実演鑑賞
満足度★★★★
現在と過去を交錯させながら、主人公チョビと彼女を取り巻く仲間や家族を淡々と描いていく。さして大きな事件が起こる事もなく、ありふれた会話、日常風景が続き、この先どうなることやらと思っていたが終盤になってそれが杞憂であったことを思い知らされる。登場人物各人のキャラクターとチョビとの関わりを丁寧に描くことでラストのどんでん返しが生きてくるという訳か。この不意打ちを喰らって完全に持っていかれる感覚を舞台で味わったのは十数年ぶりのだろうか。(東京セレソンDXを思い出す)
とは言え、惜しむらくは結論に至るまでの物語の道程に起伏が少なく多少冗長に感じる点。笑いの要素を増やすなり、エピソードを差し挟むなどピリリと効いたスパイスが欲しかった。
何はともあれ「風味絶佳」の作品であることは間違いない。ごちそうさまでした。