満足度★★★
女生徒
席が狭くて困った。毛布とか、荷物預かりとか配慮あってよかったけど、困った。
満足度★★★
セックスフル
面白い。チラシもいい。
ネタバレBOX
とある団地。私立高校の教師・律子(外山弥生)と高校生の妹・唯子(志水衿子)、そして団地の奥様たちの壊れていく話。
序盤は、平凡な調子で進み、洋尻(菊地奈緒)の彼氏が絡んでくるあたりから落ち始める。夫しか知らないがレイプされた妻、夫とセックスレスな妻、現場にいながら逃げ出した女…どんどん落ちていく面々。律子もまた、虚偽のメールを駆使して200万円をレイプされた妻からひったくる…。そして、たびたび律子の部屋にやってきていた唯子が、高校時(20年近く昔?)の彼(律子の元彼)との件で自殺を図り入院中であることが分かる…。
高校生の妹と律子の教え子の田畑って存在で律子の年齢が何歳なのかってのが気になってたけども、なるほどと。
両親をなくし、妹と施設で育った「姉」が、妹の自殺(と植物人間状態化?)から、妹の幻をみつつ入院費を工面するって軸だけども、その手法や設定、登場人物のキャラ性を駆使して、見方によっては美談なものを、ドロッとした感触に仕上げた手腕がいい。ほかのキャラたちの展開もしっかり描き、それでいて70分という短さに収めたところも印象がいい。演技もよかったし。
好みの話だけども、律子の暗部をもう少し抉ってもいいかなと思ったくらい。
満足度★★★★
淀んだ家族
面白い。
ネタバレBOX
理想の家族と家を手に入れた清(赤堀雅秋)。美人の奥さん(鈴木砂羽)と地味な長男(日比大介)と次男・稔(新井浩文)。どこが発端かわからないが、傍若無人な稔を筆頭に、家庭が崩れていくさまを描く。130分。
稔を歪んだ愛で包んだ奥さんは精神をやられ、長男は自殺し、稔は死刑執行となる。誰も帰ってこない「家」を守り続ける清は、それでも家族を得ようとする…。葛城家だけでなく、一癖ふたくせありそうな面々が舞台を盛り上げる。特に、死刑反対派で稔と獄中結婚した星野(安藤聖)の葛城家の面々とのコントラストがいい。そして実際は、くすんで見えるのもいい。
家族とか愛情とか、きれいな面を見たいと思わせるテーマに、くすんだ色合いで染め上げた作品。肯定したくはないけど、これも家族なんだなと思った。
満足度★★★
病
魅力に欠ける。
ネタバレBOX
ゆとりの町・東京ユートリアって設定とか大人との対立構図自体はいいけども、舞台的な面白さが感じられず眠くなった。
ラスト、ゆとりのままの若者と大人たちとの抗争って展開もいいけど、そこに行き着くまでがまどろっこしくて。序盤から要所要所で惹きつける何かを配置してほしかった。
「ゆとり」世代でないためか、「ゆとり」「ゆとり」と連呼され、大人がこうでという台詞が頭に残らずピンとこなかったのかもしれないけども。
ダンスのフリは面白かったし、舞台の穴?を利用した演出も好きだったけど、残念な印象だった。
満足度★★★
貧困
チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。
ネタバレBOX
金のためなら何でもやる父・元が死に、そのあおりで自暴自棄になる守(塚原大助)は、父の弟・光(塚原)が孤独死したという村を訪ねる。妻・緑(那須野恵)に当たりちらし、一人嘆いているとそこに住人出てきて…。
兄・元(浜谷康幸)の金のためにやばいこともやることに絶望した光の前に現れた住人。北九州の炭鉱の町の一角の貧民の集まるところで、全国から死に場所を求めてやってきた人間らが、炭鉱夫の前で演技し怒りを買うことでストレス発散をかなえることを生業にしている。戸籍もないカネもない人間たちに救われた光だったが、ここで元に遭遇する…。
