実演鑑賞
満足度★★★★★
115分ノンストップの裁判劇。書きたいことは山ほどあるけどすべてネタバレに通じてしまうー(汗)!!とっても面白かったです。おすすめです。
ネタバレBOX
アンドロイドが開発されて早50年、今では自己成長型ニューロチップの開発で人間と遜色ない見た目・頭脳・考え方を持つような存在になっている。
最新型アンドロイドとして開発された製造番号HY-1985型・俗称ジャックの試験機3体は、1体がラボラトリーに、残り2体が開発企業ゼペットワークス社関係先の一般家庭にテスター配備され、出荷前の最終テスト段階にあった。
そのような中、オオサキ家に配備されたジャックが隣人殺人で逮捕され、刑事裁判の被告人となる。
ジャックは人間なのか人間でないのか、人間的な責任能力を問えるのか、これは有責性を問う裁判なのか、それとも。。
これは殺人裁判という一言で片付けられる、いわゆる法廷モノではない。地裁の公判前整理手続における判事・検事・弁護士のやり取り、回数を重ねるに連れて各個人の人間性も透けて見えてきて、すべての関係者の思いに同苦してしまう。
そして判決だが…古い話かも知れないが、私は舞台を鑑賞しながら永山基準について思いを巡らせていた。犯罪の動機の有無や計画性、衝動性、殺害された被害者の人数や被害者家族の感情、前科などを考えていた。それをアンドロイドに適用するならば、どうなるかと。もし機械として裁くならこうであろう、でも人間として裁くならこうであろう、と。
判事の結論は、なるほどと言わざるを得ない。おそらく観ていた人全ての心の中に、新しい「何か」を残し、共有させる舞台であったと思う。
最後のピリッと気の利いた旧型アンドロイドのセリフに笑って締めくくりになったのも良かった。
実演鑑賞
満足度★★★★★
決しておとなしい朗読劇ではなく、艷っぽい話が最初から最後まで頻出。ギリシャ神話ってカタカナの名前ばかりだし小難しそうな印象があって、観る前から、実は構えておりましたが、そんな心配いらなかった!
ネタバレBOX
結局、全部ゼウスの女好き、女癖の悪さがこんなこと巻き起こしてるんじゃん。ヘラも焼きもち焼きすぎだわ、業火でみんな焼き尽くす勢いだし。みたいなスタートでしたが、全編面白楽しく、こんな角度からギリシャ神話を見たことなかった!カタカナの名前のオンパレードでだめになるかと思ってたけど、途中、登場人物が多すぎてキャーッてなったけど、舞台の熱気に巻き込まれたまま観客の私も全力疾走しました。こんな朗読劇、見たことない。夢中になりました。
実演鑑賞
満足度★★★★★
2021年ラストの観劇となりました。
ネタバレBOX
好きってとても難しい。23人と同時に付き合っているからと言って、愛情が23分割されているわけではない。他の人には理解できないけれど、町子本人には23通りの出会いがあって、ドキドキやワクワクやたまのケンカや指切りや、それに思い出がある。23人の恋人は町子だけを愛してくれているんだけど、町子ももちろん23人のことを大好きだと思って付き合っているんだけど、そのうち誰かだけを好きになって誰かだけと付き合うというのとは違うよう。
町子が恋人の23人について形容するとき、誰が一番好きとかじゃない、オリンピックと同じだと。それぞれの種目がそれぞれに素晴らしいんだけど、全ての種目の選手を戦わせて誰が一番なんて決めない、だって全ての種目が全くの別物だから。
「まちこりんぴっく」って名付けてたけど、それを聞いて、ああ、そういうことなのか、と独りごちた。町子はふざけているわけじゃ決してない。でも誰かに町子の恋愛スタイルを理解してくれと言っているわけでもない。太陽の明るさであっけらかんとしながら、人の好意を無にできない。好きーって思うのも早い。結果、貞操観念おかしな女の子だけど憎めない天然素質もありな役どころを演じた織田奈那さん。欅坂46出身ということで、どうしても可愛らしさが先に立ってしまう、というかこちらがアイドルさんを見てるミーハーな気持ちになってしまうけど、面白おかしく演じていて楽しかった。
親友役の見里瑞穂さん。モルカーのあのドライバーのOLさん。ある意味おせっかいな親友あかりが、町子にそんな不埒なことはダメだと説くんだけど…このあかりさん、ところどころ観客の気持ちを代弁。最後に、一人だけもう一度付き合って良いと言われたら誰を選ぶのか、と町子にズバリ聞いてしまうこと自体、実はみんなそれ思ってた、聞いてほしいと思ってた的な気持ちを解消してくれたりで感情移入しやすかった。
