遊民の観てきた!クチコミ一覧

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誰も見たことのない場所2015

誰も見たことのない場所2015

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/03/13 (金) ~ 2015/03/19 (木)公演終了

ドキュメンタリーの力
まさにその力をまざまざと見せつけられた。それは自殺に関わる様々な人々に取材した生の言葉をそのまま伝えてくれたこと。そのため、普段ニュースで聞く「自殺」というもののぼんやりとした輪郭をこれでもかという程くっきりと浮かび上がらせて見せてくれたこと。さらに役者陣が彼らの感情を丁寧に追い説得力ある演技力で見せてくれたこと。私には演劇作品というよりほぼドキュメンタリーという印象である。新しい演劇の一ジャンルとして新鮮ではあったがフィクションである一般的な芝居と並列的に:評価することはできないので星は付けないこととする。

少々気になった点を付け加える。途中、妊婦が二人登場したがこのシーンは何を意味していたのか。死に対する生命の誕生を描いた、にしては短いシーンだった。バーベキューのシーンは肉を焼く臭いが舞台の雰囲気に合わない気がした。

【終了致しました。ご来場誠にありがとうございました!】4 BITTER FACES

【終了致しました。ご来場誠にありがとうございました!】4 BITTER FACES

机上風景

高田馬場ラビネスト(東京都)

2015/03/06 (金) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★

家族の絆
「家族の絆の強さを描く」というテーマを凝縮した形で非常にわかりやすく表現した作品。共通の敵である三女タナエの夫祐二を登場させることによって四姉妹の絆の強さを表現。また突然「芸人になる」と言い出した四女美玲を戸惑いながら応援する姉たちを描くことによってもこのテーマを表現している。約1時間と短い作品だが、四女のネタ見せに時間を取りすぎている気がする。その分各人の描かれ方が浅くなった。

渦中の人

渦中の人

セロリの会 

「劇」小劇場(東京都)

2015/02/25 (水) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

満足度★★★

本当の「渦中の人」は?
ある意味登場人物皆が「渦中の人」なんだろうけど、本来物語の中心となるべきは水無和己とその妻圭子の関係、加えて福地節子とその娘のぞみの関係だろう。全体の印象として宝くじの高額当選を求めて島を訪問した女性たちが絡むエピソードが長すぎて、逆に夫婦や母娘の関係が深く描き込まれていない。コメディ的要素も加えたかったのだろうが、あれもこれもだと物語の芯がぼやけてしまう。

土に寝ころぶ女たち【公演終わりました!ご来場、ご声援ありがとうございました!】

土に寝ころぶ女たち【公演終わりました!ご来場、ご声援ありがとうございました!】

タテヨコ企画

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/02/25 (水) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★

共に生きる
舞台上の人物の出入りが多くて、ともするとまとまりのないストーリーとも受け取られかねない。だがそこには一貫して優しく暖かい空気が流れていた。
週末農業を通して出会った人々の中で起こる悲喜こもごも。この小さなコミュニティを通して「共に生きる喜び」を素直に感じることができた。終盤に主婦たちが合唱した中島みゆきの「誕生」はまさに人間賛歌だろう。

完熟リチャード三世

完熟リチャード三世

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/17 (火)公演終了

満足度★★★

魅せる力は抜群
「柿食う客」は初観劇だけに新鮮ではあった。見せる、というより魅せる力は抜群にある。もちろんそれは今回の7人の魅力的な女優陣によるところが大きい。;正直私は古典劇に親しんで来なかったので今作もタイトルを聞いたことがある程度だった。観ていても登場人物の関係性がすぐには掴めなくて、やっと掴めたと思ったら新キャラが出てきたりして参った。それでも集中して観られたのは、7人の台詞回しや立振る舞いに得も言われぬ魅力があった為と思われる。皆さんのコメントに「スタイリッシュ」なるワードが出てくるが、それで思ったことがある。この劇場で初めてバルコニー席に座ったのだが、舞台が市松模様のようになっているのがよく見える。何気なく見ていると役者は一つの動作をして立ち止まると必ずマス目の一つに両足が収まっていた。考えすぎかもしれないが、各シーンでの7人の立ち位置が細かく決まっていたのではないか。そんな所が「スタイリッシュ」という印象につながっているのではないかと思ってしまうのである。初見でこんなことを言うのも恐縮だが、独自の様式美を持った劇団なのかという気がする。

