恐怖が始まる
ワンツーワークス
劇場HOPE(東京都)
2013/05/24 (金) ~ 2013/06/04 (火)公演終了
満足度★★★★
高い演劇性を感じさせる
社会派のお話。相変わらずの見事なムーブも面白く、人物設定もいかにも日本人に有りそうで説得力があった。でも真正面から放射能を取り上げたことで、社会派のイメージが強く出てしまい、この劇団の持つ素晴らしい演技力や構成力がかすんでしまった感じ。残念だ~。それにしても演劇の様々な可能性を次々と打ち出していく手腕はお見事。演出の巧みさに酔わされました。俳優陣の、演出に負けない演技力があってこそのものだと思いますが、うまく噛みあっていて見応えがあった。この劇団はついついハードルを高くして見てしまいますが、(台詞の噛みが一つ有っても気になる)軽々とクリアされてしまった感じ。なんか、悔しい・・・・・。ので、勝手ですが星ひとつ減らしてやる~。
チェンジ・ザ・ワールド
マグズサムズ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2013/05/23 (木) ~ 2013/05/27 (月)公演終了
満足度★★★★
楽しくてご機嫌なハードロックコメディ
日本のコメディに有りがちなしんみり感や泣かせが無くて、いい感じだった。俳優の皆さんがみんなロックミュージシャンっぽい体形で、ほうっと感心。それぞれのキャラクターもよく立っていて、コメディに爽快感を添えていた。お手伝い役の医学生のキャラがいい。自分でははみ出せないのでせめてお手伝いをというキャラ、日本人的だなぁ。女の子のロッカーもいかにも在りそうで楽しい。全体に人間観察がよく出来ていてストーリーに無理なく、納得の出来です。彼らがどうやって生活しているのかも知りたかったなぁ。
~The 7 Lucky Guys 1~
Dance Entertainment REACH
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2013/05/22 (水) ~ 2013/05/23 (木)公演終了
満足度★★★
キレキレのダンスが楽しかったが
なんというか、お芝居の体をなしているとは言いがたく・・・・。群舞にメインキャラクターが入ってくるので次の展開に絡んでくるのかと思えばそのまま消えちゃったり、ストーリーに全然関係ない女性ダンサーがやたら出てくるので、そのうち台詞があるのだろう、と見ていると全然なかったり。(ダンサー達の力関係によるものですかね?)なんだかもやもや感が残りました。キレのいいダンスもシンクロが弱く、全体としてあまりきれいに見えず、ビジーな感じになっていた。もっとソロでたっぷり見せたほうがよかったのでは。初頭の男性のダンスはまるで殺陣のような動きが面白く、素晴らしかったです。全体に構成が甘く、to be continue といわれてもあの終わり方はちょっと・・・・・(苦笑い)
未確認の詩-ウタ-
ライオン・パーマ
王子小劇場(東京都)
2013/05/16 (木) ~ 2013/05/20 (月)公演終了
エヴァンゲリオンネタって・・・・
そんなに一般的なんだろうか。ツボにはまる人は大笑いで、そうじゃない人は正直どうでもいい。(ある一定の年代の男性にはバカ受け。女性客は引き気味)お笑いなどで使い古されてもう手垢がついている感じですが・・・・。でも、演者の皆さんが楽しそうだからそれでいいのでしょうね。セリフの甘さと暗転時のキレの悪さが気になりました。
メメント・モリ
ウンプテンプ・カンパニー
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2013/05/16 (木) ~ 2013/05/27 (月)公演終了
満足度★★★★
昔はこういうことって本当にあったんだろうな、
と思わせる説得力と重厚感がすごい!衣装、ライティング、それにライブの音楽など素晴らしく、また布を大胆に使った場面転換も鮮やかで、惹きつけられました。宗教の持つ暗黒の一面と理性的なユダヤ人の医者の対比も面白く、登場人物の背景とキャラクターがとても生き生きと描かれていた。素晴らしい脚本だったと思います。これに対し、俳優陣がちょっと残念。何より歌に少し無理があったかな。特に合唱の時、各人が自分のパートに必死で、きれいなハーモニーになっていないのが気になりました。セリフもまだまだ一段も二段もポリッシュアップできるはず。でも、それでもこの難しい劇をゆるみなく演じた俳優陣に拍手です!
