満足度★★★
演劇関係者の心意気がみれるかも
100分。ストーリーはしっかりしていたと思う。欲を言えば、もう少しガツンとくる箇所があればよかった。終盤はけっこう笑えた。
役者は、渡部将之、重住綾、升ノゾミ、冠仁が安定していた。
ネタバレBOX
107に3組の劇団が同日で小屋入りするというパプニングが起こり、紆余曲折をへて3団体が共同で公演を行うことになる話。
序盤はあまりノレてなかった様子。やや退屈にも感じた。中盤過ぎ、oh!yeah主宰のウジウジした話→流行病の熱い演劇談義の箇所は良かったし、照明音響スタッフが入ってからは結構笑えた。ただ、oh!yeahの主宰と俳優の描き方(演技)がイマイチに感じられたのが残念。ここでもう一つ山場が作れたような気がする。
美少女歌劇団の存在が、賑やかし程度になっていたような印象を受けた。もっと飛んでるキャラクター造形でもいいかな。その点ピザ屋(冠仁)は良いアクセントだった。
田畑亜弥と川村りかはきれいかわいかった。
満足度★★★★
負けてもいい戦い
ふわふわした空気がここちよい舞台だった。
主演の黒岩三佳のしゃべりと間と表情が特徴的でうまいなと思った。奇天烈な思考もあいまって、愛すべき良キャラに仕上がっていた。金沢涼恵も面白いキャラを魅力たっぷりに演じていて良い感じ。
女優陣が舞台の空気を作り上げたってくらいに感じた良作品。
キャッチコピー?「別に負けてもいい戦いが、ここにある」が、ダサかっこよく、舞台をゆるめに表現していると思った。
ネタバレBOX
草サッカーの優勝トロフィーを窃盗したクボが、トロフィーがないと大会が準決勝で終わっちゃうので、トロフィー職人の弟子になり、トロフィーを作成するに至る‥。ストーリーは相変わらず?明確な何かがあるわけでないような感じ。けども、そこに、独特の味わいある笑いが加わり面白い舞台が70分堪能できた。
クロサワ(金沢)のエセ監督キャラはツボだった。あれでよく準決勝勝てたなと。
満足度★★★★
あんまルールは気にしないで観てた
ルールを課したショーケース物。かなり楽しめた。
ただ、昼の回、開場が20分も押して、その際の対応が微妙だった。観客が素直で混乱はなかったけども、並ばせるなら並ばせるとかロビーに人を割けないのかな。客を招く側としては失態だったわけで(ライヴとかではけっこうあるかもだけど)、終演時に一言ワビを進行に言わせる気配りとかあってもよかったのでは。
終演時にはそんなの忘れちゃうくらい舞台はよかったのだけど。
ネタバレBOX
「東京ペンギン」‥劇団劇場にテロリストが入り込む話。一発目ということで、場の雰囲気がノッてくるまでに時間が若干かかったような印象。
「トレモロ」‥しゃべりが全然聞こえなかった。音響のミスか、声が小さいのか。ただ、なんとなく雰囲気は感じられた。本公演観てみたい。
「あんかけフラミンゴ」‥一番完成度が高いんじゃないかなと思った。15分の中にうまく話の緩急寒暖をつけ、ライヴ的なノリで会場を沸かせた手腕が素晴らしい。劇中劇中劇みたいな重層的な構造がわかりやすく(ベタだけども)、率直に面白かった。写真撮り忘れてたのはご愛嬌。旗揚げ公演なのかと正直驚いた。
「ロ字ック」‥ラブホの清掃員の愛についての会話がメイン。「ジーザス!!」に噴出してしまった。面白かったよ。
「はちみつシアター」‥15年ぶりに再開した女たちのドタバタ劇。こちらも、ライヴなノリで楽しい舞台を演出していた。ルールをメタな発言で解決してしまう強引さもプラス。セーラームーンネタは、客層にもマッチしたということか。とても面白かった。本公演に期待が膨らむ。
満足度★★★★
独特の空気が好印象!