夏目漱石とねこ

夏目漱石とねこ

DULL-COLORED POP

座・高円寺1(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★

漱石のさみしさ
冒頭の障子越しの影によるシーンはいかにも時代を感じさせ、どんな物語になるのかと期待が高まったが正直期待外れだった。

どこまで漱石という人間の本質、彼の抱える「さみしさ」が感じられるかという視点で観ていたのだが、幼少時に養子に出され、本物の愛情を感じずに育った金之助のさみしさに起因するという、いかにも単純な図式にしか私には見えなかった。(まあだから“何のことはないただの人だ”ということになるのかもしれないが。)

またタイトある「ねこ」が劇中どのような役割を果たすのかも注目していたのだが、これだけの猫を登場させる理由がどこにあったのか。確かに猫たちによって語られる漱石は彼の人柄を伝えてはいるが。(ただ黒猫の三代目だけは別格だったようで、ただ一匹、金之助時代を見ていました。)

でも皆さんのコメントを読むと大切なセリフがあったようで、谷さんの意図するところが汲み取れなかった部分も私自身多々あったのかと思ったりもします。

オールライト☆なぅ

オールライト☆なぅ

肯定座

明石スタジオ(東京都)

2015/01/25 (日) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★★

エブリバディ ラブズ サムバディ
前半やや人物紹介的な流れでどう展開するのかと思ったが後半に盛り返した。

ネタバレBOX

歌と演奏のシーンが物語を断ち切ることなくうまく差し挟まれている。(前半の3人組の懐メロメドレーは少々長い。)物語的には落ち着くところに落ち着いて可もなく不可もなくというところだが、見るべきは女優陣の演技。いつも気になる存在の菊池美里さん。これだけ心情を吐露する激しい演技は初めて見た。新鮮でした。そしてなんといっても椿さんと塩塚さんの罵り合いのシーン。これは痺れた。そしてシンディ(塩塚)が「オールライト・ナウ」を歌い終え、店の去り際に小さく手を振り合うマダム(椿)とシンディ。これは感涙ものでした。
Bon Voyage!!

Bon Voyage!!

BOCA BoccA

OFF OFFシアター(東京都)

2014/12/05 (金) ~ 2014/12/09 (火)公演終了

満足度★★★

ちょっとついていけない
フェリーニの「人生は祭りだ、共に生きよう」という言葉をテーマとしているようだが作家の思いが先走りすぎたのか、観る側はついていけないところが多いと感じた。生前葬に関するやり取りが長すぎて、肝心の直樹と幸子の関係の描かれ方が薄く、一見迫力はあるが直樹のセリフに説得力がない。ラストの登場人物全員のお祭り騒ぎもテーマに沿ったものだろうが少々唐突で違和感を感じた。

優しくして

優しくして

ドリームダン

ワーサルシアター(東京都)

2014/09/23 (火) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

満足度★★★

袖振り合うも多生の縁
ふとしたことで知り合う他人同士が優しくしたり、されたり。押しつけがましさのないやさしさが観ていて心地良い。現実にはなかなかありえない設定だがすんなり入ってくる。神田奈々役の菊池美里さん、いくつかの舞台でお見かけしましたが独特の雰囲気が印象的で、今回はピッタリの役でした。一つ思ったのは、“劇団赤チンキ”のアングラ風の劇中劇が必要だったのか疑問に感じた。

