さらば箱舟
ニットキャップシアター
AI・HALL(兵庫県)
2012/02/10 (金) ~ 2012/02/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
ニットキャップシアターのさらば箱舟
穴に響き渡る音。生音、響く太鼓、揺さぶる天使の歌声、とてもエロチック。反面、録音された音、なんだか去勢されてフニャ。穴から漏れる音に誘われて覗き込む穴の世界は、なんだかよくわかりませんでしたが、性と生の営みに満ちていました。原作を意識しない、いや意識する暇などありませんでした。もう一度言いますが、なんだかよくわかりませんでしたが、身体の真ん中が震えました。
新しい生活の提案
壱劇屋
OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)
2012/02/10 (金) ~ 2012/02/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
新しい生活の提案
前回までの作品では、マイムが作品にとって必ずしも必然ではないことが多々ありました。本作ではそんなことはありません。すべてが必然。壱劇屋にとっても新しい生活の提案になったようで、独自のシステムが確立されました。今後目を離すことはできません。
愛はタンパク質で育ってる
ぬいぐるみハンター
駅前劇場(東京都)
2012/02/08 (水) ~ 2012/02/14 (火)公演終了
満足度★★★★★
少子化対策
なぜ平日のこんな日が千秋楽なのか、やっとわかりました。一方通行のロード演劇。今夜、どれだけの旅が繰り広げられるのだろうか。民主党の無能ぶりがはっきりとわかる。この作品こそが少子化対策。
LOVE02
ロロ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/02/05 (日) ~ 2012/02/13 (月)公演終了
満足度★★★★★
土と汗とベタで、おしゃれではない。
もてない人の気持ちが充満している。だから観ていてとても痛い。そう、自分の中の気持ちが反応してしまう。嘘くさい、おしゃれなLOVEではない、土と汗とベタなLOVE。LOVEをずっと飛ばし続けてください。観客にはきちんと届いていますから。
びんぼう君
五反田団
アトリエ劇研(京都府)
2012/02/08 (水) ~ 2012/02/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
また京都に来てください。
初めての五反田団。期待が大きすぎたのか、とても面白いのですが、想像の範囲内。ポンと展開があった後のストーリーが予想できてしまう。普遍的といえばそうなのか。でもそれを突き破る3人の役者さんたち。端田さん、やはり馬力あります。彼女が動き出すとぐっと動き出します。他の作品もぜひ観たい。京都にまた来ていただけませんか、と無理なお願い。
男子
baghdad cafe’
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2012/02/03 (金) ~ 2012/02/06 (月)公演終了
満足度★★★★★
よくわからないけど面白かった
いきなりラップで始まってどうしたものかと怯えました。ちょっとわからないけど、女子の妄想のなか、ドアをあけたくなりました。本当によくわからないけど、おもしろかったです。速水佳苗さんという役者さんが本当によかった。記憶にとどめておきます。
茶摘み
劇団しようよ
アトリエ劇研(京都府)
2011/09/02 (金) ~ 2011/09/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
しようよは京都の若手注目株でございます
日常に潜む狂気をまとった芝居とエレキギター弾き語り生伴奏の融合。バンドを従えた芝居というのは、どうも芝居とバンドの必然的相関性を感じないところが多いのですが、劇団しようよにとって、どちらも欠かせない、一心同体な塊となっています。茶摘み。のほほんとしたタイトルとは裏腹に、感情をガンガンに揺さぶる素晴らしい作品でした。jこれからの劇団しようよに注目しています。
『渡り鳥の信号待ち』
世田谷シルク
ART COMPLEX 1928(京都府)
2012/02/04 (土) ~ 2012/02/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
身体がしゃべっていました
