
利他的な遺伝子たち -unselfish gene-
ポーラは嘘をついた―Paralyzed Paula―
下北沢 スターダスト(東京都)
2021/12/25 (土) ~ 2021/12/29 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
何も起こらない、ただ何かを待つ男たちが会話するだけの舞台なのだけれど、粒ぞろいのキャストにより登場人物たちの個性が際立って面白かった。

舞台「鬼滅の刃」其ノ弐 絆
舞台「鬼滅の刃」製作委員会
梅田芸術劇場メインホール(大阪府)
2021/08/20 (金) ~ 2021/08/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
とてもとても楽しみにしていた舞台だったのですが。。。
あまりに映像演出に頼り過ぎていて、生身の人間が演じる舞台であるという値打ちが低かったように感じました。
生で観るより映像で観た方が良い…と思わされるのは演劇としてはアウトだと思ってます。
尚且つ、舞台でどう表現されるのだろうと楽しみにしていたヒノカミ神楽の場面も、随分あっさりと済ませられてしまい。
全体的にただただまるで場面を進める為のノルマをこなすかのようで、どの場面も表面をなぞってるだけのような印象で。
大好きな作品なので次の無限列車までは劇場へ行くつもりですが…もしまた同じような印象を受ける舞台であるならば、さらなる続編の劇場観劇はちょっと考えます。。。

ストリッパー物語
Project Nyx
芝居砦・満天星(東京都)
2021/03/18 (木) ~ 2021/03/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
私が観たストリッパー物語の中で最も美しいストリッパーであった。ただ、私の好みは夢見る若いダンサーとの絡みなんだよな。惜しい。

娼婦 奈津子
新宿梁山泊
ザ・スズナリ(東京都)
2021/09/11 (土) ~ 2021/09/20 (月)公演終了

夜会行
鵺的(ぬえてき)
サンモールスタジオ(東京都)
2021/07/01 (木) ~ 2021/07/07 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鵺的にしてはまじめにテーマを扱ったと思う。そこまで入れ込んだ活動家ではないが、結構腹が立った。多くの人に見て欲しい作品だった。

少女仮面
新宿梁山泊
芝居砦・満天星(東京都)
2021/12/24 (金) ~ 2021/12/27 (月)公演終了

何を見ても何かを思い出すと思う
コンプソンズ
「劇」小劇場(東京都)
2021/04/07 (水) ~ 2021/04/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
冒頭で3つの場が交互に提示されるがすぐに「時空ねじれ系」と明かされる。それに得意の(?)メタ要素も加えるとは個人的には「鴨が葱背負って」と言おうか「盆と正月が一緒に来たよう」と言おうか好きなヤツの掛け合わせ。そして複数のモチーフが錯綜し終盤で再現される構成は交響曲の如し。

2作品同時上演 「ずっ止まってる」/「ラブ・ストーリーは特戦隊」
room42
OFF OFFシアター(東京都)
2021/06/09 (水) ~ 2021/06/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
【ずっ止まってる】
2020年、部活に関してコロナ禍の影響をモロに受けた高校生たちとその後の彼らを描いているが、過去と未来を頻繁に行き来するので「またそっちか」と感じてしまい物語の流れがブツ切りになった印象なのが残念。あと、どちらのことかはよくワカるが、季節感があまりないのも何だかなぁ……。

2作品同時上演 「ずっ止まってる」/「ラブ・ストーリーは特戦隊」
room42
OFF OFFシアター(東京都)
2021/06/09 (水) ~ 2021/06/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
【ラブ・ストーリーは特戦隊】
「ヒーローたちが……」な設定(埋れ木作品も連想)で始まる前半はPeachboys寄り(もちろん下ネタはないし毒も薄い)のパロディ満載、が、熱血・感動系に転ずる後半はぺこペン寄りと「一粒で二度オイしい」ぺこさん世界。ぺこさんファンとして大いに満足。

スケールⅡ
劇団献身
OFF OFFシアター(東京都)
2021/10/15 (金) ~ 2021/10/20 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
女子高校生があれこれ災難に遭った末に演劇の道に進む物語。次々に不運・不幸に見舞われる主人公、という流れは一歩間違うと暗くて重くなりかねないところ、翔んだ人物造形も含めコメディに仕立ててポジティブに見せるのが巧み。
ところで主宰の前口上から劇団員の納葉さんが演劇をするに至ったいきさつ……と思いそうになるが、それってミスリードでは?(笑)

紙屋悦子の青春【9月28日~29日公演中止】
(公財)可児市文化芸術振興財団
吉祥寺シアター(東京都)
2021/10/20 (水) ~ 2021/10/28 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
太平洋戦争末期、主人公の縁談を中心とする物語。そんな時期であっても明るく日々を送っていた人々もいたんだな、と思いつつも、そう振る舞わなくてはやっていられなかったのではないか?と深読みも。
そんな基本的にはユーモラスな日常の中にさらりと戦争に起因する哀しみを差し挟むのが、悲しみをより際立たせる印象。声高に反戦を謳うよりも効果的かも?