【全公演終了しました。ありがとうございました】カムバック!矢板のガールズ♪

【全公演終了しました。ありがとうございました】カムバック!矢板のガールズ♪

らちゃかん

小劇場B1(東京都)

2014/09/10 (水) ~ 2014/09/14 (日)公演終了

満足度★★★

お茶の間劇場+α
わかりやすく子供からお年寄りまで楽しめる「お茶の間劇場」的雰囲気が心地いい劇団だが、今回少し雰囲気が変わったような気もする。ほっこり感をアップさせようとの意図からか、所々にスパイスが散りばめられているのだが今一つ伝わってこない。ベリーベリーの三人の過去から現在までの関係性をもう少し掘り下げて描いて欲しかった。現在の三人が過去の自分たちと対面するシーンも違った印象になったはずだ。

僕のともだち

僕のともだち

劇団 でん組

テアトルBONBON(東京都)

2014/09/02 (火) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★

展開に戸惑い
前半と後半の作風がガラッと変わってしまい少々戸惑う。冒頭浮かび上がる十字架や母親が抱きしめるぬいぐるみがラストにつながるのだが、単純で安っぽい演出に感じてしまう。そもそもいじめの問題をコミカルに描くことに違和感を覚えるし、母子の愛情物語に結び付けるための呼び水としての役割になってしまっているのが残念だ。結果、後半のドラマティックな演出は作家の思いが空回りしているように感じた。役者陣の熱演で何とか救われた。余談だがラストのストップモーションは少々長く感じた。

じゃのめ

じゃのめ

西瓜糖

駅前劇場(東京都)

2014/08/29 (金) ~ 2014/09/05 (金)公演終了

満足度★★★★

時代の匂いが滲み出す
浅学の身である私にどれだけこの作品が理解できたのかはさておき、そう思わせるだけの重厚感に溢れていた。震災後の混沌とした時代に抗い、もがきながら躍動する「生」。その陰で怪しく蠢く「性」。そこに清濁併せ持つ「人間」という存在のエネルギーを感じる。彼らの「渇き」を癒すのはそぼ降る雨か、果汁の恵みか。(梨や苺を食するシーンが象徴的?)栄子と雅枝の会話でお互いを「へんてこ」と呼び合うシーンがあるが、どこかへんてこでなければ生きていけない時代だったのかもしれない。文学座のベテラン女優を中心とした経験豊かな役者陣の演技は言うに及ばず、セット、小道具、衣装など細部に気配りされた舞台は見応え充分。ラスト、雑誌「じゃのめ」の編集者、宇垣逮捕の報で幕。土砂降りの雨の音、そして新たな戦火の足音。印象的な幕切れだ。

おせっかい母ちゃんリビングデッド

おせっかい母ちゃんリビングデッド

ぬいぐるみハンター

駅前劇場(東京都)

2014/08/08 (金) ~ 2014/08/17 (日)公演終了

満足度★★

台詞が届いてこない
どうも私にはそう思えてならない。神戸アキコ演じる美幸のテンポがいいんだかただ単調なのか、お経のような台詞回しが入ってこない。。思い描いていた母ちゃんのイメージが、強烈なインパクトのある滅茶苦茶なものだったためか(神戸が演るんだから)、観ていてしっくりこなかった。また美幸が一歩的にまくし立てる場面が多く、息子の恩太との関係が見えてこない。なのでラストの母と息子のほのぼのシーンも「何だろう?」という感じ。全体的に人物の描かれ方が浅いと言わざるを得ない。辻沢綾香は相変わらず笑える。

解散

解散

江古田のガールズ

本多劇場(東京都)

2014/08/05 (火) ~ 2014/08/06 (水)公演終了

満足度★★

本多劇場が泣いている
当日パンフを読むとこの劇団の主宰は長らく本多劇場に憧れ、進出を目指していたようだ。(以前は紀伊国屋が演劇人の聖地といわれたものだが、やっぱ今は本多なのかな。)

