「その先の闇と光」
ISAWO BOOKSTORE
雑遊(東京都)
2023/06/03 (土) ~ 2023/06/11 (日)公演終了
実演鑑賞
A「壁の向こうの友人」B「明日は運動会」を観劇。
実際に起こった事件を題材にし、それぞれある一つの視点から描くことによって事件の本質なり、(大げさに言えば)日本社会の実像が描かれており目を見開かされる。Aは死刑制度の是非について、Bはマスコミ報道の在り方について、それぞれ考えるいいきっかけになったと思う。
ただそれぞれを一篇の物語として捉えた時に、もどかしさだったり釈然としない感情を抱いてしまった。Aでは被害者の兄が犯人に対して(タイトルにあるように)まるで友人に語り掛けるような口調だった。最後の面会で、何回も面会した理由と合わせてその理由にも言及していたがあまりに複雑な感情で理解することができなかった。これについては実際に被害者の兄が書いた手記が出版されているので是非読んでみたい。
Bは加害者の4人の子供たちが久々に集まった(長男が集めた)家族会議の目的が母の冤罪を兄弟全員で動画で投稿しようというもの。この設定自体何かピンとこなかったし、物語の落ち自体が決まっているので、自然と会話の中に興味を引かれそうなことを探すのだが不覚にも途中で眠気が襲ってきて、肝心な長姉の台詞を聞き逃してしまった。無念。いずれにしてもなかなか出会えない社会派(嫌な表現だが)の作品を観劇できたのは貴重な体験だった。
立ちバック・トゥ・ザ・ティーチャー
Peachboys
ザ・ポケット(東京都)
2023/04/19 (水) ~ 2023/04/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
初見で相当期待して観たが少し残念な印象。まだバカになりきれていない。「これからバカやりますよー」といってバカやっている感じ。お行儀のよいバカである。(丁寧な前説にも象徴されている)ギャグは笑えるものもあるがそうでないものも散見される。下ネタはそれほどでもない。物語はグダグダで頭に入ってこない。などなど全体的に中途半端な印象。
短時間だが2部のレビューショーの方が断然よかった。「やれたのに」のネタが好きだった。今回、女優陣が皆輝いていた。特に永吉明日香さん。「この娘、誰っ?」と思ったらこの作品で引退だなんて残念至極です。
播磨谷ムーンショット
ホチキス
あうるすぽっと(東京都)
2023/04/07 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了
実演鑑賞
ホチキスは十年近く前に一度観たきりだったが、今回は前回とは多少印象が違った。前回の「観てきた!」で“観終わって「なんだか、劇画から抜け出た人物たちによる芝居を観た」様な不思議な感覚に襲われた。”と綴っていた。今回はそれよりも数倍劇画チックで、私の場合「ついていけない感」が勝っていた。まあそこがこの団体の真骨頂なんだろうが。笑いの取り方も少々強引な感じで好みではなかった。ただ、効果音や照明を含めて完成された舞台であることは確かだ。
幸福論
wonder×works
新宿シアタートップス(東京都)
2023/03/15 (水) ~ 2023/03/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
作品のテーマもさることながら、事態が紛糾する展開や主人公の小児科医、三谷昇の迫力ある物言いに気圧されるようで、観てるだけなのに終演後、軽い疲労感に襲われる。それだけ今起きている現実をリアルに切り取っているということだろう。思い通りにいかないのだ。
それにしても三谷は何故、町の核のゴミの最終処分場候補地の立候補に頑強に反対し続けたのだろうか?。何が彼を突き動かしているのか。私には冒頭からこの事が謎だった。物語が進むにつれ、どうやら幼い娘の死が大きく関係しているのではと思い至った。娘は病院で亡くなったっというだけで、事故とも病気とも、またはその他の理由とも死因には言及されなかった。
後半、自宅の庭先で行った反町長の集会で彼の「これ以上犠牲者を出したくない」という発言があった。町議の上光が「犠牲者とは誰なのか」と問うたが答えはなかった。犠牲者とは娘のことではなかったのか?また、集会が終わり庭の花を踏み荒らすように帰っていく住民に憤り三谷夫妻の大家、由紀江が「公民館でもどこでも他で集会をやれなかったのか」の問いに三谷の妻、結花が「どうしてもここでやりたかった」ときっぱりと返す。娘との思い出が詰まったこの家でやりたかったという強い意志の表れではないのか。このように物語の余白(語られなかった部分)に思いを馳せるのも興趣があるというものだ。
町長選挙は現町長の再選というかたちで反対派の敗北に終わった。三谷夫妻は町に留まるようだ。ラスト、床下から娘の宝物だったビー玉を見つけ愛おしそうに眺める二人には輝くビー玉の先に一筋の光を見出すことができるのだろうか。
