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「流れる」と「光環(コロナ)」

「流れる」と「光環(コロナ)」

劇団あはひ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/04/03 (日) ~ 2022/04/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ネタばれ

ネタバレBOX

劇団あはひ『流れる〜能 “隅田川より”』を観劇。

隅田川のほとりで渡し船の出発を待っている松尾芭蕉と弟子がいる。
側には乗船チケットを買い損ねた女性もいて、船頭の息子アトム(ロボットの様な少年)が母親を探し回って辺りをウロウロしている。
どうやら隅田川ではこの時期に子供が二回も亡くなっているようだ。
さて船は何時出発するのだろう?

能の隅田川を下敷きに、鉄腕アトムと松尾芭蕉という奇妙な顔合わせで物語が進んでいく。女性は隅田川の役どころの狂女であり、隅田川で亡くなった子供を船頭がロボットとして生き返らせ、アトムは女性が失った子供の生写しの様だ。
様々な人物と能の融合?という点は興味深いが、隅田川という物語を知っていれば展開を掘り下げられたのだが、全く知らないのだ。
能と鉄腕アトムと松尾芭蕉の知識がないと単なる会話の風景を見ているにしか過ぎないと思う観客は沢山いただろう。着眼点は面白いのだが物語でしか叶わない人物の融合が「ただ出会っただけ?」になっている。
その出会いで何かを読み解くのが観客の役目?とも言っている様だが、それは劇作家の役目でしょう。
比較するのはナンセンスだが、源氏物語の六条御息所を下敷きにした野田秀樹「ダイバー」第七病棟「ふたりの女」の衝撃を思い出してしまうのは今作の不満の現れだ...。
『サロメ奇譚』

『サロメ奇譚』

梅田芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/03/21 (月) ~ 2022/03/31 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ペヤンヌ・マキの新作という事で発売後速攻予約していた。観劇前に発券をしたチケットの価格を見て思わずおやまァであったが、サロメ役が朝海ひかるだと遠目で判らず後で気づいた時もおやまァ、であった。この舞台は話を日本の風俗界に置き換えたのみでほぼ「サロメ」であった。
O・ワイルドの翻訳を随分前に読んだ時は、話のシンプルさと残酷さに得も言われぬ感覚を味わった。接吻をしたいから預言者の首を切ろ、とはどういう心理が言わせる台詞か・・自分の知識や経験を総動員したがサロメの「心」のカタチは想像の外。ただ、「人間を信じるべき」とは願望に過ぎず人間の肯定的な可能性を保証する根拠など無い、という真実を突きつけられたのは間違いなく、つまりサロメは擦れた成人ではなくもっと無垢な存在と理解した。
本作でもサロメは箱入り娘(母の)で生娘で、恋を知らず達観した氷のような透明な顔で佇む女性が預言者ヨカナーンを見た瞬間(正確には声を聞いた瞬間)初めて時めく少女となる。だが翻案に難があり、残酷さへ収斂して行かない。
この翻案はヘロデに当る人物を「風俗王」即ち界隈の実力者に過ぎない者とし、古代の国王(ローマ帝国支配下の一地方の総督に過ぎないにしても)とは権力の桁が違う。この桁違いの所へ持ってきて、ベンガル演じる王は兄を殺して社長の座に就いた事になっていながらそれは後妻となった元兄の妻(松永玲子)にそそのかされたからだという。ハムレットさながらの悪役かと思いきや、芝居の冒頭では絶対権力者的に振舞っていながら途中から弱々しくなる。後妻の前で臆面もなくその娘に色目を使い、それが公然と許されるような権力が現前していてこそ、サロメの要求は王を打ちのめす残酷なものになるのに。。「サロメ」の要素が殆どであるこの舞台では、翻案がそのエッセンスを薄めただけになってしまった。(強い原作をいじる難しさに正に直面したという事ではないかと勝手に想像。)
朝海ひかるのサロメは無垢な娘に見えづらかったが(風貌はともかく動きや踊りが)、コメディ調を狙えばそうなるだろうとも。
だがコメディ要素を入れるなら、それと残酷劇とを峻別し、大胆に転換する、あるいは原作を徹底的に茶化してパロディるか、どちらかに寄れなかったな、というのが正直な感想。ゴージャスな舞台ではあったが。