匿名家族
劇団フルタ丸
サンモールスタジオ(東京都)
2013/05/11 (土) ~ 2013/05/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
うわぁ・・・・・緻密な舞台構成と
リアルな登場人物たち。やられました。家族という壊れやすい集合体を描いて、その儚なさと絆、生きていくことの大変さなど、さまざまな要素がバランスよく描かれていたと思います。回り舞台が単なる舞台装置になっていないところがすごい!そう、日々を生きるとはこういうことなのだ。家族全員で楽々と回せる日々もあれば、たった一人で苦労して回さなければならない時もある。まさに象徴的でした。ここから離れたところに人生など無く、人を感動させる小説など書けるわけがない。明快ですね。ちなみに私の故郷では「家が回る、回らない。」という言い方をします。家事がキチンとこなされ、家族それぞれが各人の役割をちゃんとはたしている状態を「家が回る。」といい、まぁ、正常な家庭のことですが、しみじみこの言葉を噛みしめてしまいました。チャレンジングな演技も素晴らしかったです。たくさんの人にぜひ見てもらいたい。
割れて砕けてキラキラ落ちる
演劇企画ハッピー圏外
TACCS1179(東京都)
2013/05/10 (金) ~ 2013/05/14 (火)公演終了
満足度★★★
オムニバス形式で
3幕ものでしたが、なんだか納得できないものが・・・・・。あまりキレの良さがないので、こういう形式が生きている感じがしない。それぞれの幕のつながりは楽しいのですが。2幕目、笑わせようとされると笑いにくい・・・・。
マイ・セブン VOLTAGE WORLD
グワィニャオン
萬劇場(東京都)
2013/05/08 (水) ~ 2013/05/12 (日)公演終了
私も
次回作の紹介に一番受けた観客の一人。ここの俳優さん、みんなうまいのだけれどなんだか・・・・・なんか全体に重いかな?いや、内容じゃなくて総体重が・・・・。すみません、こんなことでもこういう内容だと緊張感が欠けてしまうので。
エレノア
サスペンデッズ
駅前劇場(東京都)
2013/04/26 (金) ~ 2013/05/03 (金)公演終了
満足度★★★★★
こ、これは・・・・・・素晴らしかったです!
う~ん、とうなっちゃうほどの出来。脚本の素晴らしさはもとより、音楽、衣装、そして演技も、ピンと糸を張ったような緊密さがあり、すごく心地よく感情や感覚を鷲掴みにされました。登場人物の孤独を繊細に描きつつ、その運命も暗示し、それでいて全く飽きさせない演出もお見事の一言です。美しいアコースティックギターの音で始まる最初のシーンがすごく効いている。怖い~。笑えるのに怖い、怖いのに惹き付けられる、もう、なんだか二つも三つもの舞台を一度に見たような気がします。
1時間半という舞台でしたが、もっと長く感じた。普通面白い舞台というのは短く感じるものだけれど、これは逆。時間的には短いのに、たくさんの物を受けとったような気がする、そんな不思議な舞台でした。
それ行け!お魚ナンバーナイン(仮)
演劇サムライナンバーナイン
シアター711(東京都)
2013/04/17 (水) ~ 2013/04/21 (日)公演終了
満足度★★★
う~ん??
何だろう、この演劇臭さ。いまどき珍しくてちょっと痛いぐらい。特に「セカイから抜け出す~」のほうは、大きすぎる声、チェスの女など、学生演劇を彷彿とさせる。ちょっと辟易としてしまう舞台でした。チェスのルールなどがわかったら面白かったのかな?
