
さいはての街の塵の王
尾米タケル之一座
ウッディシアター中目黒(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
この小屋の板はちょっと変わっていて正面と正面下手側に客席方向に突き出すような小さな板が延びているが、今回用いられるのは正面の板部分のみである。下手側側面、上手側側面はシンメトリーになっており壁面には鉄格子の嵌められた窓。ホリゾントのほぼ中央に大きな窓枠があり窓枠の奥にスペースが設けられている。その上手に出吐け、側壁と正面壁との間にも出吐けが一カ所ずつ設けられている。総ての壁の表面の凡そ下半分程は厚くパテが塗られたような様相を呈するが、これは塵が堆く積み上がった吹き溜まりのような印象を与える。即ち劇空間そのものが、この精神病棟が様々な人々の嘆きや念の集合によって形成された時空を場として形成していることを示唆していると考えられる。三つの壁以外はフラットなスペースだが、必要に応じて多くの箱馬が様々に必要な物に化す。(追記終了)

クラッシュ・ワルツ
演劇集団池田塾
オメガ東京(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
第19回劇作家協会新人戯曲賞受賞作品 (刈馬カオス氏<刈馬演劇設計社>)。
物語は3年前の交通事故をめぐって関係者、一見関係ないと思われる夫婦も加わって、それぞれが抱える秘密と悲しみ、やる瀬無さを感情の赴くままに激突させた会話劇。脚本の面白さはもちろんだが、物語を支えているのは5人の役者達の迫力と緊張感ある演技であろう。
(上演時間1時間15分)

スペキュレイティブ・フィクション!
NICE STALKER
ザ・スズナリ(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了

スペキュレイティブ・フィクション!
NICE STALKER
ザ・スズナリ(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
『本当のSF』なる公演が具体的にはどんな内容となるのか、未知数だらけの観劇でしたが蓋を開ければ予想外にも「学園ラブコメ」!?
これで一気に敷居が低くなるも、当然普通のラブコメであるはずもなくSF研の部員が織りなすSFこじらせ系とでも言えばいいのか。
マメSF論が随所に織り込められて、こんな切り口のラブコメは今まで観たこと無い!
二人を取り巻く登場人物達もパンチが効いて、各々の立ち位置と台詞回しの妙味で着実に笑いをさらっていくのだからもうたまりません。
このまま難儀な恋のスクランブルを見守って、と思いきや何やらオカルトチックな雲行き・・・ちゃっかりSF作品にも仕上がっていたのには驚きました。
ラブコメ&SFのゴールデンコンビ。
SFマニアともなれば、改めてひとつひとつのプロットを検証したくなりそうですが、かなり綿密に練り上げられた構造になっていた事はマニアではない私にもしっかり感じ取れたのでした、お見事!

BABEL
演劇企画 heart more need
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
この大震災から100年も経つと言うのに偏見や差別から逃れられない自分たちに暗澹たる気持ちになりました。それでも、いや、だからこそ今の世に必要な舞台なのだとも思えました。
「登ってた、高い高い塔が崩れかけたとして、そのとき、あんた、飛び降りるかい?それとも、しがみつくかい?」と言う言葉が出てきますが、どう言う比喩なのか私にはわかりませんでした。

The Merchant of ZIPANG
劇団五期会
ABCホール (大阪府)
2021/12/03 (金) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ベニスの商人の中に、
長い時間たまった怨念、男が男への恋心 嫉妬を、盛り込んでいた。
聡明でも、見えない事
足元に無い穴が見える
目が見えない夜鷹に見える。
とても面白かった。

スペキュレイティブ・フィクション!
NICE STALKER
ザ・スズナリ(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★
今回二度目と思っていた劇団だが、こりっちで過去作を見ると近作2つを観ていた。一作目を思い出させる二作目でなかった(作風が違った)故だと思うが、三度目の今回も同様ながら、辛うじて見えた「らしさ」とは、タイムリープやメタシアターを多用した基本荒唐無稽で変キャラ、ジョーク混じりの台詞、アップテンポな作劇の部類であるが、骨格はしっかりした印象、かつ哲学的問いを掘り下げている点である。
最初のはロリコンという性癖を通じて愛の成立について、二つ目はよくは覚えていないが利他主義の成立について、劇を通して思考していた印象。今回はテーマをSFに据え、高校の部活であるSF研究会のSF通の台詞を、非・SF通向けに親切な字幕の注釈を入れながら、これらオカルトや科学的真理といった概念と近接する「知」が、高校の青春ドラマの帰趨に絶妙に絡ませていた。
穿った台詞も一つ二つでなく、荒唐無稽のままで終わらない舞台。