千葉雅子と三枝貴志にひかれて鑑賞。ケチって自由席にしたけど、指定のほうがよかった。お尻が痛くて仕方なかった。
なんだか不思議な空気のある舞台だった。それでいてストーリーとか人物造詣はしっかりとしててなかなか面白かった。そのバランス感覚(演出)がよかったからなのかな。セットも意外と立派に創られていたし。あと、中尾ちひろの衣装がかわいかったと感じた。何気に千葉の衣装も似合っていたような。
工藤さやのキャラとしゃべりが単純に面白かった。
終わってみてチラシのリード文と裏写真が結構魅力的なことに気づいた。今後も注目したい劇団と思った。
ネタバレBOX
依子(中尾)は新婚の夫・淳(佐藤もとむ)と、依子のばあちゃんの住む山奥にある「世捨庵(セイジャアン)」へ向かう。そこには、ばあちゃんはおらず、親族(幼馴染?)だという人達が住んでいた‥。
世捨庵にいた人間はばあちゃんの遺産狙いの人間どもだったという話。警察だとか宇宙人?とか話の真相を知る女(及川)だとかが絡んできて、ストーリーにも動きがあり後半一気に加速していく。そんな終盤のバックでバンド演奏を絡めての演出がなかなかカッコよかった(うるせぇって突っ込まれていたけど)。
依子が久保山田(永松)へ「あなたはいったい誰?」と問うところとか、もう少し怖さみたいなのがあってもよかったかも。
ドタバタしているような落ち着いているような、シリアスなようなバカバカしいような舞台だった。
満足度★★
ワカラナイ
130分。どうも感性が合わなかったみたい。ハナ役の見上寿梨の演技は○。
ネタバレBOX
登場人物の心が掬い取れなかった。
また、未来予言サイト「ハナウラ」の設定が感覚的に理解できなかった。人物の行動にどのように影響したのか。
満足度★★★
HELLO!
80分程度。
なんだか淡々としすぎな印象になってしまった。競泳水着は過去2回ほどしか見てないけども、淡々の中にちょっと胸にくるような感じがあったような気がした記憶がある。競泳水着の公演でないから違うのが当たり前なんだけど。
表参道GROUNDは初めて訪れたが、平土間客席はちょっと鑑賞しにくい。あと、客席案内の兄さんが元気(というかやる気)ないなと(ベースメントシアターの合言葉が『表参道から日本を元気に!」なのに)。細かいけど、終演後、客席照明upから終演告知の間があった。ゆるい対応だなと思った。
ネタバレBOX
ザンヨウコ、黒木絵美花目当てで鑑賞。ザンヨウコの母演技は流石だなと思った。黒木絵美花はコメディタッチの演技の方が好みかもしれない。別に悪かったワケじゃないけど。好みとしてね。
猛(白又)はサッカーで挫折を味わい、ななみ(三宅)は芸能界のプレッシャーに押しつぶされそうになり、絵里子(黒木)は仕事と恋愛でつまずき、史子(ザン)は子供らと再婚の話に揺れる。皆それぞれが等身大の悩みを抱え、前向きに生きていく様子が自然に描写された舞台。
クロムモリブデン・武子と競泳水着・大川がコメディ部分でも貢献していた。クスっと笑える箇所は結構あった。
満足度★★★
honeymoon
前半が退屈な気がしたけども、中盤過ぎからはなかなか魅せてくれた。
ただ、笑い部分惜しいように感じてしまったのが残念。前向きなラストは良かった。
ネタバレBOX
重光摩美と佐藤ホームランの恋愛を軸にした場面はやはり良かった。過去に観た「魔女は定時に~」の中でも二人の恋愛シーン?があったけど、暖かくなるシーンの描き方は上手と思う。
あと、呉屋希美は安定した演技で○。
座り演技が多くて、前方でないと見えにくい箇所が多々あった。作演が前が良いですよと案内してたけども、舞台自体を高目に設置できないのかな。そもそもMOMOがあんま好きじゃない気がする。あと、冷房が寒かった。
満足度★★★
36の小作品群で120分駆け抜ける。
初鉄割。どんな舞台かちょっと予習してから観劇。