カミサマの恋
ことのはbox
萬劇場(東京都)
2023/03/01 (水) ~ 2023/03/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
《Team葉》を鑑賞。既成戯曲を上演する団体なので、脚本と芝居を別にして感じたことを記す。
まず脚本について。舞台上の出入りが多くて慌ただしく感じる。(その都度、玄関のチャイムが鳴るので余計に)登場人物が多い分、各人のエピソードが積み重なっていくと多少冗長感がある。(嫁姑問題はいかにもありそうな内容で面白いけど)話の展開に、飛躍を感じたり疑問の残るシーンがある、など気になる点はあるもののラストは一気に巻き返して静かに胸を打つ佳作になっている。
上演された芝居について。文句なしです。遠藤道子を演じる木村望子さんはじめベテラン女優陣がいかにも津軽地方のおばさん、でいい味出してます。他の俳優さんも含めて、この団体は本当に言葉を大切にしているということが深く伝わってくる。日本家屋のセットも質素ながらいかにもな造りで、まさに目の前で津軽の一家庭で起こる出来事を観ているような空気感に包まれていました。お見事。
2222年の雨宿り
The Stone Age ブライアント
サンモールスタジオ(東京都)
2022/11/30 (水) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
物語の設定はユニークだが、何しろ二百年後の火星でのお話である。共感するにはハードルが高そうなので「雨の日の思い出」に過剰な期待をかけてしまったが、少々期待外れだったようだ。
主人公、四葉の思い出の謎を早く解き明かしてほしかったが後半まで引っ張られるので、前半の冗漫感も相まって焦れてしまった。結果は母親の隕石による衝突事故という悲しい思い出だったが、ここで唐突に母親が登場(それも事故死というかたちで)し、それが雨の日だったと言われても観ている方としては何の感慨も起きないのだ。このシーンの描かれ方も淡白だったように思う。ドラマ性が希薄だと言わざるを得ない。四葉の「雨の日の思い出」が中心に回っているお話なのでここは核となる部分だろう。
物語は何となくコミカルタッチなのだが、さして笑えるわけでもなく全体的に中途半端な印象。ただラストは唯一、ひと捻りしていた。地球時代の若かりし頃の四葉だろうか。煙草屋の軒先で雨宿りしながら何かに気付いたように「あっ」と声にする。未来の記憶が呼び覚まされたかのようだ。ポストの横の道祖神の周りに生えていたのはクローバーだったのか。
役者陣はそれぞれのキャラクターを忠実に演じていて好感が持てた。舞台装置は煙草屋の店先や赤いポストは見事に再現されていて風情があった。
オーガッタジャ!
発条ロールシアター
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2022/11/03 (木) ~ 2022/11/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
シンプルな舞台装置だが、廃ビルという異世界への入り口(壁の裂け目を木枠で覆っている)だけは精巧にできている。ここを出入りするだけで廃ビル感が出るから驚きだ。
会社をクビになって廃ビルをねぐらにしようとする男、環が様々な人物(フリーライターや掏摸たち)がいる世界と和服の男が出てくる世界を行き来し、どちらが現実なのか夢なのかわからなくなる件とか、元刑場の斬首役だった和服の男と環を重ね合わせて見せるところなどは脚本の巧さが光る。
細かいところでは、環がクビになった会社の作業着を着ていたり(会社に未練があるのか、もう着るものがないのか)名うての掏摸だった拝島のズボンが両ひざとも穴が開いていて落ちぶれた感が出てる、廃墟マニアがいかにもな格好だったりと衣装にも心配りがされていた。
笑顔の砦
庭劇団ペニノ
吉祥寺シアター(東京都)
2022/09/10 (土) ~ 2022/09/19 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
全てにおいて究極のリアルを追求したらこうなったという感じの作品。一般的に考えられる「物語」の概念とは少々趣を異にする。作りものでなくただ淡々と現実を写し取ったような印象。これがなぜか心に沁みる。
主人公の中年漁師は自分の「砦」で安穏と生活していた。しかしそこから外界を見た時、(隣室に引っ越してきた認知症の老親と息子の姿)少なからずショックを受け彼の中で何かが変わったようだった。しかしそれも一時のこと、お隣が引っ越していくと何事もなかったかのように居心地のいい「砦」で以前と変わらない生活が続いていく。これが何ともリアルじゃないか。だって人生をそんなことの連続のような気がするから。
