満足度★★★★
「ほら、放射能」
鉢呂元大臣の「死の町」発言と「放射能つけちゃうぞ」発言を探偵らがユーモアと皮肉たっぷりに検証するスタイル。
興味を惹く話題をコンパクト&シンプルに観客へ訴える良舞台。
ネタバレBOX
大臣辞任までに発展した件ではあったが、「死の町」という発言がそこまで不謹慎かどうかとか、「放射能~」のアバウトな報道に違和感を覚えるとか、イイ材料をもってきたなという感じ。
各マスコミの表現の違いとか、過去に「死の町」という言葉をマスコミが使っていたとか、調査もしっかりしている様子。結果、(本当の意味での)誤解とマスコミの保身の犠牲ということらしく、呆れた感があるもこれが(まかり通っちゃうのが)現状の日本ということか。
前日に観た、東京フェスティバルの公演でも、このことに触れたシーンがあった。マスコミの悪い部分に光を当てる意味で両作品とも興味深くも恐ろしくもある。
松田優作(熊野善啓)の「なんじゃこりゃ」がところどころに挿入されていたけども、普通ギャグに利用されるセリフが、シリアスかつなんと内容にあった台詞であっただろうか。
満足度★★★
渋谷讃歌
チケットプレゼントにて鑑賞。
若者感覚な舞台。おっと思う箇所もなかったけど普通に観ていられた。
ネタバレBOX
舞台スペースに渋谷の繁華街の地図が広がり、地理的な要素も表現しつつの舞台か。ストーリー説明にも書いてあるけど、「ボードケームに見立て」「空間と時間を歪めて」とかがよくわからなかった。(そこまでポイントになるようなものかなと)
別々の人を好きな阿部(太田旭紀)と柳楽(李そじん)が、なんとなく付き合いつつ、最終的にきちんと付き合うというストーリーが主軸なのだけど、話として盛り上がりが感じられなかった。創設者の霧崎が邪魔しようとする意図もよくわからず、物語のメリハリがほしかった。どちらかというと、三島(小林由紀)と織田(柴田周平)のレズ・ゲイ話のほうが魅力的だったかな。
なんにせよ、気楽に観劇できて嫌味のない作品で印象は悪くない。あと、魚介類のギタリスト・若桜木(紺野タイキ)のキャラは笑えて○。
満足度★★★★
ハンドフィニッシュと宇宙人
満足のいく二人芝居2本立て。
ネタバレBOX
「リボン、ちゃんと結びなさい」
デリバリー男性性的マッサージシャンの内田慈とその元高校教師のおかやまはじめがホテルで繰り広げる大人でエロスで笑える舞台。
閉塞感をもつおかやまと、開けっぴろげなようでしょーもない男に惹かれる弱さをもつ内田の会話にユーモアと慰め受け入れあう哀しさと一種の幸福を感じた。内田のチャーミングで健康的で色っぽくてあっけらかんとした表現がヤバイくらいに魅力的。
「男か、女か、」
12年付き合っている長谷川朝晴と江口のり子。長谷川は結婚したがるも江口は今はしたくない、離婚するといままでの時間が無駄になる、と拒否する。江口の独特のしゃべりが、「リボン~」の空気が残った舞台を一気に別の空気で満たす。理屈が通っているんだか通ってないんだかわからない台詞と、宇宙人とか愛の話で不思議な空気が漂う舞台。終わってみればお互い似たものカップルだと思った。「リボン~」より笑えた。
満足度★★★★
落ち着いた群像劇
クドカンを観てみたくて。
岩松了の作品はどうかななんて思ってたけどけっこう面白かった。
ネタバレBOX
とある芸能事務所が舞台。売り出し中のアイドル・くらら(上間美緒)を抱える事務所には、いろんな事情がまとわりついて、思惑と感情が動き舞台を形作っていく。
事務所社長の祥子(夏川結衣)とスタッフの古賀(宮藤官九郎)の夫婦を中心に、芸能関係者やくららの母(宮下今日子)、事務所事務の女性(伊勢志摩)、くららのマネ(津田寛治)らが魅力的なキャラで話に彩を添える。
