忍守シン(しのもり しん)が投票した舞台芸術アワード!

2017年度 1-9位と総評
【ご来場ありがとうございました!】熱海殺人事件「売春捜査官」

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【ご来場ありがとうございました!】熱海殺人事件「売春捜査官」

稲村梓プロデュース

良かったです。
これまで「売春捜査官」は何回か観ましたが(残念ながら、つかさん演出は観ていない)、今回のものが一番良かったように感じます。(こう書くと、これまで観てきたものがダメだったように聞こえてしまいますが、そうではないです)

情熱を傾けた舞台であったし、熱量を感じました。ただ単に情熱だけでは空回りしてしまいがちですが、本公演は役者さんの技術に裏打ちされた上での情熱だったと思います。だから観ていて高揚するのです。
終演後、主演の稲村梓さんに話しかけてみたら、丁寧に対応していただきました。可愛らしい方で、劇中の雰囲気とのあまりのギャップに驚きました。

『死なない男は棺桶で二度寝する』 &『オハヨウ夢見モグラ』

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『死なない男は棺桶で二度寝する』 &『オハヨウ夢見モグラ』

ポップンマッシュルームチキン野郎

「死なない男は棺桶で二度寝する」
最初はハチャメチャな要素を提示し、それを情感豊かに回収する様は見事と言うほかない。R18の回を観たが、ウエットなシーンが多いので、通常回よりもむしろバランスが取れて良かったかもしれない。全員上手い役者さんだが、主役の吉田氏はさすがに随一の芝居であった
「オハヨウ夢見モグラ」
短編集だが一本一本が濃いので何本もの名作を観たような印象。無理なく笑わせ、無理なく切ない気持ちにさせられる。短い尺でこれだけ感情がゆさぶられるのが天才・吹原氏の真骨頂である

憑依だよ!栗山ハルコさん!

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憑依だよ!栗山ハルコさん!

ホットポットクッキング

初日を観劇。面白い。さすが吹原氏。演出が冴え渡っている。
この良さの秘密はどこにあるのだろうか。おそらく各登場人物の抱えるもの、心の奥底に秘めたものを、わかりやすくエピソード化する技量にたけているのだと思う。
ラジコンのネタなど、過去のPMC野郎作品からの引用が懐かしい。

仏の顔も三度までと言いますが、それはあくまで仏の場合ですので 鰹&栄螺

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仏の顔も三度までと言いますが、それはあくまで仏の場合ですので 鰹&栄螺

ポップンマッシュルームチキン野郎

「鰹」を観劇。2013年の公演も観ているが、普遍的な面白さがある。
不謹慎さは若干減ったように思えるが、これでも一般的には十分過激なのであろう。
天狗の芝居が良かった

プロレス超初心者ですが未来を託されました

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プロレス超初心者ですが未来を託されました

コルバタ

もとより、演劇とプロレスは親和性が高いと常々思っていたが、本作を観てやはりそうであったかと確認。その場の状況に応じて動くことができるレスラーは役者スキルが要求され、プロレスラーが役者になるという例はこれまでもよく見られた。が、本作主役の志田光氏は逆のパターンで珍しい。元々は役者なので、しっかりした演技がされている。
オーソドックスでソツなく上手くまとめられた台本、演出が良かった。

室町シーザー

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室町シーザー

劇団YAX直線

面白い。小劇場演劇の王道、という感じの良作であった。
でも、「小劇場演劇に王道などあるのか?邪道こそが小劇場演劇なのでは?」という疑問も沸くが、「邪道も極めれば王道」ということなのだろう。そう思わせるだけの力のある舞台だった。自虐的に「インチキ時代劇」と称しているが、なかなかどうして、よく研究され良い脚本。役者陣にキレのいい演技が浸透しており、演出・原氏の意図が全員に伝わっているように見受けられる。

ピタっと決める所が決まらなかったり、舞台奥の目隠しが揺れて裏が見えてしまったりと、残念な点はあったが・・・。細かい部分で難点なあるものの、それを上回る面白さが良かった。

桜花と風の追憶

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桜花と風の追憶

空想嬉劇団イナヅマコネコ

旗揚げ公演の、初日初回を観劇。観ているほうも緊張するものですが、無事終了。
多くの要素を入れ、最後まで展開の読めず目が離せない物語でした。
作・演出はPMC野郎出身のCR岡本物語さんだけあって、単なるファンタジーにとどまらない、笑いも毒もある良い舞台でした。
役者陣の中では黒咲ちよこさんが良かった。(緑の銃を持った人です)

3年B組金玉先生

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3年B組金玉先生

Peachboys

下品なタイトル、下世話な話、どうしようもないくだらなさ。それを大の大人が真剣にやる様が清々しく感動的。冒頭から最後まで人を喰った(文字通り、登場人物が一人、喰われる)ネタ満載で、無理矢理笑わされる。なにより、演者たちが演技の上手い人が揃っているからこそ成立する力業なのであろう。楽しめる。

孤独の観察

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孤独の観察

シアターノーチラス

同調圧力や無自覚の攻撃が人を傷つけるという、人間の残忍性の本質を描く作品。
テーマや問題に真摯に向き合う姿勢が良いと感じた。
本当はもう少しメリハリがあったほうが観易くなるのだけど、話の展開上、致し方なし。

途中で犯人がわかってしまったのだが、登場人物は少ないし、推理モノというわけではないのでこれで良いのであろう。
ヒナの姉は、母親にしたほうがもっと説得力が増すのではないかと思った。
瀬戸の夫は美味しいところを持って行く役で、これはズルい。

総評

自分の公演もあって、観劇に行けない時期があったり、知り合いの出ている作品を優先して観たので、どうしても偏りが生じてしまうが、偏りは誰にでも生じることと割り切ってこの順位付けとなった。
芝居の面白さはどこから来るか。ストーリーや仕掛けも確かに大事だが、やはり役者の情熱が重要な要素であると再確認した一年であった。一所懸命稽古し、頭をフル回転させ、とことん良いものを追求する。その姿勢が観客にも伝わるのだ。

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