序盤から中盤までが若干テンポ悪いなと感じたけども、終盤の盛り上がりがとても良かった。元と光と死んだ妹のミドリの話に転じた後、元が土地買収の顔をみせ混乱をもたらす。そして、立ち去ろうとする元の暗黒な心に光を当てる。スーツに着替えた光が、再度守に切り替わり緑に電話する脇で酒盛りする貧民たち。その笑顔がとてもいい。
お互いの過酷な人生と病んだ精神を許容する貧民たち。戦争で失明し、親族の家で餓死した妹の存在に苦悩し、カネに執着する兄。そして、貧民らのおかげで死のふちから蘇った、爛漫な弟。かなり暗い材料ながら、暗いだけで終わらない魅力があった。
元が本性を現すシーンは、もっと阿鼻叫喚でもよいかなと思ったけど頃合なのかもしれない。
きれいにまとまった印象のいい作品で、「おじ」のいい最期を予感させる舞台だった。
満足度★★★
風邪薬
面白い。
ネタバレBOX
終演後のAT的な中で言っていたけど、とがったコント集。独特の味が楽しめる。
大竹まことをはじめとした5人のおじさんらは、存在感も際立って味がある。そしてかっこいい。
戌井昭人と笠木泉もいいアクセントしてた。
文字を読む話とか、ハロワの話、ラストの喫茶店話が好き。
満足度★★★★
共鳴
面白い。
ネタバレBOX
舞台上段:宇宙とかが好きなバンドやってて清掃バイトを始めた乙部(山口かほり)の話
舞台下段:映像の才能あるが、隣室を盗聴してネットラジオしている日比沢(福原充則)の話
バンドメンバーがやめたり、バイト先のいけ好かない年下とか微妙な片思いとか、大家が無駄にマークしてたりと人間関係にまいりつつある乙部。同僚同士の結婚とか満たされない盗聴ラジオ放送とかあってパッとしない時間を過ごす、発信することが苦手な日比沢。
突飛なキャラクターを使いつつ、スタンダードな人間関係とか満たさなれない寂しい心とかを描く。
人と人との波長とか波及とか振動とか。終盤のテルミン故障からのSFな流れが臨場感を煽る。上段と下段の舞台が音と振動で繋がり、ダンスへとなだれ込む。繋がることが活力となると言わんばかりの熱気が激しかった。
NHKのシーンは笑えたし、ニヤっとできるシーンとセリフが沢山。事務の宇野(根本宗子)と染谷(喜安浩平)とか宇野と日比沢のシーンが好き。セピア調の照明の中にカラーを浮かばせる手法がかっこよくて上手い。
満足度★★★
紅葉
面白い。
ネタバレBOX
人気絵師・月岡(安田徳)が過去の記憶を語る。
地震による大火事が発生した江戸で、旅館の娘・おふじ(山口紗貴)が死ぬ。それから10年程経って、月岡の前に幽霊となったおふじが現れる。そんな幕末の混乱期、新政府軍と彰義隊との闘いが上野にて始まる。火消しの常五郎は、おふじを失ったことや尊敬する神谷(若宮亮)の死より彰義隊への参加を決意するが、新政府軍に追い詰められる。そのピンチにおふじが火消しの鐘を打ち鳴らし、友人の火消し・鉄次(福島慎之介)が加勢するが…。
前半の展開がややまどろっこしい。喧嘩や殺陣シーンは、全編通して迫力もあってよいけど、人数多いせいかテンポが鈍いと感じた。
火消し(れ組?)と神谷、神谷と徳川、の関係性が絡んでくるところから面白さが増した。神谷を演じた若宮がいい存在感を出してたせいかな。
月岡以外に見えないおふじとか部外者の月岡が、時代を生きている人物(鉄次とか旅館の面々や彰義隊の人間とか)にどこまで影響できたのかが、ちょっとピンと来なかった。鐘を打ち鳴らすシーンとかよかったけど。死んだ人間が生きている人間に作用できない的なセリフもあったけど、際立ったものが感じられなかった。群像劇なつくりのせいか、特異な存在である二人が、そこまで魅力に感じられなかったとこは残念かなと思う。