事務所の話と、人間関係をうまくからめていて、クドさもなくて観やすい。悩みをかかえつつ前進するという姿勢の夏川や宮藤を中心に全員が大人な舞台であったと感じた。
宮藤官九郎は、独特の口調のせいか、コミカルに見えてしまうきらいがあるかな。ちなみに、「ブラインドを降ろす」という表現が気に入った。
明治座にて
縁あって鑑賞。対象年齢じゃないのでなんとも。前川清の人気はわかった。
ネタバレBOX
忠臣蔵を下敷きにしたパロディ。とある出版会社内の権力争いを描く。途中途中に前川清扮する編集長の夢が入り、宝塚OGらのダンスや往年のお笑い?ネタが披露される‥のはよいにしても、最後の討ち入りシーンも夢とはね。
明治座を利用するお客様が求めているのはもっとストレートな人情物とかなんだろうなと。
満足度★★★
女性の詰った箱
チケットプレゼントにて鑑賞。
共感が難しいかなと。終盤の流れは良かった。
ネタバレBOX
とある風俗店。規模縮小か狭い地下室が事務室兼風俗嬢の控え室。そこに、若い女の子・滝沢(町田沙織)が面接にくる。滝沢は研修段階で恐怖し、とても勤務できる状態にないが、ほかの風俗嬢の話に後押しされ、初めての仕事を終える。戻ってきた滝沢にプレゼントを渡し、笑顔が戻る‥。
風俗店に勤める女の事情と感情を寒暖の差をつけて舞台で魅せる。好き好んで覗くような世界じゃないかなと。
どの箱(世界)にも空(希望?)はあるんだろうなと思いたい。本人と周りの人間次第ということなのか。
満足度★★★
直球な舞台
チケットプレゼントにて鑑賞。
とりあげた題材が面白いけど、+αがほしい舞台だった。やや平坦な印象。
ちなに噛むこととかのトチリがやや多かった。気になるほどじゃないけど。
ネタバレBOX
官房長官のスキャンダルをもみ消すため、とある雑誌編集長がスピンドクターに抜擢される。スキャンダルをもみ消す動きの裏では、世界レベルで影響のある総理の野望(モイルの実用化によるエネルギー問題の解決)が隠されていた。総理+内調+編集長らと、エネルギー関連企業、マスコミ、官僚らのカケヒキが終盤の見せ場かな。結局、モイルの製造方法を公開し、記者会見に望む総理‥。
情報操作とエネルギー問題(ジャーナリズムについても)を上手くみせる舞台ではあったが、緊迫感があまり感じられなかった。また、話自体、紆余曲折するのだけども、その起伏がこっちに伝わってこなかった。
ラスト、塚原(とその部下の武藤)が、外国の?密命をうけたエージェントのようなオチがあるのだけど、塚原がモイルの製造方法開示を目的に潜入していた→情報操作の黒幕は見えないとこにいるということなのか、自分で決定していることが誰かに操作されているという恐ろしさなのか。
満足度★★★★
タンバリンとライフル
チケットプレゼントにて鑑賞。
前回がノリの良いコメディだったののと、タンバリン・スナイパーというミスマッチなタイトルに惹かれたのでかなり期待していたが、期待ほどではなかったというのが本音。単純に楽しめはする。
ゆったりして観やすい客席設定が○
ネタバレBOX
子供が好きだけどどこか抜けてる保育士のあやめ(奥野智恵野)と暴力を否定する博愛的な夫の惣介(佐倉一芯)を中心に話がまわる。子供らを守るため、ライフル演習を受講するあやめは、夫の性格を想ってライフル講習の件を隠すもそれがバレて‥。
あやめ役の奥野が、最初から最後まで魅力あふれる保育士を上手く演じるも、夫の魅力がそれに追いついていないと感じてしまった。もっと突き抜けたキャラでも良かったかなと。そんぐらいのほうがコメディな気もするし、感動的な話とのギャップがあったと思う。