2~4分程度のコントをテンポ良く繰り出す。玉石混交。
ネタバレBOX
パンフのタイトルを観ても思い出せないのも多々あるけども、面白かったものを以下に。
「鳥の餌を売る」「火炎放射器」「アマリリス」「モンキーパークワーク」「死んだカナリア」「ごくつぶしのどじまん」「JAZZJAZZフェ」「馬鹿舞伎」
「アマリリス」とか「馬鹿舞伎」は、芝居仕立てな感じでとっつきやすかった。「JAZZJAZZフェ」は馬鹿らしくもカッコよい。
腹の出た中島教知のキャラは笑える。
満足度★★★★★
素敵な未来をみた
15mmで2回観ているMrs.fictionsの単独公演ということで鑑賞。やはり素晴らしい出来だった。15mm「東京へつれてって」の中嶋康太の作演。好みの作風。今後も注目していきたいと思った。
バシバシと決まる笑い、愛すべき登場人物、若干の社会性、どこかあたたかい気持ちになるエピソード、前向きなフィナーレなど、大満足の90分だった。
チラシモデルである北川未来の儚く静かな美しさが、舞台中央で際立っていた。控えめに拍手するところとか、腹痛とか、表情・仕草、すべて◎でした。
ネタバレBOX
惑星衝突をとめるため、一般公募で超能力者が環境省の「屋上」に集まるという、ばかばかしいストーリーではある。が、そこが良い。フィクションは楽しいほうが良い。大歓迎だ。
「屋上長」などというバカな役職を当てられる「人生弱者」の清田(岡野)を筆頭に、透視能力があるのかないのかはっきりしない宜保(松本)、ずっと前に投身自殺した予知能力の魔美(北川)、自然の声が聞けるらしい新興宗教の教主ヤオイ(石井)とその弟・稲川(菊池)、ティーンに絶大な人気を誇る霊媒師のユリ(萱)、念写ができるらしく屋上に住まう秋山(夏見)、自称宇宙人のカゼッタ(今村)という、素晴らしくも寂しくもあるキャラたちが、隕石衝突までの「最後の時間」をユーモアたっぷり爽やかに描く。
色々書きたいことはあるけども、ラストで魔美が独白する話が一番好き。何かが原因で命を絶った魔美は、環境省屋上で楽しそうに水をまく清田を観て、楽しく生きることができたんじゃないかと思い、それを気付かせてくれた清田に想いを寄せる‥。
最後の手をつないだ記念写真と、魔美が予知した朝食を二人で食べる姿に、素敵な未来をみた舞台だった。
満足度★★★
「サブウェイ」
悪くは無かったが、長いなと感じた。あと、ちょっとごちゃごちゃしすぎな印象。一見シンプルなのが好みなので。
ネタバレBOX
エダニクの3人が映画の予告を鑑賞しているという小ネタあり。ここから映画が始まる(開演)という趣向。こういうのは面白い。
映画監督へのインタビュー(ここは映画の一部ではない?)で、「(この映画は)エンターテイメントなのかドキュメンタリーなのか」という問いがあったが、観劇後、エンターテイメントでありドキュメンタリーでもあるなと思った。
内容は、地下鉄を利用している人間のインタビューとその生活を描いていくもので、主軸は風刺にあると感じたがどうなのだろうか。
それぞれの芝居は結構面白く感じた(好みでもあった)ので、全体の流れというか構成が合わなかったと思う。毛嫌いするほどでもないけど、ちょっと疲れた。
満足度★★★★
くすんだ人生に彩りを取り戻す
チケットプレゼントで観劇。座っての演技が多いので、最前列で観ればよかったな。
序盤のダンスパフォーマンスで好みと違うななんて思ってましたけども(前衛的な舞台かななんて)、終わってみたらしっとりとした爽やかさを感じました。終演後の舞台の彩り(色彩)も美しかったです。
舞台のキモである夕季を演じた市場法子の演技はかなり素晴らしかった。彼女の出来次第で評価が変わったというくらい。
ネタバレBOX
男性が女性の腕を白衣?に通して、女性をイスに座らせるところから始まる幻想的な舞台。なぜか白衣の袖には赤い糸があって天井から吊らされている。