セットの見事さには目を見張ったが、私はなぜか、誰もいない空気の澱んだようなアパートの部屋が強烈に脳裏に焼きついている。この空虚さは何だろう。それでいながら何か言いたげな饒舌さも持ち合わせている。
不思議な時間と空間を体験させてもらった。この作品に出会えたことに感謝。
「歴史小説家・霧島蒼龍シリーズ外伝 / 霧島隆子参上 ちょっとAC(交流)しちゃいます。」
SPPTテエイパーズハウス
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2022/09/01 (木) ~ 2022/09/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
主人公(霧島隆子)が無理やり「空想時代旅行」に持っていくような展開には違和感を感じた。また、もう一人の主人公であるニコラ・テスラの人生を描きながら、霧島隆子の過去が台詞の端々に現れ、ラストには行き別れた娘との再会というのはちょっとドラマとしては薄っぺらく感じてしまう。ダブル主演にしたことによって二人とも中途半端な描き方になってしまった感がある。桂ゆめさんをはじめ役者陣の奮闘には好感が持てた。
ダイバシティーファミリー
A.R.P
小劇場B1(東京都)
2022/08/03 (水) ~ 2022/08/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
意外性のある展開で物語にどんどん引き込まれ、最後は安心のハッピーエンドで心和む。
親子や夫婦といった「家族」を軸としたエピソードが次々と紡がれるが、決して性急ではなく各シーンとも心理描写が丁寧だ。心温まるドラマかと思えば、随所に笑いが散りばめられ、ショウパブのシーンでは観客を巻きこんでのショウアップも忘れない。
約1時間40分の作品でエンタメのエッセンスをこれでもかと詰め込んでくるのは「お見事!」と言うほかない。
ことし、さいあくだった人
藤原たまえプロデュース
シアター711(東京都)
2022/07/14 (木) ~ 2022/07/18 (月)公演終了
畳屋のあけび
CROWNS
シアター代官山(東京都)
2022/07/06 (水) ~ 2022/07/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
登場人物が多い分、前半は各人の役柄や関係性を把握するのに費やしてしまい、舞台上の出入りが激しくにぎやかな群像劇だな、くらいに思っていた。
しかし聡一の若年性認知症が始まり小春と二人のシーンがメインとなるにつれ、完全に魅了されてしまった。抒情的で何と美しい愛情の風景だろうか。こんな光景を舞台で観られるとは思わなかった。
小春役の國立幸さんの表情、セリフ回しの見事さに心を揺さぶられた。
ほおずきの実る夜に
藤原たまえプロデュース
シアター711(東京都)
2022/06/22 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
物語はシンプルだけど、思いがたくさん詰まった素敵な作品でした。冒頭のホラーなシーンが芝居の稽古だったとは...、やられた。一人二役もありそうでなかなかないし斬新です。ゾンビのダンスと気合いの入った盆踊りなど、この団体は見せ方が巧いです。今後も立て続けに公演があるようですね。期待しています。
小刻みに戸惑う神様
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2022/06/15 (水) ~ 2022/06/19 (日)公演終了
実演鑑賞
前回の「たましずめ」の時にも感じたことだが、なんだかふわふわしていて捉えどころがない作品だなという印象。何故だろうという疑問がぬぐえなかったので両作の作家、はせひろいち氏について検索してみた。すると今作のジャブジャブサーキットの公演時のはせさんのインタビュー記事が目に留まった。《最近、起承転結とか、観客を伏線とかで引っ張り込んでおいて、ここでこう見せよう、みたいなのが嫌で嫌で。》と語っておられた。そうか、それで合点が行った。私は起承転結があって伏線が張られて、回収されて...という「物語」に慣れ過ぎてしまっていたために違和感を覚えたようだ。長いこと観劇してきたつもりだが、今回、新鮮な驚きがあったと同時にこの作品の滋味を感じられなかった自分が情けない。
たぐる
ここ風
テアトルBONBON(東京都)
2022/06/22 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
愛すべきキャラクターが揃っていて、観ていてこういう芝居が一番楽しい。それに笑いのタイミングとセンスが絶妙で飽きさせない。(ふいに挟んでくる小ネタも外れなし)多数の人物が登場するシーンではにぎやかでスピーディーに展開、二人のシーンでは静かにスローで、と緩急も巧い。単なるコメディかと思いきや、終盤ほっこりしたり、しんみりしたり。お薦めです!