ちなみに、あやめについても、コメディ路線のせいか、明るい箇所はよいが暗部(ライフルを習ううしろめたさとか落ち込むとこ)の表現が薄い気もする。
ほかのキャラは、コメディしててよいバランスではあった。また、終盤のあやめが迷子の女の子を助けるエピソードはぐっとくるシーンでもあったので、悪い舞台ではないと思う。なんとなく散漫な印象をもっただけ。
合間合間の遊戯的な演出も楽しげで良かった。あやめのリズム感ゼロのダンスはなかなか難しいと思う。
満足度★★★★
幸福論
「毎公演名物と化している」というパンフレット、フルカラーのフリーペーパー的な造りで、写真も豊富企画も豊富で写真付きの素晴らしいデキバエ。ここらへん女性的なものを感じる。ちなみに本体1900円で定価2000円ってなんのマージン?てか定価2000円かよ。んで「HIGANBANA for MEN」は620円なんだ。
11本のショートストーリーとかコント的なものとか。「命」、「漁婦の利」、「出会い」、「幸せの形」が好み。
ネタバレBOX
幸せがテーマと思われる短編集。
「命」‥妊娠した彼女(中道梨奈)が堕ろすと喫茶店で彼(新免誠也)に告げている。生んでほしくない雰囲気の彼に苛立ち、店をでる彼女。残った彼にマスター(菊池祐太)らがおしぼりを手渡し、彼女を追う彼に敬礼。マスターが酒持ってくるシーンが面白い。
「魚婦の利」‥イケメンの上司に媚びる性格の悪いOL2人と掃除婦?が、媚びまくり互いを罵る様が単純に笑える。
「出会い」‥道で2組の男女がカップルになり、2組とも海へ。人生に幸せを見つけられない女性2人は男ともども竜宮城(海の中)へ行くと言い出す‥。物語の序章のような感じ。短い話の中に引きつける魅力があった。
「幸せの形」‥気の合う仲間と大貧民?を楽しみ、なべを囲い酒を飲む‥そんなシンプルで直球な幸せを提示する良い作品だった。カレー鍋のにおいも手伝って温かくなれる。
「レターズ」‥やや冗長な感じ。ダンスシーンまでにダレてしまった。もう少し削ってほしかった。話のスジは良いと思うけども。
満足度★★★★
ぱんだの魅力
チラシのセンスがなにげに良い。公演も満足できる内容。次回7月公演も見ようかなと。
オムニバス3本で約120分。3つともよかったけど、「笑う鬼婆」が一番かな。
ネタバレBOX
「やさしさエフェクト」‥恋人を待つ田中(小島ことり)に想いをなんとなく寄せるミッチェル(八木菜々花)と顔が残念な元カノ(帯包麻菜)。ギャル(坂口沙由理)と就活中の丸の内系OL(増田久美子)の王道とかなんとかの言い合いの末、ミッチェルと元カノが田中を落とせるかどうかの競争となる。結局、田中はどちらも選ばず、彼女を待ち続け、ラストその表情でハッピーエンドを演出する。田中の待たないことが怖い的な話に同調できるようなできないような印象だけど、笑いの多い作品だった。特に、元カノの登場シーンとミッチェルが元カノの容姿に対して「顔がねぇ‥」といちいちツッこむとこ。容姿の中傷を美人なミッチェルに言わせても、嫌味にならず面白い不思議。
「笑う鬼婆」‥雨の降る山小屋に千代(平島茜)が一人。そこに麓の集落の住人・田吾作(瀧澤裕也)が雨宿りをしにくる。千代は鬼婆の話をしはじめる‥というように、過去回想的に舞台が進む。鬼婆(薩川朋子)は子供を喰らうがなぜか春(小林美奈)のことは喰わずに親代わりとして育てていて、春も(事実を知らないためか)懐いている。千代は自分の子供を鬼婆に喰われた過去を持ち、復讐のため鬼婆の家を訪れ、鬼婆のいない間に春を殺し煮物にして(カチカチ山的な)、鬼婆を苦しめ食い殺す。
