「流れる」と「光環(コロナ)」 公演情報 劇団あはひ「「流れる」と「光環(コロナ)」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    ネタばれ

    ネタバレBOX

    劇団あはひ『流れる〜能 “隅田川より”』を観劇。

    隅田川のほとりで渡し船の出発を待っている松尾芭蕉と弟子がいる。
    側には乗船チケットを買い損ねた女性もいて、船頭の息子アトム(ロボットの様な少年)が母親を探し回って辺りをウロウロしている。
    どうやら隅田川ではこの時期に子供が二回も亡くなっているようだ。
    さて船は何時出発するのだろう?

    能の隅田川を下敷きに、鉄腕アトムと松尾芭蕉という奇妙な顔合わせで物語が進んでいく。女性は隅田川の役どころの狂女であり、隅田川で亡くなった子供を船頭がロボットとして生き返らせ、アトムは女性が失った子供の生写しの様だ。
    様々な人物と能の融合?という点は興味深いが、隅田川という物語を知っていれば展開を掘り下げられたのだが、全く知らないのだ。
    能と鉄腕アトムと松尾芭蕉の知識がないと単なる会話の風景を見ているにしか過ぎないと思う観客は沢山いただろう。着眼点は面白いのだが物語でしか叶わない人物の融合が「ただ出会っただけ?」になっている。
    その出会いで何かを読み解くのが観客の役目?とも言っている様だが、それは劇作家の役目でしょう。
    比較するのはナンセンスだが、源氏物語の六条御息所を下敷きにした野田秀樹「ダイバー」第七病棟「ふたりの女」の衝撃を思い出してしまうのは今作の不満の現れだ...。

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    2022/04/04 11:38

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