23区の恋人たちを演じたうしろシティ金子さん。テレビで見るお笑いさんのイメージと全然違って、もともと俳優さんて言われても驚かない。次の出演作品が早く見たいです。本当に「ちょうど良い」って思いました。すっごく目立つとか、すっごく変わってるとか、そういうのじゃない、巷の、市井の人を演じるのが面白くて上手。
というわけで、とても良い時間をいただきました。2021年の見納め、そして笑い納め。こんな舞台に出会えて感謝。
実演鑑賞
満足度★★★★★
3人の女優さんが上演回によって3人の登場人物をローテーションして演じる、とても珍しいタイプの芝居。トリプルキャストの進化系というのでしょうか。歌声にとにかく圧倒される時間を過ごしました。(この先はネタバレboxに書きます)
ネタバレBOX
児童養護施設で育った女の子たちは、置かれた立場でそれぞれに苦悩を抱えているが、それを直視したその上で自分は自分と認められるのか、それともそんなことは大した悩みではないと自分を欺くのか、それとも思考停止することで自分を守るのか…何が正しい、どれが正しい、だけじゃない。生きるっていうことは、きっとこういうことなんだ。簡単なようで難しく、難しいようで時にシンプル。何が怪物なのか、全編にわたって考えさせられる舞台。もちろん加害する人は自分にとってモンスターなんだけど、でも、この言葉も怪物で、あの気持ちも怪物で、一つの希望がいつか呪文のように自分を縛り付ける、それも怪物なんだ。伏線がたくさん張られた話に感じて、こちらも本気で鑑賞しました。
実演鑑賞
満足度★★★★★
一夜限り、さるしばいさんの「猿のネタまつり」を観てまいりました。ちょっともう、代表者の方のいちいち腰の低すぎるしぐさやコメントに引き寄せられ…(この先はネタバレboxに書いちゃいます。思ったこと全部書いちゃうので汗)
ネタバレBOX
完全ネタバレになっちゃうので、続きはこちらに書かせていただきますが…MCぺんぎんナッツさんのトーク、特に最初のつかみで大きく滑るのを前向きな笑いに変化できる素質というのでしょうか、そういったことにいちいち反応してくすくす笑ってしまいました。そして、もしかして私、渋谷のヨシモト∞ホールで観たことある!笑ったことある、この感じ!って思いだしちゃいました。間違えていたらごめんなさい。でも相当にパワーアップしていて、そして安定の司会で、本当に楽しませていただきました。出演順を決める抽選箱がまたしっかりしているっていうか。小道具が雑じゃないところにまた反応。というわけで、実際の夢のコラボを果たした8組が漫才やコントで出演する前に、代表の太田さん、MCぺんぎんナッツさん、大道具・小道具の数々にもうどっぷり漬かってしまいました。
コラボした8組はひとつひとつ書ききれないほど面白くて、これ、定期的にやってほしい、毎回見てみたい、と強く思いました。もちろん舞台俳優さんがめちゃくちゃ芝居上手なのでこういう形に仕上がるんでしょうけど、やっぱりお笑い芸人さんって、こういう力を持ってる。自分が苦しくても悩んでても迷ってても人を笑わせようとする究極のボランティア精神。滅私奉公。そして丁寧。笑いに対して真摯。役者さんは絶対暴走しないのを心がけているだろうに、暴走しているようなアドリブを入れている風に見せるの大得意で、いつの間にか会場の観客みんな引き込まれちゃって、大笑いしました。こなもんずアミさん、私も、この子誰か叱ってくれないからこういう子になっちゃった、って思った。みんなの思いを言葉にしてみんなにお返ししてくる力がすごい。女が嫌いな女を本当に上手に演じてくれたはむさん、ありがとうございました。そぼくさんとあくつさん、本当にお笑いのお二人って感じで息ぴったり、そぼくさんがひょっとこで出てきたとき一瞬戸惑いました。一人長台詞、全然噛まないしびっくり。プロ意識。(あ、あくつさんは俳優さんでしたけど、すみません、どちらもお笑い芸人さんみたいに安定したお笑いを感じました)上野投手とかわいコーチも良かった、私も最後の衝撃的な一言よりウィルコムに笑っちゃいました。海ちゃん最下位は信じられませんが、私は早戸さんの釣りのアドリブの長さでちょっと減点しちゃった派。というわけで早戸さんのせい(笑)あと回遊魚の腹に書いたマジックが後方座席から見えなくて…もう少しハッキリした色希望します。横須賀さん手島さん面白かったです、単純に最初から笑えちゃいました。ストーリー性ぐちゃぐちゃなドタバタのお笑いを見せるというふうな仕立て方、嫌いじゃないです。ドキドキさんハラハラちゃん、毒のないお笑いで観ていて安心。テーブルクロス引きドキドキしました。群馬のどちらだったのでしょう。。私は勝手に、館林かな、太田かな、それとも前橋や高崎のような大都市か?と想像してしまいました。文福茶釜の茂林寺も群馬だし、水上温泉も群馬。いいところ。ぺんぎんナッツさん福島から来てるから距離遠いけど新幹線ある…それに比べて群馬は地味に遠いはず。