加速減速、自分がどこにいるのかわからなくなった。時間がモノクロームに染まり切り取られた感覚。すごく良いです。ダンスやらなんやらの身体パフォーマンスがちりばめられているのですが、なんというか、ぴったりくるというか、ぐっときます。陰の感じ。陰というのはマイナスではもちろんなく、何となくモノクロームな感じがするので。また明日も観ます。ぜひぜひおすすめ。
おやすみなさいの前に
劇団大阪新撰組
ウイングフィールド(大阪府)
2012/02/04 (土) ~ 2012/02/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
マイルドなハーモニー
前回の『純喫茶』に続き、今回もオムニバス風。かなりマイルド、だけど少し無茶な方向にずらしている感じがします。特に3話。ベテラン役者陣を自由自在に操る若い作演の南さんらしいファンタジーな作品で素晴らしいです。ぜひ。
ヅッコケ3人組の稽古場有料化反対闘争
笑の内閣
京都市東山青少年活動センター(京都府)
2012/01/20 (金) ~ 2012/01/22 (日)公演終了
満足度★★
役者頼み。
好きな役者さん(クールキャッツさん、2号さん、キタノさん)が出演されるということで楽しみにしていました。確かに役者さんたちは面白かったです。ですが、役者さんたちの持っているキャラクター、ネタだけで芝居を作っています。広い舞台であるにもかかわらず、こじんまりと平面的で動かず。ためしに目をつぶって会話だけを聞いてみたのですが、動きが見えない分、妄想できてそっちの方が面白かった。どうせ演出がないのであれば、拘束せず、役者さんたちの自由に動かせば面白くなったのにと思います。あと、客席の設営に難あり。地べたに座布団。座布団ではなく、風呂場のゴムマットのようなものが敷かれただけの席もあり。2時間、つらかった。腰が痛い。予約で人数が把握できるのですから、少しは考えてください。
熱海殺人事件~モンテカルロイリュージョン~
THE EDGE
EPOK(大阪府)
2012/01/20 (金) ~ 2012/01/22 (日)公演終了
満足度★★★★
髪切りデスマッチはいらない。芝居がかわいそう。
髪切りデスマッチが前面に押し出され、芝居が陰に隠れがち。だから芝居を観たいと純粋に思った人の足が遠のいてしまった感じです。ですが、芝居は4人が織りなすシンプルだからこそ広がる、素晴らしい芝居でした。芝居だけなら☆5です。それにしても髪切りを楽しみに見に行く人なんているのだろうか。そのような人が居たら、芝居は合わなかったかもしれません。
軽快にポンポコと君は
ぬいぐるみハンター
OFF OFFシアター(東京都)
2012/01/06 (金) ~ 2012/01/15 (日)公演終了
満足度★★★★
軽快にポンポコ
幕が開いてしばらくの間、ノレませんでした。漫才を観ている感じで、言葉だけが溢れてきて、停滞。戸惑いました。しかし、爆発音をきっかけに音楽がはまり出して、物語と体が動き出してからは軽快にポンポコ、最後まで一気にノレました。爆音を挟んで前半と後半、まったく別もののように感じます。後半に限れば激しくおすすめいたします。
ある光
ピンク地底人
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2011/07/08 (金) ~ 2011/07/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
2011年度ベスト作品(その2)
演劇を沢山観ている人の中には「演劇とはこうでなければならない」という「自分の好み」と「ひいき」でがんじがらめになっている人がいます。
ピンク地底人を「実験的」だと貶める声がありますが、そんな「先入観」に縛られた人の声だと思います。
小生は素人ファンだから楽しめたのかもしれませんが、最初から予想できる作品がはたして面白いでしょうか?
『ある光』最初から最後までワクワクさせられっぱなしでした。
これが演劇の楽しさなんだと実感しました。
観客に奇襲をかけ続けるピンク地底人。あなたたちなら征服されたい。
団欒シューハーリー
悪い芝居
京都市上京区二番町の家屋(住所:〒602-8344 京都市上京区仁和寺街道七本松通東入ル2番町(京都府)
2011/05/01 (日) ~ 2011/06/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
2011年度ベスト作品(その1)
他人家の団欒に違和感をもちながら混ぜてもらいました。
違和感を集中的に攻撃してくる。
ずっとドキドキキュンキュン。
この気持ちを味わいたくて、合計4回、お邪魔しました。
大きい劇場に打って出るではなく、このミニマムな環境で観客を驚かせる。
戦い続ける素晴らしい劇団です。
これからも観客を驚かせ続けてください!