その本多劇場進出と劇団5周年記念の、ただのお祭り騒ぎにしか見えなかった。
「次世代娯楽会の女王」と銘打つなら、何よりも観客を楽しませる術を知らなければならない。今作のような、劇団の内幕物語でそれが達成されるとでも思ったのだろうか。内容的にもドラマを感じさせるものがなく、彼らの自慰行為にしか見えなかった。

あけみママを待ちながら 

あけみママを待ちながら 

劇団ぺブル(ペブル・グラベル)

ワーサルシアター(東京都)

2014/07/31 (木) ~ 2014/08/04 (月)公演終了

満足度★★★★

夕子と優子と祐子の物語
初見でしたが、予想した通り素敵な物語でした。

家族の話ではないけど、ホームドラマ的(「スナックあけみ」がホームですね。)
で落ち着いて観られるし、各キャラクターの劇中での役割が明快で無駄がない。なんといってもあけみママの正体が明かされて、全てがつながるのである。「そうだったのか、あのセリフはこういうことだったのか。」と。観終わって幸せを感じることはそうそうあるものではないがこの作品はそれを感じさせてくれた。こういう作品が小劇場でもっともっと上演されることを切に願いたい。

ツナガル

ツナガル

セロリの会 

「劇」小劇場(東京都)

2014/07/31 (木) ~ 2014/08/03 (日)公演終了

満足度★★★

ツナガっているのか?
昨年の公演と比べればしっかりした作劇と感じたが、もう少し描きこむ必要性も感じた。


音楽教室を営む麻美(勝平とも子)はなぜ娘の木綿子(村田綾)をそれほどまでにピアニストにすることに固執したのか?ラストに木綿子は交通事故で亡くなった親友の娘であり、麻美は彼女を引き取って育ててきたことが明かされるが、いくら親友が優秀なピアニストだったといえ、それだけでは理由として弱い。そこには麻美と木綿子の母との関係性が描かれなければ説得力に欠ける。


また麻美の母、絹代(岡田美子)は木綿子を引き取るという麻美をすんなり受け入れたのか?木綿子の実父、時生(尾方哲久)は妻の死後、麻美と夫婦になったということか?(そんなニュアンスで描かれていた気がする。)その辺の経緯や背景が省かれているので疑問が残るところである。そんな訳で劇中歌われる、「True Colors」も空々しく聞こえてしまった。


ただキャストの演技は総じて自然体で好感が持てた。

0号 -2014-

0号 -2014-

ゲキバカ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2014/07/17 (木) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★

これが王道・・・なのかな?
皆さん、激賞されているところ大変恐縮だが私にはあまり響いてこなかった。
この手の芝居を観すぎた為か、素直に受け止める感性が失われてしまったのか、とも思うが感じたところを書きたい。

まず、“「キネマ」に青春を懸ける若者たち”とあるがどうも活気ある撮影所の雰囲気が感じられなかった。時代劇の花形スターやレビューショウの踊り子たちは正に王道であるが、撮影所を描くのに欠かせないのは「活動屋」であるスタッフたちではないだろうか。私の勝手な思い込みだが、撮影所のシーンが結構長かったので気になった。

また物語の根幹をなすべき(今は幽霊となった)後藤と千代子の、いわば永遠の愛の描かれ方が少々杜撰だと感じた。彼らの結びつきの強さは数々のエピソードを積み上げた末のものでなければ首肯できるものでない。確かに逢瀬のシーンなどあるが「永遠の愛」に至るにはインパクトが弱い。

全体的にいろんな要素を盛り込んだために散漫になってしまったという印象が強い。坂東鶴三郎と敵役の菊田のある種の友情(?)、鶴三郎の死後、子分筋の後藤やさぶの面倒を見る菊田と彼らの師弟愛(この関係は戦場での非業の死まで続く。)そして前述した後藤と千代子の愛。そこ華やかなレビューや殺陣が加わってくるのである。乱暴な言い方かもしれないが、どれも私には表面をなぞって体裁を整えたように感じられてしまった。