で、じゃあ、だれに投票したかというと、私は、ごめんなさい。やっぱりトップバッターで正統派なお笑い、もう本当に上手で楽しませていただいたそふとくりーむさんが首位。そしてスヅキさんの痛いの我慢な姿勢もあっぱれながら…もじゃさんに感情移入。やっぱりプロ根性めちゃくちゃ感じて、きっとこの人、ものすごい姉御肌と思われる的なタイプの、まさかの坂もどんとこい風に見えちゃうタイプの、包容力めちゃくちゃ高めに見えちゃうタイプの、事実、お笑いに凄い真剣そうなもじゃさんがすごく気になって味のしないガムさん2位。アミちゃんはむちゃんが3位で推させていただきました。
次回、マジで待ってます。本当に待ってますので。次は一人で観に行かず、家族や友人誘います。期待してます。よろしくお願いします。やばい書きすぎた。ヒートアップ汗。
実演鑑賞
満足度★★★★★
本日、初日。新型コロナウイルス感染症の世界的流行で、有観客での芝居やイベントがずっとできていなかったココ東京で、気合いをいれて観てまいりました。
実は仕事上お付き合いのある方々が学生運動最高潮のまっ最中に東大生だった方で、よく、あの頃はああだった、こうだった、というお話になるのだけれど、皆一様に東大安田講堂事件の当日の話はしたがらない。
今日、臨場感あふれる舞台を観て、皆が口を開きたがらない理由がわかった気がしました。
およそ100分の公演のなかで一本ど真ん中に通っている柱は主人公の初恋なのだけれど、学生運動だとか全共闘だとかいろんなことがあって、今や、それらはとても攻撃的な団体が起こした大事件と思われがちのことなのだけれど、あの頃も今も、20歳の青春や熱い思い、正義感、若い人たちにしかできないことというのは確かにあって、皆が自分の信念に忠実に行動していたということ。誰かや何かに、また、熱に浮かされていた、ということだけじゃ説明つかなくて、自分の頭と心と体でしっかりと考えて、自分の意思で行動したということは真実なんだと思った。
毎回舞台を見ると学びがあって、新しい自分になるプラスαがある。今回も学びがあった。
チャラっとした気楽に観られるストーリーではなくて、心にしっかり、ずっしりと来る内容でした。
初日に拝見出来て良かったです。ありがとうございました。
実演鑑賞
満足度★★★★★
芝居のタイトルになっている「優しい嘘」というのがどれを指すのか、考えながら鑑賞し始めました。わかりやすい嘘もあれば他者に対する気遣いの嘘もある、言っちゃったあとゴメンの一言で済むものもあれば、墓場まで持っていかないといけないのもある。でもいずれにしても、それを口から出した瞬間から人間の後悔や反省は始まっていて、嘘を言いたくて言ってる人はいないってこと。誰に対しても正直に生きられたらこんなに楽なことはないんだけど、それじゃ成り立たないこともあるってこと。みんなに幸せな気持ちを持ってほしくて、一世一代の大嘘をついて、自分もその大嘘が真実だったと思い込みたくて、でもいつまでも、嘘を言ってしまってるその事実は自分の中に残る。いくら人のためでも、弱音を吐きたい時もありますよね。この芝居は、若い子が見れば若い子なりの、お年を召した方が見ればその世代の方なりの感じ方があると思うし、やっぱり舞台ってものすごく心に来るなって。向こうも本気、こっちも本気にならないとやられちゃう。そんなことを感じる時間でした。
実演鑑賞
満足度★★★★★
IN HER THIRTIES、とっても良かった。鑑賞している誰もがきっと、自分の30代はこうだったと、ひとに言って聞かせたくなるような気持ちになったと思う。仕事に燃えて中堅層と言われるようになり、そのうち追い求めても追い求めても届かないものがあることを知る。他人に対する憧れや嫉妬を抱いてみても自分は報われないことを知る。人生の小休止が必要なのもこの頃で、自分がやりたいこととできないことのギャップを埋めようとするか諦めるかの判断をするのも自分以外にいないことを知る。藻掻いて、苦しんで、疲れて、でも人前では自分をよく見せようと必死で、それをやめようって思った時に初めて到達できる境地があることも知る。人生って本当に一筋縄ではいかなくて、よくある結婚式の挨拶じゃないけど、こんなところにも、あんなところにも、まさかの坂がいくつも転がってるんだ。もう、そういうの全部、全部、全部、思い起こさせる芝居でした。