とはいえ、演技的にダメだったワケでなく、終盤の戦争シーンのテイストとか紅葉をテーマにした演出は好き。衣装も良かった。
満足度★★★
よぶには、とおい
ピンとこなかった。
ネタバレBOX
病院の屋上。生き別れた(捨てられた)父を見舞う息子や娘、腹違いの娘とその恋人の話、ガン?と闘う男を見舞う友人や片思いの女の子の話、離婚した元妻を見舞う元夫の話、と不思議な存在感を放つ信田さんの舞台…。
事件が起きるとかでなく、淡々と入院患者と見舞い客の人間模様を描く舞台。はっきりとこの人はこうですよって描き方をしない、詩情を感じる作品だったが、なぜか興味が湧かなかった。闘病への恐怖とか家族に対する愛憎とか材料としてはいいところだったけども。
病院につきものの生と死が根底にあるんだろうけども、そこんとこが掬えなかったせいだろうかなと。
満足度★★★★
復讐
面白い。
ネタバレBOX
ローマのために生きたタイタス、とその一族が、権力を得た妃・タモーラとかその息子ら、タモーラの愛人の陰謀で凄惨な目に合わされる。しかし、タイタスらも復讐を誓い、タモーラの息子を殺してご飯にしちゃうとか凄惨な仕返しをする…。
話の内容は暗くて悲惨極まりない。権力による理不尽や陰謀、暴力…時代が時代なワケだけど、不幸のどん底ってとこまで落ちてからの復讐劇、そしてバッタバッタと人が死ぬ。そんな話だけど、どことなくコミカルに仕上がっていて、そのバランス感覚がいい。(転換でゲストインタビューとかしちゃうし)
重めな話だけに、ちょこっと笑えることが効いてくる。一時間半で収めただけにテンポもいい。実に軽快。2,000円の低価格もいい。
シーン的に、強姦と殺人を処刑するとこが好き。
満足度★★★
国家
歴史には疎いけど。
ネタバレBOX
最澄と桓武天皇を中心に、その時代と国家とはなんぞやを描く。
歴史に疎く、登場人物が多いのも苦手ってのもあるけど、三時間は長すぎる。パンフにも芋づる式に時代を描くってあるので必然性があったんだろうなとも思ったけど、長くて疲れて集中力がもたなかった。あと、セリフを噛むのが多いかなと思う。歴ドルの存在は良くも悪くもあるけど(舞台と距離が出てしまうような気もするけど、歴史が苦手な自分としては結構助かった)、言葉に詰まるような感じが多くてなんかドキドキした。
過酷な時代にあって、国を想う二人の男の友情ってとこに焦点をあててくれてスッキリしたものであればよかったなと思う。政争なとこも大切だけども、結局その時代ってそれの繰り返しばっかなのかって位、謀がバンバンで、気疲れするし。
国とは人で人を教育することが国に繋がるってのは大いに賛成。ここのとこがグッとくるような舞台進行だとなお良かった。
満足度★★★
おっさん
面白い。
ネタバレBOX
とある音楽スタジオ。
ミチロウ(久保雄司)…ロックに年は関係ないといいつつも、「老い」を意識し始める32歳。「I wanna be a 公務員」「俺がヤギでもその手紙だけは食えない」を作曲する。ギター。
テル(柴田順平)…ミチロウをリスペクトし、土下座してメンバーになった26歳。ベース。
ボーヤ(菊池洋)…ミチロウをリスペクトするドラマー。ミチロウにビンタされる。
太郎(望月雅行)…おっさんを自認する28歳。
二郎(野沢ハモン)…おっさんを自認する27歳。粉ふいてる。太郎三郎とは腹違い。アバズレな母より生まれた。
三郎(河野純平)…おっさんを自認する26歳。チャゲファッションに憧れる。
マスター(吉田泰高)…スタジオのマスター。冷静。
太郎らを幽霊っぽい位置に置きつつ、実は若人からは目に入ってなかった(太郎らも若人の目につかないようにしてた)という、ある意味リアリティなとこがツボ。ロックバンドっていかにも「若者」な材料を持ってきて、老いを感じる男と若さを諦めた男たちの狂騒を描く。