さいはての街の塵の王
尾米タケル之一座
ウッディシアター中目黒(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
もっと「声」を食わせろ。
男に憑りついたその「存在」が食べたがっている「声」はどうやら何でもいいわけではないらしく・・・
そんなふうに匂わせながら物語は流れ流れて全く予想外な場所へと。
何故にこの場所に!?一瞬迷子になった気がしましたが、やがてその理由は紐解かれていくので、戸惑わずにその流れに身を委ねて鑑賞するのが正しかった模様。
ストーリーだけをなぞらえると何とも切なく、孤独に満ちた内容になりそうなところ、個性ぶつかり合う笑いを織り交ぜての軽快な演出、主人公の関西弁(ボケとツッコミで言えばツッコミ!)も加わってライトな空気感。
閉鎖的な苦しみを独自な世界観で調理した珍味な美味しさが後味に広がりました。

クラッシュ・ワルツ
演劇集団池田塾
オメガ東京(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了

ダウト 〜疑いについての寓話
風姿花伝プロデュース
シアター風姿花伝(東京都)
2021/11/29 (月) ~ 2021/12/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
緊迫感がハンパない恐ろしい芝居だった。舞台60年代のアメリカのカトリック男子校。厳格な校長のシスター・アロイシス(那須佐代子)が、生徒にも信者にも人気のある気さくなフリン神父(亀田佳明)に疑いを持つ。生徒にイタズラをしているのではないかと。何の根拠もない。しかし、若いシスター・ジェームス(伊勢佳世)が、校長の疑いに影響され、唯一の黒人生徒ドナルド・ミラーが、神父と二人きりで話した後、様子がおかしかったと報告に来る。
校長は神父を呼び出して問いただす。これも、逡巡し、嫌がるジェームスを説き伏せて同席させて。最初、クリスマス会の話題という口実を持ち出し、人気の雪だるまの歌も異教的だと批判する校長の「不寛容」を神父がネタにするなど、ユーモアもある。
校長の追及に神父は「はっきりさせない方が生徒のためになる」と逃げていたが、ついに折れ、ドナルドがミサで隠れて祭壇のワインをのんでいたのが見つかり、それを庇っていたと説明する。しかし、校長は神父の説明に納得せず、執拗に神父の正体を暴こうと絡みついていく…
血の通った人間なのか、正義と信念だけの塊なのか。厳格な正義と、寛容な優しさとの対決。那須佐代子なので、厳しい校長にも人間味が感じられる。しかし、神父に対する疑いは、言いがかりとしか思えない。不寛容な潔癖さが人間を追い詰めていくのは、魔女狩りの「るつぼ」を思い起こさせた。あるいは罪のない噂から無実の人間が追い詰められて行くリリアン・ヘルマン「子供の時間」とも重なる。アメリカの、左翼作家がこうした主題を度々描くのはなぜだろうか。大衆の誤まれる一方的行動への恐怖を身近に感じることがあるのだろうか。
ドナルドの母と校長のシーンでは、そっとしておいてくれという母親と校長の狙いがぶつかる。ここでも家庭の秘めた事情と、生徒の意外な素顔もわかってきて、一層、校長のやっていることは平穏をかき乱すだけに見える。それでも、校長は神父に「告白しなさい」「学校を出て行きなさい」と追い詰めていく。スリリングな1時間50分だっった。

終末のワルキューレ
「終末のワルキューレ」~The STAGE of Ragnarok~製作委員会
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2021/11/27 (土) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
これは演劇ファンよりもプロレスファン向けのコンテンツ。2.5次元プロレスといった新ジャンル開拓への野望を感じさせる。好きじゃない人には全く評価されないだろう。頭の中で妄想プロレスを展開し楽しめるような人はニヤニヤする筈。山田風太郎の『魔界転生』は死んだ剣豪を全盛期の状態に甦らせての夢のオールスター対決。今作は神話伝説上の神々の代表と全人類の全歴史の代表者が13番勝負で殺し合う。負け越せば人類絶滅のラグナロク(最終闘争)。
ひたすら『少年ジャンプ』バトルが問答無用で展開されるので、そのノリに入り込めないと苦痛。第一戦が余り面白くないので、「これが延々続くのか···」とうんざりした。だが、第二戦に大日本プロレスの関本大介氏が登場してから一気に風向きは変わる。「あ、これはプロレスだ」と合点して素直に楽しめた。後半どんどん面白くなる。
プロの俳優を揃えていてヴィジュアルに金が掛かっている。歌もアクションも小道具も本格的。片手間ではない、創り手の本気の情熱を感じた。
主演の飯窪春菜さんの凛とした美しさ。末っ子妹役、田上(たのうえ)真里奈さんの熱の入った演技。イヴ役新谷姫加さんの天然キャラ。佐々木小次郎役の中河内雅貴(なかがうちまさたか)氏は見事に物語を成立させてみせた。

スペキュレイティブ・フィクション!
NICE STALKER
ザ・スズナリ(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
“スペキュレイティブ・フィクション”なぞという、聞いたこともない言葉がタイトル。SF・理系・そして小難しい言葉が苦手な私は、ついていけるのか?不安であった。SF好きの旦那様のお勧めを読んで頭が絡まってしまうくらい、その手は苦手だったのだが、演技馬鹿は“舞台なら”と思い切って拝見!眠くなることもなく、楽しませて頂いた。うーーんこれならアニメ感覚で面白い(失礼!)個性豊か過ぎる最低限のキャラクターで、無駄なくまとまったストーリー、ひとつひとつの説明が理にかなって聞こえてくる(?)。SFでありながら、青春のほろ苦さや暑苦しさ、十分滲み出ておりました!