満足度★★★★
鑑賞日2017/10/11 (水) 19:30
座席1階2列
観てきた!コメントをしたいけれども、一言で言い表せない。感想として書きたいことに、ネタバレもたくさんあるので、ネタバレしても大丈夫な方、ネタバレboxへ。。。
ネタバレBOX
今回の舞台は、佐々木 敦さんのpaper song、その後、川村 美紀子さんの或る女。
佐々木さんの描きたいこと、かなり心にずしっとくる事で、これは観る人を選ぶと思いました。多分、この、孤独や内包する狂気・内なる声や爆発あたりを理解できる人は、自身も豊富な孤独経験のある人。いじめとか、そんな事だけでは、もはや、ない。いや、いじめを簡単に考えているのではありません。社会というものに、自分だけが置き去りにされていく、それも長い長い間。もう抜け出たのか、それとも抜け出ていないのか、いつ抜け出せばいいのか、そのきっかけさえ掴めない、そういう人は、佐々木さんの表現を理解できると思います。でも、でもですよ、そういう人が見たら、一発でやられます。息が苦しくなっちゃうと思う。だから、観る人はそれなりに覚悟が必要な舞台だったな、と遅ればせながら思いました。
川村さんは、昭和29年と現代との、時空を超えた文通から露呈されていくものの表現。かたや、身体的な病いを抱えながらも乗り越えようとする、ただ、表面上は明るくしていてもその実、もがき苦しんでいる女性。もう片方は、現代の、モヤモヤしながらも答えを見つけ出そうとする、いや、本当の答えはどこかにあって、それは自分の内なるところにこそあって、それについては本当は、非常に早くから認識しているのに、汚い世界に身を投じて自分も汚いものになって、それでもまだもがいている。でも、汚くない。自分は汚いのがわかってここにいる。だから汚くない。そういう女性。
両者とも、表現方法、ダンス(無骨な佐々木さんと、しなやかな川村さん)、鬼気迫るような気迫、、、色々共通しているけれど、全て、空虚・無・そして死を連想させます。
わざとらしくは感じません。
ただ、連想される死の後に、また新たな生を感じる。
でも、清々しいとかなんとかではなく、ただただ、生と性の輪廻を繰り返す。
この2つの作品は、演出でも大量に使われた、paperでつながっている。
つながってはいるが、ただの紙でつながっているのではない。
paperは、レッテル。社会からのレッテルの意味もある。
紙やすりも。ヒリヒリと削る、紙やすり。
そして、名目だけで、実体や実質を伴わないモノもさすんだ。
paper song。実体のない歌。
そんなことを考えながら劇場を後にしました。
満足度★★★★★
リストの超絶技巧!
ショパンが素晴らしかった!
しかしショパンもさることながら、リストの超絶技巧練習曲が生で聴けると思わず、びっくりしました。
また、お芝居が間に挟まることで、マリー・ダグーの生涯は本当に華やかでドラマチックだったこと、不倫横行の時代にあっても愛人の子を出産するなどということはなかなか珍しかったのに、リストの子を3人も出産したこと、また一番びっくりしたのは、リストとショパンとドブォルザークとワグナー?は同い年だったらしいことなど、色々勉強にもなりました。また機会があれば伺いたいです。皆さんにもお勧めです。
満足度★★★★★
もう、いいのなんのって(号泣)
GW明けの投稿になっちゃってすみません(汗)
本当は、すごくすごくすごくすごく感動したことを
素晴らしいよ~って吠えつくしたまま
投稿したかったのでやんす(号泣)
さて、もう、ほんとすごいね。
この劇団は。
ツレは男の子だったもんで、感想を聞いてみたけど
女性ばかりの劇団という割には
構成が男性っぽかったっていう。
いや、たしかに舞監さん、違う劇団の男性だったのよね。
それにしても、本当に本当に、やぶさかってすごい劇団だよ。
こんなに大道具ないのに
いや、もちろん小道具もないし
周囲に絵があるわけでもないのに
小細工と
衣装と照明と音楽と
それに言葉づかい?躍動感?だけで
どうしてこんなにすごいんだよ。。。(泣)
次回も絶対見に行くから!
絶対絶対行くから(泣)!!
初めて見た劇団で、こんなに感動したのって
実は四季以来なんだよぉぉぉぉぉぉぉぉ(泣)
いや、四季は装置も大がかりだし
お値段もそんじょそこらのミュージカルより高いし
それに比べたらこの劇団さんは
小劇団の小劇団らしい良さがあるんだよってことなんですけど
ほんと、感動した。。。
感激したよ。。。
ありがとう!!
ありがとう、やぶさかさん!!!