
アルトゥロ・ウイの興隆【1月13日~14日公演中止】
KAAT神奈川芸術劇場
KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)
2021/11/14 (日) ~ 2021/12/03 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
白井晃はKAATの芸術監督を務めている間にブレヒトの代表作を次々に取り上げた。これは最後の作品で、主役・草彅剛の人気と相まってもっとも当たった。現代的な無機的な抽象性を前面に出して展開する白井の舞台の特色がよく出た作品で、二年ぶりの再演だ。地方を含めほぼ2月に及ぶ長期公演だが、既にチケットはほとんど売れている。見た回も完売。
シカゴのやくざ者のウイが卑劣な手段を尽くし、仲間を裏切り,専制者に成り上がっていくブレヒト劇は、今回は一段とショーアップされている。
舞台上段の松尾諭に率いられたオーサカ・モノレールが演奏する主にジェームスブラウンの扇情的な迫力のあるサウンドで終始舞台は進行する。ウイを演じる草彅剛が踊り、歌など全身の表現で舞台を支配する。赤と黒でまとめた尖った舞台美術と衣装で有無を言わせない力量感が舞台から押し寄せてくる。
確かに、ブレヒトの舞台らしく、エピソードは字幕をつないで見せていくが、舞台から与えられるのは圧倒的なショーの力で、しかも、完成度も高い。80分づつの二幕に休憩が20分。見る方もくたびれるが、実によく出来ているのだ。キャスト、スタッフ、いう事なしの出来なのだが、それに反して、一観客としては、これは意外にもブレヒトの意図とはかなり遠い所へ来てしまったという印象はぬぐえない。パンフレットを読むと、白井はこれは現在の日本の政治状況に対する問題提起だと言っているから、ブレヒトの意図を曲げているとは思はないが、現実にはどうだろうか。
草彅剛のようなタレントイメージの固定している俳優を使う危険性は、そこに潜んでいるように思う。彼の熱演はおおいに評価できるし、いわゆる「いい人」イメージの俳優を使うというのはなかなかいいキャスティングとは思うが、時にウイが舞台から観客に同調を求めると、多くの観客は草薙に乗ってしまう。ブレヒトのいうように舞台を客観的、批評的に見るなどという事は観客には難しくなってしまう。俳優の生の力が80年前に書かれた戯曲を踏み越えてしまうのだ。それも、演劇の役割を果たすことになると、白井は言うが、それは危うい、と戦前生まれの筆者は思うのだ。
これは演劇と政治という問題に繋がっていって、簡単に言えないが、演劇の批評性、などという事は、戦後の時期にしきりに俳優座がブレヒトを取り上げていた時代とは環境が大きく変わってしまっていることをまざまざと感じることになった。

わが町 高円寺 子ども食堂
演劇なかま高円寺
座・高円寺2(東京都)
2021/11/20 (土) ~ 2021/11/21 (日)公演終了

IN HER THIRTIES 2021
TOKYO PLAYERS COLLECTION
サンモールスタジオ(東京都)
2021/11/17 (水) ~ 2021/11/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
上野友之の名作が時代と共にどんどん進化していく。
身長もタイプも全く違う10人の女優がひとりの女性の30代を1年ずつ担当して演ずる、この不可能と思える試みに見事に成功して新しい演劇スタイルを作り出した歴史的作品だと思う。
もし未来の自分に会えたら聞きたいことがあるし、過去の自分に会えたら言っておきたいことがある。それらを舞台上で実現して心に沁みいるドラマに昇華させた。
この物語は劇的な何かが起こるわけではない。大どんでん返しがあるわけではない。平凡な女性の悲劇でもない、喜劇でもない等身大の人生を丁寧に振り返りながら、それでもここまで心に響くのは驚くべきことだ。
登場する女優陣が全員魅力的だったことも付け加えておきたい。
それにしても上野友之は女性を描かせたら本当に上手い。