スペキュレイティブ・フィクション!
NICE STALKER
ザ・スズナリ(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
観はじめは「青春ラブストーリー」のようで、ちょっと思ってたのと違う、と感じましたが、すすむにつれて数十年前にもやもやしていた心の中を見るようで引き込まれました。
小池志織ちゃんの心からの叫び、泣けました。
性欲オバケの男っぷりに惚れました。
女子高生の娘にぜひ見せたい作品でした。
青春時代に人間関係に悩む子たちがみればなにか響くんじゃないかなぁ・・・。

さいはての街の塵の王
尾米タケル之一座
ウッディシアター中目黒(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い!
チラシの陰気な絵柄、説明から一見 骨太作品と思えるが、演出には軽妙さもありバランスが良い。
塵も積もれば山となる…意味合いは少し違う喩えだが「塵の王」とはそういう事かと納得。さいはての街とは、時代や場所に関係なく渦巻く人間の「想い」を普遍化するような表現にしている。ただ物語を紡ぐにあたって、場所はある程度 特定した処に設定し、現実(人間界)と異界の中で、自分とは何者なのかを探るようだ。その重い「想い」の裏に隠された感情が「辛い」「消えたい」「会いたい」等といった声になる。その感情を顕わにするのも、させるのも人間である。人は人から逃れられないのかもしれない。
(上演時間2時間30分 途中休憩含15分)

マツバラQ
グワィニャオン
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2021/11/24 (水) ~ 2021/11/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
松原の人物像はもうひとつでしたが、
新撰組好きな面々のストーリー、
出版の取り巻く現状もまじえて楽しかったです!

クラッシュ・ワルツ
演劇集団池田塾
オメガ東京(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ホームドラマのようなノリで展開していく会話劇なのですが、かなり重いテーマで唸らされます。タイトルの意味がラストでようやく分かりました。

太陽は飛び去って
Ammo
サンモールスタジオ(東京都)
2021/12/02 (木) ~ 2021/12/08 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/12/02 (木) 19:00
歴史的題材を扱うAmmoが、大正デモクラシーその後、的な作品を上演。130分。面白い。
昭和4年のある1日の出来事(にしては、かなり「濃い」1日)を描く。1場から動きがあり、興味を持って舞台を観ていられるのと同時に、女性解放運動と現実の女性のあり方を見せるともに、現代にも思いをはせる作りになっているのは巧い。女性解放運動を扱うということで、豪華な客演を得て8人の女優が舞台に上がる。女優・男優問わず熱演だが、松本寛子の貫禄に、時の流れを感じてしまった(8人の中で最も古くから観ている女優さん)。使用人を演じた田中千佳子・福永理未の2人が流れを見つめる役割を担っているようにも感じた。

嫉妬深子の嫉妬深い日々
U-33project
インディペンデントシアターOji(東京都)
2021/11/26 (金) ~ 2021/11/30 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
隣の芝生は青く見える、的なことも嫉妬なら、
誰もが持っている感情だと思うので、共感できる部分もありながらの、
女性だけのステージ、華やかで面白かったです!
話に入り込むというよりは、客観的に観れる演出も良かったかな⁉︎

太陽は飛び去って
Ammo
サンモールスタジオ(東京都)
2021/12/02 (木) ~ 2021/12/08 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/12/02 (木) 19:00
舞台は1929年。
平塚らいてう去し後の婦人運動家たちをとりまく1日の物語。
なんとまあ濃い1日でしょうか。
女性たちの理想と希望と、そこへ到達するための目的と手段。
喧喧囂囂と主張する女性たちの強く美しいこと。
そして、当時の価値観では「正しい男性像」であった男性陣や、使用人女性や子爵夫人や女学生の、それぞれの思いや振る舞いが、女性解放とは何か、フェミニズムとは何かを考えさせられる。
当日配られる「用語集」に目を通してから観劇することを強くおすすめする。(たとえば、「無産運動」の「無産」とは、子を産まないことではなく、労働者階級のことだったりするので)
美術と衣装がいい。
カラーパンフレットの衣装さんのインタビュー記事はとても面白かった。(カラーパンフの人物相関図もわかりやすくていい)
過去を生きた彼女たちの先に私たちが居て、更にこの先を生きる女性たちを思う。
良い舞台でした。

BABEL
演劇企画 heart more need
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
芝居屋風雷紡の吉水恭子氏の力作。仕事を中抜けして観に行った甲斐があった。渦中の中ではデマに翻弄され正気を失う。これは昔も今も変わらない。多くの人に観て欲しい。