かもめ

かもめ

Art-Loving

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2022/03/24 (木) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「親の顔」でお馴染み?のユニットによる常小屋でのチェーホフ。「かもめ」はストーリーも知っており既視感もあるが観たという記録がなく、もしや初めてかも知れぬ(大幅翻案したものは観ている)。
とは言ってもやはり古典作品である本作、「比較」しつつの鑑賞となる。ただし対象は自分の中のイメージ(記憶も自分のアレンジが入ったイメージという事になるが)。名作の「再現」にとどまらず十分に咀嚼し手を加えた痕跡がそこここにあり、「味付け」という語を用いるなら創作料理に近い独自な仕上がりと感知させながら、原作からは決して外れていない「飲み込める」演出であった。
会場であるプラザソルは劇世界を作るのにちょうど良くない劇場という印象が強くあったのだが(実際この舞台でも上下のはけまでの距離が若干難点ではあったが)それを忘れる程役者の作る「場」の緊迫感に釘付けになっていた。
だがひねくれ者の私は、人物個々の感情=人間の状態の掘り下げ、そして大胆な具現においてここまで肉薄し、二時間を疾走した舞台にしては・・と思う。後を引く余韻が手からこぼれて薄らぐ理由は何かと考えるのだ。
舞台の快楽は十二分に味わい文句は無いが、この感覚は何かと考えている自分が居る。今は言葉にならないが。

三大劇作家、逮捕される!

三大劇作家、逮捕される!

工藤俊作プロデュース プロジェクトKUTO-10

小劇場B1(東京都)

2022/03/22 (火) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

工藤俊作プロデュースを初観劇。後藤ひろひと、内藤裕敬、もう一名不知の作家と中々観れなかった関西三劇作家の作をまとめ見でき、工藤俊作Pなるユニットの正体も・・と興味津々で下北沢B1へ赴いた。オープニングと三作品の間とエンディングは三作家が生で出てきて半お芝居的に繋ぎ、体験談トーク的な時間もありサービス満点で「全部盛らなきゃ気が済まない」後藤氏の指向?と推されると共に、関西風も感じる。
作家三名は一応「刑事」として登場する。このたび事件を起こして逮捕されたのは劇作家であるにつき、演劇人なる人種を我々は知る必要がある、なんぞと真顔で話し、三つの短編が順次上演される。俳優は工藤氏を含めた関西役者ら(と思う)が動員され(役数の関係で全部に出ない人もあるが)、傾向の異なる三作品が十全に、面白く演られていた。タイトル縛りで演劇を作る側の理屈や事情、演劇あるあるに言及して笑わせながら、演劇愛を噛みしめる公演。
工藤俊作Pが毎度こういった公演を打っているのか、関西寄りなのか(今回たまたまなのか)等については不明のまま。

もはやしずか

もはやしずか

アミューズ

シアタートラム(東京都)

2022/04/02 (土) ~ 2022/04/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

子ども時代に、自閉症スペクトラムの弟を事故で亡くした康二(こうじ=橋本淳)。冒頭、幼時のその時の情景から始まり、場面は現在に飛ぶ。互いに30過ぎの康二は妻麻衣(黒木華)の妊活に協力しているが、二人はどこか仮面夫婦のようでぎこちない。康二が煙草を隠し持っているのをしって、「やめるっていったじゃない」と責める麻衣。麻衣が精子提供を受けてることを見つけても、知らんぷりをつづける康二。麻衣は妊娠したが、出征前診断で障害を持つ可能性が「2分の1」と言われ、二人の間の亀裂は決定的になる。そして……。

自己弁護やその場しのぎの合間に本音が垣間見える、ひりひりするような口語演劇。何かをずっと胸に秘めての責め合いは心理サスペンスのようだ。妊活や性欲をめぐるえぐい話もあり、まさに他人の家をのぞき見するようなリアリティー。
麻衣は子どもを持ちたいと一途で、康二と結婚したのも、何もかも子ども中心。行き過ぎでついていけないところがあるが、それはそれで筋が通っている。実は康二は、自分のことで精いっぱいで、麻衣のそこがわかっていない。そのためにに起きるずれ、すれ違いは、表面の何気なさに反して、根は深い。