話はグロい箇所もあるものの、しっかりとしていてシンプルかつスリリング。演出・照明・音響もうまく作用して良い舞台になっている。特に、春の煮物の箇所~千代が踊り狂うところ。
鬼婆がなぜ春を育てるのかとか、田吾作を含めた村と鬼婆の関係とか、千代の絶望とか、バックグラウンドを想像するのも楽しい。いや、恐ろしくて哀しいか。
「殻」‥小学校の同級生の丸宮(斗澤康秋)の葬式。同級生の4人が顔を合わせ、回想へ。小学生の持つ恥の意識とか異性への恐怖と憧れ、人間関係(友情と愛情)の構築途中という時期を上手く捉えているような舞台。ブー子役の柴原がユーモアを捉えた演技で笑わせてくれる。
満足度★★★
女子高生のココロ
チケットプレゼントにて鑑賞。
女性向きな作品かなと。やっていることは理解できるけど、人物の心を理解できなかった。
客席から演者がしゃべることが多いと感じたけど、これは会場が狭いせいなのか。舞台的にも客席的にももう一回り大きくてよかった気もする。
ネタバレBOX
女子高で卒業公演がある。公演内容は、過去その高校であったことらしい。そこに、高校の卒業生・由美(若林)が乱入し‥。
恋したり、バカにしたり、自信がなかったり‥思春期のふわふわした心情が根底にあるような。のめりこめるような世界でなかった。
過去と現代、虚と実が入り混じる構成が個人的に苦手ではあるのだけど、ただでさえ入り込みにくい舞台でさらに混乱してしまった。あと、会話で彼とか彼女という言葉も。それが狙いだろうけども、苦手。
満足度★★★★★
独特なまちの独特なひとたち
劇団名と同じ「乞局」(旗揚げ前の作品名を劇団名にもってきたというべきか)という作品。120分、あっという間。面白かった。
ネタバレBOX
パンフのとおり、変な風習のあるまちのとある喫茶店が舞台。
千知の妻(田中のり子)は、寝ると記憶をなくす病気にかかっており、千知(石田潤一郎)はそれを看病している。妻・葉万子の兄・土手光(用松亮)はフリーターのような酒飲みで、千知と葉万子の子は千知の弟(三橋良平)夫婦に養子に出されている。そんな感じで千知には、金の負担と精神的な負担が重くのしかかる‥。
パンフ解説のとおりの独特な風習のある町で、千知夫婦を中心に独特な人間たちの光景を、ユーモアと閉塞感とリアリティを混ぜ込んで面白い舞台を形作っている。
陽気な喫茶店店員兼薬局屋の佐野、それに悩みを相談する墨井と墨井に異様な恋心をみせる善積、ふたなりの浅井とその内縁の妻的な岩本、キャバクラ的なお店を経営する石村とその夫・柴田と柴田と浮気的な関係にあるキャバ嬢の徳橋、千知に片思いの西田、新米の借金取立て屋・ザンヨウコなど、脇を固める人間らも、いるようないないようなキャラのオンパレード。それが舞台に上手くなじんでみえる。舌打ちが応酬されるような雰囲気の悪さが逆にここちよく感じられた不思議な舞台。
結局、葉万子の病気は、兄にも発症し、遺伝するものと判明する。おそらく、生きる希望のようなものだった実子も同じ病気になると悟った千知は、さらに内に黒いものをかかえる。ラスト、狂ったように舞台中央の金網をよじ登る姿に、内側に圧縮された闇をみた。
満足度★★★★★
河童夫人の謎
自己紹介のとおり「ゆるくてやさしい演劇」。とても気に入った。
主演の中野架奈が終始魅力的。演出の賜物か。
ネタバレBOX