時間という抗えないものへの恐怖とか逆にパワーをシンプルな舞台でまとめたとこがいい。シンプルでいて笑えるとこが多いのもいい。そして、実は自称おっさんらが年下だったっていうオチもいい。
人間ギターのシーンは最高だった。良くも悪くも「若さ」を体現してた。面白い舞台だった。
満足度★★★★★
オズの魔法
面白い。
ネタバレBOX
イカれたアキトシ(オクイシュージ)の工場にケイコ(峯村リエ)がやってくる…。
サチコ(鈴木杏)…ミチオ(少路勇介)に強姦されなぜかその兄・アキトシと結婚することになった、頭の弱めな女性。いじめられっ子だった学生時代に、担任であったケイコのおかげでいじめを回避する。夫のイカレ具合に嫌気がさしミチオに連れ出してとせがみ、夫を鈍器でボコるが、結局ケイコに絞め殺される。中卒。
ミチオ…アキトシの弟。強姦の件で鎖で足をつながれたままとなる。破天荒に見えて一番常識人に近いかな。家電の修理にかこつけて盗聴器を組み込み、盗聴を楽しむ。浮いてた過去を知る奴らを排除したいと思っている。
アキトシ…サチコの夫でミチオの兄。工場を経営するキチガイ。指が六本あり、時期によってキテレツさが上下する。サチコにボコられ死んだと思われたが、復活。工場を焼き払おうとするところをケイコに阻止され、ワニに金玉を喰われる。高卒。
ケイコ…元サチコの担任。数学的な思考をもつため、いかにも日本人思考なサチコをストレスに思う。サチコと同様のいじめられっ子男子と結婚するが、ミチオと同棲し、子を宿す。ミチオのマシーンになるといって、ミチオの過去を知るモノを消すため街に火を放つ。
とかくパワフルな舞台。奇人の奇行だけってワケでなく、人間臭さが滲んでた。笑えるシーンもセリフが潤滑油になってて、マイケルジャクソンなダンスシーンとかエンタメ色もキッチリぶっこんでて120分楽しめる。
仕事帰りにみて元気が出る舞台だった。
満足度★★★
熱狂
チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。
ネタバレBOX
ヒットラー(西尾友樹)が、ドイツのトップに上り詰めるまでの軌跡を描く…。
弱小政党だったナチスが、ヒトラーの演説力を礎に有能無能な人間を取り込み吐き出しつつ、ドイツを手中にするまでの、政治とか人間模様とか。「ナチス」ときくと「アウシュビッツ」とか「ユダヤ虐殺」とか「独裁者」って反応しちゃう(というかそれしかイメージがない)けども、本作はそれ以前の下積み時代にスポットを当てた点が良い。
ヒトラーが演説能力に長けていて、かつ指導者原理に固執する気質だったことは面白い。周囲のアドバイスに怒ることで、その裏に怯えがあるのかなと思った。
とはいえ、ヒトラーの気持ちがどうだったのか。本作が、政治群像劇なつくりに感じたせいか、ヒトラーの(発言でなく)気持ちがどんなものかがわからなかった。単純に、ドイツを想うあまり権力を欲したってだけの人間だったのかしら(それでもいいけど)。いまいち人物の奥行が感じられなかった。ドラマ性が薄いというか。
「あの記憶の記録」とつながっているビルクナー(浅井伸治)の純朴さが、「あの~」で絞殺される悲劇を高める。「あの~」のテーマでもある「家族」ってとこにちょこっと触れてたらなお良かった。折角だし。
「あの~」の方が自分の好みだっただけかもしれないけど、面白い反面もう一声欲しかったと感じた。
満足度★★★
黒猫
チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。
ネタバレBOX
結婚相談所bibiに相談に来る客と従業員の人間模様。