二人の熱演、精密で生々しいセリフのやりとりが光る。康二の母を演じた安達祐実も、怒ったり、イライラしたり、悲しんだりの感情表現が素晴らしかった。
弟の保育園の先生(藤谷理子)の、言葉は明瞭なのに内容のない話しぶり、自分の発言の支離滅裂に対する無自覚ぶりもすごい。ここまでひどいのはないけど、でも似たことはどこにでもありそうで怖かった。

ネタバレBOX

パンフレットに山内ケンジが書いている。平田オリザ以来の、語尾を濁したり、無意味な間投詞が多かったりの、現代口語演劇を受け継ぐ、加藤拓也の戯曲と演出。誰もがぼそぼそとつぶやくようにしゃべる。これは今の小劇場なら多い。そこから、最後に飛躍が起きるところが今回の芝居のかなめになる。

子どもが生まれた後の復縁を麻衣が、康二の両親つれて、迫りに来るところ(これも「子供には父親が必要だから」と、子ども優先の都合にすぎない)。康二が弟が事故で死んでからの、自分のトラウマと、それが故の子供を持つ不安を明確に論理的にしっかり語る。なるほど、山内ケンジが言うように、二つの対極的な語り口を、無理なく一つの作品に溶かし込んだのはさすがである。
民衆の敵

民衆の敵

ハツビロコウ

小劇場B1(東京都)

2022/03/29 (火) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

原作も映画も見てはいないのだけれと、粗筋は知っていました。

昔、広瀬隆の講演会に行って、最後に髭面の男の写真を見せて「有名な俳優ですが、誰だかわかりますか?」とクイズを出しました。
私はたまたま知っていたので、手を挙げて「スティーブ・マックイーン」と答えたのです。それから広瀬氏が粗筋を話した、なんてことが有ったので。

ネタバレBOX

主人公をドン・キホーテ的に描いたのがミソ、なのかな?

一度も選挙に行ったことがなく、ノンポリを批判されていた船長が一番冷静でまともだったことが印象的。
メリー・ポピンズ【3月26日~30日公演中止】

メリー・ポピンズ【3月26日~30日公演中止】

ホリプロ/東宝/TBS/梅田芸術劇場

東急シアターオーブ(東京都)

2022/03/20 (日) ~ 2022/05/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2018年の初演(平原綾香)に続いての観劇。笹本玲奈の回を見ましたが、4年前以上に素晴らしかった。歌も踊りも美術も衣装も、一層ブラッシュアップされたのでは。全体で3回あるメリー・ポピンズが空中を歩く演出はやはり、ファンタジーを盛り上げます。
今回は、おなじみの「チムチムチェリー」、「スーパーカリフラ…」以外の、曲の良さに気づけました。「どくに「鳥に餌を」のバラードでしみじみし、「どんなことだってできる」のポジティブさに励まされる。「ステップ・イン・タイム」(曲調は「スパカリ」と共通点がある)のタップダンスは圧巻。
また、子供も楽しめるファンタジーだけではないことがこのミュージカルのみそ。厳格な父親が、見失いつつあった家族の大切さに目覚める大人のドラマに心打たれます。

「流れる」と「光環(コロナ)」

「流れる」と「光環(コロナ)」

劇団あはひ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/04/03 (日) ~ 2022/04/10 (日)公演終了

実演鑑賞

「流れる」を。
80年代の小劇場で、気取った、お洒落な、シュールな、こんな感じの劇を見た気がするなあ。

なんとなく幸せだった2022

なんとなく幸せだった2022

かるがも団地

北とぴあ カナリアホール(東京都)

2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ゆるくみてくださいと言っていたのだけど、後半は苦味ばしっていてとても面白く拝見しました。
サリバン先生は難しかったけど、所々のギャグも面白かった。

ながいながいアマビエのはなし

ながいながいアマビエのはなし

劇団 枕返し

小劇場メルシアーク神楽坂(東京都)

