乞局(こつぼね) 公演情報 乞局「乞局(こつぼね)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    独特なまちの独特なひとたち
    劇団名と同じ「乞局」(旗揚げ前の作品名を劇団名にもってきたというべきか)という作品。120分、あっという間。面白かった。

    ネタバレBOX

    パンフのとおり、変な風習のあるまちのとある喫茶店が舞台。
    千知の妻(田中のり子)は、寝ると記憶をなくす病気にかかっており、千知(石田潤一郎)はそれを看病している。妻・葉万子の兄・土手光(用松亮)はフリーターのような酒飲みで、千知と葉万子の子は千知の弟(三橋良平)夫婦に養子に出されている。そんな感じで千知には、金の負担と精神的な負担が重くのしかかる‥。
    パンフ解説のとおりの独特な風習のある町で、千知夫婦を中心に独特な人間たちの光景を、ユーモアと閉塞感とリアリティを混ぜ込んで面白い舞台を形作っている。
    陽気な喫茶店店員兼薬局屋の佐野、それに悩みを相談する墨井と墨井に異様な恋心をみせる善積、ふたなりの浅井とその内縁の妻的な岩本、キャバクラ的なお店を経営する石村とその夫・柴田と柴田と浮気的な関係にあるキャバ嬢の徳橋、千知に片思いの西田、新米の借金取立て屋・ザンヨウコなど、脇を固める人間らも、いるようないないようなキャラのオンパレード。それが舞台に上手くなじんでみえる。舌打ちが応酬されるような雰囲気の悪さが逆にここちよく感じられた不思議な舞台。

    結局、葉万子の病気は、兄にも発症し、遺伝するものと判明する。おそらく、生きる希望のようなものだった実子も同じ病気になると悟った千知は、さらに内に黒いものをかかえる。ラスト、狂ったように舞台中央の金網をよじ登る姿に、内側に圧縮された闇をみた。

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    2011/12/11 01:58

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