武富希(オオトモケイコ)…社長。Jean Renoが好み。以前黒猫を飼ってた。
石上サクラ(花田千紘)…新人従業員。母・花子(馬場琴美)との母子家庭にて育つ。
柿沼照継(浅野貴士)…イケメン従業員。メンドイ客の平沼(橘知里)に対応する。
西村エリ(町田歩美)…従業員。客の本川(深華)から名前を覚えてもらえない。
秋山桃(世良香生里)…フレンドリーな従業員。寿退社した。
トム(宮下貴浩)…ビューティアドバイザー。大庭(本田秀和)と梶(梶原拓人)と起業するも決別。
大庭哲太郎…有名会社の社長。サクラの父。起業の件で花子とすれ違い、梶の策略でサクラと会わないという約束でもってカネを工面する。
相岡健(島本修彰)…秋山が担当する純朴な客。バツイチの子持ち。
平沼かおり…わがままな客。相岡との交際を前向きに検討する。
宮家麻友(相川貴大)…客。行動力も備わったイケメン。優木(大河原生純)とできちゃった婚にいたる。
宮家かな(植木仁美)…麻友の母。麻友を制限するが、最終的に理解を示す。
優木舞衣…大庭の秘書。ひとりでも麻友の子を生むと宣言する。
本川結季…女優。武富への恩返しのため(自分の幸福のため)bibiへの就職を希望する。黒猫。
大庭を演じた本田が抜群に機能してた。Jean Renoとかの笑いとか、トムらとの確執とか、サクラとの親子関係とか、いい仕事してた。サクラを演じた花田は、大庭への想いとか、母子家庭に育った人間の想いをぶつけるシーンがやや弱く感じた。見せ場だけに胸にくるものが欲しかった。
特徴的でわかりやすいキャラクターで観やすい舞台。人数多めだけど、複雑にするでもなく、それでいて色々と関係を持たせた台本が上手い。幸福論ってものを全面的に押し出さず、人間模様の中からそれを滲ませる手法が良かった。笑える箇所もあっていい作品。
カネとか男女関係(結婚含む)とか社会的地位とか項目は色々あれど、人間的な幸福は誰かのためにって関係性にいきつくという、一つのテーマを、ラストの黒猫シーンでキレイにまとめてシンプルに提示してくれたのが良かった。安易にもとれるけど、実際ではそれが難しいわけだし。
満足度★★★
ヤミ
面白い。
ネタバレBOX
盲目の赤子の視力が戻り、赤子の見たという風景を探す旅にでる夫・ジャパンとその浮気相手の緑子の話。
孤児でおバカなヤミーや光郎と彼らを育てたっぽい告白先生の話。
早く走りたくてしょうがない走打舞とライバルのアイドル・日々野歩と彼女らのコーチ・スピードの話。
ラスト、三編が派手な音と光に彩られ、舞台上で暴れまわる…。闇を突き抜けるってイメージかなと思った。
可動式のセットを頻繁に組み合わせての変化や、特徴的jな照明効果とか、ポップな衣装とか、魅力的な演出だったと思う。
ただ、話自体の魅力がいまいち伝わってこなかった。以前観た「駄々の~」も、色んな話があって、ラスト、光と音の中ごちゃまぜに(グルグル回る)なるという演出だったけども、その時のような一体感がどうも得られなかった。見ごたえあったけど。
ヤミーを演じた池川貴清のアホそうな表情がいい。スピードを演じた大塚宜幸の体格を生かしたダイナミックな跳躍もキャラとあっていい効果だった。間の取り方とかも上手い。日々野を演じた呉城久美は、アイドルな可愛さが十二分にあって、腹の中の黒さを表情にのせるのも上手かった。
満足度★★★
指揮台
面白い。
ネタバレBOX
涌井(延増静美)と不倫している松木(田村健太郎)は、涌井との関係が終わった後、モンゴルからのアドバイスに悩まされていた。アドバイスを聞きたくない松木だったが、無理やり聴かされつづけ、難聴のベートーベンを羨む…。