2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

千秋楽観させてもらいました。
二人の兄妹のアマビエの頼りないところが、とてもうけました。今のご時世何かにすがりたいですよね。あーぁ。起死回生のアマビエを❗️
変わった演出で、一時間で凝縮されてたので、観やすかったです。
有難うございました。

ネタバレBOX

微妙なアマビエが、面白かったです。服装が緑色だったので、カッパ(河童)にも見えました。
マクベス

マクベス

劇団往来

近鉄アート館(大阪府)

2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

満足度★★★

今回は往来(この劇団)らしくなかった。内容と大道具が特に…😢時間も100分と、マクベスをこの時間でするのは、無理がある。期待はずれでした。

「ペーター・ストックマン」~「人民の敵」より

「ペーター・ストックマン」~「人民の敵」より

名取事務所

吉祥寺シアター(東京都)

2022/02/19 (土) ~ 2022/02/27 (日)公演終了

映像鑑賞

こちらはこちらで面白かったです。「人民が敵」になってしまうんですね。
劇場で見たかったです。

海街diary

海街diary

“STRAYDOG”

シアターサンモール(東京都)

2022/03/30 (水) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

当時、映画は観た。綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず四姉妹に母親役は大竹しのぶ。広瀬すずのイメージ・フィルムみたいな感じの記憶。(是枝裕和監督はアイドルの箔付けみたいな仕事ばかりやっている印象)。
今回の舞台は、花奈澪さん、須藤茉麻さん、後藤萌咲(もえ)さん、KANOさん四姉妹に母親役は芳本美代子さん。キャスティングが絶妙で、その時点で勝ちは見えている。
花奈澪ファン感謝祭を思わせるようなコスプレ祭り。喪服、ナース服、チアガール、浴衣・・・。ますます綺麗になっているように見えた。更にファンは増えるだろう。須藤茉麻さんはナイスバディを仕上げてサバサバ系女子を好演。後藤萌咲さんが自然で驚く程良かった。わざとらしさがない。KANOさんは高畑充希っぽく手堅い。いつの間にやら渋い助演女優になっていた、みっちょんも見せ場を作る。
特筆すべきはカマドウマの存在で、話の進行が停滞し行き詰まるタイミングで発生。このアイディアとセンスが森岡利行監督の真骨頂。「ああ、そんな手があったか?」と同業者は感嘆する筈。ここを思い付くのと付かないのとは雲泥の差。
姉妹ユニット『Les.R』(レ・アール)の生演奏が舞台上段で奏でられ見事。ドジ看護師アライ役の高野渚さんが観客を泣かせる名シーンを披露。この人、やるな。

父親が浮気から離婚、ニ年後母親も男を作り、祖母に子供達を押し付けて出て行った。母親代わりとなった長女花奈澪さんは看護師となって鎌倉の広く古い屋敷を切り盛りする。次女の須藤茉麻さんは信用金庫に勤めるも恋愛依存症体質、三女の後藤萌咲さんは勤務先の店長とデキている。ある日出て行った父親の訃報が届く。身寄りのなくなった再婚相手の娘、KANOさんを四女として引き取る事にする花奈澪さんだったが・・・。

大阪公演もあるのでお薦め。映画を観ておいた方が更に楽しめるかも。花奈澪さんの演技は本当に素晴らしい。

ネタバレBOX

KANOさんが完全無欠のスーパー美少女なのが勿体無い。家族と故郷を失い、見知らぬ他人との同居生活の日々に戸惑い孤独を噛み締めつつも、いつの日にかこここそが自分自身の生きる場所だったと気が付く過程が重要。彼女のエピソードが情報の羅列で余り意味を為さない。

『リトル・フォレスト』もこの流れで舞台化出来そう。(韓国版の方が良い)。
STRAYDOGは階戸瑠李さんが亡くなってから、久し振りに観た。
FLAG MAN

FLAG MAN

@emotion

上野ストアハウス(東京都)

2021/09/15 (水) ~ 2021/09/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

個人的に、超好みでした。

どこかにあるかも知れない世界のお話で、
設定も十分に想像出来る範囲で、
出てくるキャラクター達もとても魅力的でした。

酒場で踊り出すシーンや、オルゴールをモチーフにした動き、
そして観客に向けた不器用なほどに、どストレートなエール。

ファンタジー過ぎず、でも夢の中で見たような、
そして、パタッとオルゴールが閉じてEND…好きでした!

