満足度★★★
「コーカサスの白墨の輪」観ました
去年見逃したこの作品が1,000円で見られるというので、喜んで行きました。前日、去年の公演を見た友人が「なんと言うか・・・・面白くないことは無いんだけれど、長い!とにかく長いのよ~!」と言っていたので、体調を整えていったのですが・・・・・。友人が長いといってた理由が分った。休憩を挟んで3時間の公演はこの劇団では普通。これ、時間の問題ではなく、とにかくナレーションと三味線がテンポを引き伸ばしている。去年ぐらいから演出のアニシモフ氏は三味線がお気に入りらしく、やたら三味線を舞台に出してくるが、別にナレーションが必要なような複雑なストーリーでもないのに、人形浄瑠璃ばりの声を張り上げるナレーションが入り、またそれが長い。これに三味線が重なり、ますます長くなる。彼らがやる、金属板を使った効果音や子供の可愛い声などは見事だったが、なんというか、演出疲れするような舞台でした。グルジアという民族色を出すための方言を駆使した台詞も聞き取りにくく、イライラする。また、シャンソンのような台詞もあったりで、ちょっとさまざまな演出を詰め込みすぎた感じだ。舞台の演出はいったい誰のためのものだろう。演出家が色々やりたい気持ちは分るが、観客に受け入れられなくては何にもならない。この劇、劇団関係者や演劇人の間では評判だったらしいが、去年の公演では、コリッチの「観て来た」に一人の感想も寄せられてはいなかった。一般観客のこの薄い反応を劇団側はどう捉えているのだろう。