から順に覆い尽くしてゆく。だが今後も墓が消えることは無さそうである。それは、この国の為政者が民の命を何とも思っていないからである。

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