明確な言葉はなかったけども、女(水谷夕季)は、神経性の病気らしく奇声を発したり言動が定まらなかったりと、介護を受けている(舞台は病院というか介護施設というか)。周りには同じような患者?が絵を地面に書いたりして這いずり回っている。その患者らが夕季の気持ちの代弁だったり過去回想を演じたりしてストーリーを浮かび上がらせていく。
ラスト、(母を)好きになれないと言っていた息子の前で、一枚の絵を描きあげ、夕季は死ぬ。母におかあさんと声をかける息子。今までのギスギスした落ち着かない舞台が、急に暖かい空気で満たされる。そんな再生(蘇生)の物語。
ちなみに、当初、この息子を夫か彼氏と思っていた。市場の容姿が母には見えなかったため。
話の合間合間につぶやいていた、素敵な髪型のファッショナブルな方々(夕季の赤い糸をハサミで切って夕季は昇天した)は、役名が□■で表されているが、死神とか時間とかいう概念なのか。何を言っているか聞き取れなかったけどもそんなふうに感じた。
満足度★★★★★
「エダニク」
笑いと真剣演技が絶妙にブレンドされた3人芝居。見事でした。
パンフの「再演にあたって」が面白い文章だった。クスッとした。んで、制作費80万(相場知らないけども)、役者3人+音響照明舞台2人の5人という、シンプルスマートな舞台らしい。
「いつでもどこでも高品質」という言葉に大きく期待して観劇したが、とても満足できた。
ネタバレBOX
とある屠殺工場の休憩室。妻子を持つ沢村(原)と、ベテランの玄田(緒方)が飯を食べているところへチャラそうな若者(夏)がふらっと入ってくる‥。
若者(伊舞)の、チャラ演技が上手くニヤニヤしてしまうが、沢村の上からトーク→お得意先の御曹司発覚にふきだしてしまった。まあ、そうなるよねと思いつつ。そんな笑いの雰囲気を持ちつつ、今度は伊舞と玄田のカラミが始まるも、今度はシリアスな香りが漂いだす。
御曹司でチャラい伊舞+働き口を気にする沢村+無くなった(とされる)延髄の処理に困り、友人(林?)を気にかける玄田の3人がそろってからは、舞台がよりヒートアップし、食い入るように観ていた。そんな中でも、夏のしゃべりとかがコミカルでなぜか笑えてくる。
シリアスな進行の中に笑いを入れるのは好きでないのだが(なんか舞台の熱が冷めてしまうように感じるため)、この舞台はそれを感じさせない巧みさのようなものがあった。演技が上手かったからなのか。
ちなみに、玄田の「命をこっちに押し付けるな!」という言葉が印象的だった。
アフタートークに登場したデス電所の方の、「ラスト、夏は玄田を殺しにいったんでしょ」という読みが面白かった。
満足度★★★★
明けない夜
JACROW初鑑賞。
なかなかダークな雰囲気だけども、タイトル「明けない夜」のイメージから期待したほどではなかったのが残念。あくまで期待よりはという意味で見入る舞台ではあったけど。
座席があまり良いところが取れず、表情が見えないことが多々あった。こういうテイストの舞台は表情で訴えるウエイトが大きいと思うので、勝手をいえば、どの座席でもある程度見やすく舞台を設定してほしい。リアリティを出すためかセットを造りこんでいるのはよいが、セットでなく表情が観たい。
さらにいえば、トラムでなくもう少し小さめの劇場でも良かったのではと思う。そのほうが、「吐き気がするほどの濃密な」空気を会場に充満させることができたと思う。濃密な空気とまでは言い難かった。
ネタバレBOX
大人どもの私欲のため、もっとも弱い子供が犠牲になる話。里美をもう少し(誘拐シーン以外に)登場させていると、もっと気分悪く観劇できたかなと感じた。
仗桐安のいやらしさが光っていた。ハマカワフミエの昭和女の色気と情に溺れた感は上手かった。
満足度★★★
アラフォー女性(独身)への応援歌
チラシのキャラとシンプルさと芳賀晶に惹かれて鑑賞。