民衆の敵

民衆の敵

ハツビロコウ

小劇場B1(東京都)

2022/03/29 (火) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

このところ立て続けに「正義とは何か?」的な舞台を観ているけど、やっぱりイプセンはすごい
ことはそう簡単ではない
畳み込まれるようにして考えさせられ唸ってしまった
大衆民主主義(衆愚政治)に対する痛烈な批判ともとれる
主演の橋本一郎熱演
高田賢一と松本光生がいい味出していた

マがあく

マがあく

シラカン

STスポット(神奈川県)

2022/03/30 (水) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

 STスポットのお馴染みの白い立方体の空間。あるアパートの空室をめぐるお話です。床に並べられた小さなドミノによって、その部屋の輪郭が縁取られています。劇場のなかに箱庭があると言えばいいでしょうか。部屋の中が主な演技スペースなので、ドミノをひとつ倒すだけで総崩れになるかも…というスリリングな空気が持続しました。また、ドミノは子供の遊戯、崩壊の連鎖、脆弱な境界線、人間の創作物の儚さ、虚しさなどを想像させました。

 登場するのは6人の若い男女です。残念ながら演技がおぼつかないのと、繰り出される会話がだいたい破綻しているため、一体何をやりたいのかな…と探り探り眺める時間がほとんどだったのですが、終盤に入って予想外の人物(?)が登場して状況が一変。全員野球のような総力戦状態になり集中できました。ロシアによる侵攻で始まったウクライナ戦争から約1か月の時期だったこともあり、空き室をめぐる争いを領土問題とも捉えられました。

 上演時間は約1時間10分。当日パンフレットに配役と出演者名が載っていましたが、登場人物の名前をおぼえられなかったので誰が何の役なのかわからず…。配役にどういう人物なのかわかる簡単な説明が欲しかったですね。ネタバレを避けるのが難しいかもしれませんが。

ネタバレBOX

 若い女性が同性の友達を連れて、次の引っ越し先である激安の賃貸用ワンルームに下見に来たところ、見知らぬ不動産屋が内覧者を連れて入ってきます。この部屋に住むのは誰かと言い争ううちに、隣に住む大家の若い男性がやってきて権力を振りかざし、さらにはずっと以前からその部屋を勝手に使っていたらしい、筋肉質な若い男性も登場。カオスになります。

 「空き部屋だから不法侵入ではない」「仲介業者にしか賃貸契約はできない」「部屋は人が住むものだから居てもいい」「先に住んだ者に所有権がある」「この部屋を一番愛する者に住む権利がある」「一番高い家賃を払う者に貸す」「部屋は大家のもの」など、部屋の「所有」や「居住」について暴論をぶつけ合います。非論理的で支離滅裂な主張をごり押ししたり、我田引水の開き直りをしたり…滑稽です。

 開場時間から舞台の床にうつ伏せに寝転がっていた男性が、空き部屋にかなり長く住んでいた人物でした。風呂からあがった筋肉隆々の男性が半裸で登場したのには、かなりのインパクトがあり、驚いた女性がつぶやいた「(突然出てきて怖いけど)マッチョだからオバケじゃない」に笑いました。若い男性の鍛えられた身体は、しのごの言わせない権威というか…太刀打ちできない暴力性がありますね。一番の権力者だったはずの大家(金持ちのボンボン)が彼にひれ伏してしまい、強者と弱者の力関係が明白になりました。