7丁目のながふじくん
なかないで、毒きのこちゃん
シアター711(東京都)
2021/11/02 (火) ~ 2021/11/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
久しぶりに出会ったかつての同級生二人が繰り広げる珍道中、ロードムービーと言うよりは東海道中膝栗毛的なオモムキ?(私見) 彼らが道中で出会う人々は劇団員がとっかえひっかえ演じて「キャラクターショーケース」の如し。
序盤でのながちんの「オレ、もう死んでいるんだ、オレの身体を一緒に探しに行こうよ」という言葉に落語「粗忽長屋」を想起したのはσ(^-^) だけではあるまい。

崩れる
アマヤドリ
シアター風姿花伝(東京都)
2021/11/04 (木) ~ 2021/11/08 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「覆った水は盆に戻せない」を具現化したビターで辛口な会話劇。舞台での気まずさが客席を浸蝕してゆく不気味さ・怖さといったら!
で、客観的に観ていると「あ、それを言ったらダメ!」とか思うけれど当事者はそうならないんだろうなぁ、とも。
4年前の初演(王子小劇場)と会場が変わったこともあろうが舞台美術が変わり(初演時は「青いポスト」と交互上演)やや具象に向かったこともあり、より「辛さ」が増したか? で、上演時間も15~20分長くなったが、宿のスタッフパートが増えた?

廻る礎
JACROW
座・高円寺1(東京都)
2021/11/04 (木) ~ 2021/11/11 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
いわば「芝居で楽しみながら知る日本国憲法の成立過程」。
闇の将軍三部作と較べて創作部分の比率が高い(アフタートークより)とはいえ第九条や主権者をめぐる論争はイマに通ずる……どころか終盤などはまさしく現状そのもの。それでいながら娯楽性たっぷりのエンタメ芝居にもなっているのは中村主宰の「茶化して描く」(アフタートークより)作劇法ゆえ?

たましずめ
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2021/11/10 (水) ~ 2021/11/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
漱石の「夢十夜」に通ずる味わいの奇譚系短編3(2?)編。人物や出来事についてすべては語らずそれでいて察することができる絶妙な匙加減、そしてその後を想像する余地がある余韻のある終わり方までがいかにも SPIRAL MOON らしい。60分余の上演時間も優しい、みたいな?

グランド・フィナーレで逢いましょう
えにし
萬劇場(東京都)
2021/11/10 (水) ~ 2021/11/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
前田主宰の「私演劇」第三弾、2017年の「クラゲ図鑑」(脚本・西村太佑)が「過去編」、2019年の「この海のそばに」(脚本・福田昭雄)が「近過去編」、そして本作が「現在編」なオモムキ。
時期的な変化に加えて関わって来る人も増えて、それはあたかも主人公の「心の開放度」があがっていくよう。そして、自分と通ずるものがある人物と出会い、そのことによって両者が救われてゆくというのが優しく温かい感じ。
さらに、自分の身上(「心情」の誤変換に非ず)が反映された(劇中の)芝居を上演しようとしている主人公、というのもまさに「今」であり、それに異を唱える人物がいることによる展開も巧み。

夜を治める者(ナイトドミナント)ワーク・イン・プログレス
お布団
アトリエ春風舎(東京都)
2021/11/12 (金) ~ 2021/11/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ある古典戯曲の登場人物を使って描く「病」と「その周辺」。
登場人物のイメージで観ていると「跳んだ」と言って過言ではない方向に展開するそのギャップが面白い。そしてその跳び具合ゆえに全貌は把握できなかったが、WIPだし、来年2月の本公演で確かめるか、的な?(爆)

Letters
劇団あはひ
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2021/11/11 (木) ~ 2021/11/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
事前に告知があったポーの「盗まれた手紙」のみならず他作品や他作家の作品からの引用を随所にちりばめて描くコラージュ的会話劇。シンプルでモノトーン系の装置とも相まって詩的でクール、早春の晴れた日の未明のような澄んだ空気感が心地よい。
そして言われてみれば確かにどこか「死」を思わせるイメージも。また、主人公が「もう一つの側」に行く時や終盤の日蝕と波打ち際の照明による表現がステキ。来年2月の再演も今から楽しみ♪

ココロノケモノ
劇団ミックスドッグス
劇場MOMO(東京都)
2021/11/18 (木) ~ 2021/11/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
事前情報から某芝居や某マンガを、さらに途中で現在放映中の某ヒーローものを連想したが、一種のバディものであるということ以外はそれらと似て非なる、そして大筋はむしろ典型的なハードボイルドものというハイブリッド。
で、「悪役」が企てる悪事の内容/背景などにしても、けっこうガチに見える擬闘にしても、ミックスドッグス的には珍しく、ダーク&ハード系ではないかしらん? キャラメルボックスにおける「TRUTH」的な存在と言えるかも?
そんな中で「ケモノ」の存在がファンタジック(=ミックスドッグス的)とも言え、その「それらしい」所作(?)とともにハードさを和らげる役割を担っていたのではあるまいか?
ということでミックスドッグス史において後世語り継がれる作品かも?(←ちょっと盛った(爆))

Mo’xtra Archive『912・3R/3C・ス』
monophonic orchestra
APOCシアター(東京都)
2021/12/15 (水) ~ 2021/12/20 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
【サイクルサークルクロニクル】
Mo’xtra流ジュヴナイルなオモムキにて某有名SFと(終盤のアレに)某お伽噺を想起。あと、広瀬正作品に通ずるモノもあるか(←ワカるヤツだけ……案件)。また、何人かのエキセントリックなキャラが愉快。
【ファーファーファーファー、ファーラウェイ】
男女二人の会話劇ならぬ「通話劇」。劇中で電話を切るのは1回だけだが、実は時を隔てたいくつかの通話が紡がれているのが「サイクルサークル……」を思わせて面白い。そして途中で1回切るのがケータイからスマホの替えるためというのもまた上手い。