近未来パーク
とくお組
吉祥寺シアター(東京都)
2013/04/17 (水) ~ 2013/04/21 (日)公演終了
満足度★★★★
いや~、楽しかったなぁ。
ユニークな設定と息のあった演技ですごく楽しめました。大爆笑というのではないけれど、ずっと笑いっぱなし。このほのぼの感、いいですね~。長くやっている劇団だからこそ出せる味だと思います。リアルな公園の舞台装置もすごい!また、その活かし方もうまかったですね。内容は「え、帰れたとしても、
どうやって生きていくの?そんなのすぐに捕まっちゃうんじゃない?」とちょっと突っこみたくなりましたが、それを除けばよく練られた脚本だったと思います。欲を言えば、桜の花びらが少しでも散って欲しかったかな。でも、こんなにアフタートークを観客が楽しみにしている劇団って初めて見ました!(帰った人はほとんどいなかった。) 最後の未来人の「家畜」ネタには笑いました。シュールです。
「そんな奇跡は起きなかった」たくさんのご来場ありがとうございました!!
The Stone Age ブライアント
サンモールスタジオ(東京都)
2013/04/09 (火) ~ 2013/04/14 (日)公演終了
満足度★★★★
面白かったです!
よく分らない点は数々あれど、何だか面白いテイストだなぁ、と思いながら見てました。鬼がいい味出してる。衣装やメイクがイメージ通りだ。この、死後の世界観のどうしようも無さ、救われなさは、よりよく死ぬためにはどうやって生きたらいいのか、と自然に考えさせられてしまう。鬼にもヒエラルヒーがあったり、死者にもグループがあったりと、現世の執着をそのまま引きずっているのが妙にリアルで、様々な矛盾点もなんとなく飲み込めてしまう。でも、ちょっと盛り上がりに欠けたかな?女性の鬼が出てきて、もうちょっと何か新しい展開が欲しかったところ。
ペテン師と詐欺師
The Dusty Walls
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2013/04/06 (土) ~ 2013/04/14 (日)公演終了
満足度★★★
せっかくの生バンドなのに
音響があまり良くないのと、音が大きすぎて台無しな感じに。これなら音源を使ったほうが無理なく聞こえる、と思うぐらい。華やかな舞台で楽しめましたが、前半がすごく長く感じた。前半もう少しコンパクトだとおしゃれ感が出てよかったのに、と残念感が残る。
つきあたりを見上げれば…【無事に終演致しました。ご来場頂きありがとうございました!】
劇団宇宙キャンパス
吉祥寺シアター(東京都)
2013/04/04 (木) ~ 2013/04/10 (水)公演終了
満足度★★★
とてもテンポのいいお芝居で
楽しめました。劇の始まる前の、映像と役者さんの動きがよくリンクしていて面白かった。劇中でもこういうのがあっても良かったかも知れない。ちょっと同じパターンが続いてどうなるのかな、と思っていたら、よくわからないままいきなりジ・エンドになり、何となくもやもやが残りますが、達者な役者さんが多く安心してみていられる舞台でした。神様が何かしたのかな?音楽もよく合っていて素敵でした。
病院のススメ
GENKI Produce
笹塚ファクトリー(東京都)
2013/04/02 (火) ~ 2013/04/07 (日)公演終了
満足度★★★★
病院の待合室で繰り広げられる、とても明るくて
楽しいコメディでした。場面によって微妙にライトを変えているのも良かった。同じライティングだとちょっと飽きが来ていたと思います。こうしたベタなコメディって
熱量の多さとスピード感が命だと思いますが、舞台が広いせいか、ちょっと熱量不足みたいに感じたのは私だけかな?役者さんたちは皆さん熱演なのですが、
欲を言うともう一つ突き抜けた感じが欲しかった。それと病院なので、もう少し命の大切さを見せてくれるシーンがあったらもっと感動的だったかも。でも、拍手の鳴り止まない好演でした。
シュワロヴィッツの魔法使い
メガバックスコレクション
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2013/03/29 (金) ~ 2013/04/07 (日)公演終了
満足度★★★★
タイトルの示すように
ファンタジーなのだけれど、いつもながらに生と死の深い寓意を感じさせる作品。始まりの魔法使いのナレーションは豊かな声量と表現で一気に物語の世界に引き込む力があり、素晴らしいものでした。中盤にちょっとたるみがあるのはゆっくりした台詞のせいかな?それにしても、最後のどんでん返し、謎が明らかになっていく見事なストーリー展開には驚きました。シリアスな舞台からファンタジーまで次々とこなす俳優さんたちもすごいです!それから、今回の美術も素敵でした。いつもちょっとした遊びがあり、観客席は難破船に模されている。素晴らしいアイディアだと思います。
国家~偽伝、桓武と最澄とその時代~
アロッタファジャイナ
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2013/03/27 (水) ~ 2013/03/31 (日)公演終了
舞台裏で何があったのか知りませんが、
フィナーレで馬鹿笑いがとまらない役者さんが何人か・・・・・・。観客をうまくごまかせたとでも?呆れて感想を書く気にもなれません。
『熱狂』『あの記憶の記録』ご来場ありがとうございました!次回は9月!