女心と関ケ原
SPPTテエイパーズハウス
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2021/11/18 (木) ~ 2021/11/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
一見、書けない歴史時代(女好き)小説家、霧島蒼龍の創作活動とそれを手伝う編集社のドタバタコメディのようであるが、そこに登場人物の心情を絡ませ味わい深く描いた佳作。歴史時代小説家シリーズ第二弾ということもあり、前作の創作光景を映像で見せる工夫。それもサイレントで弁士に語らせるという手法が面白い。
(上演時間2時間 途中休憩なし)

ME AND MY LITTLE ASSHOLE
藤原たまえプロデュース
シアター711(東京都)
2021/11/17 (水) ~ 2021/11/21 (日)公演終了

シアトルのフクシマ・サケ(仮)
燐光群
座・高円寺1(東京都)
2021/11/19 (金) ~ 2021/11/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
さて今回は、今作のタイトルをどのように読むか? から始めよう。作家の念が込められたタイトルであることは歴然としているだろうからである。読みは「シアトルのフクシマ・サケ カッコカダイカッコトジル」と読む。つまり(仮)は変更の可能性があるかも知れないので付いている訳では無く正式なタイトルの一部なのである。その理由が何か? については作品を実際に観てお確かめ頂きたい。(華5つ☆)ベシミル! 追記後送

『落選の神様』
虚空旅団
AI・HALL(兵庫県)
2021/11/19 (金) ~ 2021/11/22 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
信念を貫く人の中の力強さ、感じました。生きづらい世の中になりましたが、お芝居等あるから、元気をもらったり、刺激されたりして感謝です。
アイホールは観やすくて良い所です、元気をくれる場所を続けてくれます様に願います。
お芝居観られてありがとう。

天晴-アッパレ-
清典自主公演
世界館(大阪府)
2021/11/20 (土) ~ 2021/11/20 (土)公演終了
実演鑑賞
「全力エン殺陣イメント」との表現に惹かれたので、出演者キャスト等も確認せずに観てきました。
前評価通り、殺陣・アクション共にエンタメ感を楽しめました。
カーテンコールも、演者・客共々全力で楽しむ演出感が素敵でした。
ほぼノンバーバル(声は録音?コロナ対策?)で全編観終わってから話の筋を脳内で変換理解しました。
複雑な内容では有りませんでしたが、出来れば大筋が最初に解ってると更に楽しめたかな?と言う感じでした。
(私の理解力が乏しいだけと思いますが)

女心と関ケ原
SPPTテエイパーズハウス
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2021/11/18 (木) ~ 2021/11/21 (日)公演終了

女心と関ケ原
SPPTテエイパーズハウス
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2021/11/18 (木) ~ 2021/11/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
さすがに実績のある劇団さんですので,安心して観ることのできる公演でした。でも,一方で予定調和というか,観ていてドキドキするような衝撃の展開はなく,その点だけは物足りなかったです。シリーズものですが,これまでのあらすじも弁士が映像と共に紹介してくれますので,すんなりと物語に入っていけます。キャラクターも良く,総合して面白い芝居でした。

ROOKIES
舞台「ROOKIES」製作委員会
THEATRE1010(東京都)
2021/11/18 (木) ~ 2021/11/23 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/11/20 (土) 12:00
川藤が生徒に投げ込むストレートな言葉にこちらの胸も熱くなる。ヌケてる所は可愛くて、夢に真剣な眼差しや実は強い(喧嘩もね)その差にゾクゾクする。とにかくカッコいい!先生も生徒も!!
舞台にグラウンドが球が見えた。
迷ってる方は是非観て欲しい。

ROOKIES
舞台「ROOKIES」製作委員会
THEATRE1010(東京都)
2021/11/18 (木) ~ 2021/11/23 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
川藤が生徒に投げ込むストレートな言葉にこちらの胸も熱くなる。ヌケてる所は可愛くて、夢に真剣な眼差しや実は強い(喧嘩もね)その差にゾクゾクする。とにかくカッコいい!先生も生徒も!!
舞台にグラウンドが球が見えた。
迷ってる方は是非観て欲しい。

