映像鑑賞
満足度★★★★
今回二度目と思っていた劇団だが、こりっちで過去作を見ると近作2つを観ていた。一作目を思い出させる二作目でなかった(作風が違った)故だと思うが、三度目の今回も同様ながら、辛うじて見えた「らしさ」とは、タイムリープやメタシアターを多用した基本荒唐無稽で変キャラ、ジョーク混じりの台詞、アップテンポな作劇の部類であるが、骨格はしっかりした印象、かつ哲学的問いを掘り下げている点である。
最初のはロリコンという性癖を通じて愛の成立について、二つ目はよくは覚えていないが利他主義の成立について、劇を通して思考していた印象。今回はテーマをSFに据え、高校の部活であるSF研究会のSF通の台詞を、非・SF通向けに親切な字幕の注釈を入れながら、これらオカルトや科学的真理といった概念と近接する「知」が、高校の青春ドラマの帰趨に絶妙に絡ませていた。
穿った台詞も一つ二つでなく、荒唐無稽のままで終わらない舞台。