劇団チョコレートケーキ
サンモールスタジオ(東京都)
2013/03/23 (土) ~ 2013/03/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
「あの記憶の記録」
舞台は三方から客席に囲まれた、まさに3D演劇。正面も、背中も横顔もすべて演技している、すさまじい舞台でした。役者さんというのは姿勢の良いものだけれど、主人公は舞台上ではずっと左肩が上がり、結果として背骨がよじれたようになっている。主人公の深いトラウマと心の闇を象徴しているようで、見ていて苦しいほどでした。ああ、役者さんというのは、こうして全身全霊で演技するんだな、とお芝居の見方が変わりました。重い内容もこの演技があってこそ語れるものなのだと思います。
鉄火のいろは 【観たい!コメントorツイッター呟き で特製バッチプレゼント☆】
蜂寅企画
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2013/03/27 (水) ~ 2013/03/31 (日)公演終了
満足度★★★★
木遣りに始まる江戸の様々な情景
が楽しめてすごく良かったです。今回は歴史の狭間に埋もれた火消し達のお話。多面的な性格を持つお話で現在噛みしめ中。一見花のお江戸の派手な話に見えて、入れ子のように多重的な性格を持つ、割とシンボリックな話だ。破壊と再生を意味する火消し達。人はいつまでも少年少女のままではいられないが、変わらないものの象徴としてのおふじ。義に殉じる男達と真逆の女達。でも、こんな風に考えなくても、スピーディーな展開と歴史をベースにした話は説得力があり、派手なアクションも喧嘩や戦闘のシーンも皆、最後のシーンに向かってきれいに収束していき、見応えがありました。途中から劇場のあちこちからすすり泣きが聞こえた。エンターテイメントとしても、一級品でした。特に衣装の細かいところまで神経が行き届き、舞台を引き締めていたと思います。
『白痴』 『コーカサスの白墨の輪』
TOKYO NOVYI・ART
シアターX(東京都)
2013/03/22 (金) ~ 2014/06/07 (土)公演終了
満足度★★★
「コーカサスの白墨の輪」観ました
去年見逃したこの作品が1,000円で見られるというので、喜んで行きました。前日、去年の公演を見た友人が「なんと言うか・・・・面白くないことは無いんだけれど、長い!とにかく長いのよ~!」と言っていたので、体調を整えていったのですが・・・・・。友人が長いといってた理由が分った。休憩を挟んで3時間の公演はこの劇団では普通。これ、時間の問題ではなく、とにかくナレーションと三味線がテンポを引き伸ばしている。去年ぐらいから演出のアニシモフ氏は三味線がお気に入りらしく、やたら三味線を舞台に出してくるが、別にナレーションが必要なような複雑なストーリーでもないのに、人形浄瑠璃ばりの声を張り上げるナレーションが入り、またそれが長い。これに三味線が重なり、ますます長くなる。彼らがやる、金属板を使った効果音や子供の可愛い声などは見事だったが、なんというか、演出疲れするような舞台でした。グルジアという民族色を出すための方言を駆使した台詞も聞き取りにくく、イライラする。また、シャンソンのような台詞もあったりで、ちょっとさまざまな演出を詰め込みすぎた感じだ。舞台の演出はいったい誰のためのものだろう。演出家が色々やりたい気持ちは分るが、観客に受け入れられなくては何にもならない。この劇、劇団関係者や演劇人の間では評判だったらしいが、去年の公演では、コリッチの「観て来た」に一人の感想も寄せられてはいなかった。一般観客のこの薄い反応を劇団側はどう捉えているのだろう。