ストーリーはあってないようなものなのか、その場面場面ごとに楽しみのある舞台だった。キャラや小道具、設定、セリフ、どれも特徴的でニヤニヤできる。病院からの死亡・生き返り電話とか、モンゴルのボタンがらみのキスシーンとか、笑える。突飛なようでいて地に足ついてる感があった。ツボを心得えいるというか。
乞食やってた池谷のぶえは流石に上手い。堂々とコメディをキメてくれる。難聴後のベートーベンをやった小村裕次郎は安定してた。元乞食の医者の補聴器シーンは笑った。モンゴルアドバイスを届けてくれるベートーベンを演じた金子岳憲は、いかがわしいモンゴル風ベートーベンを好演してた。延増の色っぽい主婦演技がいい。そして、乞食(池谷)を暴行したカップル役のちょいラリな表情が良かった。村上寿子のおしっこ我慢演技がかわいい。あと乞食を前に同様した幼少期ベートーベン演技も良かった。田村は、妙なキャラばかりの舞台で、一番現実的なキャラをしっかり演じてた。
ラストの歓喜の歌シーン好き。
満足度★★★
神殺し
面白い。
ネタバレBOX
聖ミカエラ学園に転校してきた亜維子(森永理科)。ミッション系の学校で、シスター(三坂知絵子)らが、女子高生に貞操帯をはめて、宝塚を目指しているが、その実、1919年の日本軍の慰安婦養成所だった。ミサの日、亜維子の反逆で学園を壊した女子高生らは、時間を遡り天草四郎(天正彩)と出会う。そして、天草四郎を討ち、今度はローマ教会へ打って出る…。
作中で神を殺すという言葉が出てくる。少年十字軍だった亜維子は、大人によって自分らが奴隷になったことを恨む。学園でも大人が女子高生を売ろうとしている。そんな力関係を覆そうと、一丸となって武器を手に戦う少女たち…。
権力者・支配者(神)への抵抗というか、自分らの国を持つっていう自由への熱意というか、そんなテーマ。だた、そんな権力って悪者かなと思う。作中では、支配者なく平和な時代になったという話だけども、難しいだろうと。反体制って意識が薄いだけかもしれないけど。とはいえ、体制の構築は必要と思う。
女性が多く華やかであるが、個々の熱量はもっと欲しかった。終盤の学園が崩壊しソロでしゃべるとことか。そのあとの天草との闘いのシーンとか。演技的にもしゃべり的にも、「神」を殺すってパワーがあまり感じられなかったのが残念。
亜維子が、十字軍の意思に目覚めた際のセリフがとても親切だった。不明な点を一気に解決してた。
満足度★★★
セーラー服
チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。
ネタバレBOX
とある舞台の入れ子舞台。
①始まり~演出・田中(川島康市)がストップかけるまで②田中刺殺~長谷部(近藤康弘)の自白と死んだ彼女?(北島莉恵)との会話まで③休憩~長谷部と死んだ彼女との会話~千秋(加藤玲子)のお疲れ様まで④終演の四構成でいいのかな。
舞台の練習中に田中が殺され、出入り口もふさがり携帯も通じずってサスペンス。その内共犯者・山本(高橋和博)もマスクを被った長谷部に絞殺され、和美を襲った白石を和美が刺殺し、犯人を追い詰めるという流れ自体は、スムーズで見やすかった。ここで、長谷部の彼女をひき逃げした新井(村松浩)への復讐が動機だったと分かる。
入れ子な構造を重ねて、死んだ彼女?と長谷部の演劇的シーンを1つ外の枠まで引き継ぐというのは面白いと思う。③の終わりの会話から長谷部が自殺でもしたのかなんなのかよくわからなかったけども、作中の死んだ彼女?とそれに似ている和美を重ねた混乱具合は良かった。
ただ、最後まで舞台でしたとする狙いはわからなかった。サスペンスの謎解きとかが雑なのはそういう作品の中の舞台なんですでいいけど。どーでもいいけど②の新井のクズっぷりが良かった。