忍守シン(しのもり しん)が投票した舞台芸術アワード!

2018年度 1-10位と総評
揺れる中吊り

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揺れる中吊り

ガラ劇

ガラ劇は初見なのですが、完全にやられました。凄いの一言。こんな芝居を毎回やっているだとしたら驚き。
昔ながらの小劇場テイストの演劇でありながら、ただ古いというわけではない、独自のテイストを持っています。
この感じの芝居をするのに、役者さん達が全員上手いというのも驚愕。生演奏の音楽の絡め方や照明効果など、演出に最早一部の隙も無くて見事でした

『首無し乙女は万事快調と笑う』&『漂流ラクダよ、また会おう』

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『首無し乙女は万事快調と笑う』&『漂流ラクダよ、また会おう』

ポップンマッシュルームチキン野郎

「首無し乙女は万事快調と笑う」初日を観劇。
良かった。130分という長尺を全く飽きさせない。
谷口賢志氏の硬軟切り替える見事な演技に驚愕。最後の姿は本当に胸を打つ。
全体的には非常にシリアスで重苦しい話なのに、ふざけたシーンが同居できるというのは全くもって不思議である

卒業式、実行

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卒業式、実行

Aga-risk Entertainment

面白い。よくこれだけの本が書けるなと感嘆するしかない。作・演出の冨坂氏の頭の構造は一体どうなっているのだろう。重い題材を、こうも見事にコメディに昇華させる手腕は他の追随を許さない。
毎回、役者陣が良いのは言うに及ばず、今回は主役・榎並さんの輝きぶりは半端ない。

さよならサムゴー 再会

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さよならサムゴー 再会

サムゴーギャットモンテイプ

面白い。良く出来た群像劇。構成が見事で、キャストが20人以上いるのに一人一人がきちんと描かれ、物語が破綻せずにきれいにまとまっている。過度にエモーショナルにならず、それでいて心動かされるのは役者陣が達者だからであろう。小劇場演劇の良いところが詰まった作品。

白井あんさんのキラキラした笑顔の陰に隠れた性癖というのが良い

R老人の終末の御予定

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R老人の終末の御予定

ポップンマッシュルームチキン野郎

自信作ということもあり、良い作品でした。吹原氏のこれまでの作品の要素が詰め込まれた集大成的な内容で、かつ散漫にならず素晴らしい切れ味の物語でした。役者陣の素晴らしい演技と衣装(あれを衣装と呼ぶのか?)、照明や音響といったテクニカル面がこれまでの積み重ねの上に発展し、氏の世界観を見事に具現化しています。
なぜかポットが可愛い

センチメンタル・ジャーニーズ

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センチメンタル・ジャーニーズ

guizillen

Aチームを観劇。
とにかくパワーで押し切る力技で、確かに固定ファンがいるのも頷ける。
話の内容は似たような映画もあり古典的とも言えるが、役者の頑張りが光る演劇。

どれが亀山さんなのかわからなかったが、木刀を持ったことでわかった

天正―ときは今 あめが下しる 五月哉―

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天正―ときは今 あめが下しる 五月哉―

くっくている

主役の秀吉役のみならず、役者さんの演技が皆、良かった。ねね役の田代真奈美さんなど、立っているだけでも迫力があるというのは素晴らしい。脚本も良く、楽しめる内容であった。
裏切られるのが光秀、という展開が面白い

かざぐるま

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かざぐるま

ワイルドバンチ演劇団

酷暑の中、動き回る2時間。殺陣の激しいつかこうへい、といった趣のある熱い演劇でした。
まついゆかさん、さすが。
古田龍さん、突出して動きが良い

スタントウーマン!

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スタントウーマン!

朝倉薫プロデュース・ガールズハイパーミュージカル

楽しめました。話のテンポが良く、音楽の配分も丁度良く、観やすい舞台でした。
主役の真島なおみさんのスタイルの良さが特筆。
西条がアキを潰そうとする動機がはっきりしないのが難点。主人公が受ける試練なので、ここはもう少し丁寧に描いて欲しかった

最果て忠敬

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最果て忠敬

蜂寅企画

素直なお芝居で好感が持てました。
どこまで史実が含まれているか知識が無い為わかりませんが、エピソードの組み立て方が良かったです。ただ全体として平坦なので、もう少し話に起伏があると、もっと良かったです
前説では「笑って下さい」と言っていましたが、実際には笑う要素はほとんど無く、ほぼ全編シリアスでした。

総評

出来の良い芝居と、そうでもない芝居の差が大きくなっているように感じる。小劇場演劇のレベルの全体的な底上げを目指さなければならない。といっても大きい劇場を借りるとか美術に凝るとかではお金がかかり過ぎるので、出来る努力といえば台本の質を上げることと役者の力量を上げることくらいか

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