 部屋の玄関のドアは装置ではなく、マイムで開閉します。開閉音は生声でなくスピーカーから聞こえており、音響効果かと思いきや、それは擬人化された“部屋”の声でした。部屋が人間に話しかけるなんて…ワケありすぎ物件(笑)。“部屋”は「誰かに住んでもらいたい」と切望しますが、怖くて誰も住みたくなくなっちゃった…。怒った“部屋”は6人を閉じ込め、部屋の温度が上がっていきます。慌てた6人は“部屋”の気持ちを知るために“部屋”になってみようとします。扇風機になったり、エアコンになったり…俳優が無心に物体のマイムをするのは、かなり変な風景です(笑)。すると“部屋”の気が済んだのか、ドアが開き、6人とも部屋を出られました。

 なんとも不思議な感触の舞台で、終演した時はよく咀嚼できていなかったのですが、当日パンフレットに掲載されていた作・演出の西岳さんの言葉どおり、翌朝にこのお芝居について反芻しました。最後に示されていたのは、無心に他者になってみることによる相互理解だったのでは…と思い当たりました。それは「他者を演じてみせる」という俳優の仕事そのものです。私が俳優を職業にしている方々のことが大好きで、尊敬してやまない理由に気づかせてもらえました。ありがとうございました!
 改めて、ドミノで境界線をかたどる舞台美術の効果は絶大だったと思います。
画素数の低い愛

画素数の低い愛

コルバタ

シアターブラッツ(東京都)

2022/03/30 (水) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最初から最後まで見逃せない、早く先の展開を知りたくなるような、そんな作品

なんとなく幸せだった2022

なんとなく幸せだった2022

かるがも団地

北とぴあ カナリアホール(東京都)

2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

遠さんのパワフルアクション、宮野さんの有象無象役が見事にハマっていて良き舞台です

民衆の敵

民衆の敵

ハツビロコウ

小劇場B1(東京都)

2022/03/29 (火) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

イプセンのこの作品が傑作であることをよくわからせてくれる舞台

ちろうに検診

ちろうに検診

Peachboys

サンモールスタジオ(東京都)

2022/03/30 (水) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/04/02 (土)

価格3,800円

宝塚歌劇と同じく、芝居とレヴューの二部構成。

毎年たのしみにしている舞台。
この人たちの演っていることは、一般的な舞台とは全く違う。だから、ここでしか体感できない。
よくありがちなテーマや主張、って言うか作品自体をブン投げて、個々の俳優の限界を晒してる感じ。
料理でいうと、かなりスパイスが効いてるんだけど、素材の味がちゃんと判るみたいな。
普通は、東出みたいなのが紛れ込んで味を悪くしちまうもんだけども…。
よくも、このメンバーを集めたものだと感心してます。

すんごいシュールで歳甲斐のないことを演ってんだけど、新国や帝劇あたりの「キザ」な舞台も霞む原始的な魅力がある。
毎回、どんな役とも、またどんな客席ともがっぷり四ツに組む攻めの姿勢は、いち観客として心から敬服しますね。

まだ完成度は低いけど、レヴューは将来的には強力な武器になりますよー。
せっかく階段があるなら、もっと活用しよう!
ヅカファンとしてのアドバイスは、レヴューやるならミラーボールを用意しよう!
あれ一個あるだけで、空気がガラッと変えられるから。なんなら芝居でも使えるし。

今回の殊勲賞は、馬場史子と島田雅之だね。
もはや恥の概念を完全に喪失している馬場と、舞台上のカロリー消費量が一番の島田。
毎回、付け合わせ的な立ち位置なんだけど、観客の集中力が逃げないようにしっかりアシストしていてお見事。

山田健太郎の「初心LOVE」も、沁みたなぁ〜。
オッサンが唄うと、なんだか若者への応援歌に聴こえるから不思議…

園田シンジは、中華人民共和国ならその場で射殺だね。

ネタバレBOX

昭和のセールスマンの雰囲気ただよう三宅法仁のお馴染みの前説でスタート。
観客の懐中に入る前説で、爆笑の渦。

例の如く記者会見で時事ネタ茶化して、暗転。
暗転明けて現れたGOが歳とってて、個人的に爆笑。
そうだ、そうだった「童貞の20歳だったかれらも、いよいよ童貞の35歳になっていた」とチラシにあったではないか。

そのあと、キンタマが一個獲られただのと、内閣官房を巻き込んで支離滅裂で破茶滅茶な物語りが、低予算高衝撃で展開される。

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