『白夜 -BYAKUYA-』 奥秀太郎×黒田育世
㈱NEGA
原美術館(東京都)
2011/10/01 (土) ~ 2011/10/02 (日)公演終了
満足度★★
運営側のミスが目立つ
開場前、スタッフが整理券の順序を間違えて配布したらしく、1~50番の次に101番~200番を配布し、51~100番が最後に配られるなど、あり得ない失態を犯していた。原美のお客さんは上品だから大した混乱はなかったみたいだけど通常のイベントなら怒号が飛び交ってもおかしくないだろう。入場しても、2列目の席の大半が「関係者席」として押さえられてたのは不快だった。やむを得ず3列目に座ったけど、勾配があるわけではなく庭に椅子が置いてるだけなので、前の人の頭で半分くらい視界がさえぎられ、チャドさんが座り込んだり倒れたりのシーンは全く見ることができなかった。
また、事前にスタッフから、「観難い場合は立ってもらって結構です」と聞いていたが、後列にも着座で観覧している方がおり、とても立ってみることは不可能だった。また公演中に音響に時折「ブチ、ブチ」というノイズが混じるのも気になった。
役者の外人の声にどうも聞き覚えあるなーと思ったら、あのチャド・マレーンだった。びっくり。主役のすごいシリアスな役柄なのに、どうも蝶ネクタイ姿が頭にちらついてしまった。
つい先日「おたる鳥をよぶ準備」を終えたばかりの黒田さんのキレキレのダンスはさすがに素晴らしかったし、プロジェクションマッピングも物語に深みをもたらしていたけど、運営側の認識の甘さやミスが公演の足を引っ張っていたのがどうにもひっかかってしまった。
ロミオとジュリエット
カンパニーデラシネラ
世田谷ものづくり学校(東京都)
2011/09/22 (木) ~ 2011/09/29 (木)公演終了
満足度★★★★
小さなスペースに広がる大きな作品世界
30人も入れば満席というスペースでの上演。客席と舞台に高低差が無く、また演じるスペースを客が3方から取り囲む格好で観覧するので、精神的にも物体的にも演者と観客を隔てる垣根が低い状態だった。それを利用してか、お客さんを芝居の中に取り込むような演出もあったが、「客いじり」といった下品でウケ狙いなかんじではなく、あくまでデラシネラβの世界になじみ親しんでもらうためのものといった感じで、客の一人として心から楽しめた。(実際にある行為をお願いされてやりました。ほんの些細なことですが)
デラシネラはいっつも小物の使い方が上品でキュートだけど、今回はスペースの関係上小さな物体でも客席から見えるからか、小さなあれやこれやを、客のイメージを膨らませる装置として上手い具合に使っていて、作品世界に彩りと広がりを与えていた。
役者が倒れるシーンでは、僕の足元50センチほどのところにその身体があり、日頃の観劇では味わえない迫力を感じることが出来た。
残念だったのが、隣のカフェの客の話し声や足音がほぼ筒抜けで聞こえてきたこと。静かなシーンでは作品のイマジネーションを阻害され現実に意識を引き戻されたほど。1時間ちょっとの上演時間中くらい、静かにしてもらえなかっただろうか?
黒田育世『おたる鳥をよぶ準備』
フェスティバル/トーキョー実行委員会
にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)
2011/09/27 (火) ~ 2011/09/27 (火)公演終了
満足度★★★★★
かさぶたをはがすような痛くて心地の良い体験
F/T11「なにもない空間からの朗読会」第2夜プログラム、黒田育世『おたる鳥をよぶ準備』 。 第1夜のやなぎみわさんの作品は、本当に「朗読会」だったとネットで知っていたのですが、今回はBATIKダンサー総出演と訊いていたので、朗読の間にでもダンスが観れればいいなーくらいに思っていたのですが、結果的にワークインプログレスの形での新作発表の場となっていて、2時間フルでのダンス公演でした。
「わたし、ダンサーになりたいの」「躍らせて!躍らせて!」「あいしてる!」「もっと!」「なんで笑うの?」「準備ができたから」などといった台詞を叫びながら、身体を床に叩きつけるような激しいダンスは、まるで東大寺のお水取りの際に行われる五体投地のよう。ダンスというより、神に懺悔と祈りを捧げているようにすら思えました。
本当に何もないがらんどうの体育館の中から、あれほど熱量を放つ作品ができるとは!終演時、途切れる事のない拍手が、すべてを物語っているようでした。
素晴らしいものを見せてもらいました。週末の原美術館「白夜」に、期待しています!
おしまいのとき
ポツドール
ザ・スズナリ(東京都)
2011/09/08 (木) ~ 2011/09/25 (日)公演終了
満足度★★★★
終盤、マイクが途切れるアクシデントさえなければ・・
開演前、爆音で流れる岡村ちゃんの「セーーックス!!」の歌声だけでテンションあがる。前日寝不足で観劇中にウトウトしたらどうしよう?と思いつつ観るも、睡魔など入り込む余地のない緊張感。これだけ高まったハードルを軽々と越えて見せる三浦さんにただただ敬服。
ただ、僕が観た回はエンディング直前の電話のシーンでマイク(?)が切れてしまい、役者の台詞が全く聞こえなかったのが残念でならない。よりによってあのシーンでマイクが死ぬとは・・。脚本にも役者にも、全く文句はないけど、その1点が致命的だったので、4点にしました。あと、静かなシーンの際に下の階の飲み屋の演歌カラオケが聞えてきたのも、ちょっとね・・。誰のせいでもないけど、げんなりしました・・。(素直に本多でやっておけばこんなことにはならなかったのでは??)