序盤テンポが悪く感じられたが、終盤の巻き返しでまずまずの仕上がりかなと。女性の移ろいやすい感情と思考がおかしくもあったが、そういうものかと納得して観ていた。
芳賀は、男一人ということもあるけども、よい仕事をしていた(特に笑いの部分)。小山待子の決意を決めた女性の表情が美しかった。
ネタバレBOX
25年も前、矢尾家4姉妹+東家長女(松崎)は「ファイブシーズン」というアイドルとして輝いていた。5人は諸事情により芸能界を引退。多額の借金を抱えひっそりとまた中傷に耐えつつ暮らしていた。そんな中、秋代(遠藤)は母の意志でもあったバー「四季」を屋上に開こうとする‥。
5人はそれぞれに悩みを抱え「寂寥」とした毎日を送るも、少しずつ少しずつ状況や気持ちが変わり、気持ちが前に前に上に上に向かっていく。そんな様が面白かった。
ここらへんの気持ちの整理の付け方などは女性らしいといって良いだろうか。東家の姉妹の気持ちの描写が若干少なめだなと感じたけども。
花火当日のような、話に動きがでるまでがやや退屈な箇所があった。会話が中心なので、掛け合い部分(笑い含む)のキレがもう少しほしかった。
満足度★★★★
離婚の美学
エビスバー公演は3回目。クスっとしながら大人な愛情を60分。面白かった。一段上の愛情がエビスバーに吹き荒れていた。
だてあずみの魅力全開ってくらいに、良い表情を連発していた。対する鈴木麻美もしっとりした表情がとても美しかった。
伊丹のとぼけた顔もうまかった。実際いたら腹立つだろうけど。いや、むしろ尊敬するか。
ネタバレBOX
事故死(水溜りで溺死)した夫のバーを引き継いだ由有(中村)。そのバーで夏子(田中)と海士(平塚)は結婚した。それから五年後、バーの1階上で二人の「離婚式」が行われていた‥・。
エビスバーへの階段途中に「離婚式」の貼紙があって、細かいなと感心した。てか「離婚式」出てみたいかも。赤の他人のね。パンフの「最後の共同作業」にニヤっとした。
竹中(島田)と黒田(山崎)のカップルも変な雰囲気が出せていた。夏子と海士のさわやかな離婚も後味良し。
そして、隆之(伊丹)・依子(鈴木)・宇佐美(だて)の三角関係。序盤の修羅場から終盤の三角同盟?の落差が良い。修羅場のときの、女性二人と隆之の温度差もどこかコミカルかつ恐ろしい。
とはいえ、全員がプラスの愛情で動いているところに魅力がある舞台だった。「大人」とはこういうものなのか、彼(彼女)らの境地に行き着くのはなかなか大変そうだけども。
満足度★★★★★
Caesiumberry Jam
面白くもあり上手くもある舞台。
1986年の大事故後、30km離れた農村に生きる人々の生き様を、薄暗く映し出す快作だった。
開演前の舞台は一面敷き詰められた土と1台のテーブルというの質素なつくりで、観劇後は小道具が散乱し、荒れ果てて誰もいなくなった寂寥感が充満していた。
タイトルの「Caesiumberry Jam」。なんとなく惹きつけられる響きだった。
ネタバレBOX
大事故後のナジロチ村を取材したカメラマンと、民生委員が2006年の東京から写真を通して過去を掘り返す。そこには、大事故で深い傷をおった(負いつつある)明るい村民の姿があった‥。
この過去への遡りが、1991、1993、…というように間をあけて行われる手法でとても上手いと感じた。その間の描写をなくすことで時間の経過をしっかりと表現し、村から人がいなくなる場面を際立たせている。
序盤から明るくpopな空気でもあるが、その後ろにある凄惨な事実がいつ顔を出してくるのか、恐る恐る観ていた。終盤のリューダ(と夫)のくだりとか、一番恐ろしかった。
演技はみな上手いと思うが、クリニカ役の中村梨那の子供演技が特に素晴らしかった。あと、ナターシャの石丸さち子。いや、みんな上手いんだけど。
満足度★★★★
秀作!