河川敷で誰かを待っている河野(中野)とその川の周辺に住む路上生活者(澤、緑川、高見)、浮気が原因で帰る家のない作家・関(田中伸一)、兄を探している紀子(佐藤祐香)、釣りに来た女子大生マイ(ゆにば)とナオ(宮本裕子)と30超の高校一年生・デク(内山)や関とW不倫関係にあるホームレス支援者・リカ(篠本美帆)らが、ゆるい雰囲気とクスッとする会話で温かい舞台を作り上げる。
といっても、会話の中には、(固い表現をすれば)人生観(関の女性理論とか、陽子の一般的生活への疑問とか、リカの勝ち組論とか)のようなものが見え隠れして、ピリッとした辛さも含まれているのが面白い。
ラスト、自分もそんな感じだったとリカと自分を重ねる河野。不倫の果てに孤独になるも、やはり誰かを求める寂しさと、前を向く明るさが同居して舞台を後味よく締めくくる。
その河野を演じた中野架奈が麻生久美子に似てみえた。表情とか声とか。そんな理由で★5。
満足度★★
感性とか文学性とか
チケットプレゼントにて鑑賞。
カフカ作品はろくに知らない。そのせいかわけわからんかった。序盤と終盤はおっと思わせるところもあった。
ネタバレBOX
A4白紙が敷かれた舞台。十字架の前にはスピーカー。教会の雰囲気にあってるんだかあってないんだか不思議な感じ。
カフカ作品の言葉を体現した舞台だったのか、理解の範疇をこえていた。舞台と観客の橋渡し的ななにかがあるとうれしい(あったのだろうけどそれがなんだったのか)。序盤の「しょうがないじゃないですか」のシーンに漠然とした期待を抱いたけど、中盤集中力がきれた。
演技は皆良かった。特に中村早香。
森田の「おっぱらっても帰ってくる」の台詞が「酔っ払っても帰ってくる」に聞こえてしまった。声をもう少し通してほしい。
舞台中央の非常階段表示は隠してよかったのでは。
満足度★★★
スズナリの支配人
初猫のホテル。
ラスト美しかった。前説もグッド。アドリブのようなところも面白かった。
ネタバレBOX
けど、全体通して眠かった。
16歳の千葉と24歳の佐藤が知り合ってから、分かれるまでを描く。千葉は、歌い手として成功し、佐藤は作詞をしつつ、千葉のマネージャーを勤める。そんな、友情のような愛情のような関係がぼんやりと浮かび上がってくるも、起伏がなく引き込まれるものを感じなかった。
森田ガンツをはじめ4人の俳優が黒子的なポジションで舞台を下支えするスタイルで千葉と佐藤の二人芝居的な側面が強い。
演技が悪いわけでなく、単純に、舞台の感性が合わなかったと思う。
終演後、お互いがアイドルとして結ばれていたのかなとぼんやり思った。
満足度★★★★
淀んでんなー
目に見えない「愛」を、はいコレです、と提示できるセンスが良い。面白かった。
ネタバレBOX
一見クズな(というのは言いすぎ。どうしよーもない系か。)人物が織りなす、愛情の物語。
二つの時代を一緒に見せ、つなげる手法が面白い。愛に対する価値観を揺さぶる快作だった。
満足度★★★★
おなかいっぱい
まあまあ楽しめたが、「日本の問題」を8本観ると疲れる。
アフタートークはゲストが必要だったのか。せっかく作演が8人そろったのに、発言に遠慮(萎縮?)がみえたような気がした。
ネタバレBOX
経済とH「金魚の行方」‥男が3.11の数日前にスリップする話。女もスリップしてきた2020年?何があるのか。
Mrs.fictions「天使なんかじゃないもんで」‥津波後の廃ボーリングセンターでの話。シスター(山口オン)が笑えもするがやはり現代的な寂しさに溢れる。明日があるようなラストは好き。
ダルカラ「ボレロ、あるいは明るい未来のためのエチュード」‥マスコミ批判か、国民批判か、政治批判か、そのすべてなのかわからなかったけど、批判の「次」を観てみたかった。面白い提示方法。