戦い続ける限り、支持します。
太陽
イキウメ
ABCホール (大阪府)
2011/12/02 (金) ~ 2011/12/04 (日)公演終了
満足度★★★
瞑想中迷走中
今までのイキウメとは明らかに路線が違います。迷われているのでしょうか。そんな感じが作品ににじみ出ていました。特に美術が。面白いことは面白いのですが、イキウメならもっと期待できるはず。これくらいでは満足できません。知的好奇心をもっと驚かせてください。次回は原作ものということで、イキウメらしい戦いはしばらくお預けでしょうか。
夢幻地獄
劇団ヘルベチカスタンダード
京都大学内 西部講堂(京都府)
2011/12/23 (金) ~ 2011/12/25 (日)公演終了
満足度★★★★
地獄
なんだかストーリーがよくわからないのですが、いつの間にか言葉遊びの誘惑に導かれ、糸車にまかれてしまった感があります。110分のランタイムで、決して短くはないのですが、あっという間に時は過ぎていきました。ということは、面白かったということです。今後も注目したい劇団です。ですが、オープニングの歌謡ショーは必然性があったのでしょうか。
一九一一年【ご来場ありがとうございました!】
劇団チョコレートケーキ
王子小劇場(東京都)
2011/12/16 (金) ~ 2011/12/20 (火)公演終了
満足度★★★★★
史実
史実を扱う作品は、創る側は大変だと思うのですが、観る側はもっと大変です。結果がわかってしまっているから。でもこの作品は、結果はわかっている、もう歴史は動かせないからこその作品だと思います。客席の後ろをグルグル回る、歴史上の道化たち。その一歩前にいる我々観客。観客は、否応がなしに裁判を傍聴させられ、無力を実感しなければならない。敗北感がずっしり重い。素晴らしい作品でした。ただ、ラストの救いは必要があったのだろうか。
望遠鏡ブルース~秋・冬篇~
月面クロワッサン
アトリエ劇研(京都府)
2011/12/20 (火) ~ 2011/12/23 (金)公演終了
満足度★
本当に芝居をやりたいのでしょうか
正直言って、なぜ芝居を上演するのか、気持ちの見えない作品でした。以前作演の方が、演劇は興味がない、本当は映画を撮りたいといっているのを聞きました。その気持ちがはっきりわかる作品でした。目の前の舞台で繰り広げられているものがすべてかつ軽薄な作り話。まったく世界が広がらない。アフタートークで作演の方が「舞台では嘘つけるのですね」と妙な納得をしていましたが、演劇は嘘ではありません。もう一度、なぜ演劇を演るのかを考えてください。音響、舞台、照明、演出、まったく工夫なしで、とても残念。必然性を見つけてください。
うつくしい世界
こゆび侍
サンモールスタジオ(東京都)
2011/12/14 (水) ~ 2011/12/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
うつくしい世界を創るもの
こゆび侍、初めて拝見しました。作風その他まったく知らず、真っ新な気持ちで観ましたが、どっと黒く染められていきました。目の前で繰り広げられる世界に抵抗できず、ただ受け止めることしかできない。しかし、傍観することしかできない観客は、いつの間にか闇に包まれ、無力な存在として舞台上の世界を構成する一つの部品となりました。ただただ悲しく、涙を流してしまいましたが、観てよかった、ということだけははっきりしています。ただ、すべての者に救済を施す必要はなかったような気はします。
マリコのために
ピンク地底人
京都市東山青少年活動センター(京都府)
2011/12/15 (木) ~ 2011/12/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
すべてはマリコのために
結論から言うと、素晴らしい作品です。実験的だ、難しいなどと先入観カチカチの方がおっしゃいますが、まったくそんなものではありません。シンプルストレート。気が付いたら自分もマリコたちと一緒に街中にいることに気が付く作品。遠そうでいて、とても近い、包み込んでくれる作品です。明日、あと1回。おすすめ作品です。