悩殺ハムレット
柿喰う客
シアタートラム(東京都)
2011/09/16 (金) ~ 2011/09/25 (日)公演終了
満足度★★★★
夜の宝塚、みたいな感じが面白い
原作に忠実でいながら「ホスト風の男装女子がチャラいセリフでお芝居する」ことにより、とてもわかり易く、すんなりと物語が理解できるようになっている。このフォーマットを用いて、いろんな古典に取り組めそう。自分の座席位置の問題か(後方左端)、もしくは役者さんの滑舌の問題か、最初のほうセリフが聞き取りに難く、何を言っているのか判らなかった箇所があったので、星4つにしました。
夏も
ロロ
SNAC(東京都)
2011/08/31 (水) ~ 2011/09/04 (日)公演終了
満足度★★★
楽しめはしましたが・・
今回は直球勝負な感じが好印象だった。けど、やっぱ散らかった感じを受けたり、「その部分、必要なのかな?」というシーンがあったり。それはそれでロロやロロファンにとっては楽しみどころなのかもしれないなぁ、とは知りつつも、残念ながら僕は深い部分での共有はできなかった。ある種のマンガを読んでいる人同士なら判ったり共感できたりしたのだろうか?
超コンデンス
少年王者舘
ザ・スズナリ(東京都)
2011/08/25 (木) ~ 2011/08/30 (火)公演終了
満足度★★★★★
濃密で過剰でどこか懐かしい
濃密で過剰でどこか郷愁を感じさせるお芝居。すごい練習量なんだろうなー、と関心させられることしきり。途中の「お酒」のパートがちょっと助長に感じられたけれど、全体的には素晴らしかった。誰かが「アングラ界のAKB」って書いてたけど、それにはちょっとウケた(笑)
背の高い「吉田くん」は元ももクロの早見あかりに似た、キリッとした美人さんで眼を奪われた。
範宙遊泳の宇宙冒険記3D
範宙遊泳
新宿眼科画廊(東京都)
2011/08/13 (土) ~ 2011/08/17 (水)公演終了
満足度★
たいくつでした
20年安泰での芝居が結構面白かったので期待して観に行くも、「マジメなお芝居とか僕らアレなんで、こんな感じでやってますけど、本質の部分はちゃんと判ってますからー」みたいな感じを受けてイライラした。50分程度のお芝居だったけど、観るのが苦痛で早く会場から出たかった。あと、ゲームにそれほど愛情を感じないのにゲーム音を安易にお芝居のアクセントに使うのも、感心しなかった。まぁ、上演している画廊で開催中の今敏さんの展覧会がよかったので、そっちで満足しました。
芸劇eyes番外編『20年安泰。』(各回当日券発売有り)
東京芸術劇場
水天宮ピット・大スタジオ(東京都)
2011/06/24 (金) ~ 2011/06/27 (月)公演終了
満足度★★★★★
マームとジプシーがすこぶる良かった!
新進気鋭の若手5団体のショーケース公演。
もともとロロとマームとジプシーが好きだったので観に行ったのですが、バナナ学園が以外にも良くて(笑)、捨て身の攻撃に感激!
範宙遊泳も不条理な展開の中にも人と人との関係性が上手に描かれていた。ロロはどうしたの?期待していただけに、ちょっとガッカリ。一番きっちり仕上げてきたのがマームとジプシー。素晴らしかった!これからに期待!金曜日はアフタートークにケラさんが登場。これだけ充実した内容で前売り2千円は素晴らしすぎる価格設定。当日券も出るようですから、行ける方はぜったい観といた方がいいと思います!!
ペノザネオッタ
ONEOR8
赤坂RED/THEATER(東京都)
2011/06/18 (土) ~ 2011/06/26 (日)公演終了
満足度★★★
良かった。けどもう少し深みがほしかった。
存在の不在や、懐かしい「あの頃」の空気感や、心を震わす些細なやりとりや。終始ゲーム音楽が流れていて、当時ファミコンをやった人なら郷愁に駆られる雰囲気。でも、あのお芝居であそこまで登場人物が必要だったのか、ちょっと疑問。物語の進行に必要な人数だけを残して、その分関係性や人物像を掘り下げたほうが、もっと物語に深みが出たのでは?
あと、個人的なことですが座席トラブル(同じ席にチケットが2枚発行されていた)に見舞われたので、主催者にはしっかりしてほしいと思った。
いないいない
ガレキの太鼓
アトリエ春風舎(東京都)
2011/06/03 (金) ~ 2011/06/12 (日)公演終了
満足度★
期待外れ・・・
前作「終わりなき将来を思い、18歳の剛は空に向かってむせび泣いた。オンオンと。」が非常に挑戦的なお芝居で面白かったので観に行きましたが、ちょっとこれは・・。以下ネタバレにて。
わが星
ままごと
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2011/04/15 (金) ~ 2011/05/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしい!
口ロロの音楽とお芝居との調和が素晴らしくてうっとりした。お芝居自体がリズミカルでチャーミングで、何もない空間にいろんなイメージが立ち上ってくるような感じがした。あの軽やかさはすっごい練習しないと出てこないと思う。役者陣もアッパレ!
グレート、ワンダフル、ファンタスティック
ロロ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2011/02/09 (水) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★★
期待した割には・・
前作「いつだって・・」がとってもよかったので、かなり期待していったのですが、観終わった後はちょっと残念な印象が。役者さんたちの熱演には好感が持てたんですけど、物語自体に強い磁力が感じられませんでした。