逆に言えばこれだけの要素をよく2時間半にまとめたというところか。「ゲキバカ」鑑賞は2度目だが前回観た「スタンス」が非常によくできたエンターテイメントであっただけに残念である。

付け加えていうと殺陣やタップは素晴らしかった。

それは秘密です。

それは秘密です。

劇団チャリT企画

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/07/24 (木) ~ 2014/08/03 (日)公演終了

満足度★★★★

なるほど、「ふざけた社会派」か
こういう作風に出会ったのは初めてかもしれない。私には新鮮で面白かった。

ネタバレBOX

登場人物が事の成り行きを観客に説明しながら物語は進む。理解しやすいがあまり説明されても、と思うことがあるが、この作品の場合、これで正解だったかな。

前半、クスッと笑えるネタを交えながらユルユルと物語は進む。後半、というかラスト30分くらいで逮捕劇の真相が明かされる。前半のユルユル感から逆転し一気に_緊張感が走る。これは結構インパクトあったなあ。

社会風刺劇だと、結構初めからそれと分かるようなものが多かったが、この作風は新鮮だった。(まあ、フライヤーの文句でそれとなくわかるといってしまえばそうなのだが。)

初見なので前作までがどんな作風だったかわからないが、毎回これだと飽きられるだろう。
猫のサロン~家族のはなし~

猫のサロン~家族のはなし~

猫の会

ひつじ座(東京都)

2014/07/17 (木) ~ 2014/07/27 (日)公演終了

満足度★★★★

「クツシタの夜」を鑑賞
作家の言う“寄る辺なさ”を充分感じられた。「ひつじ座」という劇場もこの芝居の世界を表現するのにピッタリの空間だった。

ネタバレBOX

颯子を演じる菊池佳南がいい。彼女の表情やセリフ回しが“寄る辺なさ”を物語る。

冒頭、室内に散乱した彼女の衣類が最後はすっかり片づけられて空虚感に満ちた部屋が現出する。当初、虚ろで混沌としていた颯子の心情(それはどっちつかずで真情を消して見せない夫、文男への苛立ちか)が最後には全てを捨てて新たな旅立ちをする彼女の真っ新な心境への変化を表しているようにも見える。

何度か家出を繰り返しながら、文雄とやり直したいと思っていたようだが、野良猫の保護活動に夢中で颯子の話は上の空の文雄。「嘘だけはつかないでほしい」と言いながら禁煙の誓いを破って陰でタバコを吸っていた文雄。もはや颯子は文雄と暮らし続けることはできなかった。ラストの「バッーカ!」に全ての思いが込められている。(でもどこか未練を残しているようにも見えた。)

元々猫好きで惹かれあった二人だと思うが(夫婦寄り添ってマーガレットやクツシタを見守る時の幸せそうな顔といったらない。)猫のことが元で別れることになるとは皮肉なものだ
少年期の脳みそ

少年期の脳みそ

玉田企画

アトリエ春風舎(東京都)

2014/06/20 (金) ~ 2014/06/29 (日)公演終了

満足度★★★★

非日常的日常空間の心地よさ
・・・とでもいうのでしょうか。「あるある、こんなこと」とか「いるいる、こんな人」と思うもののなかなかお目にかかれない光景だったり、居そうで居ない人だったりするのです。ただ演劇というフィルターを通すとそこにリアリティのある日常が現れるのです。

ネタバレBOX

それは卓球部の浅田さんが友人、里中さんに仕掛けようとするドッキリだったり、後輩の前では先輩風を吹かせる加藤先輩が彼女の北山さんの前では頭が上がらなかったり、飲み会の席で皆に囃し立てられてドギマギする津田君だったりします。サラッと描いているようで結構奥が深い作品のように感じました。役者で気になったのは里中役の高田郁恵さん。凹んだり、戸惑ったりしているときの彼女の表情が何とも言えずイイのです。

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