恐怖!スタニスラフスキー合宿2021
中央大学第二演劇研究会
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2021/11/18 (木) ~ 2021/11/21 (日)公演終了

わが町 高円寺 子ども食堂
演劇なかま高円寺
座・高円寺2(東京都)
2021/11/20 (土) ~ 2021/11/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
これは面白い。休憩無しの三幕。第一幕は1989年(平成元年)、第二幕は2014年、第三幕は2020年。
言う事を聞かない犬と散歩する坂口さん役の大村敏氏がこの劇団のシンボルキャラクターで、綱だけを手に持ち右往左往してみせる。下手で生演奏の尼理愛子さん。薩摩琵琶と鳴り物となっているが、見たこともない寸胴鍋のような物を奏で続けている。見事に不思議な空間を醸成。
井上秋音さんが桃園川の河童として、この世界(高円寺界隈)のガイドを務める。語られるのはゲーム好きの少年一家と、かなりドギツい母親に追い詰められている少女の一家。母親に罵倒され続ける少女役、池田愛花さんは薄幸そうで嵌り役。
第二幕になると、河童は清水のりこさんに交代。それぞれの一家のその後が語られる。芸歴64年の林与一氏がさすらいの天才料理人として登場。林与一氏は一人語りのオチで「なーんだ、ここは大根畑かよ。」とメタギャグ。その林氏と大村敏氏の対決を密かに心待ちしていたのだが叶わず。更に第三幕は誰も予想がつかない展開に。構成は無茶苦茶なのだが、筋の通った思索に感心。ソーントン・ワイルダーなんか何の関係もないだろう。イカれているがこれはアリ。
会場で開催されている展覧会も良かった。出演者でもある武蔵氏のアクリル絵画や五味岩夫氏の水彩画、村山理世氏の写真展。是非足を運んで頂きたい。

天邪鬼
劇団三日月座
横浜国立大学 第一食堂裏(神奈川県)
2021/11/19 (金) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

ガラクタ
TRASHMASTERS
駅前劇場(東京都)
2021/11/19 (金) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

恐怖!スタニスラフスキー合宿2021
中央大学第二演劇研究会
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2021/11/18 (木) ~ 2021/11/21 (日)公演終了

水の精
MAG-MELL
アレイホール(東京都)
2021/11/20 (土) ~ 2021/11/20 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
とても間近にクラッシックコンサート堪能しました。衣装も可愛くてとてもよかったです。
大きなホールのも、たまに聴きに行きますが、本日のもとてもよかったです。
次回も是非にうかがいたいとおもいました。頑張ってくださいね

ME AND MY LITTLE ASSHOLE
藤原たまえプロデュース
シアター711(東京都)
2021/11/17 (水) ~ 2021/11/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
さすが、藤原さんプロデュース❗期待を裏切らない面白さでした。まさに、こう来たか❗という感じ。お笑い要素満載なのに、心にもちゃんと響いて。ほんのり心が暖かくなる場面もあり、よかったです。役者の皆さんの演技もとてもよかったです

贋作 罪と罰
Theater Project Koa
YES THEATER(大阪府)
2021/11/20 (土) ~ 2021/11/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
野田秀樹氏のお芝居は「難解」なイメージがあるんやけどこの作品は比較的分かりやすいエンタメ活劇なんで楽しめました☆とはいえ主人公の行動や感情の揺れ動きはやはり難しい本だなという印象も受けました★その主人公を演じた樋口みどりこさんの演技が凄まじかった!あの普通じゃない感情の持ち主を見事に演じ上げて役に説得力を吹き込んでくれました!お見事でした☆
殺陣アクションだけじゃなく華やかなダンスシーンもあり視覚的にも楽しめるお芝居でした♪