ムーランルージュ
ことのはbox
萬劇場(東京都)
2022/04/20 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
著名な劇作家の既成戯曲に小劇場で遭遇することはまずない。「斎藤憐」という名前は知っていても作品を拝見するのは初めてだ。この機会がなければ今後も観る事はなかっただろう。それだけでもありがたい。
舞台の方は約2時間半という長編ながら、時間を感じさせなかった。もちろん戯曲の力もあるが、それにも増して演者、スタッフの寄与するところは絶大である。その昔、新宿にあった小さな芝居小屋で、躍動し苦悩する人々の「生」が正に眼前にあった。観客は束の間、それを垣間見て納得したり、考えさせられたり...。これぞ芝居の魅力だ。
歌や踊りも素敵だったが、小道具や衣装もしっかり時代考証されていた。(衣装チェンジの素早さには驚いた)「ムーランルージュ」用語集も知らないことが多く、ありがたかった。感染対策も徹底されており、全てにおいて観客に「安全に楽しんで帰ってほしい」という演者、スタッフの気概が感じられた気持ちいい舞台だった。
一枚のハガキ
劇団昴
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2022/03/16 (水) ~ 2022/03/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
当日パンフの演出ノートで北村さんは「戦争という得体の知れぬ暗夜の底に突き落とされた人間が、崩壊から再生へと必死に這い上がる生命力を賛美し、その姿を粛々と再現したいと考えています。」と書かれている。なるほど、森川友子が慟哭する場面もサラッと暗転したり、暗雲に覆われた日々にどこかカラッとした場面が現れたりと、当時のリアルな日常が再現されていた。だからこそ戦争の狂気や悲惨さが痛切に伝わってくる。もちろんそれは昴の役者さんたちの確かな演技によって裏打ちされていました。
凪のように穏やかに
雀組ホエールズ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2022/02/17 (木) ~ 2022/02/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
被災して亡くなった者、被災して生き残った者、被災者に寄り添う者、被災地から離れて暮らし、震災から最も遠い者。様々な視点から描くことによって、震災の全体像がリアルに浮かび上がってくる。そういう配役の中でも、ポイントだったのは斉藤こず恵さん演じるキヨコ婆さんだ。単なるにぎやかし(失礼)かと思いきや、さにあらず。織部治一の先輩、杉浦友蔵の妻、典子に向かって「被災した当事者のことなんて絶対わからないんだ、わかったふりをすればいいんだ(“思いやって寄り添う”という意味だろう)。」というセリフが我々が被災者に接するときの正に答えなのだ。ラストのファンタジックな展開には少々面食らったが、亡き夫(織部治一)から生き残った妻と娘に対する最後のメッセージと捉えると胸が熱くなる。妻と娘を両手に抱きしめながら「二人が生きていて本当に良かった。」というセリフは、東日本大震災で亡くなったすべての犠牲者から家族に宛てたメッセージのような気がしてならない。
溺れるように走る街
吉祥寺GORILLA
劇場HOPE(東京都)
2021/12/09 (木) ~ 2021/12/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
「深夜ラジオ」というキーワードを通して描かれる絆とか愛とか。
伝えたいことは理解できるが表現がどこまで追いついていたかについては疑問が残る。例えば脳梗塞の後遺症を負ったミュージカル女優の姉がラジオを通して妹に語り掛けるシーン。物語のクライマックスであり、迫真の演技が求められるところだが不自由な言葉遣いは作りものの域を出ていない。(演じた日下さんは努力されたと思うが)これはどんな名優にとっても難役だろう。ミュージカルという身体表現の対極にあるものとして脳梗塞による身体不自由を選んだのかもしれないがそうだとしたらいささか安易だろう。女子大生の妹が姉の病気の発症を自分のせいにして見舞いに行けずにいる、という設定にも違和感がある。逆に毎日見舞いに行くのじゃないかな、という気もする。お笑いコンビの復活の過程もあっけなく淡白な印象。
マツバラQ
グワィニャオン
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2021/11/24 (水) ~ 2021/11/28 (日)公演終了
実演鑑賞
初見の団体だったが正直、私の好みではなかった。殺陣あり、ムード歌謡コーラスありとエンターテイメント性はあるものの肝心の物語には面白みを感じなかった。特に、どんなプレゼンも一蹴してきた出版社の二代目社長が(いくら編集長の熱意あるプレゼンがあったとはいえ)簡単に「松原忠司」本の出版を許可したのは合点がいかなかった。(何か伏線あったのかな?)ハッピーエンドの娯楽作品として細かいところはサラッと流して楽しめればいいのだが...。