風琴工房「博物学の終焉」‥未来のエリート学校での博物学の話。分類が人類の活力みたいなくだりは納得した。ATでもいってたけど、通常の公演のほうがより「日本の問題」していると思った。
ミナモザ「指」‥津波被害のあったところで、窃盗にいそしむ男女が同級生だったと思われる女の指から指輪を盗る話。日本の問題というより人間の問題かなと思った。
アロッタファジャイナ「日本の終わり」‥女子高生が総理に代わって演説する話。国を300に分けることが国を良くすることにつながるという演説は理解できなかった。鎖国も込みの話?。
ろりえ「枯葉によせて(仮)」‥エロSFか。老人と派手な色の女は、放射線の影響ということか。
JACROW「甘えない蟻」‥被災住宅に住む男が自殺した後の家族・親族の話。面白かった。スクリーンセイバーの遺書とか、変なとこに気の利く自殺者だな。
満足度★★★★
気軽に楽しめて費用対効果高い
チケットプレゼントにて鑑賞。
マイムでのショートショーで90分くらい。パンフにプログラム(タイトル)が乗ってたけど、観なくてもわかるくらいわかりやすく仕上げてくれていた。笑える箇所も結構あって満足度は高い。アイデアも良い。
チラシデザイン○。
ネタバレBOX
レストランです。‥ベタな内容でわかりやすい。小川芳幸のうさんくさい笑顔が冴えてた。
ついたてです。A‥お年寄り演技うまかった。オチも面白い。
手錠です。‥手錠がつながっている感じが弱かったのが残念。
ついたてです。B‥マイムって普通にしゃべることってあるものなの?
スクリーンです。‥サイドから見てたので、若干観にくかった。幕を人が持っているとせっかくの影がゆがんでしまう。発想は良く曲も良い。
ブーケです。‥結婚式のブーケトス争奪ネタ。黒子を使用したワイヤーアクション的マイムが面白い。オチの叫びも上々。
ラストの出演者紹介も一工夫あってよかった。
満足度★★★★
進歩
チケットプレゼントにて鑑賞。飯島早苗の作品ということで見ようと思った。
2時間超の作品だけど集中して観ていられた。演技にもう少し明暗というメリハリがあると良かった。
ネタバレBOX
パンフにあるように、荻野久作が「荻野学説」を発見するまでを描く。
荻野の学者・医者としての悩みだけでなく、女性の抱える永遠の命題に触れる。100年前の新潟が舞台ということで、感覚・認識の違いがあるものの、現代に通じる内容。結局、解決とかいうレベルの話でなく、生命の誕生(命を生み出す)という現象に真正面から向き合わなくてはいけないということろが重い。
とめ(小鉢)が(妊娠は)神様からの「授かりもの」という観念から、荻野の意向に反対する箇所があったが、安直に、使い方次第なのではと思ってしまった。「授かりもの」という言葉で納得できるものなら、逆に悩まずに済むけど、納得できないだろうなと。ここらへん含め、面白い話だった。
満足度★★★
ゴスロリと拳銃
チケットプレゼントにて鑑賞。
後半、テンポアップして面白くなった。二時間位の作品だけどツメられるとこがあるような感じ。しゃべりの聴きとりにくいところがあった。
ネタバレBOX
北海道警察と地元ヤクザのつながりに警視庁の監察官が潜入捜査する話。そこに友情と愛情、親子愛のエッセンスが盛り込まれ単なるサスペンスと一線を画している。ただ、前半がやや退屈で見せ方に特色があるわけでないような。話自体は面白い。
ヤクザとか警察とかの暗い題材に、ゴスロリという要素を加味して、なんとなく良い味になっている。特にゴスロリとか好きじゃないけど。でも、パンフの諸藤優里はかわいいと思う。
折角なので、バンドシーンはもっとかっこよくキメてほしかったかな。