初東京乾電池。
たまたま連日で別役実作の作品を観劇したが、やはりセリフのキレがすばらしかった。演技も申し分なし。面白かった。
舞台とは別に、受付と客席案内のテキパキとした動き(進行管理)に非常に関心した。劇団の方が行っているのだろうけど、すばらしかった。
ネタバレBOX
とある館に集められた人たち。ゴドーという記念祝典?の主催を待つ中で聴いた蓄音機から、10人の罪が次々と告げられ、次々に殺人が行われていく‥。
罪のために刑(殺人)が執行されるのではなく、殺されたことにより罪が生まれ、そのために事前に刑が執行されたという発想が面白い。
笑える場面やセリフも多く、サスペンスなハズなのに、ピリピリしていない、不思議な舞台。これは脚本の力なのか、演出の力なのか。どちらにせよ、素晴らしい群像劇でした。
演技は、江口のりこが特に良かった。
満足度★★★
ペン立ての位置は‥
チケットプレゼントにて鑑賞。劇団初見。
2本立て。全体的にまずまずの仕上がりと思います。「受付」のほうが内容的に良かったかな。詳しくはネタバレ欄で。
地下が会場の場合、開場時間前に地上入り口に一人案内人を立たせているとベターです。
チラシデザインはとても好み。
ネタバレBOX
「署名人」‥明治期?の監獄内。署名人(反体制的記事へ署名し、身代わりを生業にしている人)の井崎(杉森)と、革命家の赤井(飯嶋)、松田(岸)の3名が同じ檻の中で繰り広げる会話劇。
演技、演出に伸び代があるように感じられた。殺人罪で投獄された方(赤井?)は、良い演技だった。もう一方の革命家は、革命家的雰囲気が欠けていた。年齢的に難しいかもしれないが、作品のヒリヒリした感じを出すためにもがんばってほしいところ。井崎役も台詞が多くて大変だと思うが、一番注目される役でもあるので、飄々とした演技と感情が昂ぶった演技に、もう少しキレがあってほしかった。
「受付」‥吉田精神クリニックへ、一人のサラリーマンが相談に訪れる。受付には女が一人。机上の筆立て位置を思案していた‥。
作品自体はじめて知ったが、序盤から中盤の女と男のやり取りが非常に面白く、内心ニヤニヤしてみていた。台詞のセンスが非常に好みだった。
二人芝居なのでかなり役者の力が重要になってくると思うけども、客演の日高望は、終始魅力的な演技で、ついつい引き込まれてしまった。
男役の名嘉も悪くなかったが、後半の感情の高ぶりと落胆部分で、客をびびらせるくらいの熱演がほしかった。
満足度★★★
美しい女性多し
約120分。奇をてらった脚本・演出でなく、至極まっとうな舞台。
木下あゆ美、伊藤れいこが美しかった。特に木下のドレス姿は落ち着いていて素敵だった。
肥後は、笑い部分に大きく貢献していたと思う。また、ヒトの良い、懐の広いマスター役にあっていた。
演技は常連客役の山岸拓生が一番良かった。
ネタバレBOX
※配役表がなかったので、役者名で。(有料パンフあり)
肥後がマスターを勤めるスナックは、寂れてはいるがアットホームな雰囲気。そこに長谷部優演じる明るくキャバ嬢のノリをもった女が新人として働き出し、店の雰囲気も少しずつ変わっていく。大学院生でスナックに勤める木下は、よく言えば落ち着いたキャラで美人だが、いじめられて引き篭もっていた過去を引きずっていた‥。
いろいろなエピソードを交えつつ話が進むが、話の中心は木下と長谷部の関係にあり、木下が過去の呪縛から放たれ、素直に生きていくことにあると思う(長谷部は、いじめられていた木下を助け、色々と世話を焼いていたことが終盤明らかになり、そこで一気に想いが放たれる)。
ただ、ここがあまり劇的でなく、盛り上がりに欠けるように観えた。また、長谷部も複雑な家庭環境で成長したという背景があり、その苦悩も中盤示されるが、その後は特にそこに触れられることもなく終幕してしまったような気がした。
ここらへんのところをもう一段掘ってくれたらよかったなと。
決してつまらなくはなかった。
満足度★★
ペロンって語感はカワイイけども
約90分。アフタートークも鑑賞。
感覚的に理解できるかどうか。序盤はニヤニヤというかクスリとする箇所も多かった感じ。中盤、ついて行くことが億劫に。終盤は視覚的にも美しく、ぼんやりと世界観に浸れた気がしたが、内容は理解していない。
ネタバレBOX
作演の世界観を体現したような舞台だっただろう。残念だけども狙いが見えなかった。(見抜く目がないといえばそれまでですが) 終盤の暗の場面の長さとかどんな効果を狙ったのかなと。
アフタートークで競泳水着の上野さんが狙いについて何個かつっこんで作演が回答していたが、聞いてもピンとこなかった。外国語のこととか。
上野さんも発言していたが、「ロロ」的なモノを感じた。
終盤のミラーボールの効果は俳優と場面を際立たせ、非常に美しかった。